goo

ブナ・2~高尾山4号路

 ブナ科ブナ属の「ブナ(ぶな※)」。樹高30メートルにもなる落葉高木で冷温帯林の代表的な樹木になる。本州では標高1,000メートル以上の山地に多く、青森県と秋田県に広がる白神山地のブナ天然林は世界遺産にも登録されている。
 標高599メートルの高尾山ではイヌブナが多く生育しているが、ブナはそれほど多くないものも70本を超える数が確認されている。高尾山登山道を境に南側斜面(2号路南側・3号路など)は日当たりが良く常緑広葉樹林になっているが、北側斜面(2号路北側・4号路・いろはの森コースなど)は一転、落葉広葉樹林が拡がっており、イヌブナやブナが見られる。ブナは1号路の標高380メートル付近から見られ、ケーブル山頂の高尾山駅(標高470メートル)では“駅前ブナ”が間近に見られる。
 そもそも標高の低い高尾山にブナが生育している理由のひとつに富士山噴火説がある。日本は1万年前の氷河期以降、小さな寒暖を繰り返しながら次第に現在の温暖な気候になっているが、江戸時代に小氷期があったとされている。この頃、ちょうど富士山噴火(宝永大噴火:1707年)があり、低温多雪が一定期間続き、その間にブナの種子が南下して高尾山にブナが芽生えたのではないかと考えられている。高尾山のブナは花も咲きドングリもできるが、残念ながら温暖化もあり今の環境では、新しく芽生えて成長する若木は無い。“元禄ブナ”と呼ばれていた巨樹は老齢化で枯木化が進み2011年の台風で倒れてしまったと聞く。今残っているブナも次第に数が減っていく運命なのかも知れない。写真は“いろはの森コース”のもの。
 ※ぶなの漢字は木へんに無。
コメント ( 14 ) | Trackback ( 0 )

ハダカホオズキ・5~霧降の道

 長沼公園“霧降の道”で見られる「ハダカホオズキ(裸酸漿)」。ナス科ハダカホオズキ属の多年草で、ホオズキのように花後に果実を包み込まないため“裸”の名前が付けられている。果実は液果で直径8~9ミリ。写真は若い果実でこの後、赤く熟していく
 長沼公園では昨年まで柿の木谷戸で見ていたが、今年はそこでは姿が消えてしまった。ナス科植物は“連作障害”を起こすと聞くが、このハダカホオズキもどうやらその性質があるようだ。今年はここで果実が見られたが、果たして来年はここで花が見られるだろうか。
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )