オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

インナー・イヤー(開放)型イヤホンの評価

2019-07-29 09:35:36 | イヤホン評価
 前回7/18にカナル型のイヤホンの評価をアップしました。カナル型は、FFTが2KHz~7KHzにピークのあるハイ上がり傾向がありますので低域が不足していました。今回はインナー・イヤー型イヤホンを評価し、その辺りがどうなっているか確認しました。外出時に現在使っているのもインナー・イヤー型になります。音的には耳掛け型のヘッドホンの方が低域がリッチで良いのですが、めんどくさいのでどうしてもイヤホンになってしまいます。7/31青字追加

 ■1)評価法
 これは7/18と同じですので、省略します。カナル型との評価上の差は、カナル型はイヤーパッドがあるので以下の写真のように直径5mmのマイクにくっ付けるとほぼ密閉に近い状況になります。対してインナー・イヤー型は指でマイクとイヤホンをくっ付けますがウレタン?製のイヤーパッドが無いのでカナル型ほどの密閉度は確保できないという差があります。


 ■2)インナーイヤー型の評価 1位~2位
 1位と2位は、以下です。

 ①は1位のVICTORのパイプホン型の銀色の本体のものです。通常外出時、I-Podはこれで聴いています。FFTもカナル型のように低域が不足することもなくほぼフラットに近いです。トーンバースト波形は、100Hzでは+1波付帯していますがここまで整っているのは少ない。500Hz1KHzはほぼ綺麗な形で、5KHz10KHzも付帯波が1波長小さく付いている程度で優秀です。この波形は止まるべき音がスパッと止まることを示しています。
 ②はCREATIVE 銀色本体でフラッシュプレーヤーについていたものです。これも①レベルで優秀です。これもパイプホン型に近く本体が長いです。
 ①のL側と②のR側のFFT及び①のR側と②のL側のFFTが形が良く似ています。パイプホン型はその構造から音の特性も似てくるのではと思います。。
写真を以下に。

 この写真の上段右が①で左が②です。

 ■3)インナーイヤー型の評価 3位~4位
 以下です。

 ③はSony  E0931(長黒リード線メタルバック)です。これは低価格開放型イヤホンの四天王の一つMDR-E931と同等品でリード線のみ異なるもの。E0931はネットでドンシャリ音と言われているのは、FFTでの6KHzのピーク(今回はL側が高いがR側の3K~5KHzもその原因)のためでは?と思う。上の写真では右下です。トーンバーストは1KHzまでは上位並みですが、5KHz以上は付帯波が上位より少し大きい。
 ④はSONY  MDR-E808 (黒ベース長リード黒)ですが、これは昔良く付属品でついていたもので全部で~5個位あります。FFTでは7KHzのピークが特徴的でこれがドンシャリの原因と思います。トーンバーストは、③と比べ低域はまずまずですが、5KHz以上の付帯波が更に大きい。これもドンシャリの原因と思います。これが大きいとシャンシャンボンボンの原因になります。④は上の写真の左下です。

 ■4)インナーイヤー型の評価 5位~6位
 以下です。

 ⑤はSony  MDR-E808 (短リード線黒)で④のリード線が短いものです。FFTのドンシャリの7KHzピークは同じです。トーンバーストもユニットが同じなので④とほぼ同じです。
 ⑥はI-Phone用でこれも3個あるのはI-PoneやI-Podを買い替える度に付いてくるからです。FFTは100Hz付近の低域が予想外にリッチなことです。しかし2KHzから急激に上がっているのは戴けません。トーンバーストは500Hzが歪んでおり良くないが他の周波数は、④⑤並みです。
 写真は以下の上段です。


 ■5)インナーイヤー型の評価 7位~8位
 以下です。

 ⑦は、JVC (ノーマルリード線)のものです。FFTは2KHz以上で急に上がりますが、これは⑥を更に酷くしたようです。トーンバーストは1KHz以上の付帯波が大きい。
 ⑧はティアー・ドロップメタル (黒リード)ですが、これも何かの付属品です。これはトーンバーストは付帯波があり過ぎる位良くないですが、逆相にボイスコイルが巻かれています。
 ⑨以下も測定はしていますが省略します。

 ■6)総合比較表
 以下です。

 前回のカナル型の場合は、Maxで50.5点でしたが、今回のVICTORのパイプホン型は61点と10点位は優れています。5点以下の黄色のセルもカナル型はトーンバーストの500Hzと1KHzがほぼ全滅に近い状態でしたが、こちらはそれも少ない。やはりインナーイヤー型の方が音は良いと思います。①のVICTORは以前から愛用しています。耳掛け式のヘッドホンも一時使っていましたが音は良いものの面倒くさいという欠点があるので結局何度も使ってみましたが定着しませんでした。

 【結論】インナーイヤー型の特にパイプホン型は音が良い傾向がある。この原因は私感ですが、本体が長くなっていてキャビネット内容積が大きいので低域がリッチになってトーンバーストにもいい影響があるのではないかと思う。ひょっとしたらパイプの長い柄の形が影響しているかもですが、単純に容積の方が効くでしょうね。 
次回はその耳掛け式でも比較してみます。
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ティラノサウルスの唸り声とMUSIK社のRL901K

2019-07-25 13:09:36 | 恐竜
 201年7月21日NHK教育TVで放映の 地球ドラマチックの”徹底検証!ティラノサウルス~最強恐竜の真実~”で恐竜の王者、ティラノサウルスについて最新研究によって、そのパワーや鳴き声など、従来のイメージ【凶暴で知能の低い恐竜】とは異なる風貌【思考能力や認知能力に優れ、社会性も高かった】が明らかになった!とのことでその音を私のシステムでも鳴らしてみました。 7/26青字追加

 ■1)番組での紹介
 まずは、T-REXのお姿を

 意外にも地上に平行になっています。鳥類或いは爬虫類に似ています。
 その声は、化石に残る内耳の形体から聴覚機能を推定するとT-REXは超低周波音を聞き取れた。現存する生物で超低周波音をコミュニケーションに利用するのはワニのみ。ということでワニの声を3オクターブ下げて再現することにした。その番組内のFFTが

 これを番組内のスタジオで再生していたのは、このスピーカー

 近づいてみたのは、


 ■2)私の部屋の620A+2231A+2405で再生した場合のFFT
 これは、以下です。尚2231A用のアンプのLP2020A+のヴォリュームは、RDA520が12時の時は10時30分、というように45°RDA520から下げています。

 左上は、最初アンプのヴォリュームを通常音楽を聴いているレベル12時でやってみました。少しレベルが小さいので以降は12:30まで上げました。
 赤線がピークホールドですので最大の音が赤線で表されていると思ってください。右上と下の2つのFFTは、唸り声のタイミングが違うだけです。なるべく赤線に近い大きな声の時のFFTを緑線ですが、撮ったつもりです。
 これを見ると、周波数的には低いほうは70Hzがピークのブロードな低域で、2次のピークが170Hz、3次のピークが320Hz、4次のピークが500Hzと言うことが判ります。

 TVの中での感想は、今まで聴いた中で一番恐ろしい声とのことです。私が聞いた感想は、洞窟の中で地の唸り声が鳴っているという感じです。

 ■3)番組内のイギリスのスタジオにあったモニター・スピーカー
 これはムジークエレクトロニクガイザイン RL901Kと思ったがそれにバスレフを追加しツイータも大口径化したもののようです。ひょっとしたら特注品かもしれない。RL901Kの販売側の説明は、以下。
”世界の最前線で活躍するアーティスト、レコーディング/マスタリング・エンジニアが愛用し、世界各国の国営放送局やスタジオへの導入実績も数多いドイツ・MUSIKのスピーカー!坂本龍一氏もレコーディングやコンサートのPAスピーカーとして愛用するRL901Kは、一切の色づけなく、しかも他社製モニターのような無機質で冷たいサウンドとは異なる自然で有機的な質感に溢れたサウンドが魅力となっています。”
 RL901Kの詳細
 3WAYトライアンプ・アクティブ・スピーカー、
 3chパワーアンプ内蔵(MOS FET):低域180W/中域100W/高域100W、
 使用ユニット:低域/40cmウーファー、中域/12.5cmウーファー、高域/2.5cmドーム、
 音圧:93dB、インピーダンス:4Ω、再生周波数帯域:25Hz~20kHz、
 クロスオーバー周波数:550Hz、2.8kHz、
 寸法:W500×H550×D430mm、
 重量:48Kg (1台) Made in Germany.
⇒クロスオーバーは、550Hzと2.8KHzというのは、私のコンセプト(70Hz・1.8KHz・~10KHz)と少し違っています。604系のような完全な同軸ではないが疑似同軸。鉄板にツイータ・スコーカが付いているので振動が気になる。何と伝説のカッティングエンジニアVictorの小鐵 徹さんが、長年愛用されていた4331Aに変えて今はRL901Kを使っています。2本で~240万円!(at宮地楽器)もする。

 坂本龍一さんとオノセイゲンさんとの対談にこの会社とスピーカーが取り上げられています。 https://www.commmons.com/schola/interview3.html

 西岡和馬のオーディオ西方浄土Part2 というページに以下の記述が気になった。
 「901KのKはカディオイドの頭文字で、単一指向性といういみです。マイクなどではよく使われる言葉ですよね。ムジークエレクトロニック・ガイザインのスピーカーは、うしろや横に低音が回り込まないように作ってある。なぜって、低音がうしろや横に回り込むと、肝心な前の音を汚してしまうから」

 また、 https://community.phileweb.com/mypage/entry/1698/20111003/
 に同様の以下の記述。
 ”後面に回ると見える、二つの細いスリットにも特徴がある。このスリットの中で逆位相の音波を生成し後面に回り込む低域を打ち消すというカージオイド処理といわれる特殊音響処理を行っている。このため、聞くとわかるが低域の肥大感、あるいはスレンダー感がなく、非常に正確で濁りの少ない低域が得られている。どうもスピーカーの裏面に細工がしてあるようだ。”

 裏面のスリットにその秘密がある。以下 裏面の写真とムジークエレクトロニック・ガイザインの説明。


 この写真で見ると、グレーティングのスリットは15枚あります。これが低音の逆位相の音を生成し後面に回り込む低域をキャンセルするらしい。620Aとか4331Aの裏面に付けたら効果はあるのだろうか?
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トルコ至宝展に行ってきました

2019-07-21 11:40:01 | 日記
 7/10に京都国立近代美術館のトルコ至宝展に妻と行ってきました。以前BS日テレでやっていたオスマントルコ外伝(Part1/Part2)を興味深く見ていましたのでスレイマン大帝がらみが出ているということで、もしかしたら彼の妻のヒュッレムや大宰相イブラヒムの関係物があればと思い行ってきました。8/1青字追加

 ■1)会場へ行くまで
 会場の左手の壁に案内板が  やはり3つのエメラルドが目を引きます

 会場前は

 チケット売り場は

 
 ■2)パンフレット   トプカプ宮殿博物館蔵品がほとんど
 表側は

 左下には、上の案内板の右にも大きく写っていた《玉座用吊るし飾り》(18世紀後半)があります。3つ共巨大。直径で言うと6cm位あるエメラルドです。値段が付けられないでしょうね。玉座もありましたが、飾りの方に目が!

  裏側

 左上には《スルタン・メフメト4世の宝飾短剣》(1664年頃) があります。取っ手の部分は大きなエメラルドです。
 下の中央は、《ターバン飾り》(17世紀)です。精細です。
 左の中段は、《七宝焼のバラ水入れ》(19世紀)です。 預言者ムハンマドの肌の香りが. バラの香りであるという伝承から. バラ水を振りかける伝統が大切にされたようです。
 上の中央は、《スレイマン大帝の儀式用カフタン》(16世紀)です。トルコといえば、チューリップ柄ですね。この展示物にも多数のチューリップ柄がありました。チューリップはトルコ語で「ラ一レ(lâle)」と言います。オスマン・トルコ語の表記に使用されていたアラビア文字で、ラ一レの綴りの文字配列を変えると、イスラム教の神のアッラーという言葉に。そのような事情から、チューリップは花として愛されただけでなく、宗教的、国家的な象徴としても崇められたということです。トプカプ宮殿が、チューリップの宮殿と呼ばれたのは、もっともなことなのです。

 とにかく宝石飾りや陶器磁器類も含め、とても色鮮やかでした。
 そういえば、TVのオスマントルコ外伝のスレイマンも宝石細工を趣味として、妻のヒュッレムや海賊に捕らわれたのを金で買い取って愛人にしようとしたカスティーリャ王国の王女イサベラにも自分の作った宝石細工品をプレゼントしていました。ヒュッレムはそのことに嫉妬しイサベラ から宝石を奪還します。そしてイザベラを放逐または抹殺しようとしますが、ドラマでは最後にイザベラがどうなったか判らず、彼女はフェードアウトしました。何だかスッキリしませんでした。このフォルトゥナ・イサベラ というカスティリャ王国の王女は実在かフィクションかがネットでも議論されていますね。結論ではフィクションが多いようです。ポーランドの王家に生まれ1539年ハンガリー王に嫁いだ王女イサベラ(イザベラ・ヤギェロンカ)は実在したようです。1541年、ハンガリーの首都ブダがオスマン帝国に占領されると、イザベラはスレイマン大帝の命令でトランシルヴァニアに赴き、まだ幼児の息子と共に同地域の支配者となった。このイサベラが海賊に捕まってスレイマンに引き取られたというのは考えにくいのでフィクションですかね。
 
 帰りに妻がカラフルな鍋敷きを買って帰りました。

 もちろん、チューチップ柄も入っています。

 ■3)帰りしな
 出て左手に、昔懐かしい市電が展示というか設置されていました。

 子供の頃、京都市内で乗った記憶が。内部は観光案内が

 昔の市電の中に掲示されていたものをコピーした系統図も

 私が乗った系統もありますね。料金が25円と書いていますがそんなに安かったのかと思います。物価も安かったのでしょうね。

 7/10は市電にも会えて懐かしい思い出も蘇った一日でした。


 
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カナル型イヤホンの特性評価

2019-07-18 17:49:41 | ヘッドホン
 外出時にI-Podに繋いでいるイヤホンの特性はどうなっているのか、気になって測ってみました。手持ちはそんなにありませんし高級品もありませんが、カナル型の大まかな特徴は把握できたのかなと思います。 7/19青字追加 
7/22赤字追加
7/26緑字追加
7/27 オレンジ字追加
7/30ピンク字追加

 ■1)測定方法
 これは以下のように

 PCの前面の右のジャックには、マイクを繋いでいます。黒いジャックを刺しています。左側の白いジャックがイヤホンで写真で繋いでいるのはパナソニックの白のカナル型でRP-HJE150-W です。写真ではFFTを採っている最中です。本当は、マイクを右手で持ちイヤホンは左手で持ってマイク(直径5mm)にくっつけているのでカナル型の場合はパッドでほぼ密閉できています。
 今回はアンプなしで、PCのサウンド出力のみで測っていますので、とりあえず、ループバックを撮ってみました。

 
 系の特性は1KHz迄はフラットで20KHzでー10dbです。S/Nというかダイナミックレンジは20Hzと50~80Hzで70db、それ以上で1KHzまでは80db前後、1KHzで80dbですがそれ以上の周波数ではリニアーに低下し20KHzで70dbになります。
 評価に使った方法は、音圧のグロスを見るためにFFTを、波形の再現性とダンピングを見るために1波のトーンバーストを5周波数(100、500、1K,5K、10K)Hzでオシロで見てみました。尚、オシロの周波数の横の=の後の数値は形が良ければ高い数値を独断と偏見で付けています。10点満点です。その次の()内の数値は、オシロのゲインでこれは40MAXで小さい程能率が高いということですので40がワーストです。トーンバーストの付帯波が多いとシャンシャンボンボン鳴り続けるので忠実度が低下。

 視聴感想もごく気になった機種のみ書いています。IはインストルメンタルでI=9なら10点満点で9点ということで、曲はマイルスのサムディ・マイ・プリンス・ウィル・カムです。ヴォーカルは、Voで示し、V0=8なら8点です。曲はアルジャロウのマイフーリッシュ・ハートです。この録音はサ行がシビアで少しでも歪っぽいスピーカーでは耳を刺す。2405は絶妙な加減で上手く表現します。Vrはその曲を良い感じで聴くにはPCのヴォリュームを24にした時だったということで、これは低い数値の方が能率が高いということです。

 ■2)カナル型イヤホンの評価 1位から3位まで
 評価データは、(トーンバースト波形は、すべてR側のみで測定)

 左側の2つがFFTで、右の5つのオシロ波形は1波トーンバースト波形です。
 ①のイヤホンは付属品でメーカーも型番も不明ですが、FFTもカナル型に特徴的なハイ上がりではあるものの極端に4KHz位が高いということはありません。それより特徴的なのは、右側のトーンバースト波形が良い形で特に高音の5KHz以上が綺麗で、カナル型の不得意な低域がそこそこましな波形が得られています。
 ②のSony MDR-NC033 はウォークマン用でしたが、FFTもカナル型の典型でトーンバーストも500Hzが若干歪んでいるのと10KHzが付帯波が2.5波長位余分に付いてしまっています。
 ③のSony MDR-EX85は発売時6195円の定価だったもので手持ちでは最も高いのですが、FFTは良い(R側の低域が素晴らしい)ものの500Hzの波形が低出力で歪み、1KHzも歪+付帯波が2.5波長位余分に付いてしまっています。
 因みに写真は、右上が1位で左下が4位です。


 ■3)カナル型イヤホンの評価 4位から6位まで
 評価データは、

 ④は、audio-technica ATH-CK323Mで黄色いリード線の本体は銀メッキです。今AMAZONで3980円で売ってます。これはトーンバースト波形が+スタートなので昔のJBLライクで通常とは逆相です。FFTはカナル型の普通レベルですが、トーンバースト波形は、1KHzまでがダメですが、5KHz以上は付帯波が全く無く凄く綺麗です。
 ⑤は、白耳あてのピンクベースでこれも付属品でメーカーも型番も不明ですが、FFTもカナル型に特徴的な2~4KHzピークのハイ上がりです。トーンバースト波形は、1KHzまでがダメですが、5KHz以上は付帯波が2.5波長位余分に付いてしまっています。
 ⑥は、Panasonic RP-HJE150-Wで上の測定風景の写真を撮った機種です。FFTについては⑤よりR側は良いです。LもR並みなら⑤より良いと言えますがLがロー落ちしています。トーンバースト波形では、500Hzと1KHzが⑤より低出力ですので形は同じく悪いですが劣ります。
 写真は、右上が5位で左下が8位です。


 ■4)カナル型イヤホンの評価 7位から9位まで
 評価データは、

 ⑦は、Sony MDR-EX110、⑧白円筒に黒〇ボディ、⑨SONY MDR-EX155 です。SONY品はウォークマン等の付属品です。FFTは似たようなものです。
 トーンバースト波形は、共通して500Hz、1KHzが悪い。⑦はその他に10KHzが付帯波だらけでダメ、⑧は100Hzは歪んでおり、⑨は5KHzと10Kzに付帯波が多い。
 写真は、右上が9位で左下が12位です。


 ■5)カナル型イヤホンの評価 10位から12位まで
 評価データは、

 ⑩はaudio-technica CKR30で、⑪ハワイアンホストの土産物に付いていました。⑫は、AxinG ASH40W 多摩電子 スマートフォン用です。⑩が余り良くないのが不思議です。⑪はよく見ると500Hzと10KHzが逆相(+スタート)になっています。もしやと思いL側を測定したら逆相でR側は正相でした。RとLのマークさえプリントしていませんので間違えたのです。つまりRとLでボイスコイルの向きが逆です。工業製品でそんなことがあり得るのか?です。まさか手でボイスコイルを巻いていることはないでしょう・・・何かもっと別の効果を狙って逆相にしたのかも?
 尚④は両方逆相でした。audio-technicaがLとRで逆に作ることはあり得ませんね。ATH-CK323Mの設計者がきっとJBLフリークだったんでしょう。


■6)総合的なまとめ
 カナル型の12機種のまとめが以下。

 右端の列が総合点で高いものの順で並べ替えると上記の順位になりました。MAXで①黒円錐円筒本体黒パッドの50.5点となります。
 また、弱点は黄色のハッチングをしたセルでカナル型イヤホンは、500Hz~1KHzの波形再現が不得意と見えます。

 次回はインナーイヤー(開放)型を評価した結果をアップします。インナーイヤーだと総合点が61点がMAXとなりました。

 
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アイク・ケベック ”イージー・リビング”

2019-07-13 11:37:03 | ジャズ
 昨夜は、ボクシングで村田選手が再戦でチャンピオンに返り咲きました。2ラウンド見事なTKOでした。前回の敗戦の原因をきっちりと反省して今回はガードを完璧にしてから攻撃に移っていたので完璧な作戦通りだったんではないでしょうか。
 今回は、アイク・ケベック の ”イージー・リビング”です。”ナンシー”がいいですね。

 ■1)アイク・ケベック
 ウィッキペディアから一部省略して転記します。
”Ike Abrams Quebec, 1918年8月17日 ニューアーク – 1963年1月16日)はジャズ・サクソフォン奏者。評論家のアレックス・ヘンダーソンは、「ケベックは、決して改革者ではなかったが、気息音のまじった朗々たる響きがよく目立った特徴であり、南部風のブルースやセクシーなバラード、アップテンポのアグレッションといった場合でも、徹底していた」と評している。
 元々は熟練したダンサーでありピアニストであったが、20代前半に楽器をテナー・サクソフォンに替え、やがてサクソフォン奏者として将来を嘱望されるようになった。1940年には録音活動も始めている。その後、エラ・フィッツジェラルド、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンスと共演した。1944年から1951年までの間はキャブ・キャロウェイと断続的に共演を続けている。またこの時期に、ブルーノート・レコードへの録音が行われ、さらにA&Rとして同レーベルのスカウトも兼ね、セロニアス・モンクやバド・パウエルらのピアニストが世に出るきっかけを作った。ケベックは初見演奏の能力に恵まれ、多くのブルーノート・レコードのセッションで即席の編曲家を務めることもあった。

部分的には薬物依存症との闘病生活のために、一方ではビッグ・バンドの人気が凋落したために、ケベックは1950年代を通じて散発的にしか録音しなかったが、それでも定期的な演奏活動を続けていた。ケベックはジャズの新たな展開に通じており、後にハード・バップやボサノヴァ、ソウル・ジャズの要素を取り入れて演奏している。1959年には、一連の録音によってブルーノート・レーベルへの復帰作に取り掛かる。同社の最高顧問アルフレッド・ライオンは、ケベックの音楽をずっと気に入っていたものの、十年ほど人目につかなくなっていたサクソフォン奏者に聴衆がどう反応するかに不安を覚えた。しかし聴衆の好感を得て、たくさんのアルバムが温かく歓迎された。
1963年に肺がんのために早世した。 ”

 ⇒やはり、昔のジャズマンによくある薬物依存症との闘病生活に苦しんだんですね。かれのスタイルを聴くと、やはりコールマン・ホーキンスの影響が大きいですね。ソニー・ロリンズもホーキンスの近所に住んでいてサインを貰うためにホーキンスの自宅に押しかけたと聞いたので同じような道を通っているんでしょうか。
 モンクやバド・パウエルをアルフレッド・ライオンの所に紹介するため連れて行ったり、RVGスタジオまでミュージシャンを乗せて送るドライバーを買って出たり裏方の仕事もこなす苦労人。
 音楽理論をきっちり習得した上でアドリブを事前にスコアで緻密に構築してからプレイに入る、そんな感じがします。自己の音楽を冷静で客観的に見る視線と、過剰を律する自己に対する厳しい姿勢を持っていると言っている方がおられますが、当にそんな感じですね。同じホーキンス流でもロリンズとは全く違うタイプ。

 ■2)”イージー・リビング”のCD
 表は、

 内側は、

 ジャケット写真を見ると、素朴の田舎のおじさんと言う雰囲気を漂わせています。少しアップセットしたような表情。”俺はどうすりゃいいんだ?”とぼやいてます。

 ■3)”イージー・リビング”の曲とメンバー
 曲順は、
 1. See See Rider (M.Rainey-L.Arant) ・・・・・ 9:01
 2. Congo Lament (Bennie Green) ・・・・・ 6:52
 3. Que's Pills  (Stanley Turrentine) ・・・・・ 5:39
 4. I've Got a Crush on You(I.Gershwin-G.Gershwin) ・・・・・ 6:50
 5. Nancy (With the Laughing Face) (P.Silvers-J.V.Heusen) ・・・・・ 7:24
 6. Easy Living  (L.Robin-R.Rainger) ・・・・・ 5:01
メンバーは、
  Ike Quebec (ts), Bennie Green (#1-3, 7, 8: tb),
  Stanley Turrentine (#1-3, 7, 8: ts), Sonny Clark (p),
  Milt Hinton (b), Art Blakey (ds)
  Recorded at RVG Studio, Englewood Cliffs, January 20, 1962.
 多分A・ライオンが彼の趣味で呼んできたと思われるアート・ブレイキーがドラムを叩いている割には、4~6曲目のバラードもここでは控え目なバッキングで上手く合わせています。

 ■4)”イージー・リビング”のお気に入り
  やはり皆さんの感想と同じで、前半のセクステットでのアップテンポなマルチホーンより後半のアイクのワンホーンのバラードが良いです。
 吹き方としては、ほのぼの感満載のムードでベン・ウェブスター(彼は蒸気機関車風ですが、アイクは違います)の音を引っ張るような粘っこい感じのプレイ。
 これが嫌いな人はダメなんでしょうね。私も若い頃なら聴かなかったでしょう。
 今は、”ナンシー”がお気に入り。”ナンシー”とは勿論ナンシー・シナトラのことです。歌手で女優。お父さんは、フランク・シナトラ。
 トレーンの”バラード”のラストの”ナンシー”(これはストレートなメロディ)が有名ですが、このナンシー(少し粘ってセクシーでブルージー)も勝るとも劣りません。
 初めて聴いた時は、ゾクッとしました。
 ソニー・クラークのしっとりとしたピアノも燻し銀。
 それにしても、この録音の1年後にソニー・クラークとアイクが僅か3日違いで亡くなってしまったと思えない程の迫真のプレイです。
 4.や6.も同じくビブラートをかけたバラードプレイが堪能できます。

 You Tubeにも全曲上がっています。
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