プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

夢の値段のつづき

2006-12-10 14:33:05 | 日記・随想
さて、宝くじのからくりの話のつづき。

まずは例題。6人がそれぞれくじを引き、ひとつに当たりがあるとします。
くじを引く順番によって、当たりを引く確率はそれぞれどうなるでしょうか。

答えは、どの順番で引いても当たる確率は一緒です。
最初の人が当たりを引く確率は、1/6。
最後の人が当たりを引くのは、1~5人目までがはずれを引く確率と一緒なので、
その確率は、
5/6 × 4/5 × 3/4 × 2/3 × 1/2 = 1/6
で、やはり1/6です。

宝くじを買う時は、何か幸運にあやかりたいものなので、群集の心理として、
過去に当たりが出た売り場から買いたいと思います。

当たりが多く出るという宝くじ売り場に、行列ができるのは次のメカニズムによります。

(1)過去に当たりが出たということで売り場が有名になる
(2)売り場に人が行列をつくる
(3)そこの売り場の売り上げがあがる
(4)宝くじを多く売った分だけ、当たりが多く出る
(5)当たりが多く出たということで、また有名になる
この繰り返しです。

先の例題から考えれば、どの売り場から買っても、宝くじの当たる確率は一緒です。

さて、宝くじは全国の自治体が発売し、その収益は公共事業等に使われる、ということが宝くじにも明記されています。

つまり、我々が「夢の対価」として払ったお金が、公共事業という現実的なものに巧妙に変換されているわけです。

そう考えれば、宝くじ売り場に行列をつくる人々は、公共事業に投資するために行列をつくっている人々、とも見れますね。