オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

オーディオで音を良くする秘訣 ~Part4 HPF含めたフィルタQ値について~

2022-05-30 08:14:31 | 回路シミュレーション
 前回最後に言っていたようにSCF(Short Cycle Feedback)的にLPFだけの評価では不十分かもしれないのでQ値の最適値追及の為HPFも入れてLT Spiceでシミュレートしてみました。今回はフィルタについてはバターワースフィルタ(BW)ではなくRDA560で使っているフィルタを対象としました。
 5/31 ■8)に実測データを青字で追加 
 6/1  ■10)の水色字追記
 6/1  ■7)に実測データを赤字追記
 6/2  ■8)に緑字追記

 ■1)LT Spiceで用いた伝達関数 (回路は判らないので特性で記述できる伝達関数で)
 RDA560のフィルタの伝達関数は(**2は2乗の表記、sは変数でwcはカットオフ角周波数)
  ・2次のQ指定
  2次LPFは、Qを使うと伝達関数は、通常の教科書に載っているのと同じで
 G(S)=wc**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2)  です。(Q=0.707で2次のバターワースフィルタ)
  2次HPFは、LPFを対数スケールでwcを対象軸として周波数変換(s/wc ⇒wc/s)すれば得られるから、
 G(S)=s**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2)  です。(同上)

 ・簡易設定(次数設定)
  2n次LPFの伝達関数は、以下と推定した。(n=1(これのみBW2次)、2、3・・・・・・)
 G(S)=wc**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n  です。
  2n次HPFの伝達関数は、上記と同様で出せるので(n=1、2、3・・・・・・)  
 G(S)=s**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n  です。

  4次のみ Linkwitz-Rileyフィルタで、高次はそれの分母の( )内は同じで乗数のみ変えたものすので、RDA560の次数設定フィルタは Linkwitz-Rileyをベースにしたフィルタと言えます。

 一応LT Spiceでもスロープとカットオフ点でのゲインがRDA実機と合うのは確認済みですので単体での動作は推定できるが合成での動作まで合うかは?
 尚下記で用いたパルスや矩形波の入力波形のピーク電圧は10Vです。

 ■2)単独ゲイン
 前回はBWと比較してRDAのフィルタは肩が丸まっており弾み感で有利としましたが、今回はRDAについて詳細に。以下。カットオフは全て1800Hz。点線は位相ですが、左側の2次Q指定ではLPFは上でHPFは下にあり全周波数で180度の差があるので反転していることが分ります。

 左側が2次のQ指定でカットオフ点が上からQ=0.707、0.634、0.577、0.5となります。カットオフ点でのゲインは、上から順に、ー3、ー3.96、ー4.8、ー6dbとなります。これはRDA実機と合致。
 右側は次数指定で、カットオフ点が上から、2次、4次、6次、8次です。カットオフ点でのゲインは、上から順に、ー3、ー6、ー9、ー12dbです。これもRDA実機と合致。
 尚、4次のみはLinkwitz-Rileyフィルタであり、カットオフ点でー6dbですがLPFとHPFの位相差は0であるので、次の■3)で判るように加算するとフラットになる。図の点線で20Hzで0度で20KHz端でー345度のものが4次のLPFとHPFの位相で、重なっています。
 同様に8次もLPFとHPFの位相差は0です。図の点線で20Hzで0度で20KHz端でー692度のものが8次のLPFとHPFの位相で、重なっています。
 2次は、位相差が~180度あります。LPFは図の点線で20Hzで178度で20KHz端で8度のもの。HPFは図の点線で20Hzで0度で20KHz端でー172度のもの。
 6次も、位相差が~180度あります。LPFは図の点線で20Hzでー3度で20KHz端でー519度のもの。HPFは図の点線で20Hzで178度で20KHz端でー339度のもの。

 ■3)合成(LPF+HPF)ゲイン 加算
 これは以下。

 左側が2次のQ指定ですが、カットオフ点では位相が反転してゲインが等しいのでディップします。(位相は常に180度の差があるがカットオフ点以外ではゲイン差が出るのでディップ量が減る)
 右側は次数指定で、緑線の2次赤線の6次は位相差が180度でディップ(ー40db)しますが、青線の4次は位相差=0でフラット、水色線8次では位相差=0ですのでカットオフ点ではゲインはー6dbです。

 ■4)合成(LPF+HPF)ゲイン ディップ分のみ減算
 RDA560では実際には何らの処理をしており大きくディップしないので、とりあえず大きくディップするケース(2次、6次)のみは位相差=180度ですので減算しました。

 左側が2次のQ指定ですが、カットオフ点ではQ=0.707、0.634、0.577、0.5の順に、ゲインは、+3+2+1.25dbとなりQ=0.5のみフラットになります。
 右側は次数指定で、カットオフ点でのゲインは2次4次6次8次の順に、+3、0、ー3、ー6dbです。RDA560の実機ではカットオフ点での合成ゲインは2次、4次、6次、8次の順に、0,ー1,ー2、ー3dbですのでLT SpiceでのシミュレーションとRDA560の実機とは若干合成時のフィルタ特性が違う。

 ■5)合成(LPF+HPF)矩形波応答  (入力矩形波の立上りは35μs、立下りはー35μs、オンタイム2mS)
 ■4)と同じくディップ分(2次、6次)のみ減算で矩形波応答を出した。

 左側が2次のQ指定ですが、LPFの場合とほぼ似ていますが、Q=0.707の緑線はオーバーシュートが大きく、逆に薄い青線のQ=0.5ではアンダーシュート気味です。丁度良いのは、0.577(赤線)付近と考える。
  右側は次数指定で、180度位相差があってー側になっている緑線が2次赤線が6次、位相差=0で+側になっている青線が4次薄い青線が8次です。次数が大きくなるにつれて立上りが遅れてきます。2次が最良で、2次の中で最適Qを選ぶのが良いと判断できます。

 ■6)合成(LPF+HPF)矩形波応答 
 単純な加算も出してみました。

 これはF特にディップが出るものもあるので参考です。

 ■7)単体(LPF HPF)矩形波応答 
 単体も出してみました。

 LPF出力は矩形波状に、HPF出力は+⇒ーのパルス状にでますが、■5)と同様、右側の高次では立上がりの遅延が大きく、左側の2次では上から2番目のQ=0.634程度が立上がりが素直(オーバー&アンダーシュートが少ない)です。

 実機の実測データでも下記のように次数が高くなると立ち上がり時間が伸びていきます。8次は実測で0.55mSでシミュレーションで0.7mS、6次では実測0.46mSに対し0.54mS、4次は実測0.41mSに対し0.4mS、2次は実測0.32mSに対し0.28mSなので、大きな差はなく4次はほぼ合う。

 実測で2次のQ変化ではシミュレーション程顕著では無いですが、Qが下がると立ち上がりが鈍るので傾向は同じ。Q=0.5で実測0.48mSに対しシミュレーション0.43mS、Q=0.577で実測0.41mSに対し0.37mS、Q=0.64で実測0.36mSに対し0.32mSと若干低く出るが傾向は把握できる。



 ■8)単体(LPF・HPF)パルス波応答 
 単体のパルス波応答を出した。使用した入力パルスは、WGで出したパルスの実測に近似した、立ち上がり35μs、立下りー35μs、トップ5μsです。

 左側が2次のQ指定ですが、LPFの出力は0V以上で出ているの~+1.5Vの山になります。HPFのの出力は最初に+8V弱のピークが来て、次に~ー4.5Vのディップが出ているものです。
 右側は次数指定で、これは2次~8次が重なって複雑になっていてよく分からないですが、高次になると付帯波が出ています。
 実測でも同じ波形を観測しています。この時代はオリジナルパッシブネットワークでウーハーが2次、同軸は3次です。

 この時代はタイムアラインできていないので水色の〇で囲んだウーハー波が前に来ていますが今は以下のようにデジチャンでタイムアラインしているので重なります。

 現使用レシピーは右上の右上の③位の遅延をかけていますので、付帯波Bが丁度消えている状態です。尚ウーハー波はー側ですがCで示します。

 ■9)合成(LPF+HPF)パルス波応答 
  単純に加算した場合の(LPF+HPF)の合成パルス波の応答を出しました。

 これも8)とほぼ同じです。
 
 ■10)合成(LPF+HPF)パルス波応答 
  ディップ分(2次、6次)のみ減算した場合LPF+HPF)の合成パルス波の応答を出しました。

 これも6)とほぼ同じですがF特でディップの少ない状態なのでより現実に近いのかなと思います。4次以上の高次は付帯波が出てきて良くないのが判ります。
 左側の2次は、■8)の一番下の実測の②③辺りと似ていますのでシミュレーションに近いのでLT Spiceでもある程度は評価できる。

 結論的には、LPFでSCF的に調べたもので判断しても結果は概ね同じ。4次以上の高次は矩形波の立上りが遅れるのとパルスで付帯波が多くなりNG.
ベストなQ値は2次の中にあり、■5)の波形で考えるとQ=0.577(赤線)附近と考えますが■7)の単体のLPFで見るとQ=0.634附近。最終的にはHPF含めた群遅延時間まで考慮して次回結論を出します。
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オーディオで音を良くする秘訣 Part3 ~弾みについて ウーハーとフィルタのQ値~

2022-05-20 00:29:16 | オーディオ評価
 Part1では複数のスピーカーユニットの音源位置を合わせて各ユニットの波形タイミングを合わせる為にタイムアライメントを取ったことを紹介しました。これによって打楽器のアタックがシャープになります。Part2ではJazzの肝である弾みを向上させるカットオフとフィルタのQ値について聴感で条件出しを行った経過を説明しました。これによりエネルギーバランスが取れて弾み感のある音が得られます。今回は、Part2でQ値を0.5に低めることで弾み感が増したが、Q値の最適値を求めるためにシミュレーションや実測をしたことを紹介します。
 5/26紺色追記 ■1)のRDA560の伝達関数で2次のQ指定を追加しました。
 6/22 ■2)の緑字部で2次のQ変化のパルスの実測データを追記
 
 ■1)バターワースフィルタとRDA560のフィルタ(LPF) ~群遅延時間Tgとフィルタスロープ(肩)のシミュレーション~
 高次のLPFで急スロープでフィルタを切ると各ユニット間の使用帯以外の音の分離と言う点では良いが、以下のLT Spiceのシミレーションで判るように群遅延時間が次数と共に増加しカットオフ1.8KHz附近でのピークが大きくなります。下の左が群遅延時間で下からバターワース(BW)2次(黄緑)4次(青)6次(赤)8次(水色)ですので次数と共に平坦部の値が増加し、且カットオフ附近でピークを呈すがピーク高と平坦部との差(図中の赤↕は8次)も次数と共に上がって行く。

 更に次数が上がるとパルス応答が鈍ってしまうし音の弾みと言う点でも不利となると思う。上記はバターワース(BW)の場合ですが、以下のRDA560のフィルタではTgは以下のようにBWよりはピーク高と平坦部との差(図中の赤↕は8次)も小さくなり改善しますが傾向は同じ。上下のTgの結果比較からBWフィルタは波形の忠実度を確保する上ではRDA560のフィルタより劣る。

 RDA560のフィルタは以下のようにBWより肩をなだらかにして波形の忠実度や弾み感を改善している。左側がBWで右側がRDA560のフィルタで次数に対する傾きは同じですがRDAの方が肩が丸くなっている。但しRDA560はクロス周波数でー3dbなのは2次のみでそれより高次ではLPF+HPFでフラットにならない。(LPF+HPFで4次ー1db(ー3)、6次ー2db(ー6)、8次でー3db(ー9)、LT Spiceでの単なる加算では()内になるのでRDAではカットオフで合成出力を増やす工夫をしていると推測)

 因みにフィルタの傾斜は両者ともに nを次数とすると、ー6×n db/Octで同じ。⇒上記からフィルタの肩は曲率が緩い程Tgの平坦部とピーク高さの差は小さくなり波形の忠実度は改善する事が判ります。(点線は位相です)

 RDA560のフィルタの伝達関数は(**2は2乗の表記、sは変数でwcはカットオフ角周波数)
  ・2次のQ指定
  2次LPFは、Qを使うと伝達関数は、通常の教科書に載っている
 G(S)=wc**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2)  です。(Q=0.707で2次のバターワースフィルタ)


 ・簡易設定(次数設定)
  2n次LPFの伝達関数は、以下と推定した。(n=1(これのみBW2次)、2、3・・・・・・)
 G(S)=wc**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n  です。
  RDA560のフィルタと上記のスロープとカットオフ周波数が合致していることは確認済。
  4次のみ Linkwitz-Rileyフィルタで、高次はそれの分母の()内は同じで乗数のみ変えたものすので、RDA560の次数設定フィルタは Linkwitz-Rileyをベースにしたフィルタと言えます。

 ■2)RDA560のチャンデバのフィルタ(LPF) ~最適Q値を求める実測 パルス評価~
 弾みは応答性にも関係すると考えて、RDA560のLPFを使う場合にQ値をどうすれば、最も立上りが急峻になるかを実機の電特実測で調べました。

 これはRDA560のCH5のスピーカー端子に8Ωの純抵抗を繋ぎ、その両端のパルス波形(WGで作成)の電位をPCオシロで見たものです。1.8KHzカットオフのLPFを使いました。左上から時計回りにRDA8次、RDA6次、RDA4次、フィルタ無、2次のQ=0.642、RDA(=BW)2次です。パルス出力は次数の高い程鈍ってしまい立上りが鈍ってしまいます。2次のQ変化の実測は以下。

 では、上記をグラフ化したのが以下です。

 縦軸はパルスの鋭度(パルス幅(90%TH)/パルス高さ:単位s/v)で横軸は、Q値です。RDA2次(Q=0.707)より左側が2次でのQ変化ですが、RDA2次(Q=0.707)で最小(0.7S/V)となりますが、2次のQ=0.642でも0.8S/Vとまずまずの値です。LPFについては2次のQ=0.7附近で最もパルス応答が鈍らない音になりますし、弾みについても良い方向になる。

 ■3)RDA560のチャンデバのフィルタ(LPF) ~最適Q値を求めるシミュレーション パルス評価~
 LT Spiceでもパルスの立上り鋭度のQ依存を見てみました。使用した入力パルスは、■2)の最初のグラフ集の右下のフィルタ無しの実測オシロの近似で、立ち上がり35μs、立下りー35μs、トップ5μsです。

 今考えるとシミュレーションの2次以上は、BWではなくRDA560のフィルタでやった方が良かったのですが傾向は同じです。BW2次で2.7mS/vと最小となりますが、Q=0.642でも3.3mS/vとそれに次ぐ値で、上記実測と同じ傾向です。

 ■4)RDA560のチャンデバのフィルタ(LPF) ~最適Q値を求める実測 矩形波評価~
 測定方法等は2)と同様で入力波形をWGの矩形波にしました。パルスの場合は高さが最高到達点まで行く前に落ちてしまうので鋭度で評価したが矩形波は最高到達点に必ず到達するので時間のみで評価した。

 立上り時間が次数が大きくなるに従って大きくなっており、8次では赤〇の部分にオーバーシュートがありますがこれは次数が下がるに従い小さくはなりますが、右下の2次でも若干見られます。2次のQ値変化でどうなるかと言うと

 左上がQ=0.642ですがほぼオーバーシュートも無くなって、90%になる立上がり時間も0.36mSと小さい。Qを下げていくと立上り時間は大きくなってきて肩が丸くなってアンダーシュート気味になってきます。グラフ化すると

 立上り時間だけで言うとRDAの2次が0.32mSと最小で、Q=0.642がその次(0.36mS)になります。これは■3)のパルス鋭度の順位と同じ。注目すべきは、90%を立上りの閾値とした場合はQ=0.707のRDA2次とフィルタ無しが0.32mSで同じと言うことです。RDA2次(=BW2次)は立上りと言う意味では素晴らしい。
 
 ■5)LT SpiceによるBWフィルタ(LPF)の矩形波評価
 これは以下。入力矩形波の立上りは35μs、立下りはー35μs、オンタイム2mS

 2次以上は、BWではなくRDA560のフィルタでやった方が良かったのですが傾向は同じです。BW2次で0.236mSと最小となりますが、Q=0.642でも0.26mSとそれに次ぐ値になります。

 ■6)2次のQ値の候補
  ①Q=0.707:矩形波の立ち上がりスピード最大。但し立ち上がりにオーバーシュートがある。聴感での弾み感が中程度でエネルギーバランス良好
  ②Q=0.642:矩形波の立ち上がりスピード最大に近い。立ち上がりにオーバーシュートもほぼ無し。
  ③Q=0.59 :矩形波の立ち上がりスピード中。後で判るがベッセルフィルタ並みに群遅延時間の周波数特性が最大限フラット。∴波形の忠実度はベスト。
  ④Q=0.5  :矩形波の立ち上がりスピード小。立ち上がりはアンダーシュート気味。聴感での弾み感がベストでエネルギーバランス良好で音の粒子表面のツヤ感を感じる。
 ⇒立ち上がりスピードを重視すると、Q=0.707が良いが、矩形波は若干オーバーシュート。矩形波の波形を重視するとQ=0.6が綺麗です。聴感を重視するとQ=0.5が良い。その辺りに正解があると思います。さて貴方はどのQ値を選びますか?

 従来アップした分での纏めは以上ですが、簡単にシミレートできるLPFのみで解析していましたが、HPFも含めて評価した方がより精度が上がるのでそれについては次回アップします。
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オーディオで音を良くする秘訣 Part2 ~弾み ウーハーとスコーカのカットオフとフィルタQ値~

2022-05-13 08:03:59 | オーディオ評価
 Jazzの音の肝である弾みを良くするには、m0(JBLはMmsと表記)の小さいウーハーを選ぶこととチャンデバのフィルタのQを低めに設定することと最適なカットオフを設定することがあります。2020年6月に620Bをアキュフェーズ のA級アンプ(~100万円、~50Kg)で駆動されている知人宅を再訪問し、知人のリクエストである620Bのネットワーク改造の為のフィルタ定数決めの為の評価をしたが、同年6/16に知人に我が家に来訪頂き、私の620Aに620Bの結果を移植することにしました。その時の結果を中心に紹介します。

 ■1)ウーハーについて
 ウーハーについて必要なのは、口径に対して振動系の質量m0が小さいことです。低m0により風のような生に近い軽やかな低音に近づけます。メインの620Aの604-8Gのウーハーはm0=59gと38cmの口径に対し非常に小さい。

 対してサブにしているJBLの4331Aのウーハー2231Aは同じ38cm口径ですが当時のJBLは重低音志向でセンターキャップの裏にアンチモンウエイトリング(米国の記事では実測で36g:その記事ではないが36g記載のURL:http://www.audioheritage.org/vbulletin/showthread.php?5386-2231A-or-2235H-in-4333B)が付加されておりm0=151gと非常に大きい。

従って弾みについては620Aが圧倒的に有利です。(勿論アンプの高パワーや高ダンピングファクターである程度補足することはできないこともないのですが)
 またバスレフは低音の音量を補足するには便利ですが、低音の遅れが生じるのでボワーとした音になりやすく自然な弾みや波形の再現性を得るには不利と言えます。ですので620A(以下左写真でマルチ用に塞いだバスレフ穴から604-8Gの配線を2系統出している)も4331A(右写真で同じくマルチケーブルを塞いだバスレフ穴から2系統出し、ウーハーは裏の端子から出す)もEVA樹脂で密閉化しました。

不足する100Hz以下の低音は、アンプの低音の音質(BASS)ボリュームでブーストしています。
 当方は2018.12.1のアップで2231Aと620Aの低音の遅れについて測定しています。それによると、最低共振周波数f0Cの遅れは620Aで2.5~3.6mS、2231Aでは3.8~5.1mS、バスレフのポート共振fdの遅れが、620Aで19~25mS、2231Aでは36~38mS、となりf0cの遅れは許容できるとしてもバスレフのポート共振周波数付近の遅れは回避したい。(聴感で遅延を識別できるのは条件にもよるが、30mSというデータがある。)

■2)チャンデバの最適カットオフとQ値を聴感で評価。今回のレシピー内容 (当時はサブウーハーとして2231Aを使っていましたが、アナチャンでは波形遅れが出ることを音の波形で確認したので今は未使用)
  中心条件は、70Hz5db(8次)、M:HPF70Hz(Q=0.7=12db/Oct)&LPF1.8KHz(Q=0.5=肩落ちー12db/Oct)、H:HPF1.5KHz(Q=0.5) です。
 L:2231A 604より+5db LPFでカットオフ70Hz 反転(604に対して逆相)
 M:604-8Gウーハー ゲインは0db、バンドパスでHPF(Q=0.707)70Hz、LPF(Q=0.5)1.8KHz、同軸とタイム合わせで61mm遅延
 H:604-8G同軸ツイータ+2405H(パスコン2.2μF、ー12dbATT)、ゲインはー5db(パッシブNW時ー6db)、HPF1.5KHz(Q=0.5)

 【実験条件Q値】
       604-8Gのウーハー  :LPFで2次でQ=0.5(肩が最も緩い)と0.7(肩がBW2次の緩さで0.5より鋭角)の2条件
       604-8Gの同軸ツイータ:HPFで2次(ー12db/Oct)とRDA560の4次(ー24db/Oct)の2条件
 【実験条件カットオフ周波数】
       604-8Gのウーハー  : 1000、1500、1800、2100、2400 Hz の 5条件
       604-8Gの同軸ツイータ: 1500 Hz 固定
 604-8Gのウーハーはm0が小さく素性が良いので上の周波数の限界まで使って弾みを確保しようとしました。⇒下の裸のF特でカットオフは甘く見て3KHzと見れるので~2KHzまでは分割振動もギリ見られず使える。
 604-8Gの同軸ツイータは以下のように、フィルタ無しでのカットオフ周波数が、500~600Hzですので、ショートホーンの使える限界がその2.5倍(600×2.5=1500Hz:*1を参照)という所を使用。1500HzはALTECが公表している608-8Gのカットオフでもあります。
 *1)https://www.ne.jp/asahi/ryustech/koubou/horn-erabikata.html


 ■3)聴感による条件出し結果
 知人の聴感による判定結果が下記。曲は’90年代のジャズのクインテットの作品

 試聴順序①(ウーハー1500Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct)からスタート。これが基準。以下基準外を赤字で示します。
 試聴順序②(ウーハー1500Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー24db/Oct):基準との差異は聴き取れなかった。⇒これ以降ー24db/Octは取り止め。
 試聴順序③(ウーハー1000Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):中低域が薄くまったく物足りない。
 試聴順序④(ウーハー1800Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):基準よりもエネルギーバランスは良好 ゆったりと聴ける感じ。
 試聴順序⑤(ウーハー2100Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):④と同様にエネルギーバランスは良い 雑味はないがピアノがやや曇る感じ。
 試聴順序⑥(ウーハー2400Hz Q=0.7、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):全体に曇る感じ クリアーさに欠ける 雑味によるものかもしれない。

⇒以上でウーハーのカットオフは1800Hzが良さそうと言う感触を得た。
 
 試聴順序⑦(ウーハー1500Hz Q=0.5、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):基準と似た音調だが弾み方はこちらが良い。
 試聴順序8(ウーハー1800Hz Q=0.5、同軸ツイータ1500Hz ー12db/Oct):エネルギーバランス良好でかつ音の粒子表面のツヤ感も充分感じる 。その日のベスト条件である。

 ということで、この時の最適条件は、ウーハーLPF1800HzQ=0.5(ー12db/Oct)、同軸ツイータHPF1500Hz Q=0.707(ー12db/Oct)となった。
 この後、Q値を最適化する為に、実機実験とLT Spiceによるシミュレーション等を行ったが、それは次回以降。
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フレンチグリル アンジェリック Part2

2022-05-08 12:53:51 | 日記
 前回は、’20.8.28に遅ればせながら銀婚記念で行ったのをアップしましたが、今回は27回目の結婚記念日に阪急塚口駅の南にあるアンジェリックさんに妻と娘と行ってきました。和食なら嵐山のてんぷら松さんのように、サプライズな美味しさを味わえるお店です。ディアー(税別)5500円とお値段はリーズナブル。

 ■1)お店
 阪急塚口駅を南に歩いたら10分弱の洗車場の交差点を左折で着きます。

 壁には落ち着いた絵が。


 ■2)アペタイザー
 先ずは、サーモンマリネ。 生ガキと生ハムとの3つからのセレクション。イクラとソースのバランスが良いです。

 次はローストビーフ。嚙んでる内にジュワっと旨味成分が出てきます。

 3つ目はオマールエビのガレット。ガレットはムースの食感の柔らか系で、からすみが良いアクセントになってさらっとしたソースや白アスパラとのコンビネーションも抜群。お皿も絵柄が素敵です。

 4つ目は、トマト・ファルシ。トマトの中にハンバーグが詰めてあるという感じです。肉もジューシー

 
 ■3)スープ
 一見するとミルクですが、ジャガイモのスープ。コンソメや生クリームやバターが入っていそうな味ですがシンプル。もっと欲しい。


 ■4)メイン
 パンのバケット。これ3人で丁度全部過不足なく戴きました。

 魚は、高知産の鱸に北海道のホタテ。鱸はあっさり味なんですが味付けが上手でソースもあっさり系ですが素材の味を活かす。このお皿もデザインが奇抜。

 肉は鹿児島産の和牛、テンダーロインですね、きっと。柔らかさの中に旨味を贋造しています。ソースも絶妙で大根が味のバランスを取っています。このお皿がデザインでは最も気に入りました。
 

 ■5)デザート
 先ずは、レモンシャーベット。口の中がすっきりしてリセットできます。

 次はロールケーキ。クリームの中にパインが入っています。今日は紅茶で


 この値段でこの美味しさはコストパーフォーマンス抜群。3人とも大満足。結婚記念日が非常に楽しく過ごせました。3月は腰が痛くてトイレに這って行ったこともありました。当時は5月にここに来れるなんて想像もできなかったですね。大澤先生には感謝です!
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鶴見緑地公園へ Part2

2022-05-07 00:57:00 | 日記
 2018.5.11にもアップしましたが花博記念公園の鶴見緑地公園へ4年ぶりで5/2に妻と行ってきました。クーちゃんも近場しか行っていなかったので久々の公園散歩です。

 ■1)アクセス
 行きは、尼崎から環状線を経由して行きましたが30分で行けました。帰りはスマホのグーグルナビで近畿道を指示したのでまずモノレールの横を通って吹田に出て、そこから名神で豊中に出て帰りましたが、やはり30分でした。9:50に着いた時は駐車場はガラガラでしたが、11:40に帰える時は、沢山の車が入場待ちしていました。GWはやはり早く出ないといけないですね。

 ■2)駐車場から入口付近
 車を止めたのは西駐車場で真ん中の大池の左端に有ります。前回は左上の北西駐車場だったので風車まで遠かった。案内板は

 風車は反対側で大池の右端側になります。先ずは”咲くやこの花館”ここは、ペットが入れません。残念


 ■3)大池~風車
 池に着くと対岸には中国風の建物が、 そこでクーちゃんもお立ち台に乗ってパチリ。不満げです。

 青い花の前でも

 西ゲートを潜るとヨーロッパの各国のブースが出てきます。例えばオランダ

 オーストリアは奥にモーツアルト像、フランスはパンジーですかね?

 カナダはナイヤガラの滝。   バラ園でもクーちゃんをパチリ

 バラ園にアーチがありますが、満開にはマダマダです。 この青い花もいいですね。


 ■4)風車からネモフィラまで
 風車の足元には、赤いヒラドツツジですかね。 またこの海老茶色のと黄色のはビオラのようです。

 風車の下のビオラ?の前のクーちゃん。 ちょっと疲れていますね。
 
 風車の下の端でお立ち台に上りました。グラグラでしたので不安げ? この山吹色のもビオラかな?


 ■5)ネモフィラ(風車の丘の大花壇の東側部分)から帰り
 帰りはヨーロッパのブースの下側を通って、ネモフィラの中でパシャ。結構広いエリアです。今回の主要目的。近景も。

 超近景。 クーちゃんもご満悦、か 眩しかったのかも?

ミツバチも沢山居て蜜を吸っていました。 ドイツのブースの前のバラ


 今日は暑からず、寒からず、いい気候で十分ネモフィラ等を堪能できました。クーちゃんも堪能したのか、帰ったら疲れてぐっすり昼寝してましたね。今日はリラックスできた有意義な1日。3月の腰の激痛の時は、こんなことが5月にできると思ってもみなかったです。大澤先生に感謝!
コメント
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