オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

620Aのリバーブ系の歪 ~Part2~

2022-07-30 15:48:04 | スピーカー評価
 スピーカーの鳴きの評価ですが、以前(2017・7・17)もアップしたことがあるのですがインパルス応答を使ってできる項目として、タイムドメインに載っていたリバーブ(残響)歪を見てみました。前回は突っ張り棒についてのみ方法を変えて調べました。方法としては、①WGのパルスをWSで受ける②MY Speakerのインパルスのエネルギー時間応答③MY Speakerのインパルスのエネルギー時間応答等でした。今回は②以降は評価の結果の解釈が難しいので①のみに絞って突っ張り棒有無、ホーン上の重りの有無、密閉Vsバスレフを変えて調べてみました。リバーブ歪系の評価は結構難しいです。前回もそうですが、今回もやってみたらこうだったというレベルで何か有意な結果が出たと言うことはありません。

  ■1)タイムドメインの記事 (前回アップのリピート)
 タイムドメインの記事に、スピーカーの箱鳴り(板振動によるリバーブ(残響)ひずみ)について以下のような記述が載っています。(http://www.timedomain.co.jp/tech/hifi03/hifi03.html)
 ①最も大きなリバーブひずみは箱で発生します。従来は補強をしたり、材科や形を調整して、聴感的にまとめていた。結果として直接スピーカから出る音に対して箱からの音は、一般に、-15dB〜25dB(内リバーブひずみ5〜20%)
 ②信号が消えた部分に存在するひずみですので、聴感的にはもっと大きな値に相当します。補強をすると、こちらを押さえ込めばあちらが上がる。例えば、箱の板厚を12mm⇒16mmに厚くすると、板厚が1.5倍になりfパターンも1.5倍高い方へずれる。
 ⇒補強では共振の周波数が変わるだけでエネルギーは吸収しないため、調整はできても無くすことはできない。
 ③21mm厚の合板を使い、ダンピング材に鉄板等の拘束材を加えると、箱鳴りが無くなる。(鉄橋の梁等を防振する方法からヒントを得た)
 ⇒これを実現したのが、前に紹介したオンキョーのGS-1で、ラワン合板と米松単板6枚貼りあわせの7層構造に加え、新開発のダンピング材と鉄板によって拘束することで振動を桁違いに抑えたとある。この為もあるのだろう、全重量117Kgとなった。
 ④ホーンの鳴きについても、ホーン材を、アルミ⇒FRP製ダンピング材に変えることにより、累積スペクトルで10ms後の2KHz以上のスペクトルが激減した。

■2)評価方法
 標準(左)とバスレフ(右)

 つっかえ棒無(左)とマルチセルラホーン上重り無(右)

 つっかえ棒無でマルチセルラホーン上重り無し(左)と、それ+バスレフ(右)

 マイク位置は、2段目のつっかえ棒無(左)の写真で分かるように、距離1mで高さ1mの位置に置きました。(マイクには緑色の養生テープが貼ってある)
 WGでは10Hzのパルスで出力しましたが、以下の結果で分かるようにマイクで捕えた音の出力は+とーの両方のパルスが認められました。

■3)+側パルスでの鳴き評価 バスレフ
 結果は以下。

 左は現状標準の密閉で、右がバスレフです。
 付帯波についてみると、1波目はバスレフの方が大きいですが、2波目は標準の方がーの1波目が大きい。平均するとイーブン。

■4)+側パルスでの鳴き評価 つっかえ棒(地震対策)有無とマルチセルラホーン上重り無
 これは以下。

 左はつっかえ棒無しで、右がマルチセルラホーン上重り無です。
 【つっかえ棒無し】
 付帯波についてみると、1波目はつっかえ棒無しの方が大きいですが、2波目はイーブン。平均すると大差なし
 【マルチセルラホーン上重り無】
 付帯波についてみると、1波目は標準の方が大きいですが、2波目はイーブン。平均すると大差なし

 ■5)+側パルスでの鳴き評価 つっかえ棒無でマルチセルラホーン上重り無しと、それ+バスレフ
 これは、以下。

 左はつっかえ棒無しで且マルチセルラホーン上重り無です。右は左の状態でバスレフにしたものです。
 【つっかえ棒無しで且マルチセルラホーン上重り無】
 付帯波についてみると、1波目2波目共に大差なし
 【つっかえ棒無しで且マルチセルラホーン上重り無でバスレフ】
 付帯波についてみると、1波目2波目共に大差なし

 ■6)ー側パルスでの鳴き評価 バスレフ
 これは、以下。

 付帯波についてみると、1波目はバスレフの方が大きいですが、2波目は標準の方が大きい。平均するとイーブン。

 ■7)ー側パルスでの鳴き評価 つっかえ棒有無とマルチセルラホーン上重り無
 これは以下。

 【つっかえ棒有無】
 付帯波についてみると、1波目はつっかえ棒有無の方が大きいですが、2波目は標準の方が大きい。平均するとイーブン。
 【マルチセルラホーン上重り無】
 付帯波についてみると、1波目はマルチセルラホーン上重り無の方が大きいですが、2波目は標準の方が大きい。平均するとイーブン。

 ■8)ー側パルスでの鳴き評価 つっかえ棒無でマルチセルラホーン上重り無しと、それ+バスレフ
 これは以下。

 【つっかえ棒無でマルチセルラホーン上重り無し】
 付帯波についてみると、1波目も2波目もイーブン。
 【つっかえ棒無でマルチセルラホーン上重り無し+バスレフ】
 付帯波についてみると、1波目はマルチセルラホーン上重り無+バスレフの方が大きいですが、2波目は標準の方が大きい。平均するとイーブン。

 上記の結果を見る限り、突っ張り棒有無や、マルチセルラホーン上の重り有無や、バスレフ・密閉を変えても、上記方法では有意差を見い出せない。タイムドメインの記事のような差は出ない。評価方法を変える必要がある。
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キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”

2022-07-19 11:47:59 | ジャズ
 前回アップの赤字追記で、美の壺で、バックにキャノンボール・アダレイ の”ボサノバ”から”Sambop”が流れていたので、アップしてみました。このアルバムを手にした切欠は、このブログにコメントを頂いたBluemoonさんに数年前に拙宅に来ていただいてオーディオ談義(というよりラステーム等教えて貰った方が多い)をした際に自作のオーディオチェック用CDを彼が持参しておられその中に”Clouds”が入っていました。これが気に入ってアルバムを手に入れた次第。ジャズボッサの傑作。ブラジルの香りを堪能できます。

 ■1)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”のジャケット
 ジャケットは、リオのコルコバードの丘から見た風景

 絵葉書みたいだと言われていますが、私は絵葉書みたいで結構気に入ってます。

 ■2)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”について
 タワーレコードさんの紹介が簡潔にまとめてあるので” ”に引用させていただきます。
 1928年フロリダ州タンパ生まれのアルト・サックス奏者”ジュリアン・キャノンボール・アダレイがボサ・リオ・セクステットと共演した、貴重な演奏。ジャズ・ボッサの最高傑作!あえてブラジルのナンバーばかりを選び、ふだんのソウル・ジャズとはひと味違う、リリカルなメロディストとしての一面をみせる。セルメン以下の本場プレイヤーによる、クールなサポートも印象に残る。ハード・バップ、そしてファンキー・アルトの巨人キャノンボール・アダレイが、ボサノヴァ・ブームの最中にレコーディングしたジャズ・ボッサの名作。若き日のセルジオ・メンデス率いるボサ・リオ・セクステットとの共演。アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の「コルコヴァード」「ワンス・アイ・ラヴド」、参加メンバーのオリジナルなどを収録した。当時録音された数多くのジャズメンのボサノヴァ作品の中でも、人気の高い作品。
●参加アーティスト:(as)キャノンボール・アダレイ、(tp)ペドロ・パウロ、(as)パウロ・モウラ、(p)セルジオ・メンデス、(g)ドゥルヴァル・フェレイラ、(b)オクタヴィオ・ベイリーJr.、(dms)ドン・ウン・ロマノ”
 ピアノがセルジオ・メンデスとは豪華ですね、でも当時21歳とは凄い。録音時の状況は、スタン・ゲッツの『ジャズ・サンバ』が1962年10月にヒットチャートの1位に輝きアメリカでボサ・ノヴァが大流行する渦中の1962年11月21日、ニューヨークのカーネギー・ホールでボサノバ・コンサートが開催され、このレコードに曲を提供している アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、 カルロス・リラ、セルジオ・メンデス、 ルイス・ボンファなど、ブラジルから若きボサノバの創始者達が大挙出演しましたが、その17日後に当時ニューヨークで人気絶頂の、キャノンボール・アダレイを迎えて、このレコードは録音されました。録音はニューヨーク。1963年リリース。スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの“Getz/Gilberto”及びそれからシングル・カットされた“The Girl From Ipanema”の1964年より前である。

 ■3)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”の曲 ( )内作者
 ギタリストで作曲家でもあるドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーンとの共作が4曲、ジョアン・ドナートの曲が#2の1曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲が#3,#7で2曲、セルジオ・メンデスの曲が#6の1曲です。

 1.クラウズ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 これが一番のお気に入り。ピアノのイントロから右から聞こえるキャノンボールのサックスと続きますが、ギターのバッキングがボサノバって感じですね。キャノンボールのアルトの何と爽やかなことか、スムーズで朗々として、このアドリブを聴いているとあらゆるものから心が解放されていきます。

 2.ミーニャ・サウダージ(João Donato)
 アップテンポで爽快感がある、とことん陽気な曲。詞は、恋人が去ってしまった寂しさを表しており、空元気で紛らわそうと明るく振る舞う様がプレイに隠されています。

 3.コルコヴァード(アントニオ・カルロス・ジョビン)
 コルコバードの丘を見ながら夢に見た君と死ぬまで暮らそうという詞にピッたりなゆったりとしたアドリブが心に沁みる。

 4.バチーダ・ヂフェレンチ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 あなたに会うと心臓が変わった鼓動になってしまうという歌詞、その心をキャノンボールが明るく吹き切る。

 5.ジョイスのサンバ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 ゆったりとしたスローなメロディを、たゆとうよに流れていくアルト、ストレスをフリーにしてくれる。セルジオのロマンティックなピアノ・ソロも短いが聴かせる。

 6.グルーヴィー・サンバ(セルジオ・メンデス)
 曲名通りグルーヴィーな曲。キャノンボールのサックスもジャズっぽい感じで良い感じです。リラックスの極地。メンデスのピアノソロもJazz風でスイングしてグルーヴィー。

 7.過ぎし日の恋( 作曲アントニオ・カルロス・ジョビン、 作詞ヴィニシウス・ヂ・モライス)
 過去の恋を懐かしく、悲しく思い出しているようなこの曲の歌詞のように、ノスタルジックなアドリブが心に刺さる。

 8.サンバップ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 のっけから陽気なアップテンポのアドリブ。気分はもうすっかり リオのカーニバルで踊っているようなハッピーな朗々とした唄心溢れるアドリブ。痛快というか爽快!
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