オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

LP2020A+追加購入と改造1~D級アンプ2台でのマルチ化の準備~

2017-11-12 22:40:19 | マルチ化評価
 今回は、前にLP2020A+を改造したが、2台目を導入し改造したので、その話です。重低音のソースを再生する場合に重低音を補強する為に追加する重低音用のアンプをD級で揃えようとしています。

 ■1)ホーンスピーカーと低出力アンプの組み合わせ
 これの話をする前に、You Tubeでホーンスピーカーと低出力真空管アンプの組み合わせを公開しておられるのを最近みて、当方の考え方と似ているなと感じたのでそれについて少し。タイトルは、”GIPラボラトリー社製3WAYオール励磁型30154ホーン…”というので、You Tubeで検索したら沢山出てきます。音は非常にまろやかな、生に近い音だと思います。アンプは、WE-205Dシングル0.6W単段パワーアンプです。当方も、真空管ではないですが、D級アンプで9.5W位しか出ません。スピーカーも低音はコーンですが、上2つはホーンで、103dbと高能率ですので、組み合わせは似ています。この方向も一つの解です。これと間逆なのが、超ド級アンプと低能率広帯域スピーカー(B&W800等)の組み合わせです。結局は、原音に近い音場が再現できれば、どちらでも良い訳です。

 ■2)重低音再生用のシステム
 これは、以下のような構成を考えています。

 CDプレーヤーからの出力をRCAケーブルの2分岐で2つの出力を出して、一方を現状の620Aに繋ぎ、他方はチャンデバCX2310を通して40Hz以下を4331Aの中にある2231Aに繋ぐという構成です。40Hzにしたのは、以下のMySpeakerの測定で40Hzから10db/Oct位で低下しているからです。


 ■3)LP2020A+の2台目の購入
 これは、オークションで最近入手した。カモンという中古ショップの出していたものです。実は、これは4台目ですが、2台は娘が使用しているので、私の分としては2台目です。

 ■4)改造準備 ポップ音対策と電源リップル低下用のC容量拡大
 これをまず実施。パーツは、日本橋で買ってきましたが、ニチコンのKAが2個(1000μF,10000μF)と東信UTWRZ(470μF)で350円でした。

 次に改造前のLP2020A+と購入部品と、手持ちのゲイン低下用の抵抗22KΩを測っているところです。右上の3つの購入コンデンサーの下にある黒い被服を巻いた抵抗は、100Ωでポップ音対策(OFF時)でジャンパー線と直列に繋ぐ用です。
 
 電源リップル低下用のC容量拡大は、今回はニチコンKAにしました。前回FWとは違います(サイズが少し小さいのでKAがベター)が、電源ですので店にあったもので十分です。これも前回同様LCRメーターで測りました。

 これは、11590μFと結構定格より大きいです。

 ■5)改造
 改造後は、下記。

 左の下の赤い線の上にあるのが小豆色で東信の470μFで、電源ON時のポップ音対策用です。右にある青いのは、ニチコンKAで、C29の1000μFで、基板の裏には、手持ち100ΩでC29の+とTA2020の8ピン5Vをシャント(電源OFF時のポップ音対策用)しています。左上の青い大きいのが電源リップル低下用ニチコンKA10000μFです。右に並んでいる黒いコンデンサーが元付いていたものですが、一番大きい電源用は汚れているので中古部品を流用していますね。基板の色も今回は青ですが、今までの3台は赤です。バージョンが様々あるようです。

 次回、この状態での評価結果をお話します。
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スピーカー最適位置の再検討

2017-11-08 22:08:52 | ルームチューニング
 前回、1/12にアップしたが、ルームアコースティック関係で定在波の影響を改善できたとして、スピーカー最適位置を決めてから、約1年近くになる。その時は両側の壁から1.8m以上離せば低音の定在波影響が低減できるという結論でした。それから1年弱経ったので、今回改めて特性評価を再度やってみました。

 ■1)再評価理由
 前回、スピーカー最適位置を決めてから、約1年近くになる。その間に、①カーペットの増加、②スピーカー系統の変更(前回は、JBL4331Aの2231Aをサブウーハーに使った620A+2405Hであった)や、③本やスピーカーの増加、④家具の移動、⑤コーナーの吸音(上2箇所)等の変更要素がある。今回改めて特性評価を再度やってみました。

 ■2)実験状況
 これは、右のような状況から開始。
 右側のスピーカーは、右側の壁から160cmの位置に620A+2405Hのセンターが来ています。前回評価で右側の壁からもう少し離す(180cm以上)必要があると考えて、現状ではラックから6cmしか離れておらず、これ以上左へは行きませんので、ラックを左へ移動する必要があり移動しました。測定風景は、以下。

 右端にある三脚上のマイクで左側の620Aの音を拾っています。マイクは、大体通常の聴取位置になります。

 ■3)WG/WSによるスピーカー(620A+2405H)位置の再検討(右側SP位置)
 このデータが、以下。WGは、①~④は右R側のみ、⑤は左L側のみ音を出しています。

 前回の結果より、左側のスピーカー(SPと略記)は、左壁から183cm(前回170cmと記載したが誤り)離れており、問題ないと考え、右側SPのみ検討した。①は、右側SPの位置が右壁から145cmでのFFT、②は155cm、③が165cm、④が175cm、⑤は、左側のSPのFFTです。予想としては、①の壁よりの位置では、定在波(65Hzのピークと90Hzのディップ)が出ると思っていましたが、①~④では水色の○に出る定在波影響が出ません。尚、⑤はレファレンスとしての左側SPのFFTで、これも定在波は見えません。もう少し感度の良い測定法としては、MY Speakerがあるのでこれも見てみました。

 ■4)MY Speakerによるスピーカー(620A+2405H)位置の再検討(右側SP位置)
 この結果は、下記。My Speakerの場合は、両方のSPから音を出しています。

 WG/WSよりは、高感度に変化を見れるMy Speakerでの測定結果ですが、①が、右側SPの位置が右壁から140cmでのFFT、順に②は150cm、③は155cm、④が160cmです。水色の○に出る定在波影響は、①~④まで変わりません。また、赤色の○で囲んだ8KHz付近の盛り上がりは、③の155cmでは見られませんが、他の条件では見られます。これから、155cmが最もフラットに近い条件と考えられます。尚、今までは、160cm離していました。もっと右壁から離した行ったのが、下記。

 水色の○で囲んだ定在波影響は、⑤165cm、⑥170cm、⑦175cmで変化無しです。赤色の○で囲んだ盛り上がりも⑥⑦ではありますし、⑤では盛り上がりは無いものの、13KHz付近のディップが③の155cmより大きいです。

 これより、右側の壁から右側のSP(中心)までの距離は、155cmがベストです。この位置関係は下記の図です。

 ■5)上記ベスト条件155cmで、TVをラックの前に設置後の確認
 この結果が、下記。My Speakerの場合は、両方のSPから音を出しています。

 上が、TV設置前で、下がTV設置(+ラックの4段目までの装置を設置)後です。何と、上側で水色の○に出ている低音の定在波影響(80Hz付近のピークと特に110Hz付近の深いディップ)が激減しています。やったことは、ラックの4段目までが空だったので、1段目にレコード135枚を入れて、2段目にプレーヤー、3段目にCDP-555ESJ、4段目にCDP-M54とアンプと、小型SP2台を押し込んで、TVをラックの前に置いただけです。尚、②と③は条件は同じで、日が違うだけです。
 原因を分離する為に、ラックに物を入れたままで、TVのみ除外したのが、④です。これを見ますと、110Hzのディップは、-20dbまでは落ちてはいませんので、③と大差は無しです。

 ■6)MY Speakerによるスピーカー(620A+2405H)位置の再検討(右SP位置による高調波歪)
 この結果は、下記。My Speakerの場合は、両方のSPから音を出しています。

 ①は、右側SPの位置が右壁から140cmでの高調波歪、、②は155cm、③が160cm、④が175cmです。高調波歪(2次・3次)は、本来の音圧比で+40db表記です。4つとも高調波は同レベルと見れます。FFTについては、①から④に行くに従って、8KHz付近が盛り上がってきますが、これはSPが内側に来ることによるSPの指向性か、定在波の位置による差で上がっています。

 ■7)考察
 ①低音の定在波影響が今回距離により変わらなかった理由:これは判りません。時間が経ちすぎており、変化が余りにも多いので、■1)で書いた①~⑤までのどれが利いたのかは?です。
 対策としては、2231Aを止めたり、カーペットを追加するような大きな変化があったときは、My SpeakerでFFTを採っておく事が必要で重要です。
 ②TVを設置後に、低音の定在波影響らしきものが激減した理由は、ラックの空洞共振を拾っていたのが物が詰まって解消された為か、或いはTVがバッフル板となり定在波を弱めた為かどちらか、と考えました。翌日の実験から、110Hzの深いディップの原因は、主にラックが空でその空洞共振と考えられますが、TVの影響も80Hz/110Hz辺りのピーク/ディップには若干あります。110Hzの半波長は1.55mですので空になっていたラックの4段目までの空洞共振ではないかと考えています。⇒やはりラックは、皆さんが採用されているようにパイプラックの方が、反射や共振等が無いので良いと思います。
 ③赤色の○で囲んだ8KHz付近の盛り上がりは、③の155cmでは見られませんが、これは、石井式の専門領域の位置による定在波や共振の影響が出ていて、今の聴取位置(マイク位置)では155cmで8KHz±2KHzの周波数の定在波や共振の影響が最も少ないのではと思います。ですから、マイク位置を変えたらまた少し違ってくると思います。まあ、通常の聴取位置は固定しているのでこれでベスト条件が出せればOKです。

 ■8)155cmに変更後の試聴
 155cmでの状態です。ラックは、両SPのど真ん中です。
 まだ、マイルスの”バグス・グルーヴ”と”カインド・オブ・ブルー”位しか聴いていませんが、より自然な音に近くなり、クリアーさが更に増したように感じます。ミルト・ジャクソンのビブラフォンがよりクリアーに聴こえるのは、プラシーボかも?ですね。
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ルーム・アコースティック ~コーナーの吸音~

2017-11-02 11:35:30 | ルームチューニング
 今回は、昔良く問題となったコーナーに低音が集まるということについて少し考えてみました。1/12にアップしたルームアコースティックの定在波の続きと思ってお話します。結果的には、改善ということには、前回と違っていきませんでしたが、定在波を評価する指標として用いたMy Speakerの残響特性は、再現性を採るのが難しいということが判りました。再現性が無いと言うことも一つのデータですのでそのつもりで聴いてください。

 ■1)定在波対策
 1/12のアップは、低音・特に定在波を問題にしていたと思うのですが、その時の結論は、定在波は、スピーカー位置で対応できているということで、横方向の壁から1.8m以上の位置にスピーカーのセンターを持って来ればいいということです。でも現在は、部屋の寸法の関係で、右側は、1.6m、左側は、1.7mと若干の定在波がある状況です。以下は、My Speakerでステレオで通常聴取位置にマイクを置いて採ったFFTと残響データです。

 上の、水色の〇で囲んだところが、定在波影響の凹凸ですが、このレベルまで下げれば聴感上は問題はないレベルですが、改善するにこしたことはありません。これは、両方のスピーカーを1.8m以上横壁から離せばもっとフラットになります。しかし、そこまで狭めると、今の部屋では横寸法が4.9mしかないのでスピーカー間が1.3mとステレオ感がなくなりかけます。FFTの下のグラフが、従来の残響データで、部屋の右側の辺の上2箇所のみに吸音材を置いていた場合のデータ例です。
 そこで、これ以上スピーカー間を狭めなくても、水色の〇で囲んだところが、フラットになるようなことが、コーナーの吸音対策で出来ないかと考えて、合わせて残響も安定しないかなと欲張ってみました。

 ■2)コーナー吸音に用いたマット
 これは、別の部屋に敷いていた、EVA製のジョイントマットが不要になったので、これを利用することにしました。EVAというウレタンに似た材料でできたジョイントマットで30cm角で厚さ1cmのもので、これをMAX80枚使用しました。写真は以下。

 左側に写っている620Aの横に80枚積んでいます。ウレタンのような材質ですので吸音は十分します。

 ■3)コーナー吸音の方法
 これについては、以下の平面図で説明します。図中の2)3)は、1/12のアップの本文中の2)3)に対応しています。

 部屋の寸法は、図に記載しているように、横が4.9m、縦は2.64mです。左上のドアの角をAとし、時計回りに右上をB、右下をC、左下をDとします。上の写真は左側の角がBで、右側の書棚の角がCです。
 1)マット無し
 2)3箇所の下のみマット(A・B・D各:15枚)⇒下のみに均等配置
 3)3箇所の下と、BとCの上にもマット(下のA・B・D各:15枚、上のB:スポンジ*1、C:13枚)⇒最も均等な置き方
 4)従来:BとCの上にのみマット(B:スポンジ*1、C:13枚)⇒片辺の上のみ
 5)BとCに集中してマット(B下:35枚、B上:スポンジ*1、C上:13枚、C下:30枚)⇒片辺に偏在
 6)4)に加えて、下は、Aに35枚、B,Cに15枚づつ設置⇒78枚とMAX枚数を投入
    *1:B上のスポンジは、(31cm×23cm×14cm)

 ■4)実験結果
 条件を変えて、FFTと残響(5回測定)を測定したのが、以下です。

 上から順に1)~6)の条件を変えていますが、先ず左端のMy SpeakerのFFTは、6条件共に変わらないと当初判断したが、詳細に見ると少し異なります。1)のマットなしでは、1.8KHzのクロスオーバーでディップが見えますが、他の条件では少なくなっています。又300Hz付近に出るディップが、1)では見られませんが、他の条件では見られます。小さい順に
        1)<3)<2)<6)<4)<5)
となります。
 その右からは、残響データが、5回分右に並んでいますが、これも有意差があるかというと無いです。50Hz-100Hzで残響時間がグラフのMAX値1.2秒を超える回数と50Hz以下がノーデータになる回数、が以下です。
   Max超え回数     50Hz以下ノーデータ
 1)1回               1回
 2)2回               1回
 3)1回               0回
 4)1回               3回
 5)2回               1回
 6)0回(但し、1秒超えが2回) 1回
 Max超え回数は、各条件1~2回ありますが、これも実際残響は、この3倍位(各条件15回程度)測定したのですが、ばらつきます。残響時間自体も床は、殆どの面積をカーペットでカバーしているので、デッドで、0.3秒位になるようにしています。
 強いて、有意差を見出すとすれば、5)の片方の辺に吸音材を集中するような置き方をすると、100Hz以下が少し残響が大きくなるように見えますので避けた方が良さそうです。
 また、3)を見ますと、Max超えが1回で、50Hz以下ノーデータは、0回ですので、吸音材を導入するとすれば、4角は均等に設置するのが、良さそうです。これは、気持ち程度で有意差があるかどうかは?です。

 ■5)結論
 これは、中々言い難いですが、敢えて云うと以下です。
 ①ジョイントマット(Max80枚)を各角に設置した場合、設置の方法・枚数を変えてもFFTは、殆ど変わらない。但し上記の若干の差はある。300Hzと1.8KHzの両方のディップが最も少ないのは3)の均等に配置したケースである。
 ②ジョイントマット(Max80枚)を各角に設置した場合、設置の方法・枚数を変えても残響は、殆ど変わらない。但し片辺に集中配置すると、低音の残響が大きくなる傾向がある。
 ③上記を考慮すると、低音の定在波の対策は、やはりスピーカーの設置位置が最も効果がある。
 ④ジョイントマット(トータル80枚)を導入する場合は、4角には均等に置くのが比較的良さそうということで現状は、ドアがあるAは置けませんので、A以外のB,C,Dの角に吸音材を置いています。
⑤当方の部屋については、残響が0.3秒程度のデッドな部屋であるが、この部屋で My Speakerの残響特性を測定した場合、再現性に乏しいデータとなった。

 ■6)残響データが、1回1回バラツキが大きい理由
 これが全く判りません。物理的には、そんなにばらつく要因は無いように思うのですが、実験結果は、バラツキが多い。この程度の吸音材の量では、低音に有意差を与える程の効果は無いのかもしれません。まあ、反射とか散乱とかの影響を受けるのでバラツク要因が多いのかもしれません。

 ■7)低音を吸収する為の条件
 よく考えると100Hzでも波長は、3.4mです。半波長でも1.7mですので、原理的に吸収で対応するのは、そのレベルのディメンションの吸収材が必要と言うことかもしれない。よく聞く吸収管がそれくらいの長さがあるのはそういう意味かもしれません。とすれば、吸収法で低音の定在波を対策するのは、結構やっかいということになります。上のFFTデータでも300Hzとか1.8KHzで少しディップが変化しているのは、30cmレベルの吸収材では、その辺りに影響するのでは、と思います。
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