オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

現状の部屋の伝送特性のシミュレーション

2018-03-28 21:28:04 | オーディオ
 木製ラックで重量物を増加することで低域の定在波のディップ、特に100Hzが改善されることが判ったが、金属ラックでは、その周波数が95Hzと少し違っていた。この差は何に起因するかが謎です。シミュレーションでもしてみたら何か判るかなと思ってやってみました。

 ■1)木製ラックと金属パイプラックの100Hz付近の実測によるディップ周波数の差
 金属ラックは、以下で、95Hz付近に定在波の腹と思われるディップがあります。

 木製ラックは、以下ですが、100Hz付近になっています。


 ■2)私の部屋の伝送周波数特性のシミュレーション
 石井式リスニングルーム研究のHPでフリーソフトでダウンロードできる、Stndwave2 Ver.0.9がありますが、以前にも使用してアップしましたが、今回は最新のスピーカー位置を入れてみました。部屋の寸法は、cm単位で

 横:奥行き:高さ=500:263:240  です。

 四角い部屋の低域伝送周波数特性をシミュレートするStndwave2 Ver.0.9の結果が以下です。

 赤線がSP2で右側のスピーカーによる特性で、黒線が、SP1で左側のスピーカーによる特性で、青線がステレオでの合成特性です。これは、今一実測のFFTとは違っています。実測はステレオですので青線で見ると100Hz付近にディップは無く、140Hz付近にあります。また、200Hz位の周波数にはもっと深いディップがありますが、実測では160Hz付近ですので合致していません。

 ■3)部屋の固有モード
 上記条件で、部屋の固有モードというものが出ますので、上の画像の右にもありますが、本文に一部出してみると、
 
 モードNo.  モード(幅)  モード(奥行)  モード(高さ)  周波数
 No.7     2         1         0        94.9
 No.8     0         1         1        97
 No.9     2         0         1        99.3
 No.10    1         1         1       102.9
 No.11    3         0         0       103.2

 低音域になるほど反射音の比率が高くなる関係で固有モードは200Hz迄しか値が出ませんが、No.45までモードがあり、100Hz付近のものは、上記です。
 金属ラックは、95Hz位ですので、No.7の2・1・0モードで、木製ラックは、100Hz付近ですので、No.9の2・0・1モードではないかと思います。
 しかし、■2)の伝送特性そのものが実測のFFTと合っていませんので何とも言えません。床はカーペットで覆っているので、反射率をもっと下げないといけないかなと思って0.7まで下げましたが、結果はそんなに変わりませんでした。おそらく、部屋には実際は色々な物が配置されていますので、部屋自体も数十、数百の部分に分離してそれらのシミュレーションを加算・或いは統合・重ね合わせ、または全く別の処理をしないとダメなのかも知れません。簡単な近似法が有ればいいのですが。
 金属ラックでディップが大きいのは、高さが123cmとスピーカーの高さ位しかないので、スピーカーより上の空間が金属ラックでは開放されることが100Hzのディップが大きくなる原因となっていると推定しています。

 620A 高さ         114.5cm (台が13cmあり、それを含み)
 金属製パイプラック高さ  123cm   (一番上のフレーム高さ123cmですが、それ以外はスカスカ)
 木製ラック高さ        178cm    (620Aの高さ以上の空間を、横辺の中央で塞ぐ効果がある。)


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木製ラック評価

2018-03-26 21:23:03 | オーディオ
 金属ラックはキャスター付であり使い勝手が良い所もあるのでを何とか使いたいと思っているが、今の所定在波の100Hzのディップを解消する条件が見つからない。そこで従来の木製ラックの最適な位置と共振の原因を掴めるような実験ができないかとトライしてみました。

 ■1)実験風景
 先ずは、位置を横方向に変えてみました。以下は、右に寄せた場合で、左の620Aから10cmの位置です。

 条件を一定化するためと、移動するのに軽くないと持ち上げられないので、位置を変える実験ではラックの上から3段目のみにチャンデバとアンプ2台を入れました。
 次に、ラックの振動・共振は、中に入れる物の量に依存するという前にアップした実験での結果を踏まえ、上から1段目にチューナー、2段目にカセットデッキを入れたのが、下記。

 更にCDプレーヤーを入れたのが、下記。

 尚、現在のスピーカーシステムは、低域から並べると
 70Hz以下:4331Aの2231Aのみ、LPF設定44Hzのチャンデバで駆動
 620Aは、チャンデバ不使用で垂れ流し、上下とは同相接続(2231AとはFFT評価で、2405とはインパルス応答のパルス方向評価で同相を採用)
 13KHz以上:2405 (-4dbのATT,1.5μFのパスコンで6KHz位からオーバーラップしているが13KHzからメイン) 

 ■2)評価データ1 木製ラックの横方向の位置によるFFT評価
 金属ラックでやったのと同じ、横方向の位置による低音域の定在波の評価をしてみたのが、以下。

 ①が左スピーカーとラックの間隔が8cmで、②は12cm、③は、14cm、④は、ほぼ中央の16cmですが、水色の〇で囲んだ100Hzのディップは、-17db位の落ち込みで変化はみられません。又、前回の金属ラックと比べて、30Hz付近の音圧が2~3db高く重低音域がリッチになっているのと、160Hzのディップも軽減しているのが判ります。

 ■3)評価データ2 ラックに入れる物を増加していく評価
 ラックの振動・共振は、中に入れる物の量に依存するという前にアップした実験での結果を踏まえ、ラックの横位置は、15cmと中央に置いて、ラックに入れる物を段階的に増やしていきました。以下データ。

 ⑤は、3段目のみにチャンデバとアンプ2台を入れたもので、⑥は、⑤+上から1段目にチューナー、2段目にカセットデッキを入れたもので、⑦は、⑥+CDプレーヤー、⑧は、⑦+レコードプレーヤーを入れたFFTですが、100Hzのディップは、⑤~⑦で-17db、⑧で少し減って-16dbに見えますが大きな差は無し。以下は、更に物を入れていきました。

 ⑨は、⑧+レコード138枚(約37Kg)を最下段に入れた場合で、これで100Hzのディップが、音圧の平均がー10dbに対し-12dbとほぼ定在波の影響とは言えない程度のレベルまで改善できました。⑩⑪は更に小型スピーカーを入れたのですが、差はありません。⑫は更に突っ張り棒を天井との間に入れたものですが、-13.5dbと若干悪化していますが、他の周波数でのディップと同レベルで問題になるレベルではないです。

 ■4)■3)の評価データの考察
 LPレコード138枚(約37Kg)を入れた所で、100Hzのディップが大きく改善された。この理由としては、37Kgという重量増の効果が主と思われるが、最下段の空間がレコードで無くなったという空洞を閉塞する効果も考えられる。どちらが支配的かは重量のない例えば発泡スチロールで最下段を埋めてみたら重量効果か、空間効果かが判別できる。しかしそこまでやる気は今のところは無い。
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金属パイプラック評価2

2018-03-24 00:15:13 | オーディオ
 前回、ピンポイントの固定位置でパイプラック評価を行って、金属パイプラックは芳しくないデータだった。何とか金属パイプラックを使えないかと、元エンジニアとしてはどうしてももう1トライしたくなり、金属パイプラックの位置を変えて定在波の影響を防げるか評価した。金属ラックにすると高さが1.2mと木製ラックより低く出来、後の壁の上にTVが貼り付けられるのでTVの壁設置の目的の方が主でした。

 ■1)実験風景
 前回は、パイプラックを両スピーカーの中央に置いていたので下記の状況であった。(前回は、CDプレーヤー等もセットしたが今回は、不確定要素を減らす為アンプとチャンデバのみにした。以下は写真用に実験終了後にCDプレーヤーを置いた時)

 位置を中央からずらしたが、以下は、ラックを右寄りにした場合。左のスピーカーからラックを24cm間隔を空けた。


 ■2)実験結果 横方向の位置
 先ずは、ラックの横方向の位置依存性です。

 ①がラックが一番左スピーカーから近い場合で、スペースが10cm、順に②12cm、③14cm、④16cmです。14.5cmで中央ですので④は中央から少し右になります。100Hzのディップはどれも同じレベルです。160Hzにあるディップは、中央に行くほど深いように見えますが、差は僅かです。有意差は有りません。

 ■3)実験結果 前後方向の位置 その他
 これは、以下。ラックは、両スピーカーの中央に置き、前後位置を変えた。

 ⑤は、ラックの前面と後の壁のスペースが43cmの場合で、⑥は、ラックが奥に引っ込んだ場合でスペースが37.5cm、⑦は逆にラックを前に出して、スペースが50cmの場合です。これらも殆ど有意差はありません。⑧は、横方向の場合で極端に右に持っていった場合で、左スピーカーから24cmの場合ですが、100Hzは有意差は無く、160Hzが悪化しています。縦方向も横方向もあまり依存性らしきものは、無いようです。

  【結論】私の部屋のディメンション(500cm×263cm×240cm(H))において、定在波を防ぐ目的で金属パイプラックを導入し、その位置を前後左右に移動しても、定在波を抑える解は無い。

 次回は、木製ラックで位置及びその他振動に影響するパラメーターを変えて依存性が出る条件を探ります。
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金属製パイプラック評価

2018-03-17 23:26:29 | オーディオ
 去年11月8日にスピーカー位置の見直しを行ったが、その時に今使用中の木製のラックの空洞共振によると思われるデータを11月9日に採った。ラック内に物がない場合に100Hzでのディップが大きくなることから、空洞共振によるものと推定し、パイプラックなら空洞共振がないのでディップが少なくなると予想した。今回それを検証した。

 ■1)前回データ 620A+2405Hで実験(低音用の2231Aは不使用)
 空洞共振が原因でディップが起きると推定したデータは、11/9のデータで、再度載せると
 ①がラック内に物が無い場合で、この場合のみ100~105Hzでのディップが大きい。これが空洞共振により起きていると前回予想した。(2231Aを付加していないので、低音端(20Hz)で~10dbダウンしている。)

 ■2)パイプラックでの評価風景 
 金属製のパイプラックに収納したのが下記。

 TVを前に置くと、

 測定風景は、右側の窓側の通常聴取位置に三脚があり、その上にマイクがあり、写真左側に写っているスピーカーの音を収録。
 
 最後に、ラックの上にあるチューナー上につっかえ棒を取り付けた。これは共振防止効果を見た。


 ■3)実験データ1 金属製のパイプラック 2231A+620A+2405で実験(低音用の2231AをチャンデバLPF70Hz(44Hz設定)で使用)
 これは、以下。(2231Aを付加してるので、低音端(20Hz)でのダウンがほとんどない。)

 
 上段は、現状の木製ラックで、左が、My Speakerの両チャン駆動のFFTで、中央は、WaveGeneでR(右)側スピーカー、右は、WaveGeneでL(左)側スピーカーのFFTです。下段が、金属製のパイプラックのデータです。これを見れて、ガックリしたのは言うまでもありません。予想では、金属製のラックでは、100Hzのディップが軽減されると予想していましたが、結果は全く逆で赤丸で示した3つの周波数(62Hz,100Hz,180Hz)のディップが全部パイプラックの方が大きい。100Hzが最も差が大きく、木製ラックより6dbは下がってます。尚、マイク位置を数cm水平方向に動かしても、200Hz以下の低域では波形が変わらないことは確認している。

 ■4)実験データ2 金属製のパイプラックにつっかえ棒をかます
 金属製のパイプラックの振動が悪さをしているのではないかと言うことを検証する為に、つっかえ棒を噛ましたデータが下記。
 
 これも、データ的には、つっかえ棒無しのデータとほぼ同じで、効果は無い。これでは、金属製のパイプラックは使えませんので、木製ラックに戻したのが、下段ですが、定在波影響の低音域のディップは、元の状態に戻っています。寧ろ、元より100Hzのディップは少なくなっており、これは微妙な位置の影響か、内部の物の置き方・量の差かもしれませんね。

 ■5)パイプラックの効果についての考察
 結論的には、パイプラックによっては低音域の定在波を軽減できなかった。この理由としては、パイプラックにより本来この部屋のディメンションで生じる低音域の定在波が浮き出たと考えられる。今使用している木製ラックにより本来の低音域の定在波の谷が高周波数側にシフトされている可能性がある。

 ■6)10.5Ω系ATTの聴きこみ
 これは、現状10.5Ω系で聴きこみを続けております。トレーンなら、スターダスト、スタンダード、ブラック・パールズ等で聴き込んでいますが、プレーヤーの気配まで感じるレベルになっています。マイルスの、カインド・オブ・ブルーや、マイファニーバレンタインでもそうですが、特に後者は、ライブですので、ライブ感が出ます。ビル・エバンスのワルツ・フォーデヴィもライブですので同様ライブ感が8Ω系より鋭くなります。しかし、電気的な矩形波のリンギングでは8Ω系ATTの方がリンギングが少なく鈍りも少なく優秀なのに10.5Ω系の方が瑞々しいというのはつくづく不思議です。画像でも、輪郭強調をすると見た目に綺麗に見えるのと同じかもしれませんね。
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MOVIG OUT Sonny Rollins

2018-03-12 17:45:38 | ジャズ
 前回、”モンク・アンド・ロリンズ”を紹介した時に、その時、神が乗り移ったようなアドリブを見せた2曲と同一セッションの曲”モア・ザン・ユー・ノウ”が、”MOVIG OUT”に収録されていると述べましたので、”MOVIG OUT”についてお話します。これも私が最初にジャズにのめり込んだ嵌ったアルバムです。いやー、ハードバップの名盤です。サキソフォン・コロッサスのようにスタイルを完成してしまったロリンズより、僕は若い頃・有名になる前の何者も恐れない怖いもの知らずの直球勝負のロリンズにより魅力を感じます。

 ■1)ケニー・ドーハムの熱いペット
 去年の3/17にアップした”静かなるケニー”のところでも引用したのですが、'54年にソニーロリンズと2管を組んだ、”ムービン・アウト”のケニーは火の出るような熱いケニーの早いパッセージを聴く事ができ、これが、”同じケニーなの?”と驚いたものですが、このプレイはご機嫌です。私が大ファンであるロリンズのアルバムで最も好きなアルバムの一つになります。まだパーカーの影も少し残っていますが、モダンさと技量においてこの時期のロリンズは向うところ敵無しです。これと同じロリンズとの2管で'57年5月の” Jazz Contrasts ”がありますが、'54年の”ムービン・アウト”の方が、若い頃の恐れを知らない神の宿ったようなロリンズが聴けるし、ケニーもそのロリンズにインスパイアーされたのか、いつもより熱い演奏をしています。動のケニーが本当のケニーだという人も偶にいますが、私は、動のケニーも静のケニーも大好きです。

 ■2)MOVIG OUT のジャケット・メンバー、録音、その頃のロリンズ
 ジャケットは、

 メンバーは、
 1曲目~4曲目  1954年8月18日、ニュージャジーのハッケンサックのRVG*の自宅居間のスタジオ
 ケニー・ドーハム(Tp)
 エルモ・ホープ (P)
 パーシー・ヒース(B)
 アート・ブレイキー(Ds)解説によると、この日ハイハットを忘れてきたらしい。

 5曲目      1954年10月25日、ニュージャジーのハッケンサックのRVG*の自宅居間のスタジオ
 セロニアス・モンク(P)
 トミー・ポッター(B)
 アート・テイラー(Ds)

 *RVG:ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)
 この後、ロリンズは、生涯3回の雲隠れの1回目を行う。1回目は約1年間で麻薬を止めるためと油井先生は見ていた。その1年間は、シカゴで医者にかかり治療をした後、工場の守衛をしていた。といっても仕事は主に掃除であるが辞める時、掃除の腕を気に入っていた社長がとても惜しがった。次に手がけたのは、トラックの荷積みであるが、これは腕を何度も傷つけたため辞めてしまった。丁度55年にマイルスが、クインテットのテナーにロリンズを招聘したが、このような状況でロリンズは断ったので、その話は、トレーンに回ってきてトレーンが起用されることになったのは皮肉な話である。55年の11月にシカゴにクリフォード・ブラウン&マックス・ローチクインテットの公演が来て、テナーのハロルド・ランドがカリフォルニアに帰ることになったのでシカゴだけの助っ人という条件でロリンズが出ることになった。しかしロリンズは、結局NYに付いて行くことに変更し1回目の雲隠れは終わるのである。

 ■3)MOVIG OUT の英語版ライナーノーツの訳(ByFK、少し改変)
 この 1曲目~4曲目が初めて10インチLPで発売された時、評論家の多くはロリンズの偉大な才能の萌芽に気がつかず、あら捜しをして難癖をつけることに終始したという。でも同輩のミュージシャン達は早くからロリンズの非凡さを見抜いており、新しく登場した天才として高く評価していた。このセッションでは、アート・ブレイキーをリズムの要に、アップテンポのナンバーを中心にエネルギッシュなプレイが繰り広げられる。ケニー・ドーハムとエルモ・ホープのプレイも聴きものだ。妖艶な女優ヒルデガルドを思わせる”シルキン’サテン”では、ロリンズの温かみを帯びたバラード奏法を披露する。一方、1954年10月のモンクと共演したカルテット・セッションからの5曲目”モア・ザン・ユー・ノウ”は、長尺でロリンズのリリシズムが際立っており、モンクの簡潔だが充分に詰まったプレイと好対照をなしている。2人の音楽性が見事に溶け合ったプレイであり、彼らの共演レコーディングがもっと残されていたらと思わずにはいられない。

 ■4)MOVIG OUT の各曲
 私が好きなのは、と書こうとしましたが、好不調の激しいロリンズの好調時のアルバムだけに全曲お気に入りです。時期的には、まだバードの影響もありますが、5曲目なんかは、ロリンズ流のハードバップが既に確立されています。また、5曲中4曲がロリンズのオリジナルであり、作曲の才能もSilkn' Satinを作ったと思うと、中々のものです。

 1.Moving Out (4:27)(ソニー・ロリンズのオリジナル)
 出だしから、アップテンポのアドリブでぐいぐい吹きまくるロリンズ。この頃彼は全く怖いものは無かったはずだ。只管、神が宿ったようなアドリブをストレートに吐き出すロリンズが何とも豪快。対するケニーもロリンズにインスパーヤーされてハイノートを風のように軽やかに吹き抜ける。続くエルモのピアノも乗りに乗って流れるように絶好調。ミスタースインギーって名づけよう。最後に戻ってのロリンズのソロも自由自在。エンディングも鮮やかに突然のエンド。

2.Swingin' For Bumsy (5:45)(ソニー・ロリンズのオリジナル)
 ドラムスの短いイントロから、ケニーが絡むが一気にロリンズのソロがうねる。ここでもロリンズのうねるアドリブは冴えわたる。天才特有の直感とひらめきに頼る嫌いはあるが、天衣無縫。続くケニーもまたまた熱いが変化に富んだアドリブを展開。次に出るエルモもアイデア溢れるアドリブを披露。その後のブレイキーのドラムスもハイハットは無いが気合充分。ロリンズに戻るが最後のエンディングは、ケニーに任せて高らかにフィニッシュ。

3.Silkn' Satin (3:58)(ソニー・ロリンズのオリジナル)
 この頃のロリンズは既にバラードの名手である。後の、コロッサスの”恋を知らない貴方”のバラードセンスを既に匂わせる。”恋を・・”の時は、最初から構成から何から全て考え作り込んだ感がある。しかし、この”Silkn' Satin”ではその時の感情の趣くままに歌心一杯にバラードを楽しんでいるように感じる。これが真のロリンズなんだろうと思う。僕のお気に入り。コルトレーンもバラードの名手であると思うが、ロリンズのこの天性のバラードフィーリングには適わない。

4.Solid (6:24)(ソニー・ロリンズのオリジナル)
 これぞ、ハードバップという感じかな。ロリンズのアドリブにも直球ながらある種の余裕を感じる。ケニーのソロは、ここでは少し落ち着いて余裕綽々のプレイを聴かせる。このアドリブは好きだ。続くエルモも絶好調で軽快に。その後のブレイキーのドラムスもリラックスしたもの。最後のテーマも、ロリンズとケニーが4バースを楽しそうに交換して、ロリンズにケニーが寄り添って終わる。

5.More Than You Know (10:48)(William Rose-Edward Eliscu-Vincent Yourmans)
 最初から、ロリンズのテーマでスローバラードをゆったりと余裕たっぷりにスタート。ここからは、アドリブが泉のように溢れてくる。ここまで長尺のバラードを飽きさせずに歌心たっぷりに吹き抜けるのはロリンズ位だろう。やはりこの頃は神が降臨しているに違いない。ロリンズに身を委ねて心地よいリリシズムのフィーリングに包まれる。続くモンクも彼特有のメロディに不協和音を持ち込むことはここでは抑えてロリンズに合わせている。このソロが又良いのである。モンクファンは不満であろうが。

 ■5)You Tube
 ソリッド以外は、今は上がっています。

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