オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

フローリングの床の残響時間

2019-09-29 09:14:19 | ルームチューニング
 昨夜は、ラグビーのワールドカップのVsアイルランド(当日WWランキング2位)戦には感動。土曜は仕事で午後のNHKのライブ放送は見れず。BS日テレで放映される直前にあろうことかNHKのニュースで結果を見てしまった。それがなかったらもっと感動しただろうがそれでも前半は負けていたしアイルランドの突進にたじたじだった。前半終わって本当に勝つのか?しかしやるべきことをきっちりやった日本チ-ムは勝つべくしたかった。慎さんのスクラムは最強だ。アイルランドのフォワードはスクラムでペナルティ誘ってくると解説者が言っていたように、ラグビーはペナルティが直ぐに出る。相手との戦いであると同時にルールとの戦いでもある。中学までサッカー少年だった田村選手のキックも流石。ふと、中村梅雀さんのブログを覗くと、堀江翔太選手と稲垣啓太選手が池波正太郎原作の時代劇専門チャンネルのドラマ『雨の首ふり坂』に出演したとのこと。演技も出来るんですね! 9/30赤字追記 10/1緑字追加 10/1青字追記

 ■1)測定方法・部屋のデータ
 先ずは、いつも聴いている部屋は、8.2畳でカーペットで床がほぼ覆われています。測定風景は

 次にフローリングは、上の部屋をカーペットを剥がすのは現状すぐには出来ません。ということで隣の6畳のタンス部屋にしました。測定風景は

 スピーカーは、4331AでNWはインターナルEXです。マイク距離はJISを踏襲で1m、高さは4220の高さで70cm。90度回って4331Aから見た絵は

 右に写っているのは洋服のタンス2棹です。高さは~2mですのでほぼその面の壁を桐の板が覆っています。その対面にもタンスがあるのですが、高さ1.4m幅、1mですので壁の半分は木の面が出ている。
 ですので4331Aの後はウォークインクローゼットで木の扉ですのでほぼ全面が木の面です。従って4面ある壁の2.5面が木の反射面と言えます。床はフローリングですので木100%。ということは6面ある内の3.5面が木の面と言えます。

 ■2)残響の予想
 いつもの部屋は、ほぼ床全面カーペットで覆われているので、残響は~0.3秒とデッドです。ジャズには最適ですが、クラシックのホールの音は0.6秒位が良いといわれています。
 フローリング床は反射が多そうでのでライブになっていると予想し、残響も0.5~0.6秒になってくれないかと予想しました。

 ■3)残響データ
 これは以下。

 上段が6畳ののタンス部屋フローリング床100%の残響時間です。左端の①がアンプのLP2020A+のヴォリュームVr=10時30分の位置で、残響時間は、0.28~0.35秒で懸垂線型です。青〇の低音(50Hz~100Hz)と赤〇の高音(7KHz~12KHz)が高めになっています。上段中央の②がアンプのVrを11時まで上げた場合で低域と高域が少し下がって懸垂線ではなくフラットに近づきます。上段右の③は、アンプのVrを12時まで上げた場合でこれは音楽なら爆音ですが、高域もフラットで青〇低域は少し下がっています。
 中段は、8.2畳のカーペット床のデータです。傾向的には、上のフローリング床の場合と同じですが、絶対値が若干下がっています。
 両者を比較したのが下段のグラフです。左端がアンプのLP2020A+のヴォリュームVr=10時30分の位置で、フローリング床とカーペット床の残響時間の差はMaxで0.08秒です。真ん中がアンプのVrを11時まで上げた場合でこの場合は概ね差は、Maxで0.1秒です。右は、アンプのVrを12時まで上げた場合でこの場合も差はMaxで0.1秒と変わらず。
 
 ■4)フローリングの残響時間が0.6秒レベルに上がらないのは?
 これは部屋の容積が小さいからと考えられる。残響時間は周波数をLogスケールにして容積に比例する。映画館のような環境の場合は、0.6秒の残響時間を確保するのは、内部の容積は200m3必要とのデータがある。(URL: https://onsoku.jimdo.com/残響時間/資料-残響時間/) このデータで8.2畳の私の部屋は容積32m3なのでこのグラフで言うと映画館のような環境の場合で~0.35秒なので上記データは妥当といえる。従って床面がフローリングかカーペットかの差も~Maxで0.1秒と言う所なんだということが納得できた。
 また上記HPに以下の記載がある。8畳レベルには、0.3秒台の残響が妥当なんだと思う。
 ”小さい部屋では短めの残響を、また広い空間では長めの残響をちょうど良いと感じるということです。”
 また、50Hzではフローリングとカーペットの差が殆どない。これは50Hzでは波長が6.8mとなり8.2畳の長辺は5mなので波長以下となり、反射が50Hzでは起こりにくいからであろう。ということは50Hzで両者の残響差を確保するには少なくとも波長の2倍弱10mの辺を持つ必要があるように思う。
 更に ”サーロジックのHP”には以下の記述がある。上記私の8.2畳のデータではブーミングは出ていない。以下の帯域125Hz~250Hzは波長で2.7m〜1.4mなので日本家屋の部屋の寸法で考えるとブーミングが出る場合は定在波の1次か2次が出ている可能性があると思う。
 ”日本家屋のブーミングの帯域が125Hz~250Hzであることを考慮すると、20畳程度以下のオーディオルームで200Hzの残響時間が上昇することは許容できません。”
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今までのオーディオの改善点 ~ルームアコースティック 残響~

2019-09-24 18:08:03 | ルームチューニング
 今回はルームアコースティック 残響についてです。これについては、何かをどうにかしてコントロールするというのは難しいので実態を把握すると言う程度の意味合いです。また同一時間に同一状態で残響を撮っても例えば10回とったとしても結構違ったデータになることが多いので再現性も良くは無いです。そういう意味でも何かを変えて依存性を評価すると言うことも非常に難しいと考えます。纏め表の最後の項目になります。カーペットを敷いてないフローリング床状態での残響が気になっていましたが最近測定しましたので次回アップする予定です。 9/29フローリング床状態での残響追加


 ■1)2013年4月9日時点の部屋の考察 6畳間でのデータ
  この部屋は、6畳でフローリング床、ウォークインクローゼット(上からレールで吊っている4組の両開きドアあり)がありました。また、カーペットを半分位の面積は敷いており、ジャズを意識してデッドにしていました。
 使った、スピーカーは、JBL4331A+2405Hです。では、データを下に載せます。(2013.4/9)

  ①は、クローゼットのドアを閉めた状態で、②は、クローゼットのドアを少し(30度)開けた場合です。①のF特の水色で○をした60~80Hzにピーク&ディップ(P-Pで30db)が見られますが、これは、前にも説明したように定在波影響です。しかし、①の残響データでは、一番左の50~100Hzに他の周波数と比べ大きな差はありません。②では、ピーク&ディップ(P-Pで15db)は①の半分となっていますが、残響時間はほぼ同じです。しかし、①の残響データから考えると、今の8.2畳の部屋は、F特にこのようなピーク&ディップが出る時は、50~100Hzの残響が、1秒をはるかに超えていましたので、”6畳は8.2畳より定在波による残響影響は少ない”、と見ました。この原因は、ディメンションの中でも、縦と横の比率によると考えます。6畳は263:357=1:1.36ですが、8.2畳は、263:491=1:1.86と0.5も縦横比が大きくなっていますが、これが原因と思っています。
 次に、下のデータを見て下さい。

 ③は、クローゼットのドアを更に45度まで開いた場合で、④は、全開の場合です。③④共にF特のピーク&ディップはP-Pで15dbで②も含め優位差はありません。
 又、残響データも、①~④で有意差は無いと見えますが、強いて言うと、クローゼットの扉を開けると100Hz以下の残響が若干上がるという事位です。

 ■2)2017年1月20日時点の考察 残響とは何か?6畳、8.2畳のデータから
 .【残響とは】
 先ずは、下記をご覧ください。

 残響時間とは、音が鳴り終わった瞬間から、その音圧が60dB減衰するまでの時間だそうです。上のデータは、6畳の洋室(フローリング)でとったものですが、残響時間は、周波数にかかわらず、ほぼ一定(0.2~0.3秒)です。
 その下に、ネットで採った解説がありますが、6畳では、JAZZ系は、0.3秒が、クラッシックでは、0.6秒が推薦値となっている。*1
  *1):http://homepage2.nifty.com/hotei/room/chpt01/002.htm
 これを見ると、JAZZ系は、0.3秒でデッドな方がよく、クラッシックでは、ホールの残響を再現するのにライブ(0.6秒と長め)な方が良いということですかね。
 別の出典*2)では、部屋の大きさ別に、残響時間の推薦値があり、例えば、6畳では、リスニングルームが、0.5秒、試聴室が、0.3秒、AVシアターが、0.2秒位とのことです。部屋が大きくなるに従って、残響時間の推奨値も大きくなっています。
 *2)リスニングルームの初期反射音、残響時間と目標値の分析(オーディオ測定レポート3)

 私の8.2畳の部屋は、~0.3秒なので、試聴室かAVシアターには丁度良いが、リスニングルームには、少し残響時間が足りません。私自身は、JAZZメインで聴いていますので、デッドな方が好みですので、0.3秒で充分満足です。

 ■3)2017年1月20日時点の考察 環境の差

これについては、例えば本格的に聴感に影響する低音の定在波を対策すると云う場合は、吸音材なら1m厚とか、吸収管なら2m位の管を何本も揃えるとかがありますので、難しいですが、手近なところのカーテンの有無をやってみました。
 下のデータをご覧下さい。8.2畳の私の洋室(リスニングルーム)でフリーソフトMy Speakerにある残響のメニューで採ったデータです。

 ①カーテン全開、 ②レースカーテン 、③厚手カーテンを全閉 ということで、ライブからデッドになっていくと思いましたが、カーテンの有無程度では優位差は無いです。そもそも、残響時間自体が、0.2~0.3秒と小さいので、デッドだからですかね。やはり、前回も示したように、低音の定在波を改善するには、設置位置を最適化するのが得策と考えています。

 ■4)2017年1月20日時点の考察 フラッター・エコー
 これについては、こだまのように、手を叩いたら、その音が、何回も反復して次第に小さくなる現象です。それを2.項と同様8.2畳の私の洋室で調べたのが、上の④です。
 ドライバー2本を互いに叩いて音を出して、それをマイクに入れて、オシロで見ました。左の一番高い第一のパルスが徐々に減衰していきますが、繰り返しのパルス的なものは、見られませんのでフラッター・エコーは小さいと思います。

 ■5)2017年1月20日時点の考察 定在波改善前後
 前回の、ルームアコースティック 定在波 の所で周波数特性を紹介しましたが、今回残響も採ってみました。
 下の資料をご覧ください。これも、8.2畳の私の洋室(リスニングルーム)で採ったデータです。スピーカーは、2231A+620A+2405Hです。

  左が、定在波改善後、右は、改善前です。左の定在波改善後では、50-100Hzの残響が、0.35秒と、定在波改善が残響にも良い影響を与えているのが、判ります。右の改善前では、残響は、1.2秒と長くなっており、聴感上も、ボン・ボンと言うかボヤケタ音になります。

 ■6)2017年11月2日時点の考察

 ・1)定在波対策
 以下は、 2017年1/12のアップで定在波対策をスピーカー位置最適化で実施した状態でMy Speakerでステレオで通常聴取位置にマイクを置いて採ったFFTと残響データです。

 上の、水色の〇で囲んだところが、定在波影響の凹凸ですが、このレベルまで下げれば聴感上は問題はないレベルですが、これ以上スピーカー間を狭めなくても、水色の〇で囲んだところが、フラットになるようなことが、コーナーの吸音対策で出来ないかと考えて、合わせて残響も安定しないかなと欲張ってみました。

 ・2)コーナー吸音に用いたマット
 これは、別の部屋に敷いていた、EVA製のジョイントマットが不要になったので、これを利用することにしました。EVAというウレタンに似た材料でできたジョイントマットで30cm角で厚さ1cmのもので、これをMAX80枚使用しました。写真は以下。

 左側に写っている620Aの横に80枚積んでいます。ウレタンのような材質ですので吸音は十分します。

 ・3)コーナー吸音の方法
 これについては、以下の平面図で説明します。図中の2)3)は、1/12のアップの本文中の2)3)に対応しています。

 部屋の寸法は、図に記載しているように、横が4.9m、縦は2.64mです。左上のドアの角をAとし、時計回りに右上をB、右下をC、左下をDとします。上の写真は左側の角がBで、右側の書棚の角がCです。
 1)マット無し
 2)3箇所の下のみマット(A・B・D各:15枚)⇒下のみに均等配置
 3)3箇所の下と、BとCの上にもマット(下のA・B・D各:15枚、上のB:スポンジ*1、C:13枚)⇒最も均等な置き方
 4)従来:BとCの上にのみマット(B:スポンジ*1、C:13枚)⇒片辺の上のみ
 5)BとCに集中してマット(B下:35枚、B上:スポンジ*1、C上:13枚、C下:30枚)⇒片辺に偏在
 6)4)に加えて、下は、Aに35枚、B,Cに15枚づつ設置⇒78枚とMAX枚数を投入
    *1:B上のスポンジは、(31cm×23cm×14cm)

 ・4)実験結果
 条件を変えて、FFTと残響(5回測定)を測定したのが、以下です。

 上から順に1)~6)の条件を変えていますが、先ず左端のMy SpeakerのFFTは、6条件共に変わらないと当初判断したが、詳細に見ると少し異なります。1)のマットなしでは、1.8KHzのクロスオーバーでディップが見えますが、他の条件では少なくなっています。又300Hz付近に出るディップが、1)では見られませんが、他の条件では見られます。小さい順に
        1)<3)<2)<6)<4)<5)
となります。
 その右からは、残響データが、5回分右に並んでいますが、これも有意差があるかというと無いです。50Hz-100Hzで残響時間がグラフのMAX値1.2秒を超える回数と50Hz以下がノーデータになる回数、が以下です。
   Max超え回数     50Hz以下ノーデータ
 1)1回               1回
 2)2回               1回
 3)1回               0回
 4)1回               3回
 5)2回               1回
 6)0回(但し、1秒超えが2回) 1回
 Max超え回数は、各条件1~2回ありますが、これも実際残響は、この3倍位(各条件15回程度)測定したのですが、ばらつきます。残響時間自体も床は、殆どの面積をカーペットでカバーしているので、デッドで、0.3秒位になるようにしています。

 ・5)結論
 これは、中々言い難いですが、敢えて云うと以下です。
 ①ジョイントマット(Max80枚)を各角に設置した場合、設置の方法・枚数を変えてもFFTは、殆ど変わらない。但し上記の若干の差はある。300Hzと1.8KHzの両方のディップが最も少ないのは3)の均等に配置したケースである。
 ②ジョイントマット(Max80枚)を各角に設置した場合、設置の方法・枚数を変えても残響は、殆ど変わらない。但し片辺に集中配置すると、低音の残響が大きくなる傾向がある。
 ③上記を考慮すると、低音の定在波の対策は、やはりスピーカーの設置位置が最も効果がある。

 ⇒ジョイントマット(Max80枚)レベルでは、残響は殆ど変らない。また、、残響が0.3秒程度のデッドな部屋であるが、この部屋で My Speakerの残響特性を測定した場合、再現性に乏しいデータとなった。

 ■7)フローリング床状態での残響 2019年9月29日アップ

 1)測定方法・部屋のデータ
 先ずは、いつも聴いている部屋は、8.2畳でカーペットで床がほぼ覆われています。測定風景は

 次にフローリングは、隣の6畳のタンス部屋にしました。測定風景は

  スピーカーは、4331AでNWはエキスターナルEXです。マイク距離はJISを踏襲で1m、高さは4220の高さで70cm。90度回って4331Aから見た絵は


 2)残響の予想
 いつもの部屋は、ほぼ床全面カーペットで覆われているので、残響は~0.3秒とデッドです。ジャズには最適ですが、クラシックのホールの音は0.6秒位が良いといわれています。
 フローリング床は反射が多そうでのでライブになっていると予想し、残響も0.5~0.6秒になってくれないかと予想しました。

 3)残響データ
 これは以下。

  両者(フローリング床とカーペット床)を比較したのが下段のグラフです。左端がアンプのLP2020A+のヴォリュームVr=10時30分の位置で、フローリング床とカーペット床の残響時間の差はMaxで0.08秒です。真ん中がアンプのVrを11時まで上げた場合でこの場合は概ね差は、Maxで0.1秒です。右は、アンプのVrを12時まで上げた場合でこの場合も差はMaxで0.1秒と変わらず。

 4)フローリングの残響時間が0.6秒レベルに上がらないのは?
 これは部屋の容積が小さいからと考えられる。残響時間は周波数をLogスケールにして容積に比例する。映画館のような環境の場合は、0.6秒の残響時間を確保するのは、内部の容積は200m3必要とのデータがある。(URL: https://onsoku.jimdo.com/残響時間/資料-残響時間/) このデータで8.2畳の私の部屋は容積32m3なのでこのグラフで言うと映画館のような環境の場合で~0.35秒なので上記データは妥当といえる。従って床面がフローリングかカーペットかの差も~Maxで0.1秒と言う所なんだということが納得できた。
 
 
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今までのオーディオの改善点 Part5 ~ルーム・アコースティック 定在波~

2019-09-19 16:49:59 | ルームチューニング
 今回はルーム・アコースティックについてです。低音の定在波を対策するのが最大のポイントです。

 ■1)低音の定在波を対策1 スピーカー位置変更 (2017.1.12時点)
 定在波ですので評価はFFTで出来ます。一番手近なで確実な改善方法は、スピーカーの設置位置を動かして定在波の出ないフラットに近いFFTの出る場所を求める方法です。
 2017.1.12時点のきっかけは、左右のスピーカーの低音の音圧の周波数特性が違っていたからです。左は、ほぼフラットに成っているのに対し、右は、70Hz付近にピーク&90Hz付近にディップが出ていた。そこで、左右のスピーカーを交換してみたが、依然として右がピーク&ディップが出ていたので、単体のスピーカーには問題が無い。となると残りは、部屋の影響しかない。⇒これらのピーク&ディップは定在波起因と考えた。
 これだと言うことで、右のスピーカーを壁から遠ざかる方向に移動して行くと、ピーク&ディップが減少するではないか!
①から順に壁から遠くなり、④が一番壁から遠ざかっている。以下の記述の距離に直すと、①が壁から1.3m、②は、1.5m、③は1.6m、④は、1.7m。

⇒【この時点の結論】横方向の壁からは、1.8m以上離して置くと、100Hz迄の聴感に影響する低音の定在波の影響が排除できる。
 しかし、現実の話は、そう簡単ではない。左右のスピーカーを、壁から1.8m離して、スピーカーの間隔も1.8m取ると、1.8×3=5.4mの長さが必要となる。しかし、私の部屋は、8.2畳しかなく、長辺(=4.9m)に置いているが、0.5m不足である。
 左右のスピーカーを、壁から1.8m離して置いてしまうと、スピーカーの間隔が1.3mしかなくなり、ステレオ感が損なわれる。
 折衷案として、ドアがある左側のスピーカーは、左壁~1.7m、右側は~1.6mとし、スピーカーの間隔は1.6mとしている。これだと、演奏者の位置がライナーノーツに記載されているSIDE BY SIDE2のトリオの曲の定位も十分再現できているし、オーケストラも十分広がって聴こえる。部屋の説明図は下記。

 これでほぼ定在波対策は出来た。上図は正方形に近い形になっているが実際は横5m、奥行き2.64mなので奥行きが取れない欠点があるが定在波に対しては正方形より有利な形状になっている。

 ■2)低音の定在波を対策2 金属パイプラック評価1(2018.3.17時点)
 以下のような金属ラックを使って定在波を改善できるか確認してみました。又高さの低い金属ラックを使うことでTVを奥の壁に張り付けることも目指しました。

 その前に木製のラックの空洞共振によると思われるデータを2017年11月9日に採った。

 ①がラック内に物が無い場合で、この場合のみ100~105Hzでのディップが大きい。これが空洞共振により起きていると予想した。金属ラックは空洞共振が出来ないので改善すると当時は予想しました。

 ・実験データ1 金属ラックでのデータは、 金属製のパイプラック 2231A+620A+2405で実験(低音用の2231AをチャンデバLPF70Hz(44Hz設定)で使用)
 これは、以下。(2231Aを付加してるので、低音端(20Hz)でのダウンがほとんどない。)

 上段は、現状の木製ラックで、左が、My Speakerの両チャン駆動のFFTで、中央は、WaveGeneでR(右)側スピーカー、右は、WaveGeneでL(左)側スピーカーのFFTです。下段が、金属製のパイプラックのデータです。これを見れて、ガックリしたのは言うまでもありません。予想では、金属製のラックでは、100Hzのディップが軽減されると予想していましたが、結果は全く逆で赤丸で示した3つの周波数(62Hz,100Hz,180Hz)のディップが全部パイプラックの方が大きい。100Hzが最も差が大きく、木製ラックより6dbは下がってます。

 ・実験データ2 金属製のパイプラックにつっかえ棒をかます
 金属製のパイプラックの振動が悪さをしているのではないかと言うことを検証する為に、つっかえ棒を噛ましたデータが下記。

 これも、データ的には、つっかえ棒無しのデータとほぼ同じで、効果は無い。これでは、金属製のパイプラックは使えませんので、木製ラックに戻したのが、下段ですが、定在波影響の低音域のディップは、元の状態に戻っています。

 ■3)低音の定在波を対策3 金属パイプラック評価2(2018.3.24時点)
 これ以降、2018.3.24に金属ラックを何とか使えるかと思ってラック位置を横及び前後方向に変更したりしたが全く効果が無かった。先ずは横方向

  ①がラックが一番左スピーカーから近い場合で、スペースが10cm、順に②12cm、③14cm、④16cmです。14.5cmで中央ですので④は中央から少し右になります。100Hzのディップはどれも同じレベルです。
 次は前後(奥行き)方向

  ⑤は、ラックの前面と後の壁のスペースが43cmの場合で、⑥は、ラックが奥に引っ込んだ場合でスペースが37.5cm、⑦は逆にラックを前に出して、スペースが50cmの場合です。これらも殆ど有意差はありません。⑧は、横方向の場合で極端に右に持っていった場合で、左スピーカーから24cmの場合ですが、100Hzは有意差は無く、160Hzが悪化しています。縦方向も横方向もあまり依存性らしきものは、無いようです。

⇨ここまでやって、金属ラックは諦めました。

 ■4)低音の定在波を対策4 木製ラック評価1(2018.3.26時点)
 ラックの振動・共振は、中に入れる物の量に依存するという前にアップした実験での結果を踏まえ、ラックの横位置は、15cmと中央に置いて、ラックに入れる物を段階的に増やしていきました。以下データ。

  ⑤は、3段目のみにチャンデバとアンプ2台を入れたもので、⑥は、⑤+上から1段目にチューナー、2段目にカセットデッキを入れたもので、⑦は、⑥+CDプレーヤー、⑧は、⑦+レコードプレーヤーを入れたFFTですが、100Hzのディップは、⑤~⑦で-17db、⑧で少し減って-16dbに見えますが大きな差は無し。以下は、更に物を入れていきました。

 ⑨は、⑧+レコード138枚(約37Kg)を最下段に入れた場合で、これで100Hzのディップが、音圧の平均がー10dbに対し-12dbとほぼ定在波の影響とは言えない程度のレベルまで改善できました。⑩⑪は更に小型スピーカーを入れたのですが、差はありません。⑫は更に突っ張り棒を天井との間に入れたものですが、-13.5dbと若干悪化していますが、他の周波数でのディップと同レベルで問題になるレベルではないです。

 ■5)低音の定在波を対策5 木製ラック評価2(2018.4.8時点)
3/26にアップした木製ラック評価とその前にした金属ラックとの比較で木製ラックの方が金属ラックより低音の定在波のディップを緩和する効果があり、更に木製ラックでも重量増か空間閉鎖部が多いほどディップが緩和されることが判った。とすると、木製ラックでも高さを高くすれば、より空間閉鎖効果が高くなり、ディップも緩和されることが推測できる。それを検証することにした。
 1)測定風景
 まずは、木製ラックにダンボール(中身含め重量11kg、高さ43.7cm)を置いたのが以下。

  更に天井との間にきっちり入る小さめのダンボール(中身含め重量5.8kg、高さ18.5cm)を詰めたのが、以下。

 2)測定結果
 以下です。

 ①は木製ラックのみで水色の〇で囲んだ160Hzのディップは深く、その左の赤色の〇で囲んだ100Hzのディップとの差は~5db以上です。②③は、その上にダンボール(11kg)を1個置いた場合で水色の〇で囲んだ160Hzのディップは浅く、その左の赤色の〇で囲んだ100Hzのディップとの差は~2db位と少なくなっています。④は更にその上に小さいダンボール(5.8kg)を置いた場合で水色の〇で囲んだ160Hzのディップは浅く、その左の100Hzのディップとの差はロゴに隠れて正確には判りませんが~3db位と①よりは明確に少なくなっていますが、④では1.6KHzのディップが深くなっています。ディップの低減効果は②③で飽和していると見ました。

 ■6)低音の定在波を対策6 スピーカー位置再評価(2018.12.6時点)
 2017.1.12で定在波を評価しスピーカー位置を決めたが、その後室内に物や床にはカーペットも増えたので定在波(以降干渉・反射も含み定在波と記す)評価をちゃんとやり直すことにしました。方法についても従来は主にステレオで評価していましたが、今回は左右別々に評価しました。
 1)現状と評価後の部屋のレイアウト
 
 左側のスピーカーは扉の右にあるので左側の壁から1.87m離しています。ラックから離すとしても壁からは1.77mが限界ですが今回は評価後1.77mに変更しました。右側のスピーカーは前回8KHzのピークを平坦化できるので、1.55mにしていますが、今回は評価しましたが最適条件は変らずで変更しませんでした。今回定在波対策でスピーカーを動かしましたが、奥行きが2.64mしかないので奥行き方向は無理で、動かすのは長手方向になります。

 2)評価状況
 評価中は、両側のスピーカーをラックから20cm以上離していましたので下記の状況。

 最終的には以下のように、左側のスピーカーをラックから24cmに離しました。(今までは14cmなので10cm移動) 右側は、ラックから11.5cmから最終的には変更しませんでした。


 3)評価方法の見直し
 従来は、変化の良く判るMy Speakerでは両チャンで評価しており左右の差は無視していましたので、今回左右別々に評価しました。Wave.Gneの場合は、左右別々に評価していましたが変化に鈍感なので詳細評価は出来ていませんでした。

 4)FFT評価結果 左側のスピーカー
 これは以下。

①は、現状の620Aがラックから14cmの距離の場合で70Hz以下の低音を出す2231Aを付けて評価しましたが、赤〇で囲んだ領域が低音の定在波等の影響でのピークとディップです。70Hz以上が主体なので②以降は2231Aを切っています。②は現状で2231Aを切って620A+2405のみにした場合で低音40Hzから駄々下がりです。70Hzのピークが大きく90Hzのディップもあります。③は、620Aをラックから10cmに近づけた場合で、赤〇で囲んだ80Hz付近が上がっています。逆に620Aをラックから19cmに遠ざけた場合は、赤〇で囲んだ80Hz付近が下がっています。ラックから更に620Aを離していくと、

 ⑤が24cm、⑥が28cmですが、この辺りはほぼ安定してピークは低くなっています。⑦は33cmまで遠ざけた場合です。⑤⑥とそんなに変わらずですが、100Hz付近のディップは寧ろ深くなっています。従って2231Aを切って聞く場合も考慮して最適条件は24cmと判断し、2231Aを加えてFFTを撮ったのが⑧です。

5)FFT評価結果 右側のスピーカー
 これは以下。上記の部屋のレイアウト図の右側には書棚(高さ2mが効いていると思う)があり奥行き方向のスペースが2m位に短くなっているので左側より定在波等のディップが深い。下のグラフでラックから遠ざけるに従って100Hzのディップが深くなるのはその為と思う。書棚は左側の本箱の位置に移動したいが、マンパワー&時間がない。

 ①は、現状の620Aがラックから11.5cmの距離の場合で70Hz以下の低音を出す2231Aを付けて評価しましたが、赤〇で囲んだ領域が低音の定在波等の影響でのピークとディップです。70Hz以上が主体なので以降は2231Aを切っています。②は現状で2231Aを切って620A+2405のみにした場合で低音40Hzから駄々下がりです。80Hz付近のピークが大きく100Hzのディップもあります。③は、620Aをラックから5cmに近づけた場合で、赤〇で囲んだ170Hz付近のディップが深くなっています。逆に④で620Aをラックから16.5cmに遠ざけた場合は、赤〇で囲んだ100Hz及び170Hz付近のディップが大きく下がっています。ラックから更に620Aを離していくと、

 ⑤は22.5cmまで遠ざけた場合で100Hz及び170Hzの両ディップが更に深くなっていますので右側はラックから620Aを遠ざけるのはよくありません。ラックから近い限界を探ろうとして⑥で10cmの場合を採って見ましたが①を比較してほとんど変らないので最適条件候補にしました。ラックから10cmの条件で2231Aを追加し左は最適条件⑧で両チャン鳴らしたのが⑦で、⑧がラックから右側が従来条件の11.5cmで左側が24cmの条件でFFTを採ったものですが、赤〇で囲んだ180Hzのピークが⑧では低くなっていますので⑧を最終的な最適条件としました。
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今までのオーディオの改善点 Part4 アンプLP2020A+のポップ音対策

2019-09-15 13:22:43 | アンプ
 今回は70Hz以下の重低音用として使っているアンプLP2020A+のポップ音対策をまとめました。これについては、”みやけDENKIのブログ”のみやけさんの記事に則って改造しています。みやけさんとは、メールで質問等やりとりをさせて頂きましたが、みやけさんは下記以上に色々改造されています。尚、このアップはToshiba Chromebook 2 で行いましたがスピーディで楽ちんにできました。

 ■1) 改造まとめ
 これは、
 
 ポップ音対策は、LP2020A+の下半分です。

 ■2)ポップ音対策 電源ON時 その1 2017.4.14
 これはスピーカー(SP)を駆動するリレーの遅延時間を決めている電解コンの容量を増やしてTA2020の電源ON時の突入電流による突入パルスが終わってからSPをTA2020につなげるというものです。
 元々付いていた電解コンは、220μFでした。これを2017.4.14にOSコン1000μFに変更したが、電源ONしたら、ディレータイムが6秒になって、電源ON時のポップ音は無くなりましたが電源OFF時は1000μFに変えた効果で、ポップ音が少し大きくなった。

OSコンは一番手前の右にある電源スイッチの左にある電解コンで、これをこの用途に使うのは勿体ないのでもう少し変更したいと思い、■4)でC29(バイアスパスコン)の容量アップで使用した。

 ■2)ポップ音対策 電源ON時 その2 2017.6.21
 スピーカーのリレーのディレータイマーの時間を決める電解コンを、4/14に220μFから1000μFに上げたが、6秒は長すぎるので、最適化することにした。

上の写真のように電解コンを外して、基板の裏側にリード線を出して、そこから、電解コンの容量を色々変えて繋いだ。結果は下記。

 CR時定数回路の遅延時間は、Cに当然比例する。データもほぼ比例している。470μFで2.8秒だったので、2.8秒以内にポップ音を起こす擾乱は収まっていることになる。下に表が2つあるが、表1は、ポップ音のOFF時の初期対策(TA2020の30Pinジャンパー線)なしの場合で、表2はそれがある場合ですが、470μFではどちらもOKです。写真のフロントパネルの後ろの小豆色の電解コンが東進の470μF。

 ■3)ポップ音対策 電源OFF時 その1 2017.4.23
 みやけ様が、”みやけdenkiのブログ”で2013.9.30にアップされていたトランジスタを2個スイッチとして使う対策でしたが、2017.3.30のアップ分でジャンパー線1本追加のみという画期的な対策を載せておられたので、やってみた。

 ○で囲んだのがトランジスタを2個スイッチとして使う対策で、それを使わないように改善したのが黄色いジャンパー線のみをTA2020の30Pin(5V発生)とC29の+側に渡す方法です。これで、TA2020とプリアンプであるオペアンプ(4558D)の3Pin、5Pinの+オフセット電源入力が同期するので、ポップ音が消えます。4558Dの+バイアス電源の電圧が5Vに減るので下側のダイナミックレンジは、5/6に減りますが、LP2020トータルのダイナミックレンジはTA2020のデーターシートのピンアサインで14Pinを見れば、変わらないことが判ります。改造後は、

 黄色い線がジャンパー線で右端がTA2020の30Pin(5V発生)で左端がC29の+側になります。C29の+側が、1/2VDD=6Vなのか、TA2020の5VなのかテスターでみていますがTA2020の5Vが勝っていますね。これで同期は完了です。

 ■4)ポップ音対策 電源OFF時 その2 2017.6.21
 ”みやけDENKIのブログ”に改善版がアップされたのでそれをやってみました。回路的には、
 従来は、TA2020の30ピン(5V発生の大元)を、C29の+側とジャンパ線で繋いでいたが、今回は、TA2020の8ピン(V5A:アナログ用5VDC)とC29の+側とを100Ωを介して繋ぐというものである。30ピンはDC5Vの大元で、8ピンは、それをTA2020内のアナログ回路へ供給する入り口である。100Ωの効果は、入れないと音に艶がなくなるということです。しかし困った事に、これを入れると電源OFF時に毎回ではないがポップ音が小さく聞こえる時がある。三宅様に確認したところ、どうしても気になる場合は、上記回路のR30,R31(6V発生用だがジャンパ線導入で不要となる)を外すとPOP音はほぼ消えると思うとのことです。改造後は、下のようになっています。

 黄色いケーブルカバーの右の半田付け点が、8ピンで、逆の左端の半田付け点が、C29の+側です。そこに繋がっているのが、100Ωのカラーバー抵抗(100Ω)で下の基板に接触しないように黒いケーブルカバーを右のリードに被せています。ここでの注意はC29の+側にハンダ付けする際にランドをハンダで埋めてしまうと電源ONで爆音ノイズが出ました。ランドのハンダを除いてC29の+芯線のみにジャンパー線を半田付けすればノイズは出ません。
 重低音を強化したい場合は、C29をオリジナルの100μFから220μF×2個=440μFに拡大すると良いと、三宅様に聞いたので実施。OSコンの1000μFが余っていました(LP2024A+から外して上記電源ON時のポップ音対策で使ったもの)ので、取り付けました。ここは、電流容量の余裕とノイズ低減にも効くようなので、拡大しようと考え直して以下となりました。

 基板上で一番手前のが、OSコン1000μFで、その手前に横になっている緑のは、元についていた100μFです。これで重低音も大丈夫です。

 ■5)ポップ音対策 電源OFF時 その3 2019.1.10
 電源OFF時については毎回ではないが若干の小さなポップ音は残っていました。上記対策で抵抗100Ωを入れたことで、ポップ音が僅かに出るので、オペアンプ+バイアスの5Vと競合で供給している1/2Vddの6Vを作っているR30,R31を外す。5V系を追加した今となっては不要な6V系が残っていることでポップ音が僅かに出てしまう。R30,R31があることで音への影響…ベールを極僅かに被っているような感じ…もあったと思う。外せる抵抗は全て外すべし。
 先ずは、赤基板の改造前のR30,R31

 改造前のC29の+側は、5.02Vです。上記回路図から1/2Vdd系6Vも繋がっていますが5V系が勝っている。

 半田でディップすることでチップ抵抗を浮かせてR30,R31を外しました。本体の右にある小さな2つの四角いのが外したチップ抵抗。

  外した後のC29の+側は、4.99Vでした。

 もう一つ青基板も改造しましたが、やはり改造前5.05Vで改造後5.03Vと改造後に若干下がったという同じ結果です。
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今までのオーディオの改善点 Part3 ~アンプLP2020A+の音質~

2019-09-11 09:11:48 | アンプ
 今回は、アンプの音質についての改善です。ポップ音についての対策は次回まとめます。アンプについては、4331Aの2231Aのみを使った低域は、D級アンプをチャンデバCX2310経由で70Hz以下で駆動し、620A+2405の全域をデジタルアンプのRDA-520で駆動しています。9/12青字追加 9/15赤字追加 9/17緑字追加

 ■1)改善点まとめ
 前にもアップしましたが、

 低域用のLP2020A+は改造しましたが、RDA-520は無改造です。

 ■2)アンプの系統図 (=現状のシステム仕様)
 低域のD級アンプは、LEPAIのLP2020A+を改造しています。改造法は、主に”みやけdenkiのブログ” を参照しています。みやけさんは仕事が電気製品の修理等ですので、改造も机上の空論ではなく実質的なものです。メールでやり取りして質問とかもしています。620A+2405は全域を鳴らしていますが、RDA-520という”ラステーム”という今は無い会社のデジタルアンプをノーマルで使っています。これは今年の3月に拙宅を訪問して頂いたブルームーンさんから聞いて購入しました。両方のアンプ共に会社が存続していないのはさびしい限りです。

 
 ■3)LP2020A+の改造点1 ~電源の電解コンと入力カップリングコンの容量アップ~
 上の表の上から行くと、先ず1行目は電源の電解コンを10000μFに上げました。電源余裕拡大です。以下、左端の水色のがニチコンK*10000μFです。
もう一台の赤基板には金黒色のニチコンFW10000μFを付けています。


 2行目は、入力のカップリングコンを2⇒50μFにアップしました。(URL: https://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2015-04-18 を参照)
 参照した”craftな毎日”というHPによると、ゲインMax(=Vr最大)で低域端(10Hz)がノーマル2.2μFで7dbで、47μFで24dbなので低域端で17db改善することになる。あくまでVr=Maxでの改善なので通常Vrではそこまでは行かないが改善することは間違いない。Vr=MaxでのFFTはアンプが壊れる可能性(Vr=2時のポイントでジーという音が出るし場合によってはダウンする)があるのでやらなかったが、100Hz前後の高調波が減ったと言う効果はあった。

 
 ■4)LP2020A+の改造点2 ~TA2020のゲインダウン~ 2017.9.17にアップ
 これは、”みやけDENKIのブログ”に掲載されているもので、一時流行ったようですがTA2020のゲインを減らすのものです。G(ゲイン)×B(バンド幅)の積は一定ですので、ゲインを減らすとバンド幅が広がる関係でカットオフ周波数fcが上がるのと、NFB量が上がるのでノイズと歪み低減の効果が期待できる。高域拡大・歪減少の効果を確認したいと思ってやりました。

 入力抵抗Rinである真ん中に見えるR8とR10がチップ抵抗の15KΩです。その上に見えるR9,R11が帰還抵抗Rfbで22KΩで、ゲインをRinとその比で決めています。Rfb/RinがゲインGでRfbが∞になったら、帰還が無くなるので、NFBは無くなります。今回は、みやけさんに倣って、Rinを22KΩにして、帰還抵抗周りのゲインを1(改造前=22/15=1.46)にして、トータルゲイン=12×Gとデータシートになっているので、全体ゲインを17.6⇒12に下げます。尚、トライパスのデータシートの推薦例では、Rin=Rfb=20KΩになっていますのでトライパス推奨にしたということです。改造後は、

 R8とR10の22KΩを2個半田付けした後です。魔の空中配線という感じです。インパルス応答のFFTは同じでしたので1KHzの瞬時波形(SP端子に8Ω抵抗負荷時の交流電位)を見てみると

 ⑤⑥は改造前で、⑤がアンプLP2020A+のヴォリュームが9時、⑥は少し上げて通常の聴取音量の10時30分、⑦⑧は改造後で、⑦がアンプLP2020A+のヴォリュームが9時、⑧は少し上げて通常の聴取音量の10時30分です。これははっきりと差が出ました。⑤と⑦の比較では、両方2次高調波のみ出ていますが、改造後の⑦の方が⑤より10db位は小さいです。⑥と⑧のアンプのヴォリュームが通常の聴取音量の時は、⑥では、2次から15次位まで高調波が見られますが、改造後の⑧では、偶数の2次、4次しか見られません。1KHzの高調波は改造で減少しました。回路図的には、

 TA2020の入力に入っている黄色でハッチングしたR8,R10の改造になります。
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