オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

JBL4331AのRDA560によるマルチアンプ駆動(1)

2021-01-27 07:21:56 | デジタルチャンデバ付きアンプ
 JBL4331Aは大学生時代に購入したもので、2420を外して評価に使っていました。最近までウーハーである2231Aをアドオンのサブウーハーに使っていたのですが、波形評価で付帯波が多くHiFiと言う観点では宜しくないので現在不使用。現状はRDA560で620A(+2405H)を鳴らしており満足しているが4331AもRDA560で駆動したら音質が改善できるか味見と言う感じでやってみました。
 1/27青字追記 今週のNHKの美の壺は、薪ストーブ。最後に上方に燃えるガス炎の美しいこと。オーロラの炎。後半では我敬愛するロリンズの”DECISION”をやってくれた。この13小節の変形ブルースをやってくれるなんてのは渋い。D・バードも好演。”グロラ・モカの出来事”もやって欲しいな。それと章の切れ目の”シャリーン”と言う音が弾けて走る。右上から左下へ。定位が決まるとそうなるのか?プラシーヴォ?

 ■1)まずは、外していた2420を組み込む
 2420を組み込む前ですが、このように外していた2420のホーンの穴もバスレフ穴も丸いEVA樹脂で塞いでいました。

 先ずはウーハーを外しました。

 1人でやるにはコツが必要。写真のように右手で2420の後部を掴んでバッフル板に空いている穴にホーンの先を載せます。

 載せたら裏側に回って2420を回転していってバッフル板に空いたネジ穴とホーン先に空いているネジ穴をアライメントします。穴の先が明るくなったら合っているということでその状態のまま箱の側面に体を持ってきて左手で短い+ドライバーでバッフル板側から4本のネジを締めてホーンをバッフルに固定します。1台目はこの要領が判らなかったので妻を動員し、ウーハーを外してウーハーの穴から2420を入れてバッフル板の穴に乗せて、裏側に居る妻に2420を持ってもらい回して貰って私は前からアライメントを確認して4本のネジを締めました。2台目はこの経験からウーハーは付けたままで1人でもできると判断してやりました。
 やっと以下の状態に戻りました。

 バスレフポートにはEVA樹脂で蓋をして密閉化しています。そこから出ている赤黒のケーブルは2420に繋がっておりマルチアンプ用です。以下のデータはそれを使う前のEXT端子を使った時のデータです。

 ■2)4331AのExt端子(グラフ中のネットワーク無し)からの駆動データ(F特)でカットオフ周波数を決める。
 カットオフは、オリジナルのパッシブは800Hzですがこれだと数百Hzのところのレスポンスが鈍いというか遅い或いは部分的な音の欠落感がしますので可能な限り低くすると言うことで500Hzとしました。

 このF特の上段の右側が2420のExt端子駆動です。400Hz位からはフラットですので500Hzなら大丈夫です。上段はネットワーク無しと書いていますが実際はEXT端子のことでHPFとATTが入っています。

 ■3)カットオフ500HzでEXt端子からの駆動でのWG WSで見た F特
 とりあえず、4331Aの低域は密閉改造版で、味見の為にカットオフ500HzでQ=0.642のスロープでレシピーを作ってみました。4331Aは620Aをメインにしている為その外側に置いており左右の4331Aの間隔がセンター・センターで~2.9mと広い(620Aは~1.6m)のでマイク位置は通常聴取位置では角度がきつく高域が角度で減衰してしまうのでJISライクで距離1m(高さは73cm)としました。4331AのEXT端子は、HF(同軸ツイータ)はアッテネータがそのまま入っているので、ゲインは両方0dbで音圧はほぼフラット(それでも若干低音リッチ)になった。

 F特的には、WG/WSで見ると上記ですが、もう少し詳細を見るためにMy Speakerで見てみました。

 ■4)カットオフ500HzでEXt端子からの駆動でのMy Speakerで見た F特
 これは、

 低音リッチは変りませんが、低域で定在波のピークディップが大きい。これは4331Aの設置位置が620Aの外側に置かざるを得ない関係でスピーカー間隔が上記~2.9mと広過ぎるからと思う。フラット性からは高域を5db上げた方がベターだが、それより定在波を何とかしないといけないが、620Aの位置に持ってくるのはしんどい。

 ■5)この状況での音
 ちょっと聴いただけなので正確な評価とは言えませんが、ジャズを聴いてみた所ではやはり低域の弾みが620Aに比べると劣る。少し篭ったと言うか弾みが少ない。2420もEXT端子側でもアッテネータとHPF(これが何とINT端子側より回路図上カットオフが低い?)も入っているので折角RDA560でデジチャンを通している意味が無い。

 4331Aのネットワーク(3131A)については2017年3/1にアップしているのですが謎が多かったこと及びEXT端子のHF側も上記謎があるので、次回は、それについてLT Spiceを使って調べてみることにします。
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620Aの604-8Gのタイムアライメント見直し

2021-01-18 10:29:14 | タイムアライメント
 1/8のアップでも追記しましたが、604-8Gのタイムアライメントを見直しました。604-8Gは、ウーハーも同軸ツイータも+(赤:ホット側)に+電位を与えるとコーン紙が前に動くような方向にボイスコイルが巻いているのでタイムアライメントも同相で測定しました。波形観測をスルーしていたのがミスでした。1波トーンバーストに使う評価周波数についても、前回は1.65KHzでしたが高い周波数の方が精度が上がるのでウーハーの使える上限の2.5KHzまで引き上げました。
1/20青字訂正追加 昨夜ヴァイオリンを習っている妻に今の遅延時間設定でヴィヴァルディ:「四季」を聴いてもらいました。従来コメントは無かったですが、今回はホールで聴いているような自然な演奏という感想でした。

 ■1)逆相にしないと位相が合わない説明 ~通常聴取位置マイクでの評価~
 これは、

 上段がR(右)側ユニットで、下段がL(左)側ユニット、左のオシロ波形がウーハーのみで、中央はウーハーに対して同相にした同軸ツイータのみで、右のオシロ波形がウーハーに対して逆相にした同軸ツイータのみです。
 上段のR側ユニットで見たら、左のウーハーはースタートですが、中央の同軸ツイータを同相にした場合は、+スタートですので位相が合っていませんが、右の同軸ツイータ逆相ではースタートでウーハーと位相が合います。
  前回12/21のアップでは、同軸ツイータを同相でタイムアライメント調整してしまったので+側のパルスを合わせたら1/2波長ずれて合わせたことになってしまっていました。それでウーハーの遅延が~5cmと少なくなってしまったのです。
 しかし、通常聴取位置マイクでは、距離が~2mもあるので付帯波・BG(Background)ノイズが多く確認しにくいし、主波も2回ダブっていて反射波も拾っていますので擾乱が多い。(L側の方が位置起因でダブりの程度が大きい)

 ■2)逆相にしないと位相が合わない説明 ~マイク距離10cmの近接評価~
 通常聴取位置ではマイクとスピーカー(SP)が2m位離れているのでどうしても付帯波・BGノイズが大きくなります。S(Short)C(Cycle)F(Feedback)的に付帯波を少なくするには、マイク距離を短くすれば良い。ですので、マイク距離を10cmと超ニアーフィールドにしました。波形の+ーのみ見ればいいので以下のように同軸の真ん前10cmにマイクを設置。

 1波トーンバースト波形は、

 上段がR(右)側ユニットで、下段がL(左)側ユニット、左のオシロ波形がウーハーのみで、右のオシロ波形がウーハーに対して逆相にした同軸ツイータのみです。
 例えば、上段のR側ユニットで見たら、同軸ツイータを逆相にしてどちらもースタートですので位相が合っています。時間軸を3倍に拡大したこと及び、マイク距離を短くして付帯波・BGを非常に少なくする事で評価が正確にできるようになりました。左右のオシロの比較でやはり同軸はアルミ合金ダイヤフラムなので止めにくく2回目のーパルスまで出ているが右のウーハーはそれが2割位しか出ていないので2.5KHzではウーハーの方が波形を見た限りでは有利。

 ■3)L(左)側ユニットのタイムアライン ~マイクは通常聴取位置~
 先ずは、遅延無しで両方鳴らしてみました。Fc=2.5KHzでクロスした場合の2.5KHzの1波トーンバースト波形です。オリジナルのパッシブNWなら同相接続なのでこの間隔で 赤●の+側ウーハー波と緑●の同軸ツイータ波が反転して並んでいるはずで、逆相接続で以下の波形となる。

 赤●が1st+側ウーハー波で緑●が1st+側同軸ツイータ波です。この2波の遅延は0.38mSですので距離換算で130mmとなります。つまり1st+側のタイムアライメントは、ウーハー遅延130mmです。これをベースにウーハー遅延を変えてみたのが、

 左上からウーハー遅延=0cm、10cm、13cm(1st+ピークのアライメントできた距離)
 左下からウーハー遅延=15.7cm(1stーピークのアライメントできた距離)、20cm
 ウーハー波形と同軸ツイータ波形がシンメトリーでない(+波の方が高い)ので、1st+ピークでタイムアライメントの合ったウーハー距離と青●で示した1stーピークでアライメントの合った距離は異なります。

 ■4)R(右)側ユニットのタイムアライン ~マイクは通常聴取位置~
 これも、遅延無しで両方鳴らしてみました。Fc=2.5KHzでクロスした場合の1波トーンバースト波形です。赤●緑●の識別はWGのゲート比を最適化することにより波形を静止させることができるようになって初めて可能となりました。静止波形を見て片方のユニットをMuteでON/OFFしてどちらの波か確認した。

  赤●が1st+側ウーハー波で緑●が1st+側同軸ツイータ波です。この2波の遅延は0.437mSですので距離換算で150mmとなります。つまり1st+側のタイムアライメントは、ウーハー遅延150mmです。これをベースにウーハー遅延を変えてみたのが、

  左上からウーハー遅延=0cm、10cm、15cm(1st+ピークのアライメントできた距離)
 左下からウーハー遅延=17cm(1stーピークのアライメントできた距離)、20cm
 ウーハー波形と同軸ツイータ波形がシンメトリーでないので、1st+ピークでタイムアライメントの合ったウーハー距離と青●で示した1stーピークでアライメントの合った距離は異なります。

 ■5)+ピーク合わせとーピーク合わせのベストポイントを探る
 これを精度よく行うには先ず第一は近くにマイクを置くことですのでマイクを10cmの距離にしました。更にタイムアライメントを取る必要条件が経路を通常聴取位置上にあることですので距離は10cmであるが真ん前に置かず写真のよう通常聴取位置とスピーカー音源中心の経路上に設置しました。

 マイクを通常聴取位置に置くよりは精度は落ちますがそれではノイズが多くなるので現実的な最善の策です。これで評価した結果は、マイクが近接なので反射波の特徴のダブりは出ない。+ーピークの均等合わせの方法は両波を静止させオシロに出しておいてウーハー遅延量を逐次(1~2mmずつ)変えていって+とーのピーク高さの絶対値が等しくなるようにしました。

 上段がR(右)側ユニットで、下段がL(左)側ユニット、左のオシロ波形がマイクをSP真ん前の10cm距離に置いてーピーク合わせのウーハー遅延距離を採用した場合で、右のオシロ波形が経路上10cmマイクで+ーピーク均等になるように合わせた場合です。右側の方が∔-ピーク高さが均等であるのが判ります。又左下のグラフでは+ピークはスプリットしていますのでーピークは合っているとしても+ピークは若干ズレています。
 もちろん右側の結果を得たい為にやった評価で、結果はR側ウーハー遅延=16.1cm、L側ウーハー遅延=14.4cm、という結果です。実際の1波トーンバースト波形でNWを通したウーハーとツイータの両方鳴っているカットオフ周波数の音をマイクで収録してここまで綺麗なオシロ波形は見たことはありません。デジチャンで遅延を合わせた同軸ユニットは、音源が1点に集約できる事や評価面ではマイク位置の選択可能範囲が広く取れる事の優位性を感じます。まあ2405Hまでの同一音源位置化は無理ですが。

 ■6)ーピーク合わせでのF特
 最終条件のウーハー遅延(R側ウーハー遅延=16.1cm、L側ウーハー遅延=14.4cm、)ではないですが、ーピーク合わせでのF特は、

 70Hz~90Hzで定在波のピークが+8~9db程度(L側の方が大きい)ありますが、0.5KHzや2KHzでもその程度あるので大きな問題ではありません。中々良好と思います。

【結論】経路上10cmマイク距離での+ーピーク均等合わせで得られたタイムアライメントの結果は、R側ウーハー遅延=16.1cm、L側ウーハー遅延=14.4cm。(これはウーハーボイスコイル位置とツイータダイヤフラムの単純な寸法差 の推定値(17.4cm)と近い)
 1/13以降このウーハー遅延量で聴いています。
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604-8Gの同軸ツイータの不調

2021-01-08 10:59:27 | スピーカー評価
 12/21にアップした604-8Gのウーハーと同軸ツイータのタイムアラインをしている時に最後に右側の同軸ツイータが鳴らなくなった。他のブログで同軸ツイータが鳴らなくなった場合は、ダイヤフラムのリードが切れていることがありハンダ付けで直したというような記事もあるのでユニットを外してみました。
 1/15 青字追記 先ほど読売TVでエヴァンゲリヲンを見ていました。620A+2405HのRDA560駆動で聴くと定位感が素晴らしい。音像が炙り出しのように浮き出して来て、それぞれの位置で躍動するし奥行き・広がりが出る。実は、1/12に604-8Gのタイムアライメントが12/21の方法では正しくないことが判って取り直しました。後日紹介します。先入観で同相でやったのが間違っていました。ウーハー+同軸両方鳴らした場合の1波トーンバースト波形が過去には無いレベルで綺麗になりました。思い返してみると、620AはパッシブNWの時にも位相を合わせる為に下の表に記載している通り同軸逆相で聴いていましたが、それと共通することかもしれません。



 ■1)取り外し
 取り外したら、

 ユニットは綺麗な状態。ネジを外して外蓋を外します。

 ダイヤフラムカバーも外します。

 ダイヤフラムも綺麗でした。リードも外れていません。左側の端子の中央がくなっているのは+側を間違えないように赤マジックで点を書いた為。

 ■2)DC抵抗チェック
 ボイスコイルのDC抵抗を測ってみました。

 7.4Ωなので問題ないです。組み直した後、再度測定。

 これも7.2Ωで問題ない。

 ■3)ユニットの再組み込み
 ユニットを取り付けようとしました。1人でやっているのでマグネット側が重たい。全重量が15.4kgもあるのでフレーム側を手で支えるのがつらいです。箱を倒せばユニットをセットするのは簡単なんですが倒してリード線を嵌めるのが困難で箱を起こすのも大変そう。

 黄色とピンクの硬質ウレタン角材を置いてそこでマグネット部を支えます。他のブログではここに支え棒を設置している方も居られます。

 2個では高さが不足することが判ったので3個にアップ。
 これで上手くユニットが取り付けられました。中の硬質ウレタン角材はバスレフ穴から取り出します。

 これで目出度く元に戻せました。
 再組み立て後に音出しをしましたが、やはり鳴りません。仕方がないので、レシピーを再度RDA560から転送したら音が出ました。タイムアラインをしている時に個別ユニットだけ鳴らすようにレシピーを切り替えていたのでそのレシピーを元に戻し忘れていたのが原因と思います。
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