オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

620Aの1波トーンバースト応答の密閉Vsバスレフ比較

2020-03-29 15:20:52 | スピーカー評価
 620Aをバスレフから密閉に改造したのはベースのピチカートを聴いている時にバスレフはバックグラウンドに付帯音を引っ張っているように感じたからで歯切れを改善する為に行った。これは感覚的なものでプラシーヴォかもしれません。純粋にサイン波の1波トーンバースト応答で差が定量的に出せないものかと思ってやってみました。 4/6 緑字追記 以下の620Aの50Hzのバスレフのオシロ波形が3/11にアップした620Bの50Hzのオシロ波形と同じなので620Aと620Bの差は620Aを密閉に改造したからです。

 ■1)バスレフに対する同様の意見
 これはネットで良く見ます。私が尊敬するLEANAUDIOの下記ページ”バスレフ型の問題点を検証する”にも解説があります。
 http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-252.html
 一部転記しますと、
”1) ピチカートベースの信号を再生した場合の再生音波形には、密閉型とバスレフ型で明らかな違いが確認できました。この信号に対しては、密閉型の方が明らかに高い信号忠実度を示しました。バスレフ型では音の出だし(トランジェント部)の波形に顕著な崩れが見られました。
2) 同じ信号に対してアンプ内蔵のアナログ式トーンコントロールとFrieveAudioのデジタルイコライザーで同等量のブーストを適用した場合、スピーカーから再生される音波の信号忠実度は、明らかに後者の方が優れる”

 ■2)測定方法
 ユニットの特性のみを見たいので、当然超ニアー(マイク距離10cm)です。

 これは測定した左のユニットです。マッチャーを外していますが実際に測定した時はちゃんとネジで絞めて開口は塞いでいます。マイクはこのように10cmに近づけています。

 ■3)1波トーンバースト応答 20Hz,30Hz
 620Aの604-8Gのヘルムホルツ共振周波数は前(3/6)にアップしたように~50Hzですのでバスレフ効果は50Hzが一番大きいのでその前後を測定しました。

 上段が20Hz,下段が30Hzで、左は密閉で右はバスレフです。
 ①は20Hz密閉で付帯波は1波長ありその+ピークに青●を付けています。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、1.3です。赤楕円の範囲が付帯波がある領域を示しています。この楕円が横長なほど付帯波が長いということですが46ms程度です。
 ②は20Hzバスレフですが、青●のピークは密閉よりは若干低いですが、赤い楕円は①より横に長いので付帯波が長引いていることが判りますが94msと見ました。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、0.85です。
 ③は30Hz密閉でB/Aは、0.65です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は70ms程度です。
 ④は30Hzバスレフですが、B/Aは、1.1です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は124ms程度です。
 
 ■4)1波トーンバースト応答 40Hz,50Hz
 これは

 ⑤は40Hz密閉でB/Aは、0.47です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は50ms程度です。
 ⑥は40Hzバスレフですが、B/Aは、1.07です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は118ms程度です。
 ⑦は50Hz密閉でB/Aは、0.36です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は30ms程度です。
 ⑧は50Hzバスレフですが、B/Aは、0.73です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は92ms程度です。

 ■5)1波トーンバースト応答 70Hz,90Hz
 これは

 ⑨は70Hz密閉でB/Aは、0.21です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は35ms程度です。
 ⑩は70Hzバスレフですが、B/Aは、0.44です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は49ms程度です。
 ⑪は90Hz密閉でB/Aは、0.15です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は32ms程度です。
 ⑫は90Hzバスレフですが、B/Aは、0.29です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は40ms程度です

 ■6)1波トーンバースト応答 100Hz,200Hz
 これは

 ⑬は100Hz密閉でB/Aは、0.14です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は31ms程度です。
 ⑭は100Hzバスレフですが、B/Aは、0.22です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は36ms程度です。
 ⑮は200Hz密閉でB/Aは、0.08です。赤い範囲の付帯波がある領域は10ms程度です。
 ⑯は200Hzバスレフですが、B/Aは、0.08です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は12ms程度です

 ■7)B/A値と付帯波持続時間のグラフ化
 これは

 上が、B/A値で下は付帯波持続時間で、密閉は青色の線で、バスレフはピンクの線です。
 上のグラフで1発目の付帯波Bの主波Aとの比B/Aは20Hzのみバスレフが若干低いですが、30Hz以上ではバスレフの方が悪くバスレフが効いて来ない100Hz以上ではほぼ同じになっていきます。
 下の付帯波持続時間のグラフでは、バスレフがすべての周波数領域で密閉より大きくなっており不要な付帯波を長く出していることが判ります。
 これで純粋に付帯波が密閉は少ないことが1波トーンバースト応答で確かめられました。理想的には∞バッフルならもっと改善するはずです。
 尚620A箱はバスレフポートの深さは板厚の18mmと薄いのでバスレフのポート内の空気の容量が小さく空気バネで近似した場合の重りが軽いが内容積は620A箱は比較的大きいので空気バネの近似の場合の空気バネの弾性力も弱くf0は30Hz程度に下げられるもののアンダーダンピングと考えられるので付帯波は出易い。逆に2231Aが入っている4331Aはポート深さが10.9cmもありオーバーダンピングと思われるので理論的にはこれの付帯波はバスレフでも密閉に近い(620Aとの比較と言う意味で)はずなのでこれも後日紹介します。
 又、このグラフを見ると604-8Gのウーハーを70Hz以下でカットし付帯波の大きい領域を除外したくなりますよね。後日それについても紹介します。
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38cmウーハーの20Hzの波形(2231Avs604-8G)

2020-03-25 20:46:24 | スピーカー評価
 低域については色々と調べたがスッキリしないことが多い。RDA520を620A(604-8G)で使っている場合では低域は2231AをRDA520の同軸出力から出してDAC経由でアナログでLP2020A+で駆動している。このパスが謎が多い。(3/26追記:反転するかどうかとディレーもチャンデバで1/2波長分、チャンデバ+DACで1波長分とかデータが評価する毎に違ったりする。私の設定ミスもあるかもしれない。)
 今回は純粋に20Hzレベルの波形が620Aの密閉と2231Aの密閉でトーンバースト波形がどうなっているか興味があってオシロでみてみました。
 これを測っている際にバスレフから密閉にした際に聴感上はベースのピチカートの切れが悪いのが気になって変えたのですがそれをトーンバーストで差が見れるのではと思って3/3にオシロ波形を出してみたのでまたアップします。

 ■1)今回の構成
 今回は波形を純粋に見るためにチャンデバを外しました。

 
 ■2)20Hz1波トーンバースト波形 ~通常聴取位置のマイク位置~
 これは以下です。マイク位置を通常聴取位置にしており、ファーフィールドなので反射等による付帯波が多い。尚620A(f0c=53Hz)も2231A(f0c=40Hz)も密閉化しています。

 ①は620A+2231A(RDA520⇒DAC⇒LP2020A+チャンデバレス正相接続)の1波トーンバーストで②は620Aのみ、③は2231A((RDA520⇒DAC⇒LP2020A+チャンデバレス正相接続)のみ、④は620A+2231A(RDA520⇒DAC⇒LP2020A+チャンデバ経由逆相接続=通常条件)です。
 ②の620Aは三角波に近い形で1波長45msなので22Hzです。③は2231Aですがこれも三角波に近い形で1波長20msなので40Hzですので1波のみを出す場合は620Aのウーハーの方が優秀。

 ■3)20Hzサイン連続波とトーンバースト波形 ~超ニアー~
 付帯波を無くしてユニットの出る波形をダイレクトに見たいので、マイク位置を10cmの距離=超ニアーにしています。

 ①は620Aでやや三角波気味なサインカーブで、②は2231Aですがこれはー側のピークが歪んでいます。でも連続サイン波なので20Hzにはなっています。
 ③は620Aのトーンバースト応答ですが、最初のーピークは周期が短いですがそれ以降は間延びして、+ピークの2発目も周期が短い。不均等な応答です。2周期出ています。1波目=33Hz、2波目=29Hzとなり本来の20Hzよりは~1.4倍高くなる。
 ④は2231Aですが、こちらは620Aよりは均等ですが最初の1波目は2波目より周期が短い。1波目=36Hz、2波目=25Hzでこれも2周期+α出ていますし周波数も20Hzよりは1.3~1.8倍高い。
 連続波は620Aの方が優秀ですが、トーンバースト応答は22231Aの方が良い。
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京都で御呼ばれ Part2

2020-03-21 09:35:00 | グルメ
 以前もアップしましたが3/9にまた京都の親戚に御呼ばれしてご馳走になりました。またまた嵐山少し南下した松尾大社の近くの”てんぷら松”さんです。

 ■1)アクセス
 松尾大社から橋を東側へ渡って北に100m位の所に”てんぷら松”さんがあります。

 ■2)今回のコース
 前回と全く違った内容だったのでいつもの通り嬉しいサプライズがありました。今回は、コロナの影響で1Fのカウンターのお客は少ない感じでしたが予約室は詰まっていました。

 ■3)コース 昼のコース 5000円

 先ずはかぶらのスープ、ゆずがワンポイント

 次は、タラのてんぷらのあんかけ アンと良くマッチします。

 刺身は上が漬けかんぱちで左がイカで右はフグ、めちゃ柔らかくて美味。左がフグのポン酢で右が醤油、器も菱形で菱餅のイメージ3月ですね。

 えびの味噌のスープに茹でえび、うーん、旨い。

 器の蓋の表も梅のイメージ

 ご飯もの、上が蟹でご飯はもち米、併せ方が粋です。

 次が屋号のてんぷら、上は タラ 天汁と塩も迷いますね

 次の上は雲子で生クリームライクな”とろとろさ”が絶妙、真ん中のイカと下の安納芋、ねっとりとしたほくほくの甘みがたまりません

 うどんは細めんが良くフグのあら身の出汁が沁みて良い味。七味は京都伝統の「黒 七味」風味豊かに味を引き締めてくれます。

 デザートは3種の内から”クリーム餡蜜”を選びました。

 デザート後のお茶はシナモンアップルで、口の中がさっぱりします。


 毎回趣向を凝らした1品の連続でワクワクする楽しみを味わえます。これで5000円は格安と思います。
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620Aの1波トーンバースト応答

2020-03-20 09:05:07 | スピーカー評価
 前回まで知人宅の620B及びT社製スピーカーのトーンバースト評価を紹介した。元々の目的は620Bのネットワークを空芯コイルに換装した効果を見るためでしたが、大きな差はありませんでした。ついでに私の持っている620Aについても同じトーンバーストで同じマイク距離で評価してみました。マルチセルラホーンはマンタレーと異なり仕切り板で6パートに分離されているのでその仕切り板で反射した音波が付帯波になるので付帯波が多くなると予想しました。 4/3 赤字追記

 ■1)評価状況
 以下のような状況でマイク距離は13cmと知人宅と合わせました。

 写真を撮り忘れたので写真はイメージです。この写真は同軸ツイータの真ん前にセットしていますが実際は同軸の中心とウーハー端の中間で下方向側にマイクをセットして知人宅と同じにしています。

 ■2)620Aの604-8Gの1波トーンバースト応答
 これは以下

 比較の為に620Bの最も付帯波が抑制されていた自作された12db/Octのチャンデバ使用分を下に

 これは意外でした。赤で示した50Hzの+ピークの付帯波が小さい。定量的に比較すると、604-8Gの主波の波高をA,付帯波の+の1波目の波高をBとすると、B/A=0.33です。620Bの方も同様計算するとB/A=0.77と2倍以上になります。
 100Hzはほぼ同じと見ました。B/Aは0.2で同じですがそこからの収束が620Aの方が早い。
 500Hzもほぼ同じように見えますが、収束が620Aの方が早い。
 1000Hzも同じく付帯波の+は2ピーク両者ありますが、620Bはそこから細波が数波続くのに対し620Aはスパッと切れています。
 1500Hzもほぼ同じで620Aは+の付帯波2ピークで黄色の以降は収束していますが、620Bは2ピークでは収束せず、黄色の以降でも細波があります。

 ■3)マルチセルラホーンへ置いている~750gの重りの効果
 1.3KHzにマルチセルラホーンの共振のディップを無くすために~750gの重りを置いている。その効果が何かあるのか、確認した。この周波数範囲はウーハーなので効果があるとしても1.3KHz以上だろうとは予想。

 50Hzでは、左が重りありで右が重り無しですが、差はありません。
 クロスの1.5KHzでは左の重り有りは付帯波の+2ピーク以降の黄色のの所でほぼ波が無いが、右の重りなしでは黄色のの所でも細波があるので効果は若干と言えどあります。
 
 ■4)620A(604-8G)で付帯波が抑制されている理由
 ウーハー領域の50Hzの付帯波B以降が小さい理由は不明と記載しましたが、3/29のアップで ■4)1波トーンバースト応答 40Hz,50Hzの50Hzのグラフを見たら、密閉が付帯波Bが小さいのに対し、バスレフが主波Aの8割レベル(丁度620Bと同じ)あるので620Bはバスレフで620Aは密閉改造したからと判明。
 1.3KHz以上についてはマルチセルラホーンが強固に出来ているので共振とか出ないような剛性があるのかなと思ったりしますがこれも不明。
 マルチパス・ゴーストひずみのTIMEDOMEINのHP(以下URL参照)の説明では、ホーンスピーカーのホーン開口端反射による低域特性のあばれや、ホーン臭さ以外に、高域に特有のくせが聴きとれる。システムにインパルスを入力して聴いてみますと、ピチッ、ブチッ等、どれもがパルスがダブったような聴こえ方をします。ということでインパルス応答の付帯波の1発目にその影響が現れると言うことですが、トーンバーストでも1発目(それ以降の細波も影響はあるが)が重要と思います。
 http://www.timedomain.co.jp/tech/hifi07/hifi07.html
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T社製スピーカーの1波トーンバースト評価

2020-03-16 11:54:52 | スピーカー評価
 3/1に知人宅で620BとT社製スピーカーを聴いてきました。前回620Bのネットワークの差を紹介したが今回は、T社製スピーカーも同じ方法で評価してみました。

 ■1)T社製スピーカー
 これは、詳細は控えますが2Wayで、私が聴いたところでは音場感に優れ力強さもあって620Bよりワイドレンジ高解像度で620Bとも遜色ない音でした。アンプは国内A社のソリッドステートでパワーアンプはA級100万円クラスの製品を使用されていました。このアンプでこそ出る音という気がします。尚、ウーハーとツイータのクロスは900Hzです。

 ■2)1波トーンバースト応答
 これは、

 前回の620Bで最も良かった自作2次のチャンデバを下に示すと

 両者を比較すると、
 50Hzは620Bの方が遥かに付帯波が小さい。
 100Hzは、付帯波が4波長はあり620Bは1~2波長で波高も小さい。
 500Hzはほぼ似たようなものですが、T社の方が少し波高が大きい。
 1000Hzと1500Hzは逆にT社の方は非常に優秀で付帯波がほとんどありませんが、620Bは1000Hzで2波長、1500Hzでは3波長+αあります。
 ⇒トーンバースト応答は、ツイータは、T社製が優秀ですが、ウーハーは620Bの方が優秀。キレの良い低音がしたのですがトーンバーストでは付帯波が多いのは意外です。
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