オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

RDA560の低域クロス改善 ~F特実測と聴感による優劣~

2020-09-23 16:35:23 | マルチ化評価
 前々回、LT Spiceで低域のクロス確認を行ったがL(2231A)をLR(Linkwitz-Rileyフィルター)4次で切った場合と、2次のQ=0.6の逆相が良さそうでしたので実際にF特を測ってみました。

 ■1)低スロープレシピーの前に採用していたL(2231A)をL(BW8次)/M(6次)で切っていた場合
 総合F特は、7/8のアップでも載せましたが以下。

 このレシピーの特徴は、100Hz附近の定在波の影響と見ているピーク&ディップが小さいことです。
 クラシックには良いのではないかと思います。
 各ユニットのF特は、

 スロープはグラフの上に記載しましたが、理論から外れていると思われるのが中央の604のウーハーのハイ側のLPFのみでー28db/Octに見えますが肩落ち後はー12db/Oct位のはずですががスロープが高過ぎ、肩も落っていないような感じです。ウーハーは元々2KHz辺りから落ちているのでフィルタスロープにそれが加算されているからだと思います。

 ■2)L(2231A)をLR4次/Q=0.577で切った場合
 これは、

 このレシピーの特徴は、赤〇で示している100Hz附近の定在波の影響と見ているピーク&ディップが今迄で最も小さいことです。
 各ユニットのF特は、

 L(2231A)のLPFのスロープは、■1)のBW8次で切っていた場合は、-50db/Octでしたが、LR4次で切った場合はー35db/Octと下がっています。

 ■3)L(2231A)を2次 Q=0.707又は0.577で切った場合 カットオフ=60Hz
 これは、

 左上の①はL+R側 LPFはQ=0.707(2次) 2231Aを同相にした場合で、70Hzのピーク(+10db)と80Hzのディップ(-12.5db)が大きい。
 左下の③はL+R側 LPFはQ=0.577(2次) 2231Aを同相にした場合で、70Hz(+10db)のピークと80Hz(-10db)のディップが大きい。
 右下の④はL+R側 LPFはQ=0.577(2次) 2231Aを逆相にした場合で、70Hz(+10db)のピークと100Hz(-10db)のディップが大きい。
 ということで、LT Spiceでは、逆相で何とかカットオフでのディップが解消されましたが、実測ではピーク&ディップが解消されませんので2次で低域を繋ぐ事は現状では不可。

■4)低スロープレシピー3 ⇒これが6/16の最終的なレシピーで知人の聴感で到達したアドオンレシピー
 これは、7/19にアップしましたが、L60Hzー5dbアドオン(8次)、M:HPF無&LPF1.8KHz(Q=0.5)、H:HPF1.5KHz(Q=0.5) です。
 L:2231A 604よりー5db LPFでカットオフ60Hz 反転(604に対して逆相)
 M:604-8Gウーハー ゲインは0db、LPF(Q=0.5)1.8KHz、同軸とタイム合わせで61mm遅延
 H:604-8G同軸ツイータ+2405H(パスコン2.2μF、ー12dbATT)、ゲインはー5db(パッシブNW時ー6db)、HPF1.5KHz(Q=0.5)
 F特は、

  2231Aをー5dbでアドオンでしているが若干落ちてはいる。赤〇で示した周波数領域の音圧は下がる。R側が落ち込みが少ないのは2Wayと同じく書棚が前にあるのでスペースが狭く空間が詰まっているので低域が増強されていると思われる。環境要因。
 各ユニットのF特は、

  7/8にアップした低スロープレシピー1と違っているのは左の2231Aの音圧が10db下がっているのと(My Speakerはピークでオートオフセットするので10dbは確認難しいですがバックグラウンドレベルで10dbの差(-30db対-40db)が確認可能)真ん中の604のウーハーの低域が垂れ流しになっていること。

 ■5)聴感による感想
 聴感はプラシーボもあるので、何ともいえませんが思ったままです。
 ベースとなる基準は、6/16の最終的なレシピーで知人の聴感で到達したアドオンレシピーとし、対抗は特性で追及した ■2)L(2231A)でLR4次/Q=0.6で切った場合で確認しました。

 アドオンレシピー ■4):ベースがゴリゴリ感があり、弾む感じがリアル。低い方でも撥ねる。弾み方が思いっきり弾む。ピアノも解き放たれた自由に撥ねる感じ、良い意味でリミッタが外れたように。サックスも良い意味の軽やかな暴れ感があり艶が感じられる。ホーンが突き抜けるあの感じ。聴いていて楽しい音。何者にも遮られないという感じ。

 特性重視の ■2)L(2231A)でLR4次/Q=0.6で切った場合:上と真逆でゴリゴリしたベースでない。ベースの弾みがリミッタで拘束されている感じ。良い意味ではコントロールされているとも言えるが大人しくて面白みに欠ける。枠にはめ込まれたような暴れずぶれない大人しいベース。物性的には良いのかもしれないが面白みが無い。真面目腐った優等生という感じがする。ジャズには向かない。

 6/16にはアドオンレシピーの良さを識別できる耳が無かったが、3ヶ月で何とかそれが判るようになった。

 【結論】ジャズのベースをリアルに感じるには、604-8GのウーハーにHPFを掛けてはいけないことが判った。
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RDA560の簡易設定(次数)フィルタのシミュレーションの改定

2020-09-18 09:42:45 | 回路シミュレーション
 前回追記しましたが、RDA560の簡易設定(次数)フィルタは従来傾きだけで判断してバターワースフィルタ(BW)と思っていましたが、カットオフでの振幅をよく見るとBWのー3dbであるのは2次だけで、4次はー6db、6次は-9db、8次はー12dbと次数が2次上がる毎にー3dbづつ低下していくことが判りました。ということで4次は、Linkwitz-Rileyフィルター(LRと略記)で伝達関数は判りましたが、4次以降はそのアナロジーで伝達関数を推定し一応合っているようなのでそれでLT Spiceで検証してみました。
 これでRDA560 のフィルタのLPF・HPF全ての伝達関数が把握できました。
 9/20青字追記 先ほどNHK Eテレの美の壺、京野菜でした。賀茂ナス食べたい。随分ご無沙汰です。「Speak Low」が流れていましたね。誰のが好きです?コルトレーンがソニークラークとやってる、あれが良い。57年9月1日録音なのでハードバップ風テーマで始めて途中リラックス気味で軽めのシーツオブサウンドに突入って感じが良いですね。他の連中から一抜けたレベル。

 ■1)RDA560の簡易設定(次数)フィルタ
 これは前にもアップしましたが、カットオフ=1.8KHzで

 左上①は2次(BWクロスー3db落)、右上②は4次(LRクロスー6db落)、左下③は6次(クロスー9db落)、右下④は8次(クロスー12db落)です。

 ■2)RDA560の簡易設定(次数)フィルタのLT Spice
 カットオフはM(604-8Gウーハー)を想定した1.8KHzですが、(実線は振幅、点線は位相)

 カットオフでの落ち込みは、2次でー3dbで、次数が上がるに従ってー3dbづづ下がっていくので■1)と傾き含め合致しています。
 伝達関数は、2次はBWなので省きますが、
 4次:G(s)=wc**4/((s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2))  です。**4は4乗の表記です。LT Spice上では、青線でOUT4です。
 6次:G(s)=wc**6/((s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2))  です。LT Spice上では、赤線でOUT5です。
 8次:G(s)=wc**8/((s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2))です。LT Spice上では、水色線でOUT6です。
  
 4次のLRがBWの2次のG(S)を分子・分母共に2乗したものなのでそのアナロジーで、6次は3乗、8次は4乗とし、LP Spiceで振幅を出したらRDA5660のフィルタと合致しました。

 ■3)RDA560の簡易設定(次数)フィルタとBWのLT Spiceでの振幅の比較
 カットオフは1.8KHzですが、

 左側がBWで右側がRDA560の簡易設定(次数)フィルタです。緑線が2次青線が4次赤線が6次水色線が8次です。
 カットオフ付近での肩が左のBWは尖っていますが、右のRDA560のフィルタでは明らかになだらかになっています。これなら群遅延時間のF特のピークも緩和されていることが予想されます。
 BWのカットオフでの振幅の低下は、2次(-3.01db)、4次(-3.02db)、6次(-3.03db)、8次(-3.08db)とほぼー3dbです。
 RDAフィルタのカットオフでの振幅の低下は、2次(-3.01db)、4次(-6.03db)、6次(-9.04db)、8次(-12.06db)とほぼー3db刻みになっています。
 製品として世に出すものには、BWのままでは群遅延特性(位相歪)上良くないと言うことで肩を鈍らせたのかもしれません。

 ■4)RDA560の簡易設定(次数)フィルタとBWのLT Spiceでの群遅延時間(Tg)の比較
 カットオフは、1.8KHzですが、

 左側がBWで右側がRDA560の簡易設定(次数)フィルタです。次数と線の色は■3)と同じです。 
左側がBWでは、カットオフ手前で大きなピークとなっていますが、右側のRDA560の簡易設定(次数)フィルタではピークはあるものの低いので群遅延特性は改善されていると思います。

 ■5)RDA560の簡易設定(次数)フィルタとBWのLT Spiceでの群遅延時間(Tg)の比較グラフ
 カットオフは1.8KHzですが、Tgのピーク値と10Hz端のTgとピーク値Tgの差(△Tg)をグラフ化すると

 左側がBWで右側がRDA560の簡易設定(次数)フィルタです。
 Tgピーク値自体も、BWとRDAでは異なりますが、位相歪の原因は(△Tg)ですので、2次で2.2倍、4次で3倍、8次で3.4倍BWの方が大きい。RDA560は角をBWより緩やかにしているのでその効果でこの差が出ると思う。

 ■6)RDA560のフィルタの伝達関数
 ・Q指定
  2次HPFは、Qを使うと伝達関数は、
 G(S)=s**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2)  です。
  2次LPFは、Qを使うと伝達関数は、
 G(S)=wc**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2)  です。
 ・簡易設定(次数設定)
  4次以上の場合:2n次LPFの伝達関数は、(n=2、3・・・・・・)
 G(S)=wc**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n  です。
  4次以上の場合:2n次HPFの伝達関数は、(n=2、3・・・・・・)  
 G(S)=s**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n  です。一応上記には未記載ですがLT Spiceでも確認済みです。
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RDA560の低域クロス改善 ~LT Spiceでの検討~

2020-09-13 11:24:17 | 回路シミュレーション
 高域(1.8KHz)のカットオフ改善は、Q=0.6付近ということでほぼ目処が付いた。低域についてもLT Spiceで検討してみました。今までの群遅延の評価から群遅延時間のF特でピークが無い条件は、バターワースフィルタ(BW)なら2次未満と言うことが判っていますので、当初使っていたL(2231A)のHPFのBW8次は理論的に群遅延特性(ひいては位相歪)が良くないし、聴感でも弾み感が良くありませんでした。
 9/16 青字訂正 RDA560のフィルタは次数設定の場合はバターワースフィルタ(BW)と思っていましたが、2次はそうですが4次以上は違っていました。順次訂正を考えています。4次はカットオフでー6dbですのでLinkwitz-Riley フィルタ(LRと略記) で、6次はカットオフでー9db、8次はカットオフでー12dbと群遅延がそんなに悪化しないように肩をBWよりなだらかにしていました。6次以上は伝達関数が判らないので直ぐには訂正できません。LR4次の場合を■5)に追加。

 ■1)L(2231A)をBW8次で切った場合(当初の低スロープレシピー) カットオフ=60Hz
 HPFは、2次でQ=0.6としますので、伝達関数は、
 G(S)=Laplace=s**2/(s**2+1.667*s*wc+wc**2)  です。LT Spice上では、OUT5です。(**2は2乗の意味)
 LPFはBW8次として伝達関数は、
 G(S)=Laplace=1/(((s/wc)**2+0.3902*s/wc+1)*((s/wc)**2+1.1111*s/wc+1)*((s/wc)**2+1.6629*s/wc+1)*((s/wc)**2+1.9616*s/wc+1)) です。LT Spice上では、OUT6です。
 これのLT Spiceは以下で、実線は振幅で点線は位相です。

 L(2231A)のLPFは青線V(OUT6)で、M(604-8Gウーハー)のHPFは緑線V(OUT5)、両者の合成V(OUT6)+V(OUT5)、は赤線です。
 カットオフ付近でのディップは、68Hzで -8dbと大きいです。

 ■2)L(2231A)をBW4次で切った場合(RDA560とは違うBW4次の低スロープレシピー) カットオフ=60Hz
 HPFは、上と同じで2次でQ=0.6としますので、伝達関数は、
 G(S)=Laplace=s**2/(s**2+1.667*s*wc+wc**2)  です。LT Spice上では、OUT5です。
 LPFはBW4次として伝達関数は、
 G(S)=Laplace=1/(((s/wc)**2+0.7654*s/wc+1)*((s/wc)**2+1.8478*s/wc+1))です。LT Spice上では、OUT6です。
 これのLT Spiceは、

 L(2231A)のLPFは青線V(OUT4)で、M(604-8Gウーハー)のHPFは緑線V(OUT5)、両者の合成V(OUT4)+V(OUT5)、は赤線です。
 カットオフ付近でのディップは、40Hzで -2.3dbとBW8次よりは小さいです。これは良さそうですがRDA560にはBW4次は装備なし。

 ■3)L(2231A)をQ=0.6で切った場合の同相(理想的な低スロープレシピー) カットオフ=60Hz
 HPFは、上と同じで2次でQ=0.6としますので、伝達関数は、
 G(S)=Laplace=s**2/(s**2+1.667*s*wc+wc**2)  です。LT Spice上では、OUT5です。
 LPFは2次のQ=0.6として伝達関数は、
 G(S)=Laplace=wc**2/(s**2+1.667*s*wc+wc**2)です。LT Spice上では、OUT3です。
 これのLT Spiceは、

 L(2231A)のLPFは青線V(OUT3)で、M(604-8Gウーハー)のHPFは緑線V(OUT5)、両者の合成V(OUT3)+V(OUT5)、は赤線です。
 カットオフ付近でのディップは、65Hzで -39dbと非常に大きいです。クロス付近で合成出力(赤点線)の位相が反転しています。

 ■4)L(2231A)をQ=0.6で切った場合の逆相(理想的な低スロープレシピー) カットオフ=60Hz
 HPFとLPFは上の■3)と同じです。 
これのLT Spiceは、

 L(2231A)のLPFは青線V(OUT3)で、M(604-8Gウーハー)のHPFは緑線V(OUT5)、両者の合成V(OUT3)ーV(OUT5)、は赤線です。
 今回はディップは無くカットオフ付近でのピークは、60Hzで +2.3dbと小さいです。

 ■5)L(2231A)をLR4次で切った場合(今使っている低スロープレシピー) カットオフ=60Hz
 HPFは、上と同じで2次でQ=0.6としますので、伝達関数は、
 G(S)=Laplace=s**2/(s**2+1.667*s*wc+wc**2)  です。LT Spice上では、OUT5です。
 LPFはLR4次として伝達関数は、
 G(S)=Laplace=wc**4/((s**2+1.4142*s*wc+wc**2)*(s**2+1.4142*s*wc+wc**2))です。LT Spice上では、OUT4です。
 これのLT Spiceは、

 L(2231A)のLPFは緑線V(OUT4)で、M(604-8Gウーハー)のHPFは青線V(OUT5)、両者の合成V(OUT4)+V(OUT5)、は赤線です。
 カットオフ付近でのディップは、44.9Hzで -3.1dbとBW8次よりは小さいです。これは良さそうです。

 【結論】上記の検討では、カットオフ60HzのM(604-8Gウーハー)のHPFを2次のQ=0.6とした場合はL(2231A)のLPFは、LR4次か、2次のQ=0.6の逆相が良さそうです。
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RDA560の低スロープレシピーのQ値最適 ~Part9~ Q指示でのパルス応答評価 ハイパワー版

2020-09-08 09:57:51 | デジタルチャンデバ付きアンプ
 前回の最後に連絡していましたが、パルス評価はしたものの小出力だったのでバックグラウンドノイズが大きくアンダーシュートUSが正確に捉えられなかった。今回アンプの送り出しパワーを上げてバックグラウンドノイズが無視できるレベルにして評価し直しました。

 ■1))LPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のオシロの実測  BW8次~Q=0.642まで
 RDA560のスピーカー端子(CH5)に純抵抗負荷(8Ω)を繋いだ時のパルス応答のオシロは、

 左上がBW8次、中央上がBW6次、右上がBW4次、左下がBW2次、中央下がQ=0.642、です。BW8次から2次までがUSしているのでUS附近に赤〇を付けています。
 左上のBW8次で前回と比較すると、前回パルスMax値が1.15mVでしたが、今回はRDA560のヴォリュームを12時⇒15時までアップ(音楽をこれで聴くと難聴になる程の爆音)し34.6mVと30倍にアップしましたので、バックグラウンドノイズが全く見えません。(BW2次で比較すると、32.6倍)
  パルス幅は()内を前回値として、BW8次=0.79(0.89)mS、BW6次=0.73(0.77)mS、BW4次=0.60(0.72)mS、BW2次=0.45(0.44)mS、です。BW8次と4次が若干下に外れていますが、他はほぼ同じです。
 これなら割と正確に評価できると考えられますし、USもBW8次では明確に大きく分かります。BW2次でも少ないですがUSは見られます。
 Q=0.642からはUSは見られませんので群遅延もピークは無くなっていると思います。

 ■2)RDA560のLPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のオシロの実測  Q=0.6~Q=0.5までとフィルタ無
 これは、

  左上がQ=0.6、右上がQ=0.577、左下がQ=0.5,右下がフィルタ無、です。
 パルス幅は、()内を前回値として、Q=0.6で0.49(0.46)mS、Q=0.577で0.52(0.51)mS、Q=0.5で0.64(0.65)mS、フィルタ無しで0.076(0.081)mS、です。これはほぼ誤差の範囲と考えます。

 ■3)RDA560のLPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のパルス鋭度のグラフ
 これは、

  鋭度の場合は前回はQ=0.642とBW2次(Q=0.707)の場合が、Minになって、そこからQが離れると上も下も増加しましたが、今回のパワーアップでの評価では傾向的には同じですが、BW2次がMinとなりました。またほぼリニアーに近い傾きは前回通り。
 また、Q=0.6と0.642の差は前回低パワーでは無かったですが、今回のハイパワーではQ=0.642の方が良いと言うデータになりました。分解能というか正確性がアップしました。

 【結論】RDA560のハイパワー評価でのLPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のパルス鋭度のグラフで考えると、BW2次がMinで最も立ち上りが鋭いということになったが、BW2次では若干USが見られるので、最適点はQ=0.642となる。
 後は聴感でQ=0.6とどちらが良いのか決める。8/9~Q=0.6,8/11~Q=0.642、8/15~Q=0.6、8/23~Q=0.642、8/27~Q=0.6で聴いていますが、優劣はほぼありません。

 ■4)現状のQ=0.6のレシピー
 これは、以下で、Q=0.642の場合は 以下でQ=0.6を0.642に変更しています。
 L(4331Aの2231A:CH1とCH4)   :LPFカットオフ 60Hz (BW4次)          +5db
 M(604-8Gのウーハー:CH2とCH5):HPFカットオフ60Hz(Q=0.6)&LPFカットオフ 1.8KHz(Q=0.6) 0db Hに対して61mmディレー
 H(604-8Gの同軸  :CH3とCH6) :HPFカットオフ 1.5KHz(Q=0.6)         -5db
 2405H(604-8Gにアドオン)      :2.2μFの双信PCフィルムコンV2A225Kの1次HPF -12db
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RDA560の低スロープレシピーのQ値最適化 ~Part8~ Q指示でのパルス応答評価

2020-09-03 09:25:18 | デジタルチャンデバ付きアンプ
 前回は矩形波応答で評価したが、矩形波の場合はハイの保持時間が長く応答の最高値に必ず到達するのでSN比が高く取れる。しかしパルスの場合はより音楽波形に近い実際的な評価ができるがハイの保持時間が僅少なので波高が矩形波応答の最高値に届かずバックグラウンドノイズが高くなる。
 今RDA560落札時に付属してきたダイヤトーンDS800ZXをオークションに出しています。低域の量感こそ当方の2231A+620A+2405Hに及ばないが低域質感は凄く良いし高域レスポンス的にはハイエンドは当方システムより伸びて美しい。有難いことに2万円で入札して頂いています。
 9/5 青字訂正&追加

 ■1)LPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のオシロの実測  BW8次~Q=0.642まで
 RDA560のスピーカー端子(CH5)に純抵抗負荷(8Ω)を繋いだ時のパルス応答のオシロは、

  左上がBW8次、右上がBW2次、左下がQ=0.642、右下がQ=0.6、です。BW8次から4次までがアンダーシュートUS(赤〇附近)しているはずですが、バックグラウンドノイズが高いので埋もれているように見えます。
 パルス幅は、BW8次=0.89mS、BW2次=0.44mS、Q=0.642で0.38mS、Q=0.6で0.46mS、です。

 ■2)RDA560のLPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のオシロの実測  Q=0.577~Q=0.5までとフィルタ無
 これは、

 左上がQ=0.577、右上がQ=0.5、左下がフィルタ無、です。
 パルス幅は、Q=0.577で0.51mS、Q=0.5で0.65mS、フィルタ無で0.081mS、です。

 ■3)RDA560のLPFのQ値を変化させた場合のパルス応答のパルス幅のグラフ
 これは、

 Q=0.642の場合が、Minになって、そこからQが離れると上も下も増加します。
 しかし、パルスの場合は矩形波と違って、高さが変化しますので本来、幅/高さ(=鋭度)で評価すべきです。

 ■4)RDA560のLPFのQ値を変化させた場合のパルス鋭度の実測グラフ
 これは、

 鋭度の場合はQ=0.642とBW2次(Q=0.707)の場合が、Minになって、そこからQが離れると上も下も増加します。またほぼリニアーに近い傾きです。

 ■5)LT SpiceでのLPFのQ値を変化させた場合のパルス鋭度のグラフ
 これは、以下。波形は、BW8次~2次は8/5の■4)、Q=0.6は8/20の■3)、Q=0.5~0.642は、8/15の■8)のアップ分です。

 この場合は、Q=0.707(BW2次)の場合が、Minになって、そこからQが離れると上も下も増加します。またあまり リニアーではない傾きです。

 【結論】矩形波応答の評価では、BW2次が最も立上り時間が短い結果でしたがパルス応答評価の場合は、実測ではBW2次とQ=0.642の両方の場合が最も良い。しかしLT SpiceではBW2次が最も良い。(総合するとBW2次が良いということで矩形波と同じ結論)
 今回は、バックグラウンドノイズが大きい設定条件(アンプ出力)だったので、オシロで出力を見ても1.15~1.9mV(同一アンプ出力設定で矩形波なら12mVのオシロ出力がある)と小出力で、そのためバックグラウンドノイズが大きく、BW8次~2次でのアンダーシュートUSが埋もれてしまう。次回は設定条件(アンプ出力)を上げて評価します。
 尚、8/15~8/23までQ=0.6で聴いていましたが、8/23~8/27まではQ=0.642に戻しました。
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