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オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

MY BACK PAGES (トヌー・ナイソー・トリオ)

2023-04-21 22:12:22 | ジャズ
 これは今良く聴いているアルバムです。トヌー・ナイソー・トリオは、Jazzも勿論良いんですが、ポップ・チューンもまた良いんです。

 1)CDとジャケット
 こんな感じです。表側は、トヌーがヘッドホンを付けて、風貌はフルシチョフに似てるかな?

 裏側は、

 澤野工房が販売元です。
 ピアノ:「トヌー・ナイソー/Tonu Naissoo」
 べース:「ターヴォ・レンメル/Taavo Remmel」
 ドラム:「アハトゥ・アブネル/Ahto Abner」

 2)MY BACK PAGESとトヌー

 このアルバムのトヌー・ナイソー・トリオは、西宮の兵庫県立芸術文化センターで行われた「ひょうご クリスマス・ジャズ・フェスティバル 2012」でこの曲含め12曲(別にアンコール2曲)、私の大好きな”My Favorite Things”も披露していたのだ。その頃トヌーを知らなかったのが何とも残念。

 この曲は勿論私でも知っている ”風に吹かれて”、で世界的に有名な”ボブ・ディラン”の名曲。Jazzでは、キースジャレットが取り上げているがキースの曲と思っているJazzファンもいます。トヌーは、8ビートで旋律をたっぷり唄わせ、ゴスペル風味で味付けるというディラン真っ向勝負のスタイルでプレイしている。もちJazzフィーリングもベースに漂わせて。

 3)私のお気に入り
 やはりスタンダードが僕は好きです。

 一番聴くのは、4曲目の”What A Differrence A Day Made"(Maria Grever)です。これ良いです。イントロ出た瞬間、あー良いな、ときます。このゆったりとしたアーバン・フィーリング、ゴージャスの一言。この人のフレーズワークには、気品があります。スイング感に流されず、抑制も程よく。アドリブに入ると彼の真骨頂、湯水のようにアイデアが湧いてきます。美しいなこのアドリブ。エストニアの音楽学校でジャズピアノの准教授をしているだけのことはある、凄い感性。

 次は5曲目の”Moon And Sand”。この曲は、私は、Valerie Joyceのハスキーでミステリアスな歌声がお気に入りです。チェット・ベイカーは、スローなバラードで歌っていましたが、トヌーはうって変わってアップテンポにしています。これが良いですねえ。イントロから爽快なタッチ。その後のアドリブの旋律の美しさは秀逸。美しいフレーズがこれでもかと湧いてきます。この爽快感にノックアウトされた。ベースソロも同じ爽快感を共有、ノッテマス。トヌーの伴奏も上手く寄り添っている。テーマに戻って、ドラムスとも会話してエンド。

 あとポップ・チューンでは、”You've Got A Friend”(キャロル・キング)も良いですね。テーマはサラッとやって、アドリブでJazzの香りを匂わせてウーン上手い。ベースも結構歌ってくれています。ポップスの料理のし方が上手な名シェフです。
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Blue Giant

2023-03-11 15:55:54 | ジャズ
 最近映画やTVドラマを見る時は、必ず途中から心地良い睡眠に入ってしまう。レコーダーで見る時は倍速で見ることが多いが、半分位は寝ているので結局2時間物は倍速でも2時間かかってしまう。年は取りたくないものだ。妻にJazzの面白そうなアニメ映画があるよと聞いて大して期待はしていなかったが、Jazzの映画なら見てみるかと昨日見に行った。寝そうになったら、いつも妻が肘鉄をしてくれるので安心と思っていたが、一睡もできなかった、というか、アニメでここまでできるのかと、感嘆!というか驚嘆した。

 ■1)Blue Giant
 これはビックコミックに連載されていた結構有名なアニメだそうだ。私は見ていません。著名人からの反響も大きく、実際のBLUE NOTEレーベルなんかともコラボアルバム発売とかもしている。ビッグコミックと言えば、私は、大学院時代に実験の待ち時間に暇なので、坂口松太郎が相撲で大暴れする痛快物の”のたり松太郎”とか、見ていましたね。Blue Giantの漫画は、紙面から音が飛び脱してくるような臨場感に圧倒されるとか音楽を担当された上原ひろみさんが言っている。これは凄いことだなあ!また自分達のプレイ中に見てる風景が漫画の中に表現されていて共感したとも。これは映画作成陣に対しては高いハードルになる。パンフレットも以下のようにレコードジャケットそのもののような作りです。(下の右がパンフで、左はそのカバー)


 ■2)映画館
 西宮ガーデンズ内の4F映画館のNo3スクリーンで16:10~見ました。客席には、Jazzのイメージで高齢者を予想してましたが、ビッグコミックの読者層を反映してか、大半は若い女性だった。これは嬉しい誤算。スピーカーは、左右に4個、後ろにも4個?位で計12個?ありました。ちゃんと確認してませんが、EVのPAに似ています。音量は結構大きいが音質は耳に刺さることも無く、良かったです。製作前の検討段階で、映画かTVアニメかを議論した時に、TVでJazzの迫力は出ない、映画でないと絶対ダメだ、と結論したというのも頷けます。

 ■3)映画情報
 監督: 立川譲
 脚本: NUMBER 8
 原作: 石塚真一『BLUE GIANT』(小学館『ビッグコミック』2013年5月10日 - -2016年8月25日迄連載)⇒この一部を映画化
     (この続きで、BLUE GIANT SUPREME   2016年9月10日 - 2020年4月25日迄連載)
     (その続きで、(BLUE GIANT EXPLORER  2020年5月25日-連載中)
 アニメーション制作:NUT
 音楽: 上原ひろみ (作曲&ピアノ演奏)
     馬場智章  (テナーサックス)
     石若駿    (ドラムス)
 声の出演:山田裕貴(テナーサックス:宮本 大 役)⇒イメージにピッタリ、実写があればこの人しかいない!
      間宮祥太朗(ピアノ:沢辺 雪祈 役)
      岡山天音(ドラムス:玉田 俊二 役)
 配給:東宝映像事業部

 ■4)ストーリー⇒これから映画を見る人で漫画を見てない人は、ここは見ない方が良いかもです。
 『俺は世界一のJazzプレイヤーになる』Jazzに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生”宮本 大”。雨の日も風の日も毎日たった一人で何年も、河原でテナーを吹き続けていた。卒業を機にJazzのため、上京。高校の同級生”玉田 俊二”のアパートに転がり込んだ”大”は、ある日訪れたライブハウスで同世代の敏腕ピアニスト”沢辺 雪祈"と出会う。『組もう』。大は雪祈をバンドに誘う。初めは組もうとしない雪祈だったが、聴くものを圧倒する大のテナーに胸を打たれ、2人はバンドを組む。そこに、大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、3人は”Jass”を結成する。楽譜も読めず、Jazzの知識も無かったが、ひたすらに全力で吹いてきた大。Jazzに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。トリオの目標は、日本x最高のJazzクラブ(*1モデルは、東京・南青山にあるジャズクラブ「ブルー・ノート東京」)に出て、日本のJazzシーンを変える事。不可能と思われる目標に、必死に真摯に、激しく挑むーーー。
 上原さんの作る曲も良いです。若さ溢れる情熱を感じさせてくれます。

 *1:https://trilltrill.jp/articles/3006999 

 5)音楽 (サントラCD29曲中27曲を上原ひろみが作曲、1曲は、Impressions(Jphn Coltrane)、もう1曲は、Samba five(陣内一真))

 Blue Giantで流れているJazzがいいね。Jazzピアニストの上原ひろみさんが作曲されています。馬場さんのテナーサックスも若い大の熱い演奏になるようご自身のスタイルからは変えてやっているとのこと。あくまで私の理解ですが、最初の方は、ファーストライブ(7スポット)の曲”ファーストノート”はナベサダのもろJazz風だったのが、最後はフリーに近いスタイルになっていたり進化しています。このCDは映画とは関係なしに聴いても良いです。私が買おうかなと並んでいた時、前に買った男性が”これ買いたくなりますよね!”と聞いて来て、思わず”なりますよね!”と答えちゃいましたから。

 個人的に気に入っているのはやはりバラード。12曲目のアナザー・オータムは良いですね。デクスター・ゴードンの”ドント・イクスプレイン”の雰囲気。思慮深く、ブルージーなバラードです。長尺で聴きたいですね。

 6)アニメ
 ロトスコープ(実写映像をトレースする技法)が多用されている。特に凄いと思ったのは、最後の”So Blue”でのライブでのドラムのスティックの走る軌跡まで打音とシンクロして描写されている。ピアノのタッチもアニメでこんなに音と指(漫画でちゃんと描いているのは稀)がシンクロしているのは今まで見たことが無い。大がテナーを吹いている時の状態を反らしたり前かがみになったり所なんかは実にリアル。例えば、モーションキャプチャーの動きを3DCGに反映したN.E.W.は見ていて本当にリアル。
 ライブシーンに、現実的なライブ映像に加えて主観的なイメージ画像を心象風景で見せる、つまりプレイヤーが見えている景色を想像しそれを飛躍させた表現を目指したとのこと。見ている時は従来のアニメとは一味違うなと確かに思ったが、こういうのと上記のモーションキャプチャーとの組み合わせがその原因だったのだろう。
 またアニメ的に苦労したのは、楽器ー特にサックスの描写だったとのこと。これは何となくわかりますね。構造が複雑怪奇ですからね。

 とにかく、従来のアニメの概念を破った凄い傑作には間違いないと思う。
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キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”

2022-07-19 11:47:59 | ジャズ
 前回アップの赤字追記で、美の壺で、バックにキャノンボール・アダレイ の”ボサノバ”から”Sambop”が流れていたので、アップしてみました。このアルバムを手にした切欠は、このブログにコメントを頂いたBluemoonさんに数年前に拙宅に来ていただいてオーディオ談義(というよりラステーム等教えて貰った方が多い)をした際に自作のオーディオチェック用CDを彼が持参しておられその中に”Clouds”が入っていました。これが気に入ってアルバムを手に入れた次第。ジャズボッサの傑作。ブラジルの香りを堪能できます。

 ■1)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”のジャケット
 ジャケットは、リオのコルコバードの丘から見た風景

 絵葉書みたいだと言われていますが、私は絵葉書みたいで結構気に入ってます。

 ■2)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”について
 タワーレコードさんの紹介が簡潔にまとめてあるので” ”に引用させていただきます。
 1928年フロリダ州タンパ生まれのアルト・サックス奏者”ジュリアン・キャノンボール・アダレイがボサ・リオ・セクステットと共演した、貴重な演奏。ジャズ・ボッサの最高傑作!あえてブラジルのナンバーばかりを選び、ふだんのソウル・ジャズとはひと味違う、リリカルなメロディストとしての一面をみせる。セルメン以下の本場プレイヤーによる、クールなサポートも印象に残る。ハード・バップ、そしてファンキー・アルトの巨人キャノンボール・アダレイが、ボサノヴァ・ブームの最中にレコーディングしたジャズ・ボッサの名作。若き日のセルジオ・メンデス率いるボサ・リオ・セクステットとの共演。アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の「コルコヴァード」「ワンス・アイ・ラヴド」、参加メンバーのオリジナルなどを収録した。当時録音された数多くのジャズメンのボサノヴァ作品の中でも、人気の高い作品。
●参加アーティスト:(as)キャノンボール・アダレイ、(tp)ペドロ・パウロ、(as)パウロ・モウラ、(p)セルジオ・メンデス、(g)ドゥルヴァル・フェレイラ、(b)オクタヴィオ・ベイリーJr.、(dms)ドン・ウン・ロマノ”
 ピアノがセルジオ・メンデスとは豪華ですね、でも当時21歳とは凄い。録音時の状況は、スタン・ゲッツの『ジャズ・サンバ』が1962年10月にヒットチャートの1位に輝きアメリカでボサ・ノヴァが大流行する渦中の1962年11月21日、ニューヨークのカーネギー・ホールでボサノバ・コンサートが開催され、このレコードに曲を提供している アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、 カルロス・リラ、セルジオ・メンデス、 ルイス・ボンファなど、ブラジルから若きボサノバの創始者達が大挙出演しましたが、その17日後に当時ニューヨークで人気絶頂の、キャノンボール・アダレイを迎えて、このレコードは録音されました。録音はニューヨーク。1963年リリース。スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの“Getz/Gilberto”及びそれからシングル・カットされた“The Girl From Ipanema”の1964年より前である。

 ■3)キャノンボール・アダレイ ”ボサノバ”の曲 ( )内作者
 ギタリストで作曲家でもあるドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーンとの共作が4曲、ジョアン・ドナートの曲が#2の1曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲が#3,#7で2曲、セルジオ・メンデスの曲が#6の1曲です。

 1.クラウズ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 これが一番のお気に入り。ピアノのイントロから右から聞こえるキャノンボールのサックスと続きますが、ギターのバッキングがボサノバって感じですね。キャノンボールのアルトの何と爽やかなことか、スムーズで朗々として、このアドリブを聴いているとあらゆるものから心が解放されていきます。

 2.ミーニャ・サウダージ(João Donato)
 アップテンポで爽快感がある、とことん陽気な曲。詞は、恋人が去ってしまった寂しさを表しており、空元気で紛らわそうと明るく振る舞う様がプレイに隠されています。

 3.コルコヴァード(アントニオ・カルロス・ジョビン)
 コルコバードの丘を見ながら夢に見た君と死ぬまで暮らそうという詞にピッたりなゆったりとしたアドリブが心に沁みる。

 4.バチーダ・ヂフェレンチ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 あなたに会うと心臓が変わった鼓動になってしまうという歌詞、その心をキャノンボールが明るく吹き切る。

 5.ジョイスのサンバ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 ゆったりとしたスローなメロディを、たゆとうよに流れていくアルト、ストレスをフリーにしてくれる。セルジオのロマンティックなピアノ・ソロも短いが聴かせる。

 6.グルーヴィー・サンバ(セルジオ・メンデス)
 曲名通りグルーヴィーな曲。キャノンボールのサックスもジャズっぽい感じで良い感じです。リラックスの極地。メンデスのピアノソロもJazz風でスイングしてグルーヴィー。

 7.過ぎし日の恋( 作曲アントニオ・カルロス・ジョビン、 作詞ヴィニシウス・ヂ・モライス)
 過去の恋を懐かしく、悲しく思い出しているようなこの曲の歌詞のように、ノスタルジックなアドリブが心に刺さる。

 8.サンバップ((g)ドゥルヴァル・フェレイラとハーモニカ奏者マウリシオ・アインホーン)
 のっけから陽気なアップテンポのアドリブ。気分はもうすっかり リオのカーニバルで踊っているようなハッピーな朗々とした唄心溢れるアドリブ。痛快というか爽快!
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トヌー・ナイソー・トリオFOR NOW AND FOREVER

2022-06-20 18:02:52 | ジャズ
 トヌーは僕が今最も好きなピアニスト。テクニックもそうだけど浮き上がるような浮遊感が。前にデビューアルバム”With A Song My Heart”を紹介しましたが、今回は”FOR NOW AND FOREVER”です。これも良いですね。キャッチコピーにある”秋を鮮やかに彩る。穏やかな陽の差し込む中、ゆったりとした歩みを楽しむような心地良さを感じる。ミディアム・テンポの8ビートに乗った人懐っこいメロディから始まるリラックスした演奏”が正にその通り。

 6/27 青字追記 先程までEテレのスイッチインタビューを見ていました。出ていたのは、世界を舞台に活躍する指揮者・西本智実と、宇宙の法則を人生に照らし、易しい言葉で伝える理論物理学者・佐治晴夫。佐治さんが口径20cm位のフルレンジスピーカーで聴かせてくれた音は、1977年にNASAが打ち上げたボエジャー1号が宇宙で捕えた音、意外にも高音を含んだ音、洞窟の中で外から吹いてくる風が入り口から漏れているような音に聴こえた。神秘的な音だ。宇宙の歴史を含んでいる音かな。プラズマの絶え間ない振動音と言うことだ。ボエジャーは現在地球から225億Km(光で62.5時間かかる)の彼方を飛んでいるがまだ電波を送ってくれているとか、周波数はどこを使っているのであろうか?そんなに長期間持つバッテリーは何かなとか色々疑問がわくが原子力(プルトニウム238)電池とのこと。佐治さんはボエジャーに載せるゴールデンレコードにバッハを選んだと言う。クラシックファンなんだな、ピアノもショパンを練習されているし、対談の相手も指揮者だし。

 ■1)CDジャケット(販売元:澤野工房)
 表側は、

 裏は、

 ジャケット写真が可愛いですね。サイドメンは若いなあ、巨匠に師事する若手って雰囲気。対してトヌーは厳ついおじさんですがピアノは素晴らしい。

 ■2)曲とメンバーと録音

 録音:2008年6/16,17 エストニア ラジオスタジオ2 タリン(タリン歴史地区1997年ユネスコの世界遺産)

 メンバー Piano    :トヌーナイソー
      Double-Bass :Taavo  Remmel
      Drums    :Ahto Abner

 全曲心地良い浮き上がるような浮遊感を感じさせてくれます。お気に入りは、#03、#07、#08、#09です。#01も勿論良いのですが。

 01. Frank Mills (Ragni  MacDermot):軽快なタッチが美しい。アドリブはゴージャス。スイング感抜群、ベースも良く唄う。リラックスムードが心地良い。
 02. Rhythm-A-Ning (Thelonious Monk):ベースが絡んだイントロが素敵。モンクより洗練されており緊張感も適度に加わり聴いていて楽しい。
 03. Along Came Betty (Benny Golson):隠れた名曲ですな。テーマを繰り返し崩して行く崩し方も循環的で良いねえ。4バースも軽くてスピード感もある。浮き上がるようなライトメロウな爽快感。
 04. Yourself (オリジナル)  :ベースとの会話を楽しんでるね、本当に楽しそうでその楽しさを分け合えて貰える。アドリブのジェットコースターにベースが落ちてきて静かに乗っかる。ヱンディングに大きな波が4つ来て5回目を待ってたら肩透かし。これも粋。
 05. Turning Point (オリジナル):アップテンポのアドリブを楽しむ。
 06. Un Poco Loco (Bud Powell) :スピード感溢れるアドリブが心地良い。本家パウエルのは、シンバルが頑張り過ぎてピアノの邪魔だったが、こちらはピアノを邪魔せず丁度良い塩梅。疾走するドリブラーのようにポールをすり抜けるような緊張感溢れるアドリブはゴージャス。スムーズ過ぎるかも?
 07. Little Waltz (Ron Carter) :ベースとのイントロで始まるしっとりとしたスローバラード。テーマの後のベースソロのピチカートの響きが美しい。低音の弦が弾んで、煙草の煙が漂うように流れる。トヌーナイソーのソロもジュエリーのような輝きを放つ。
 08. The Sweetest Sounds  (Richard Rodgers) :ミィディアムテンポで始まって、アップテンポにシンバルに追いかけられて加速。期待感でワクワクする。スピード感溢れるアドリブは軽いのに軽さに流されず浮き上がるような爽快感を味あわせてくれる。
 09. I Love You, Porgy (Heyward / Gershwin ) :スローバラードの手本のようなアドリブであるが、エバンス流の感傷に浸るようなトーンではなく絵画的&客観的に描写するような抑制的で軽く浮き上がるような美しさを感じる。1stアルバムの最後もこの曲と同じ静かなバラード曲、終わりは静かにですね。
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トヌー・ナイソートリオ ”ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート”

2021-12-09 16:57:58 | ジャズ
  以前、”JAZZの教科書”をアップした時に、付属CDの5曲目にトヌー・ナイソートリオの)”マイ・フェイヴァリット・シングス”があった。この曲が気に入って表題のアルバムを求めた。

12/15青字追記 日本橋のハイファイ堂のライブカメラを見てみた。注目は、612Cが左前に見える。ネットでの日本橋店の説明では45万円。スピーカー端子も改造しているようである。次に手前中央に見えるのは4343WXで64.8万円。これは昔聴いた記憶ではクラシックには良いかもしれないがJazzには向かない。ネットでの日本橋店の商品リストで注目は、Infinityのヒットシリーズkappa80。これは過去の試聴で21cmのダブルウーハーが質の良い深いが重くない低音を聴かせてくれた。ボーカルの自然さも群を抜いていた。スリムなのでスペースも取らないから変えようかなとも一瞬思ったりする。9万円と安いけど10年毎に来るウレタンエッジの交換がダブルだし大変だなアとか考えると止めとこう。

 ■1)トヌーナイソー TONU NAISSOO
 ”ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート” を作った澤野工房さんから転記させていただきます。
 ”1951年、エストニア・タリン生まれ。6歳よりクラシックピアノをはじめる。国内の音楽学校を卒業後、1989年にはバークリー音楽院の奨学生となる。1967年、タリンで行われた国際ジャズフェスティバルにデビュー(16歳)。翌年、初のアルバム「TONU NAISSOO TRIO』を制作する。数多くの国際的なプロジェクトで活躍する。ビッグバンドや映画音楽、室内楽や聖歌隊等の作曲を手がけ、エストニアの音楽学校でジャズピアノの准教授として教鞭をとるなど、その活動は多岐に渡っている。北ヨーロッパの清冷な空気感をまとった軽やかなスウィングは、日本にも多くのファンを生み出す事となった。彼の音楽的解釈、そして即興演奏にはジャズの要素はもちろんロックの影響も色濃く表れており、詩的な深遠さ、エンターテイメント性に溢れた寛ぎを併せ持っている。近年、その功績が認められエストニア芸術功労賞が与えられる。”
⇒エストニア生まれなんですね!N響の初代主席指揮者の”パーヴォ・ヤルヴィ”もエストニア生まれ。生誕地・優れた音楽家・北欧の厳しい環境を想起させる厳格な風貌等お二人には共通点が多い。’89年に国際ジャズフェスティバルに16歳でデビューとは早熟でもある。バークリー音楽院の奨学生とあるので、渡辺貞夫さんの27年後輩と言うことになるんですね。

 ■2)”マイ・フェイヴァリット・シングス”
 これは元々はミュージカルの曲ですが、トレーンがアルバムに取り上げてヒットしました。ジャズピアノでは、トヌーのプレイが素晴らしい。僕は印象派の輝きを感じます。上記の本の解説は、

 となっています。

 ■3) ”ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート” のCD
 これは、以下。右のジャケット写真の小走りの2人の子供が可愛い。左の端のジャケットにトヌーの顔が載っていますが如何にも厳格そうですが優しそう。

 内側は、

 Jorma Ojanpera : ダブル bass
 Petteri Hasa : drums
 2003年2/20~21 エストニアラジオスタジオ2にて録音

 ■3)”ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート” のお気に入り
 全曲お気に入り。特に9曲目は寝る前に聴くとぐっすり眠れます。
 ”マイ・フェイヴァリット・シングス”は2曲目。上記の本の解説では、ソロをベースを先に来させることで、逆にピアノの主役感を引き立てるとある。僕は印象派の光の輝きを感じると言いましたが、ダイヤモンドダストにも似た美しいタッチと言う表現もピッタリ。これは、ピアノのアドリブラインやコードワークの為と思いますが、ドラムスのPetteri Hasaのシンバルも影響しています。録音も良いですからオーディオチェックにも最適。

 1曲目の”イズ’ント・イット・ロマンティック”からノックアウトさせましたね。何とリリカルでスイングするピアノなんでしょう。ダイアナ・クラールのも良いですけど・・・
 3曲目は”ユー・アー・ツー。ビューティフル”。アップテンポで爽快なムード。音数が多くアドリブが多彩。ベースとの息もピッタリ。
 4曲目の表題曲。この曲良いですね。ピアノのイントロテーマの美しいこと。えも言われません。
 5曲目は”スプリング・イズ・ヒアー”。絹のようなしっとり感が何とも言えない。
 6曲目は”シングス・エイント・ホワット・ゼイ・ユースト・トゥビー”。こういうユーモアの利いたやつもいけるんですね!
 7曲目は”クローズ・ユア・アイズ”。これも静かなシンバルとベースに寄り添われたイントロテーマの美しいこと。そこからはスイングした多彩なアイデアのアドリブの嵐。
 8曲目は、“コン・アルマ”。これも繰り返しのテーマイントロから怒涛のアドリブへ雪崩れ込む。
 9曲目は”イン・ザ・ウィー・スモール・オブ・ザ・モーニング”。ジェリー・マリガンの”ナイト・ライツ”の同曲も良いですが、これはピアノトリオとしては最高。私はキャロル・スローンのムードのある素敵な声としっとり感のこの曲も好きです。夜明けの静粛感と恋心のもどかしさを感じたりして。”眠れぬまま決して羊を数えたりしないよね”何て歌詞、粋ですよね。
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