オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

千住 真理子さんのストラディバリウスを聴きに

2018-12-13 14:14:51 | クラシック
 前に漆原啓子さんのストラディバリウスを聴きに行ったが、たまには生のコンサートも聴いておかないと耳がオーディオ偏重になると思って、昨夜 千住 真理子さんのストラディバリウス「デュランティ」(2~3億円)を聴きに大阪・福島のザ・シンフォニーホールにヴァイオリンを習っている妻と行ってきました。

 ■1)ザ・シンフォニーホール
 入り口は、

右にはクリスマスですので木にもLEDライトが青く光っていました。

 入ると、クリスマスツリー


 ■2)会場内
 席は3階のオケに向かって左側です。

 直ぐ下が舞台の左袖になります。上には反射・拡散板が沢山ありますが、ここの乳白色のアクリル板 ”浮雲” は音響技術の世界では有名だとか

 後ろ側の天井にも

 3階からの音は、残響が少ないようで、ダイレクトに音が飛んできますので生では珍しくシンバルが耳に痛い。また別のメリットとして1階ではソロが誰なのか重なって見えない時がありますが、上からですのでソロが誰かは一目同然です。

 ■3)第104回 X’MAS ステップ コンサート  12/12(水) 18:50-20:50

 出演者  ヴァイオリン 千住 真理子
      アコーディオン Coba
      指揮   円光寺 雅彦
      オケ   大阪フィルハーモニー交響楽団

 ■4)プログラム

       1.『キャンディード』        レナード・バーンスタイン
       2.『そりすべり』          ルロイ・アンダーソン
       3.『ペニー・ウィッスル・ソング』  同上
       4.『ソング・オブ・ザ・ベルズ』   同上
       5.『eye』                Coba
       6.『上を向いて歩こう』       中村 八大
       7.『ヴァイオリン協奏曲第3番 第3楽章』 サン・サーンス
      ~ブレーク~
       フィドル・パドルの指揮を観客3名を選んでトライしてから
       素人指揮者の3人目はおじ様で奥様はオペラ歌手、ハッピーバースデーをオペラで披露。

       8.『フィドル・パドル』        ルロイ・アンダーソン
       9.『リベル・タンゴ』         アストル・ピアソル
      10.『サラマンドラ』          Coba
      11.『チャールダーシュ』       ヴィットーリオ・モンティ
      12.『ウエストサイドストーリーからメドレーでマリア~トゥナイト等』   レナード・バーンスタイン
      13.アンコール『ウエストサイドストーリーからタンゴ』

 ■5)気になった曲
 
  2.『そりすべり』 
   オーディオ的には、雪の中をソリが進む様子を表すスズの音やトナカイの足音をリズムにした木魚の音やムチの音はスラップスティックで印象的に表現できていた。
  4.『ソング・オブ・ザ・ベルズ』
   NHKののど自慢で使うような長細い10本位縦に並んでいるチューブラーベルズが柔らかい良い音を出していた。優雅で華やかなワルツ。
  5.『eye』             
   Cobaのアコーディオンは、左側に鍵盤、右側にボタン(120個)があるタイプで13Kgもあるが見えないのに良く演奏できるなと思う。CDでのコンピュータビートの代わりに今日はパーカッションを使用している。バンクーバー五輪で高橋大輔が使って銅メダルを取ったので覚えている方もいるかも。少しアドリブというかエモーション過多かな。しかしエキゾティックでセンチメンタルなテーマは美しく力強く切れ味があって色気がある。タンゴ・フラメンコ系のリズムに乗って情熱的にイタリアのカステルフィダルドの夕暮れ時の街が真っ赤に染まってフラメンコダンサーが踊っている情景が浮かんでくる。
  7.『ヴァイオリン協奏曲第3番 第3楽章』 サン・サーンス
   千住さんの奏でるストラディバリウスは、絹の1本の糸から紡がれたような滑らかで線の細い美しい音を醸し出す。プレイはエモーショナルに流れず、正統派。ラッサンとフリスカのような動と静のシーンが繰り返して、開始後4分20秒後位からラッサン的な落ち着いた平安なパートがあり、続く6分10秒位からはフリスカ的なスリリングな展開になり8分過ぎからはクライマックスに入っていく。9分30秒からは真のクライマックスになって11分38秒でエンド。クライマックスへのもって行き方が重層で多彩である。

  9.『リベル・タンゴ』        
  曲の前にCobaさんが逸話を。40年前に作曲を大学で学んでからイタリアでアコーディオンを修行しに行くと山本直純さんに話したら、”楽器をやりたいのなら何故直ぐにイタリアに行かないんだ!”と諭され、そこで何が重要なのか気付かされたと。またイタリアでコンクールに優勝したりして日本に帰ってきたら、直純さんが真っ先に電話してきて”オーケストラがやって来た”に呼んでいただいたが、その時のオケが今日の大フィルだったので大フィルにも恩がある。

 情熱的で哀愁も漂う心躍るタンゴ。アコーディオンが良く似合う。カスタネットがタンゴのムードを醸し出す。この曲は川合郁子さんが哀愁を帯びてエモーショナルで好きです。2005年のライブはストラディバリウスが胡弓のように情熱的に咽び泣き圧巻です。千住さんとは対極の情念のストラディバリウスですね。

  10.『サラマンドラ』         
   サラマンドラとは想像上の生き物で手に乗る位の小さなトカゲもしくはドラゴンのような姿をしており、燃える炎の中や溶岩の中に住んでいる。四大元素を司る精霊(四大精霊)のうち、火を司るもの。ジュンバのリズムがピアソラに傾倒するCobaらしさを。情熱的で切なくて、やはりこれはタンゴ。しかし千住さんのストラディバリウスがたまにしか聴こえない。アコーディオンの音が勝ってしまう。やるのならソロをもっと分けるとかした方が良かったかなと思う。千住さんが、クラシック以外は初めてと仰っていたので少しそれも影響していたかも。
 
  11.『チャールダーシュ』   ヴィットーリオ・モンティ 生誕150年
   7.のサン・サーンスも良かったのですが、わずか3分47秒と短い曲ですがこれが一番でした。荘厳なイントロの後に、ヴァイオリンのテーマが華やかにスムーズにセンチに哀愁たっぷりにラッサンを奏でる。続いてフリスカがアップテンポで続く。ブレークがあってラッサンからフリスカで終わる。このフリスカのスピード感と言うか浮遊感はトレーンの”アイル・ゲット・バイ”や”ロシアン・ララバイ”を思い出す。
 
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漆原啓子さんのストラディバリウスを聴きに

2018-11-06 15:00:09 | クラシック
 バイオリンを習っている妻と梅田の阪急百貨店の9階で漆原啓子さんがストラディバリウスを演奏するというので今日聴いてきました。
 9Fに催事でイタリアフェア2018を今日までやっていました。

 バイオリンは漆原啓子さんで、ピアノは中山和子さんです。

 後にあるバイオリンが並んでいるブースは、馬戸 建一さんの工房からのブースです。PA用のEV製スピーカーはアナウンス用です。

 これが、前方左右に2台づつ4台、後方に1台づつ2台で合計6台ありました。バイオリンは勿論PA無しです。
 馬戸 建一さんのブースでは、バイオリンが並んでいました。

前に居られるイタリア人は、イタリアから助っ人で来ているマルコ・オジオ氏でバイオリンの製作を実演されていました。

 丸刃の彫刻刀でスクロールの後を削っている所です。馬戸さんの師匠の作は350万円、マルコ・オジオ氏の作は250万円、馬戸 建一さんの作は100万円。何れもいいお値段です。手作りだとそうなるんですね。ニスも展示していました。

 右下にある小パネルには、13世紀には存在したプロポリスと蜜蝋の塗料の説明があったが、製法が伝わっていないので今は作れないとありました。
 ストラディバリウスのコンサートは、以下の構成でしたが、穏やかな曲では円やかな響きが、シュールな曲調では切れるのに耳に優しい音色、音の深さと巾をストラディバリウスが聴かせてくれました。勿論、漆原啓子さんの演奏が素晴らしいからこそ、そういう音色になるのでしょうね。ストラディバリウスは聴衆より演奏者に最も良い音を聴かせる(Nスペ)とか、一度演奏するとそれまでの演奏スタイルでは破綻するのでそこから新たに演奏を研鑽する必要があるとか言うネットの記事もあります。(例えば、千住真理子さん:今まで使っていた楽器とは、音の出し方、音楽の作り方、すべてを変える必要がありました。今までのような小細工は利かずむしろ邪魔です。 何もかも、ゼロに戻って1からやり直すことになりました。人生観も変りました。 )一方、ウィッキペディアを見ると、ブラインドテストでは現代のバイオリンの方が音色が優れているとプロの演奏者が判定したという。つまり現代の製作者の作る楽器の音色は、すでにストラディバリウスを超えていることを示唆した。うーん、この辺りは謎です。

①ストラビンスキー編曲(ペルゴレージ作)プルチネルラ イタリア組曲 序曲~セレナータ~ガボォットと2つの変奏曲
 プルチネルラと彼の恋人の周囲に巻き起こる騒動・混乱をテーマにしたバレエ音楽ですが、ここでは穏やかな曲調を穏やかな音色で周りを包み込んでくれるような演奏でした。

②クライスラー プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
 ガエターノ・プニャーニの作を編曲したと作曲者詐称事件を起こした作。哀調というか切ない系の美しいバラード的な彩り豊かな曲を幻想的に聴かせてくれた。

③サンサーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ
 穏やかな序奏の後、情熱的なロンドが続き、最後は一気に掛け抜け、あっけなく終わる、聴衆を置き去りにするテクニック。Jazzでも使いますね、例えばトレーンの”Lush Life”の最後の曲”I Here A RHAPSODY”。最後に聴衆の中から”ブラボー”が。

④アンコール クライスラー 愛の喜び
 これは、良く聴きますね。TVドラマでもよく使っています(”のだめカンタービレ”等)が、サロンミュージックって感じで結婚式の待合室にフィットします。妻となるハリエット・リースと1901年に出会い翌年の1902年に結婚した後の1905年に『愛の喜び』が出版されたので、その愛とはハリエットへ向けた情熱かもしれません。そのシチュエーションは、マーラーの5番のアダージェットも新妻へ捧げたということなので同じですかね。
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S.ラフマニノフのヴォカリーズを聴きに

2018-06-02 00:15:15 | クラシック
 5/30(水)に妻のヴァイオリンの先生がトリオで室内楽のコンサートをされるというので、最近生の音を聴いていないのと、私の大好きなS.ラフマニノフのヴォカリーズがラスト曲になっているので聴きにいきました。

 ■1)コンサート会場
 これは阪急芦屋川駅から歩いて10分位の所にある個人のお家のホール(アマックホール)です。途中の家のガレージからフェラーリが2台出てきましたが、そんな街です。ホールの入り口は、

 コンサートのお知らせが入り口に立ててありました。コンサートタイトルは、”言葉のない歌”です。

 ホールの中は、

 色んな楽器がありますね。ピアノやチェンバロやハープもあります。又左の壁には、古の合戦の絵がありました。

何の戦いなんでしょうね。

 ■2)演奏者とプログラム
 演奏者 ヴァイオリン(V)  :井上 敦子
     チェロ(C)      :荒井 結子
     アコーディオン(A) :松原 智美  1stアルバム”Iin Watercolors~ひとひらの水彩”レコード芸術誌 特選盤
     編曲         池田 真砂子⑦ 北條 美香代①

 ⇒6/23(土)14時から大阪 島之内教会で、このトリオで”ひとひらの水彩”とのタイトルのコンサートがあるようです。@3000円

 プログラムは”言葉のない歌”というテーマに関連して以下の曲です。古典的な曲から東さんの作曲された現代曲まで幅広い。前触れでは、ヴォカリーズがラストでしたが、実際は5曲目でした。

 ①無言歌集より/F/メンデルスゾーン   6曲のセレクション  (曲によりソロ・デュオ・トリオが変わる)
 ②パッサカリア/ヘンデル=ハルヴォルセン            ((V)と(C)のデュオ)                
 ③デカルコマニー/シューベルト”音楽に寄せて”より/東 俊介 作 (トリオ)
 ④ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第一番ロ短調 BWV1014/J.S.バッハ ((V)と(A)のデュオ)
 ⑤ヴォカリーズ/S.ラフマニノフ                 ((A)と(C)のデュオ)
 ⑥ロシアの乙女の歌/I・ストラビンスキー              ((A)と(C)のデュオ)    
 ⑦四季 Op37aより4曲/P.I.チャイコフスキー          (トリオ) 

 ■3)コンサートを聴いて
 アコーディオンという普段聴けない楽器が聴けたということと、チェロの荒井さんの若々しいメリハリのある演奏はジャズファンの心に響きました。久々に生の楽器を至近距離で感じることが出来て満足した。

 ②パッサカリア/ヘンデル=ハルヴォルセン            ((V)と(C)のデュオ) 
 ここでもチェロの荒井さんの超絶技巧が素晴らしい。
 ③デカルコマニー/シューベルト”音楽に寄せて”より/東 俊介 作 (トリオ)
 デカルコマニーとは、美術で使う手法で、絵に絵の具を乗せて、それを2つに折るか別の紙に挟み、上から絵の具の部分を押し延ばして写し取る手法のこと。これを音楽で表そうとして、押し延ばして変形した画像から始まり、次第に元の絵=シューベルトの音楽に近づき、また最後は遠ざかっていくというシナリオです。最初と最後は、フリージャズのような、キュイーンという馬の嘶きを思わせる刺激音が繰り返します。正にジャズで云うとエリック・ドルフィーの馬の嘶きですね。中間は、シューベルトになって、最後はまた現代音楽風に戻ります。刺激的な曲でした。
 ④ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第一番ロ短調 BWV1014/J.S.バッハ ((V)と(A)のデュオ)
 チェンバロのパートをアコーディオンで演奏しているので如何にもバッハという感じではない。チェンバロの透き通った刺激的なキラキラのメロディが、アコーディオンの円やかなメロディに変わるので、華麗で荘厳なバロックが、心地よい優しい歌に聴こえてくる。
 ⑤ヴォカリーズ/S.ラフマニノフ                 ((A)と(C)のデュオ)
 ヴォカリーズとは、発生の練習において言葉や音階名でなく母音を用いた唱法、又はそれを用いた楽曲を指す。正に今回のコンサートのタイトルそのもの。Natalie Dessayの声やオーケストラ版も勿論良いのですが、チェロのメロディラインにアコーディオンのカウンターメロディが交差するのが何とも云えない趣を醸し出す。この曲の深い悲しみと遠くに見え隠れする僅かな希望を感じる。
 ⑥ロシアの乙女の歌/I・ストラビンスキー              ((A)と(C)のデュオ)
 You Tubeでこの曲を検索すると、アコーディオンの松原さんとチェロの荒井さんのデュオがトップに上がっているので、是非聴いてみては如何でしょうか。この日の演奏が再現できます。
 ⑦四季 Op37aより4曲1月、3月、6月、8月/P.I.チャイコフスキー          (トリオ) 
 私でも知っている6月の舟歌も良かったのですが、圧巻は、最後の8月。やはりチェロの荒井さんとアコーディオンの松原さんのメリハリの利いた演奏。また3人のアンサンブルが素晴らしい。トリオの3者が代わる代わる会話を重ねていく、その間合いと応酬が何とも云えない緊張感と疾走感・カオスを聴く者に与えてくれました。ヴォカリーズを聴きに来て、8月に感動した。
 
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2017.6/18 芦屋フィルハーモニー管弦楽団 第7回 定期演奏会

2017-06-18 18:49:44 | クラシック
 先週は、神大のサマーコンサートに行きましたが、その会場で芦屋フィル 第7回 定演のチラシを貰い、プログラムの最後に私の大好きな、ショスタコーヴィチのNo.5があったので、迷わず聴いてみました。チケットが1000円というのも有難いです。

 ■1)会場”芦屋ルナホール”について
 会場は、芦屋ルナホールです。着いてから気がついたのですが、このホールには、娘が小さいころバレエの発表会に出るので来たことがあるということです。阪急芦屋川を下車7分です。外はこんな感じです。

 大ホール(700名収容)でしたが、中は、こんな感じです。カルメン終了時。音も非常に良かった。

 定在波対策としては、舞台奥の横方向の2本の金色の円柱曲面と、側壁にある3本の縦方向の金色の円柱曲面である。観客側の側壁面ももっと曲率の大きい紺色の円柱曲面で構成されている。又天井は、一部を吹き抜けにして高くなっているので、定在波にも残響にも良い効果を期待できる。
 最近聴いたコンサートホールを並べてみると、
 4/25 "いずみホール”の大ホール    821席  音が良く響きも自然
 6/12 "神戸文化ホール”の大ホール  2043席  若干こもった感じ。
 6/18 "芦屋ルナホール"の大ホール   700席  残響は少し短めか。音がダイレクトに飛んでくる。非常に満足。   
 ということになるが、比較的小規模のホールの方が、私にとっては音がよく聴こえる。

 ■2)芦屋フィルハーモニー管弦楽団
 平成11年12月設立のアマチュアの管弦楽団で常任指揮者は、今回も指揮を執っておられる ”坪井 一宏”氏です。

 ■3)ミニコンサート
 14時から開演ですが、その前にクラリネットでミニコンサートをロビーで聴けました。以下は、13:40の光景

 ”星に願いを”、他3曲を聴きました。

 ■4)プログラム
 14時開演で、16時終了でしたが、プログラムは、以下

 ①歌劇 『魔弾の射手』序曲 ウェーバー
 ②歌劇 『カルメン』 組曲 ビゼー
 ③交響曲 第五番  二短調『革命』 ショスタコーヴィチ
 指揮 坪井 一宏 (②では、ヴァイオリンも披露)尚、②と③は秘密の関係がある。■7)参照。

 ■5)『魔弾の射手』の感想
 前回も書いていましたが、私は、ジャズファン、クラシックは門外漢ですので、感想といってもあてにはなりません。クラシックの良し悪しを論ずる程の見識はありませんので。

 ①歌劇 『魔弾の射手』序曲 ウェーバー  ~17分
 ボヘミアを舞台としたメルヘンを基に書かれたオペラ。領主の侯爵に仕える森林長官の2人の部下マックスとカスパールのマックスは、長官の娘アガーテと相愛だったが侯爵の命で射撃大会に優勝したものが、アガーテと結婚することとなる。マックスは玉が当たらないことに絶望する。カスパールは、狼谷で悪魔に頼みこみ、自分の玉の7発中6発が命中し、残りの1発は悪魔の望むところに命中するという魔弾を作る。しかし、当日は逆にマックスが魔弾で優勝し、最後の1発はアガーテに向かって発射されるが、森の隠者からかぶらされた花冠でアガーテは守られ、カスパールに命中し死ぬ。事情を聴いた侯爵は、激怒し、マックスの追放を命ずるが、隠者が現れマックスを許すように諭す。侯爵は従い、マックスとアガーテは結婚を許される。
 演奏の感想:最初は、荘厳な弦と管の交歓、これは、森の神秘を表す。その後、Hrの主体の賛美歌にも使用されるゆっくりした旋律が現れる。そこからは、不気味でスリリングな旋律、これは、悪魔の動機か?アップテンポに変わり、マーチ風の弦から管が加わった合奏。ここは、狼谷のシーンか?その後、Clと弦(ピチカート&弓)の交歓があり、テンポアップする。これは、アガーテのテーマ?一転、静かになる。ここは、カスパールの死?かマックスの絶望か?ブレーク後に、ダイナミックなクライマックスが来て、2人の結婚が許される。

 ■6)『カルメン』の感想 
  ②歌劇 『カルメン』 組曲 ビゼー
 カルメンは、最近、NHKのクラシック音楽会でも外人歌手も招聘したオペラで聴いたので、ストーリーは省きます。皆さんもご存知の方が多いでしょう。エスカミーリョが闘牛場に入った後、復縁を迫ったドン・ホセが、惚れたカルメンに指輪を投げつけられ、激昂したホセは、カルメンを刺し殺し呆然とするという、人類の普遍的なテーマです。今回は、9曲を演奏されましたが、1曲目、5曲目、7曲目、9曲目の感想を下記します。
 1曲目『第一幕への前奏曲』、2曲目『アラゴネーズ』、3曲目『第三幕への前奏曲』、4曲目『セギディーリャ』、5曲目『ハバネラ』、6曲目『ミカエラのアリア』、7曲目『闘牛士の歌』、8曲目『衛兵の交代』、9曲目『ジプシーの踊り』

 1曲目『第一幕への前奏曲』
  アップテンポのお馴染みの気忙しいテーマが、ほぼ全楽器で演奏されてから、弦主導のテーマへ。途中、CymやTGも加わって、これからカルメンが情熱的な歌で工員の男たちを魅了して争いを起こすことを予期させるような、メリハリの利いた演奏です。
 5曲目『ハバネラ』 (この曲と、次の6曲目で指揮者がVnを非常に美しく弾いた。)
  チェロの重厚でリズミカルなテーマで始まる。管(Fl、Cl等)がこれに続く。Tgも時に入る。民族音楽風でコミカルな舞曲風のテーマが繰り返され、コミカルに突然のエンディングを迎える。
 7曲目『闘牛士の歌』
  これもお馴染みのメロディがほぼ全楽器で演奏されてから、TbからTpへ移り、Tpの物憂げなセレナーデ風のテーマからマーチ風の力強い行進曲風のテーマで突然エンディング。
 9曲目『ジプシーの踊り』
  FLの軽快でリズミカルなテーマをFlと弦(ピチカート含み)で舞曲風に交歓していく。管は、ClからFgに移って、Tgやタンバリンも現れた後、Tpがアップテンポでテーマを奏してから、クライマックスへ突入する。シロホンも加わって、全楽器が爆発する。この爆発はアマチュアと言えど、凄い迫力であった。
 カルメンが終わり、『革命』を演奏する前の音あわせ時の舞台です。


 ■7)交響曲 第五番  二短調『革命』の感想⇒指揮者談、ここまでの大作は初めてとのこと。
 ③交響曲 第五番  二短調『革命』 ショスタコーヴィチ
 作品の構想に関しては今なお謎が多いが、2000 年のベンディツキーの論文をはじめ、近年「引用のカモフラージュ」について興味深い指摘がなされている。ショスタコーヴィチには1934 年来、エレーナというロマンスの相手がいた。エレーナは、1932 年に結婚したばかりのショスタコーヴィチが真剣に離婚を考えたほど熱烈に愛した女性であったが、作曲家に長女が生まれ、またエレーナが密告で逮捕されたことなどから、2 人の関係は終わったという。その後、1936 年に出所した彼女はスペインに渡り、著名な映画監督ロマン・カルメンと結婚する。「プラウダ批判」による絶望・恐怖と、エレーナへの愛ここからベンディツキーは秘められた「愛と死」のテーマを指摘し、「愛」の側面の音楽的根拠として、ビゼーの《カルメン》との関連を第1・第4 楽章で指摘した。そこでは冒頭からの明らかな引用を避けつつも、《カルメン》の音列・リズム・テンポ・調性を巧みに変化させている様子が観察されている。2003 年、2007 年に刊行されたショスタコーヴィチ新全集の解説でもこの解釈が踏襲され、さらに第2 楽章においても両者の関連性が指摘されている。さらに終楽章のコーダでは、ラの音(ロシア語では「リャ lya」)を連呼することによって、エレーナの愛称であった「リャーリャyalya」とロシア語で「私」を意味する「ヤー ya」が同化されている。(N響の2015.2月号での新主席指揮者パーヴォ・ヤルヴィの紹介の下に続く(中田朱美)さんのショスタコービッチNo.5の解説から)

 私は、今までスターリンを打倒する革命をひそかにテーマとして隠していると前回のブログで考えたと記載したが、最近調べたところの上記では、不倫の恋人との愛をNo.5に隠していたとは、驚きです!愛は革命より強し、とはこのことか??意外に艶っぽい。イヤハヤ参りました。この曲の作曲動機については種々の解釈があり真偽論争が決着していないということであるが、この辺に真実があるのかもしれませんね。そんなことは関係なく、私はこの曲が大好きです。いやより好きになりました。指揮者の坪井 一宏さんは、きっと上記を知っていて、②カルメンと、③No.5を選んだんでしょう。音楽的に聴いてこれを判る人は尊敬します。

 第1 楽章 モデラート ニ短調 4/4 拍子。
 変形したソナタ形式。呈示部では①序奏主題、②フリギア旋法(ラ―ソ―ファ―ミ♭―レ)の第1 主題、③これら2 つの主題からなる派生主題、④第2 主題と、4 つの個性的な主題が登場する。展開部の末尾は序奏主題と融合し、派生主題のユニゾンでクライマックスを迎える。再現部で第1 主題はもはや姿を現さず、《カルメン》〈ハバネラ〉の旋律へと変容した第2 主題が登場する。(中田朱美さんの解説)
 弦の勇壮なテーマで始まる。様々な楽器を経て、管(Fg~Hr~Ob)と弦のユニゾンから、Hr~Ceのパルシブなメロディに、Ob~Hpの綺麗な音色も加わり、やがて静かになり、Flが静かな問いかけを弦に投げ弦がそれに長いトーンで反応し、Clもそれに応えて、CeとCbの弓~ピチカートが不安を呼び覚まし、Tpのメロディを起爆剤にして、弦(Ce)のピチカート~弓の緊迫した演奏の後、管も加わって、Cymの号令と共に、行進曲風の爆発が起こる。その爆発にシロホンもティンパニーも連打で爆発。

 第2 楽章 アレグレット イ短調 3/4 拍子。スケルツォ。3 部形式。
 冒頭主題のあと諧かいぎやく謔味あふれるエピソードが続く。一瞬、フラメンコのリズムも。真中のトリオで流れるヴァイオリンからフルートの旋律は小鳥のさえずり。(中田朱美さんの解説)
こちらも弦の重厚なテーマで始まる。木管が活躍する舞曲、金管の祝典的なファンファーレの後、一転してVn~Flの美しいソロへ移って、後は弦と管の交歓後、木管のリズムで弦のピチカートからTpの高らかなファンファーレ、その後の打楽器(Sn~TIMP)からObが続く、ユーモラスで気取った感じの楽章。
 
 第3 楽章 ラルゴ 嬰ヘ短調 4/4 拍子。
 一転して葬送行進曲風で、3 つの主題と派生したエピソードがモノローグ的に流れる。追懐、哀しみ、慟どう哭こくなどの感情を映し出しているかのよう。(中田朱美さんの解説)
 Vnの静かな旋律から、哀愁を帯びた美しいテーマが奏される。民衆の苦しみを表しているような悲壮感が漂う。HpやTimpのアクセントを伴った弦と管のしめやかな何回かの交歓の後に、シロホンの高らかな合図とともに弦と木管の盛り上がりがあって、弦の静かなテーマを経て、Hpの物悲しいメロディでエンドとなる。ここは、民衆の苦しみと思っていたが、上記恋人との別れの悲しみかもしれない。

 第4 楽章 アレグロ・ノン・トロッポ
 ニ短調 4/4 拍子。緊迫した冒頭の第1 主題やその派生主題が、中間で登場する広大な第2 主題を経て、ファンファーレ的なコーダへと昇華する。(中田朱美さんの解説)
 最も有名な楽章。ティンパニーの行進のリズムとダイナミックなメロディは数々の映画で使われてきた。前半でテンポアップしてティンパニーの連打で一気にクライマックスで様々な楽器の爆発へ駆け上がるが、Hrソロのゆっくりとした優しいテーマの中間部となる。弦のメロディが消えうせる瞬間、Hpのアクセントを伴ったスネアーとTimpのリズムが現れ、そのリズムに乗って曲はまた盛り上がり、最後は”ラ”の連打音に乗って金管(Tp等)の高らかな吹奏の後、”レ”の強奏で爆発のエンディング。CDでは判らなかったが、バスドラの連打と思い込んでいたが、実際はティンパニーの連打の後、最後にバスドラが来る。これが”レ”なんですかね。エレーナの愛称”ラ”を連呼したのは、この頃彼女が出所してスペインへ渡れたことを安堵した勝利の雄叫びなんですかね。

 ■8)全体的な感想
 演奏者が音楽を楽しんでいることが、こちらにも伝わってくる熱気を感じた。小泉潤一郎氏ではないが、素晴らしいと感動した。③とアンコールの後に、ブラボーも飛び出した。こんなに素敵な音楽への熱い心のこもったプレゼントをくださった演奏者の方々に感謝!(金管等で少々ミスはあったにしても、この熱意あふれる素晴らしい演奏は感動に値する。)

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神戸大学 交響楽団 サマーコンサート 2017

2017-06-12 18:35:16 | クラシック
 今回は、娘の友人2人が6/11(日)の上記コンサートのヴァイオリンで出演すると言うことで、家族で聴きに出かけたのでその話です。前に大阪チェンバーオーケストラについて上げましたので生の音、第二段です。やはり、たまには生の演奏会を聴かないと耳が偏ってしまいます。入場料も1000円と安いので気軽に行けます。6/18(日)には、同じく1000円で私の大好きなショスタコービィチのNo5があるので、芦屋ルナホールに行こうかなと思っています。(芦屋フィルハーモニー:14時~)

 ■1)公演情報
 日時は、6/11(日)18時開演で20時終演で演目は下記。

  ①”エグモント”序曲 op.84  (8分) ベートーベン    小川 拓人 指揮
  ②”交響曲第四番” ニ短調op.84 (30分)シューマン    蔵野 雅彦 指揮
  ③”交響曲第四番” へ短調op.36 (42分)チャイコフスキー 蔵野 雅彦 指揮
  ④アンコール  ハチャトゥリアン: 組曲「仮面舞踏会」:ワルツ 蔵野 雅彦 指揮

 ■2)公演会場”神戸文化ホール”の大ホールの感想・音の印象

 場所は、高速神戸駅下車の、”神戸文化ホール”です。以下、建物の写真

 大ホールでの演奏前は、こんな感じ

 アンコール後は、こんな感じ

 多目的ホールと見えて、壁や天井の拡散板等はあまり見られません。音響の印象は、舞台に音が拘束されている感じで、直近で聴いたクラシック音楽専門の”いずみホール”に比べると音が観客席に広がってくるという感じが少ないと思う。大ホールで中央より後ろの席であった影響もあるのかもしれません。

 ■3)演奏を聴いて
 前回も書いていましたが、私は、ジャズファン、クラシックは門外漢ですので、感想といってもあてにはなりません。クラシックの良し悪しを論ずる程の見識はありませんので。

 ①”エグモント”序曲 op.84  (8分)  ベートーベン    小川 拓人 指揮   
 スペイン国王の圧制に苦しむオランダで英雄が出現、しかし、そのエグモンド伯爵は抵抗するも逮捕され、牢獄に入り絞首刑が決まる。しかし牢獄の中で夢を見たら、恋人のクララが女神で現れ、彼の死がオランダに自由をもたらす事を教えてもらう。
 演奏は、最初は荘厳なテーマが弦によりスローでスタート。直ぐに荒れる海を想起させる荒れたテーマが管によりリレー(HR~FL~FG)で奏される。ここは、エグモントの抵抗と逮捕のシーン。その後、管のゆったりとしたテーマ(これは、牢獄の夢の中か?)、音は柔らかいトーンでソフトに耳元でささやく。CLとFLが寄り添っている。その後、徐々に盛り上がりティンパニーも入ってくる。弦中心に時折、HR&FGが参入し、クライマックスには、全楽器のファンファーレ、勇壮で強いトーンの行進曲風にエンディング。この最後は、彼の死と引換のオランダの自由を示している。指揮者は、学生さんですが、非常にがんばっていたと思います。

 ②”交響曲第四番” ニ短調op.84 (30分) シューマン    蔵野 雅彦 指揮
 シューマンが妻にプレゼントした曲。結婚後の2番目に作曲したが、初演での反応がイマイチ。それで大規模な改定を加えて再演されたところ、好評を得た。今回は、改訂版。改訂版には楽章の切れ目が無いため、切れ目が曖昧ですが、4楽章になっている。
 イントロは、ティンパニーに伴われた弦でテーマがスタート。Tp以外が鳴る勇壮なテーマより始め、Tpも加わる。最初は若くて希望に溢れる力強いテーマで、そこから一転、暗いパートになる。ここは人生の苦しい時、そこを切り抜けて何回も再生する。運命に苛まれる人生の物語を表すように、勇壮な行進曲風のテーマと、セレナーデ風のテーマが交互に繰り返す。最終的に、セレナーデ風のテーマからPPになって、そこから快活なテーマになるが、ここが人生の充実期を表しているようだ。その後、指揮者が天を指し、クライマックスとなり、一瞬のブレークの後、全体が爆発的に鳴り響く。ここは妻との人生の喜びを表しているように思われる。

 ③”交響曲第四番” へ短調op.36 (42分) チャイコフスキー 蔵野 雅彦 指揮
 世に言う名曲で圧倒的な演奏回数を誇る。独的な作曲技法とロシア民謡を用いた独自の音楽を構築するチャイコフスキーが期待を込めて作曲した白鳥の湖が、失敗に終わり、大きな壁に突き当たっていた時期(1877年作)の作。私的にも妻との同居生活も破綻し、モスクワ川に身を投げたが一命をとり止め、妻から逃げる為スイス、イタリアに逃亡。公私共に最も過酷な時代だったが、それでも混乱した精神を落ちつかせ、音楽家として再生できたのは、パトロンであるメック夫人を中心とした周りの支えがあったからとか。こうした激動期に彼女らの支えにより書き進められたのが本作。冒頭のファンファーレは、”運命”に例えられるが、熱狂的な勝利を祝うフィナーレに至るまでの42分は作曲者の心情を投影しているということです。

 第一楽章 へ単調 序奏付きソナタ形式
 悲劇的な暗さ、真摯な激しさ、そして複雑な構成を持つ。Cbが悲壮な、不安なテーマを奏す。しばし、弦も管も不安を唄う。管のリレー(FG~CL~FL~OB等)の後、最初のティンパニーに先導されたクライマックスから落ち着いた調子の管(FG~FL~OB等)のテーマへ移る。ここからは、その繰り返しで、最終的にティンパニーの連打を伴うクライマックスでエンディング。

 第二楽章 変ロ単調 複合3部形式
 寂しさや憂いに満ちた甘いメロディが魅力的な極めて歌謡的な楽章。作者が語るには、”悲哀のもう一つの相を表す。仕事に疲れた夜の憂鬱な感情です。こんなにも多くの色々なことが皆過ぎ去ってしまったというのは何と悲しいことでしょう。”
 演奏は、甘美なOBでスタートし、管(FL/FG・CL等)の寄り添いで弦へバトンが渡る。ダンス音楽のように優美なテーマ。第一楽章で味わった苦悩とはうって変わって憂鬱というよりは、穏やかな愛を感じる。第一Vnのテーマに第二Vnのピチカートが寄り添い管も加わって、管と弦の交感でエンディング。

 第三楽章 へ調調 3部形式
 表題のスケルツォは、弦楽器のピチカートに彩られ、その軽快なリズムと音の配色により独特の音楽的効果をもたらすとのこと。作者が語るには、”ここにあるのは、気まぐれな唐草模様。酩酊の最初の段階で、我々の脳裏に滑り込んでくるぼんやりとした姿です。”
 演奏は、CBを始めとする弦のピチカートで早いテンポで始まる。管(FL~OB~CL~Tp等)のテーマに弦のピチカートが寄り添う。ホルストの”惑星”で言えば、丁度、”水星~翼のある使者”のムード。ここで彼の心が癒しに向かっていることが判る。

 第四楽章 へ調調 自由なロンド形式
 強烈な全合奏によるffで幕を開ける。第二テーマロシア民謡の”野に立つ白樺”をモチーフにしたもので、この美しいメロディが様様な形に解され、そして絡まりながら進行する。緩むことのない緊張感、目まぐるしく変転する喜怒哀楽、その果てに、ティンパニーやシンバルの連打による躍動的な嵐のフィナーレを迎え強烈に全曲を結ぶ。
 演奏の感想は、上記解説の如く、いきなりの、”クライマックス”…バスドラ・ティンパニー・シンバルのバーン、私の隣でスヤスヤと寝息を立てていた学生君も流石に起きた。でも彼は又寝たが…ブレーク後、TGも鳴りだす。又、バーン~管(OB~FL)~弦と強い調子のテーマが来て、一転静かなテンポへ。そこから又速くなったりと、静と動を繰り返す。最後は、指揮者が天を指し、クライマックスとなり、ティンパニーが爆発的に鳴り響く。ここは彼の苦しい境遇に打ち勝った喜びを表しているように思われる。


 
 
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