オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

JBL4331Aのウーハー2231Aのウレタンエッジ交換

2024-07-14 22:00:12 | スピーカーユニットメンテナンス
 前々回2231Aのエッジ交換をしたのは、2012年11月だった。7年5ヶ月後の2020年4月に左側のエッジが割れてきたので左側のエッジ交換を同年4/11にしました。右側は奇跡的に12年間何ともなかったのですが流石に今年見たら割れてきましたので、7/6(土)~7(日)で右側のウレタンエッジ交換をしました。

 ■1)交換したウレタンエッジ
 交換用は、ノースウエストトレーディングで2020年に購入したものです。詳細は、2020年4月14日のアップを参照ください。

 ■2)エッジの状態
 7年5ヶ月で左側のエッジが割れてきたが、右側は12年持った。エッジを1割手前部分残した状態。(7/6 16:06)

 エッジのラウンドした部分(サスペンション部)のみを指で取った状態。(フレームのウレタンは残ってます)(7/6 16:18)


 ■3)エッジの除去 (湿度が高いのでウレタンは柔らかいが、より取れやすくする為に水をウレタンに含ませてから除去)
 コーン紙の裏側のウレタンは、彫刻刀ではコーンも切れてしまうので、-ドライバーで削りました。これは10cm位除去したところ。(7/6 18:52)この後夕食で作業は約40分中断。

 裏側のフレームの下は、このようにードライバーを斜めに入れて除去します。(7/6 19:56)

 コーン紙の裏側を全部除去した。(7/6 20:06)

 表側の外周フレームのウレタンは、斜めエッジの彫刻刀で除去した。2012年は、エッジを除去するのに非常に手間がかかった。11月で乾燥していたのか、35年間も放置したためかどちらかの原因でしょう。今回は梅雨の真っただ中で湿度が高くウレタンが柔らかかったのとウレタンに水を含ませたので割と簡単に除去できました。(7/6 20:44)


 ■4)エッジの貼り付け
 先ずは、ウレタンエッジとコーン紙の裏側を貼り付けました。外周フレーム側は接着していないのでピンセットが挟めまてます。2時間乾燥させます。左下に写っている彫刻刀はフレーム外周のウレタン除去用。(7/7 12:11)

 外周フレーム側も接着しました。(7/7 14:23)


 ■5)コーン紙の張り出し側の確認
 ウーハーを長く使っていると、重力でコーン紙の下側がスピーカーの前面に1~3mm程度出てきます。ですので、エッジ交換後は、逆に張り出していた方が上になるようにボックスに設置する必要があります。それを確認するために、CANONから貰った36cmの物差しをスピーカーの上にセットします。(7/7 15:28)


 コーン紙の前に出ている個所のウレタンエッジ側は、以下のようにフレームエッジと1mm程度のスキマができます。(7/7 15:25)

 逆側は、コーン紙が前にせり出していないのでこのようにスキマができません。(7/7 15:26)

 スピーカーボックスに設置する時は、せり出した側を上に持ってくれば、下側がせり出すのを緩和できます。

 ■6)スピーカーボックスに設置
 2405を左側の穴に設置していましたが、マルチの実験は終わったので外しました。スピーカー前の床に置いているのが2405。(7/7 17:28)

 左側の穴を元の黒板で塞ぎました。(7/7 18:18)

 2231Aを取り付けました。コーン紙のせり出していた方を上に持ってきています。(7/7 18:27)

 アンプで出音も確認して低音の異常もなく、交換は終了。

 
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ワイヤレスイヤホン Atyuiil A1の評価

2024-04-29 23:43:48 | イヤホン評価
 ワイヤレスイヤホンは、今までは、主なものとしてBOSEとSHUREのものを評価した。BOSEのは、低域が充実しており通勤に使っていたが、電源ボタンのカバーのゴムが取れてしまって使用できなくなった。 SHUREの AONIC FREEは、低域が物足りないのと、バッテリーの持ちが悪いのでこれも今一。と言うことで、通勤用なので安いもので良いからAmazonで買ってみました。イヤホンの売れ筋ランキングで、今日は5位。(この他に『1MORE aptX対応防水Bluetoothイヤホン iBFree』 Bluetooth 4.1 やJBL T110BT Bluetooth Joy House製 T8 も評価しましたが今は不使用)

1)BOSE SOUND SPORTの問題点
 電源ボタンのカバーのゴムが取れてしまって使用できなくなった。ゴムが取れた後は、爪で下にある白い四角いスイッチを押して使っていました。阪急電車で職場に通勤している時に、このスイッチもどこかに飛んで無くなってしまい遂に使用不能に。以下の楕円形の穴がゴムがとれた跡

白いスイッチも2mm■の小さなもので無くなり易い。ネットで見たら同様のトラブルに見舞われた人が何人か居られるのでこれは私だけではないと思う。BOSEに聞いてみたが、修理はしない、交換対応しかしないとのこと。交換する場合は、後継のノイズキャンセリング付のものになり、39,600円だが割引を利かせて23595円とのこと。BOSEは結構渋い対応で修理も商売に繋げる。音が良かっただけにこの塩対応は残念。この構造は構造欠陥とは言わないが、設計がすこぶる良くないと言える。

2)Atyuiil A1
 これをAmazonで購入。

何と1999円と今までのものと比べると1桁安い。しかもAmazon Primeに入っているのでその日は40%OFF(入ってないと30%)で1200円弱で購入。しかし翌日は5%OFF、今日は10%OFFと、その日だけ40%だったんですね。Amazonはこういうのがあるので良く見ておかないと損をします。こんなに安いので大丈夫かなとも思ったが通勤にしか使わないのでOK。Amazonの評価も☆4.8(493個)と良い。2024年モデルで、過去1か月で1万点以上購入されましたということは結構売れてる。嘘か誠か2023年は、欧米出荷台数50万台でベスト1とか。ドライバー径が14.5mmと大きいので低音が良く出るとのこと。ケースと併用でバッテリーも36時間持つ。今買って5日でバッテリーは100⇒69と毎日2~3時間使っていてもまだ充電不要で、充電無しで2週間位は使えそう。まだ使っていないが、マイクも付いているので通話にも使える。Bluetooth5.3で最新。

3)Atyuiil A1のF特
 測定は以下の様に行いました。

 左手にマイクとイヤホンをくっ付けて持っています。
 F特は、以下。

 左がA1。ドライバーが大口径というのを実感!低域が驚異的に出る。ここまで低域端が落ちないイヤホンは見たこと無い。中音が若干谷間で下がっているがそんなに大きな問題ではない。高域はだら下がりになっているが、他のメーカーのもの(中央がBOSEで右がSHURE)でも同様なのでこれが劣ってると言うことは無い。聴感でもベースが豊かに聴こえる。

4)Atyuiil A1の1波トーンバースト応答
  これは、以下。

上段がA1で、中段がBOSEで下段がSHURE。500Hzの波形は他の2メーカーは歪んでいるがA1は歪が小さい。他のメーカーのものは、高音になると付帯波が多くなるが、A1は付帯波が極度に少ない。ここまで良いイヤホンは少ない。中低域の500Hzの波形も他のメーカーより綺麗で、高域の付帯波も少ないと言うことは波形歪が小さく、原音再生的な音質面で優れているということです。
参考で私が最も音の良いと思うヘッドホンのJVCの HP-S560 とそれに次ぐYAMAHAの HPE-170とPanasonic RP-HZ47のF特とトーンバースト波形を下に載せるがA1のトーンバースト波形は中音以上の付帯波が少ない点でこれらを凌駕する。


5)聴感
 低域が充実しているので音のベースがしっかりしている。一見パステルカラー的な癖のない綺麗な音に聴こえるがこれは原音再生能力に秀でているからかもしれませんね。これは当たりで、欠点が今の所見当たらないので暫く手放せません。また意外と重要なのが装着性ですが、きっちりフィットして簡単には落っこちたりはしなさそうなのも良いです。ワイヤレスイヤホンはよく片方無くなってしまいますから。
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TW3001から2405Hへの変更と私のオーディオに対する考え方の抜粋

2024-03-17 18:01:54 | スピーカー評価
 長らくTW3001を高音に使っていましたが、これはRDA560の残留ノイズ(シャーというノイズでソースによっては特に無音時で気になる)が2405HよりTW3001の方が少ないので採用した。またTW3001の物理特性 特にインパルス応答評価をした時に、付帯波が少なく波形が完璧だった(下図2017.9.24に詳細アップ)
 3/24 青字追記
 3/28赤字追記 今日、You Tubeでチャイコフスキーのピアノ協奏曲 No.1を聴き比べてみた。最初は、ファン・アルフェン指揮のソロはエカテリーナ/メヘチナのピアノで、情熱的で激情的・パワフルなオケも含め切れ切れのドラマチックなプレイをプレイを楽しめた。次に聴いたのは、クラウス・マケラ指揮のカティア・ブニアティシヴィリのソロ。こちらはハート・ウォームで優しく優雅なプレイ。どちらも指揮者に負うと思う(ブニアティシヴィリもパーボ指揮のシューマンでは情熱的だった)が解釈は違うが素晴らしい。録音は、前者が帯域・ダイナミックレンジ共に広くコンサートホールで聴いているようなオン・マイク的な録音でカメラアングルもその場感たっぷりで、後者は、プレイと同じくオフマイク的な優しい録音でした。


のと、昔のステレオサウンドの記事で、オーディオ評論家の傳さんが評価ツイータ中アタックが最も鋭いと書いていたからです。
実際の音についてもシンバルの音が、2405H等ではジャーンと聞こえるが、TW3001ではチュイーンという硬質な音が気に入ってました。つまり本来ブロンズ製のシンバルの音がジュラルミンであるようにTW3001では聴こえる。これはこれで良かったのですが、やはりシンバルの音がブロンズ製に聴こえるように少しシャーノイズはあるが2405Hに戻しました。

 ■1)設置
 従来、2405Hは、木製のポン置きの小型台に付けていましたが、これでは604-8Gから遠くなるので、620Aの上にポン置きしました。これで約9.5cm604-8Gに近づけます。少しでも近い方が各ユニットから出る音が別れて聴こえるのが緩和され、同軸ユニットのメリットである音像定位的に有利になります。従来は、以下の写真の左側のように2405Hは小型台に取り付けて、右にTW3001をポン置きしています。理想的には、バッフル板前面の604-8Gの近くの斜め上でスピーカーの中心線より外側(下の写真の中央)に穴(写真の青い〇の位置)を空けて2405Hを取り付けたいがそこまでの勇気がまだ無い。巨大地震でも落ちないですし。現状604-8Gと2405Hは、C-Cで38.5cmあるが、バッフル板に取り付けると29cmまで近づく。

 現状は以下のようにポン置きなので、従来より5cmは604-8Gに近い。  2405Hの奥に見えるのがTW3001。


 尚、2405Hのスピーカーケーブルをつっかえ棒の下に来るっと巻き付けていますが、これは地震対策でのぶっ飛び防止です。TVに写っているのは、アリス・紗良・オットでショパンのバラードNo.1演奏中。あの特徴的なテーマを手を変え品を変え繰り返すスタイル、運命も同じですがJazzのアドリブの源流がクラシックにあります。

 ■2)タイムアライメント評価 右側  マイクは通常の聴取位置の耳の高さ
 最近、よく見ているオーディオのブログに、”京都のまつ”さんのブログがあります。最新のユニット(振動板はダイヤモンドやαコランダム格子に再配列されたAl²O³セラミック等を採用したドイツAccuton社製)を石のスピーカーボックスに入れて、箱鳴りを無くして付帯波を極限まで抑制した理想的なマルチアンプによるオーディオシステム(片側200Kg以上あるスピーカー)を自作されています。私は逆に響きのある箱のビンテージユニットをデジタルチャンデバ付アンプで最適Qで楽器のように弾みを重視して鳴らす手法です。まつさんよりは低コストで簡易ですが、そこそこの音は得られます。コストパフォーマンスは良いんじゃないかな。彼が主張しているタイムアライメントの重要性は私も同感です。私も20歳位若かったら挑戦したいですが、今の腰痛を抱えた状態では無理ですね。評価法も最新のものを取り入れておられ、ネットワークプレーヤー等にも精通されていて羨ましいです。
 タイムアライメントの結果は、同軸に対する遅延時間をDL(単位mm)として、右側は、(実際のデータは、1~2mm毎に取ってます)

 となり、DL=228mmが最適値です。DL=208mmでは、同軸と2405Hの波形が時間的に分離しているのが判りますが、DL=208mmで左にある波高の高い2波が240Hのもので、次の低い2波が同軸ツイータのものです。DLが増加するに従ってこの2波が重なってDL=228mmで波高が最大になるのでタイムアライメントの合った距離です。物理的に奥に持って行ってもタイムアライメントはできますが、2405Hの音が距離の分減衰したり、天板で反射したりするのでバッフル板まで前出しして遅延を掛ける方が音質的には有利です。
 因みに、2405Hと同軸ツイータの1波トーンバースト波形を単独で見ると、

 左上が、2405Hで右上が同軸ツイータです。同軸ツイータは、同一ゲインでは波形が小さいのでー5⇒0までRDA560のゲインを上げています。DL=208mmではこれが続いて並んでいます。
 左下が、同軸ツイータが、ゲインー5ですが、波形が小さいのでタイムアライメントするには、解像度が下がるのでゲインを0まで上げています。


 ■3)タイムアライメント評価 左側
 データは、

 となり、右側と全く同じで、最適DL=228mmです。2405Hを奥に228mm移動したら、同軸ツイータと水平方向の音源位置が合うと言うことです。

 ■4)F特による2405HのRDA560のゲイン決め 先ずは演奏で同じレベルになるゲインを決めてF特で再確認
 F特を取る前に、CDプレイヤーでヘッドホン(ヤマハHPE170)

で聴いた音と620Aの音を比べて同じになるようにゲインを決めた。採用した曲はトレーンのブルートレインの中のMoment's Noticeで、演奏時のシンバルとトロンボーンのバランスが同じになるように同曲を同時に同じパートを交互(ヘッドホン&620A)に聴いて同じバランスになるように決めると、2405Hのゲインはー5となりました。F特はこれを確認する意味で行いました。

 上段は、サインスイープで左から順に2405Hのゲインを、ー1、ー3、ー5(db)
 下段左はゲインー5db固定で、左からは、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、右端はホワイトノイズで低音のボリュームを12時位置でフラット(それ以外は、14時までアップ)にしたものです。
 上段から、2405Hのゲインは、聴感で決めたー5で良いと判りました。
 下段は、両端の赤〇を付けたのが100Hz以下の低音で比較すると左はフラットで右は10db位低域が低い。この違いは、RDA560のBassボリュームで左は、14時位置まで上げたもので、右は12時位置でフラットです。これも事前にブルートレインの中のI'm Old Fashionedのベース音と他の楽器のバランスがヘッドホンと620Aの音が同じバランスになるようにして決めたのが14時でした。これも確認の意味でF特を取ってみたら、結果ほぼフラットだったということです。ヘッドホンというのは、振動板が1つなのですっきりとしたバランスで鳴るのでリファレンスにしました。スピーカーで質の良い低音を再現するのは難しいですが、ヘッドホンなら容易に可能で、ヘッドホンは、音質的には非常に優れたフルレンジスピーカーと言えます。今回使ったヘッドホンHPE-170の特性は実測した結果が以下。(2017.1.21のアップ参照)

 一番音が良いと思っているJVCのHP-S560とほぼ同じ特性です。
スピーカーは、ウーハー・スコーカー・ツイータの複数が鳴って、位相もクロス附近で複雑に変化するので言い方によりますがマルチアンプなら何とでもなりますので、指針の一つとして、ヘッドホンによる聴感、もう一つがF特と今回しました。
 上段と下段で示したかったのは、上段のサインスイープでなくても、下段のホワイトノイズやピンクノイズでもサインスイープとほぼ同じ結果が得られることです。例えば、上段右のサインスイープと下段左のホワイトノイズは同じ条件で鳴らして、F特もほぼ同じなので以降はホワイトノイズで評価。(若干サインスイープの方が滑らかですが)

 ■5)低音についての考え方 密閉Vsバスレフ 付帯波継続時間(2020.3.29と2019.10.3/10.23のアップに詳細)
 バスレフは、低音の遅れが生じますので、波形再現性は良くないし歪も原理的に大きいし、Jazzのピチカートベースが不自然なビートに聞こえる。よって元々620Aはバスレフですが、バスレフ穴をEVA樹脂で塞いで密閉化しています。■1)の下の写真の604-8Gの下の横長の長方形が、そのEVA樹脂です。そのままでは低音がだら下がりになりますので、アンプ(RDA560)のBassヴォリュームを上げてフラットにしたのが、上記■4)の下のグラフの赤〇の左側です。この考え方は、LEANAUDIOのハチマルさんが提唱していたもの(密閉型ブースト方式)です。
 620Aの付帯波の継続時間を密閉&バスレフで比べ1波トーンバースト波形で実験したのが下記。

上が、B/A値で下は付帯波持続時間で、密閉は青色の線で、バスレフはピンクの線です。
 上のグラフで1発目の付帯波Bの主波Aとの比B/Aは20Hzのみバスレフが若干低いですが、30Hz以上ではバスレフの方が悪くバスレフが効いて来ない100Hz以上ではほぼ同じになっていきます。
 下の付帯波持続時間のグラフでは、バスレフがすべての周波数領域で密閉より大きくなっており不要な付帯波を長く出していることが判ります。原因としては、バスレフはポートによる遅延がありこれが効いているのではないか、と思います。
 これで純粋に付帯波が密閉は少ないことが1波トーンバースト応答で確かめられました。理想的には∞バッフルならもっと改善するはずです。
 
 付帯波をもう少し細かく見たのが以下、(2019.10.23アップから)

 上段⑤⑥が70Hzのトーンバースト応答、下段⑦⑧は100Hzのそれです。
 B/Aは密閉もバスレフも1前後でほぼ同じレベル。
 C/Aは、密閉に比べてバスレフは、70Hzで約2倍、100Hzでは1.3倍に悪化しています。
 D/Aは、密閉に比べてバスレフは、70Hzでは密閉は0に対しバスレフは0.17に悪化、100Hzでは両者ほぼ0で同じレベルです。
 これをグラフ化すると、(40Hzは別データ有省略)

 上段左のB/Aは密閉もバスレフも1前後でほぼ同じレベル。しかし密閉の方が値は若干低い。
 上段右のC/Aは、密閉に比べてバスレフは、40Hzで約2倍で50Hzまでは2倍で推移、100Hzでは1.3倍になって差が少なくなっています。
 D/Aは、密閉が低域全般に渡って殆ど0になっているのに比べてバスレフは、40Hzで0.45と大きいが周波数上昇と共に減少し100Hzで0と密閉と同じになります。

 バスレフのポート遅延についてはどの程度かなという疑問が沸いて調べたのが以下。(2018.11.27アップから)
スピーカーの遅れは、最低共振周数f0c、バスレフポートの共鳴周波数fdのピークのところで大きくなるということで、先ずは、f0cから算出しました。

この①から左側を、②から右側を出しました。創造の館というブログの説明を引用させて頂き、下記のように算出。

これより、604-8Gの左側のf0cの遅延は、3.6ms、604-8Gの右側のf0cの遅延は、2.5msとなります。これは密閉でも起こります。
 バスレフのポートの遅れは、上記ブログの~サブウーファーの音の遅れを測る1~によりますと、トーンバーストの包絡線から算出できるようです。先ずは右側から

この④の左側の2つの↑の間が立上りの遅延時間、右側の2つの↑の間が立下りの遅延時間になりますので、右側のウーハーのfdの遅延は立上り19ms、立下り15msになります。同様、左側は、

⑧から立上り 25ms、立下り 15msとなりました。大雑把に言うと、620Aで計測した密閉での低音の遅延は、~3msとしたら、バスレフのポートの共鳴周波数fdの遅延は、~20msとなり、バスレフの付帯波継続時間が延びるのは、このポート共振による遅延で伸びるのではないかと考えられます。

 ■6)現状のF特 左右の差とマイク位置依存
 これは以下

 上段左が620A+2405Hの左側、右は右側のF特です。
 左側の70Hz付近のピークは、ウーハーにマイクを近づけた場合は出ないので、部屋の影響で定在波等の影響です。
左側のスピーカーの前は物があり奥行きが狭い。また10KH付近の高域は左側の方が若干高いが、15KH以上は2405Hの個体差で左の方が逆に急劇に低下する。
 下段左はL+Rでステレオで鳴らした場合ですが、中高域がフラットになるようなマイク位置を聴取位置附近で探したものです。僅か2cmマイクを横にずらしたのが下段右で、4KHzと12KHz附近に落ち込みがありますが、左または右の単体では顕著には無い(特に12KHz)ことから、これは左右の音の干渉によるものです。

 以下のようにマイクを10cmまで近づけると右も左も70Hz付近のピークは無いです。これが604-8Gのユニットの実力です。


 ■7)現状のF特 各ユニットの特性
 これは以下。RDA560はデジタルチャンデバ付の6chアンプなので簡単に以下のような単体F特が取れます。(マイクは通常聴取位置。)

 上段は左側のユニットのF特で、左からL:ウーハー(620A)、M:スコーカー(同軸ツイータ)、H:ツイータ(2405H)です。
 下段は、右側ユニットで、同様の順番。
 ここで注意して頂きたいのは、LとMとHの縦軸の音圧は、ピークを0dbにセットしている関係で、0dbの3つのグラフの絶対値は異なると言うことです。単純に横の3つのグラフを比べても音圧は違います。■6)のグラフで3つのL、M、Hのバランスは見てください。

 ■8)聴感とパルス音の立上り鋭度のフィルタ次数依存性 (LT-SPICEに用いたフィルタの伝達関数等の詳細は当ブログの2022.5/20参照 5/13、5/30も関連)
 私が主に聴いているのは、スモールコンボのJazzなので、プレイヤーが前に出てくるような臨場感が出る。解像度もあって弾みも十分にあります。デジタルチャンデバのフィルタのQ=0.642と低くするとパルスの立上りが鋭くなると言うことが弾み感を出すのに効いていると思います。これはLT-SPICE解析で調べた結果とパルス&矩形波の実測結果でそう判断しています。
 LT-SPICEでバターワース(BW)フィルタの伝達関数から次数別のパルス鋭度(パルス幅/パルス高さ)を出してグラフ化すると、

 となり、次数を上げて急峻に切るほどパルスの立上りが鈍ることが判ります。立上りが最も鋭いのがQ=0.7附近ですが、そこまですると矩形波でオーバーシュートが若干出てきますので、Q=0.642を使っています。これはシミレーションですが、同じ事をRDA560のスピーカー端子に純抵抗負荷をスピーカーの代わりに付けて実験で出したのが下記で、

 というように、実測のパルスでもQ=07附近が立上りが最も鋭くなり、LT-SPICEと同じ結果でした。つまり急峻に切れば切る程、L,M,H間の分離性は良くなりますが、音は鈍ると言うことになります。矩形波の立上りも実測で

 となり、次数が上がると鈍ってしまい更にオーバーシュートも顕著になります。これはRDA560のフィルタの結果ですが、バターワースフィルタでも傾向は同じです。先のLT-SPICEでのグラフと同様にRDA560の上記実測もグラフ化すると、

となり、これもLT-SPICEでの結果と同様に、Q=0.707でパルス鋭度が最も良くなる。Q=0.642でもそれに次ぐ値で、上記実測及び先程のRDAのLT-SPICEの結果と同じ傾向です。
 又参考でBWフィルタの場合の矩形波の立上り時間もLT-SPICEで出しましたが、これも次数が上がると上昇(悪化)します。


 ■9)群遅延時間Tgとフィルタ次数 (LT-SPICEに用いたフィルタの伝達関数等の詳細は、22年6月10日のアップを参照下さい。)
 これは実測は無理なのでLT-SPICEで確認しました。カットオフは1800Hzにしています。縦軸は、μ秒です。
これを見ると、高次でフィルタリングするのはスパッと切れて音が混ざるのは防げますが、遅延時間の周波数ばらつきが多くなるので波形の再現性が劣化します。聴感でいうと弾みが弱くなり、歪感が増す。2次位が■7)同様Tgで考えても良好で立上り鋭度を考慮すると、Q=07附近になります。

  左側がバターワースフィルタ(BW)のTgです。2次LPFはOUT5黄緑線で、HPFはOUT3青線ですが一番下で重なっていますのでTgは同じ周波数特性です。4次LPFはOUT6赤線で、HPFはOUT4水色線ですが下から2番目で重なっていますが若干水色が上ですのでHPFが少し大きくなっています。6次LPFはOUT9ピンク線で、HPFはOUT7灰色線ですが下から3番目で灰色が上ですのでHPFが4次より更に大きくなっています。8次LPFはOUT10緑線で、HPFはOUT8紺線ですが1番上で紺色が上ですのでHPFが6次より更に大きくなっています。

 ⇒これを見ると4次以上は波形再現の忠実度を考慮すると使いたくなくなります。

 BWのTgは、2次ではLPFとHPFはほぼ同じ周波数特性を取りますが、高次になる程、HPFの方が大きくなるがその乖離も大きくなる。又カットオフ付近でピークをとる。

 右側はRDA560のフィルタのTgです。これも傾向はBWと同じですが、異なるのはカットオフ(1800Hz)附近のピーク高とフラット値との差(上のグラフの赤 ↕はHPF8次)がRDAのフィルタの方が小さくなるので波形の忠実度を保つ観点からはTgのフラット値とピーク高の差が効きますのでRDA560のフィルタの方が優秀と言えます。但し2次は両者同じ。
 フィルタ高次で■8)のパルス立上りが鈍るのと、■9)のTgの周波数バラツキが大きくなるのは、同じ事を時間で追っていくか、周波数で追っていくか、ということで、切り口が違うだけで同じことを表していると思います。

 では2次のフィルタで、最もTgがフラットになる(=波形再現性が最善でベッセルフィルタが一例)Q値を探すと(2022.6.10アップ参照)
これは以下。カットオフはTgの差を強調したいので1500Hzに設定。(1800HzだとQ=0.634と0.577が近接し過ぎる)

  Q=0.707のHPFは一番下でOUT3黄緑線で、LPFはOUT7青線ですがほぼ重なっていますが若干黄緑線が上ですのでHPFの方が大きくなる。Q=0.634のHPFはOUT4赤線で、LPFはOUT8水色線ですが下から2番目で重なっていますが若干赤線が上ですのでHPFが少し大きくなっています。Q=0.577のHPFはOUT5ピンク線で、LPFはOUT9灰色線ですが下から3番目でピンク線が上ですのでHPFが大きくなっています。Q=0.5のHPFはOUT6緑線で、LPFはOUT10紺線ですが1番上で緑色が上ですのでHPFが大きくなっています。

 ⇒2次でQ変化した場合も、高次と同様、HPFの方がLPFよりTgが若干大きくなる。(ほぼ同等ではあるが)高次で顕著なカットオフ付近のピークはQ=0.59以上で緩く出て、それ以下ではピークは無くなるが、丁度Q=0.59で以下のように最大限フラットになる。

RDA560でTgを最大限フラットにできる(=波形再現性が最良な)条件は2次のQ=0.59であることが判りました。総合的には、パルスの立上り特性も考慮して、Q=0.642に決めました。(群遅延TG(波形再現性)的には、Q=0.59がベストで、パルスの鋭度(弾み感)からはQ=0.7がベストなので間を採った形)

 ■10)現状の部屋の残響特性
 これも、久々に測ってみました。従来は、オーディオルームの理想的な残響時間である、0.3秒にほぼなっていました。

 3/9の残響時間も、ほぼ、0.3秒前後になっています。

 ■11)今後は?
 現状の音質は、私のレベルでは満足しています。今後の課題(夢?)としては、2つ位あります。

①上記 ■1)で書いたように、620Aのバッフル板に穴を空けて、604-8Gになるべく近い所に 2405Hを取り付ける。 620Aのバッフル板に穴を開けるのは、勇気要りますね。

②もっと広いオーディオルームを確保する。今の7.2畳は狭い。オーディオファンのお部屋拝見でよく見るように、住んでいる家とは別に家を確保して最低15畳のオーディオルームとトイレだけでいいので作りたい。”京都のまつ”さんの仰るような奥行きのある定位感を感じてみたいですね。

 ■12)傳さんのこと
 冒頭のTW3001のステレオサウンドの記事で傳さんを知ったのですが、オーディオ評論家の傳さんが、YOU TUBEにアップされて、オーディオについて語られているのを最近見ました。お元気な姿を拝見して何だか嬉しくなりました。傳さんはカタツムリ(B&W Nautilus)で聴いているんですね。
”傅 信幸氏(オーディオ評論家 )が目指してきたオーディオ”  https://www.youtube.com/watch?v=wa2_6dRm5TA
”傅信幸×ウィリアムス浩子 いい音といい音楽が出会った素敵な午後”  https://www.youtube.com/watch?v=cl-6ehLQuas

 ■13)RDA560の620A+2405Hのレシピー
 ゲイン画面は、


 室温は24.0℃に設定していますが室温が変わると音速が変わるので、遅延距離をRDA560が自動で変更します。
 同軸ツイータのバンドパスのフィルタ画面は、


 この画面でゲインを反映することもできますが、見にくいので反映させていません。同軸ツイータは、標準カットオフ採用で1500Hzから出しています。同軸ツイータと2405Hのカットオフは、8.5KHzです。
 ウーハーのフィルタ画面は、以下


 ウーハーは音質が良いので長めに1800Hzまで出してます。2405Hのフィルタ画面は省略しますが、8.5KHzのHPFです。他のユニット同様フィルタは2次でQ=0.642です。
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ヴァイオリンの前田妃奈さんを聴きに

2023-08-08 16:06:20 | クラシック
 ライブの音を最近聴いて無かったので、ヴァイオリンの前田妃奈さんのヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝記念コンサートを聴きに妻と行ってきました。
 8/20 青字追記
 8/22 赤字追記

 ■1)リサイタルについて
 7/28(金)19:00~大阪の住友生命いずみホール。JR環状線の”大阪城公園駅”から歩いて5分です。駅を降りると大阪城が見えます。

 少し行くと川がありますので橋から

 ホール前は、


 ■2)前田 妃奈さん
 私の妻がヴァイオリンを習っている先生が、小学校の頃の前田 妃奈さんを教えたとのこと。彼女は、2022年第16回へリング・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクールで優勝した新進気鋭のヴァイオリニストです。今は、東京音楽大学に特別特待奨学生として在学し、小栗まち絵、原田幸一郎、神尾真由子に師事。2013年の全日本学生音楽コンクール小学校の部第1位から始まり、2020年第18回東京音楽コンクール弦楽部門第1位、クロスターシェーンタール国際ヴァイオリン第1位、等国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスでの受賞多数。11歳で関西フィルと共演したのを初め、これまでに大フィル、東フィル、新日本フィル等とも共演。2023年には、上記受賞の結果として、約20か国、60地域でのコンサートが予定されています。
 コンサート中でのお話でも、ヴィエニアフスキ国際を取ってから、世界が変わった。自分が今どこにいるのか?、はっと気づいたら、イタリアだったとか今迄では考えられなかった生活になったとか。1回の出来事で、世界が変わるということはそういうことなんだな・・・

 ■3)使用ヴァイオリン
 日本音楽財団より貸与された1715年製ストラディヴァリウス【ヨアヒム】
 ストラディヴァリウスと現代のヴァイオリンとの音質比較については、ウィッキペディア等で色々と出ているが、現代のヴァイオリンの方が音が好ましいという結果になっている。また演奏者自身も自分の弾いているのがどちらなのか区別できなかった(正解が31回、不正解が33回、答えが曖昧だったのは5回)という結果もある。先日TV(NHK総合:8/3 世界3大ロストテクノロジー(ローマンコンクリート・ウーツ鋼・ストラディヴァリウス)の四大化計画)を見ていたらストラディヴァリウスについての2011年のアメリカでの研究チームが発見した新事実を放送していた。これによると、ストラディヴァリウスは、
①弦を支える駒の中央を支点に表板が釣り合う。
②弦の振動を裏板に伝える魂柱を支点に裏板が釣り合う。
これにより、弦からのエネルギーが効率良くボディに伝わり美しい音色が生まれる。音色には絶妙な構造バランスが関係している。であるなら現代のヴァイオリンが①②がどうなっているのかが気にかかるし、①②を設計に組み込んで作った現代のヴァイオリンを聴いてみたい。ストラディヴァリウスの音質にはウイッキ初め諸説あるが、当番組では、当時の気候が寒冷期に当たり、木が緻密であったことが原因の一つという説も披露された。


 ■4)ピアノ
 グレッグ・スクロビンスキ
 ワルシャワのショパン音楽大学、カロル・シマノフスキ音楽学校にて研鑽を積み、国際コンクール等で優勝を重ね、世界中の音楽祭・リサイタル等で活躍し、高い評価を得ている。
へリング・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクールを始め、数々の国際コンクールの公認ピアニストも務める。CD録音も積極的に行い、ポーランドの作曲家の作品等のCDがある。
 今回のいずみホールのスタンウェイの音は、意外にも私の部屋の620A+TW3001(JBL2405)から奏でられるピアノの音より反響が少ない。デッドな音に聴こえました。いずみホールが割とデッドなのかもしれませんね。私のチャンデバの設定が、Qを下げて立上り速度を最適化しているので弾みやすいということも関係しているかもしれません。

 ■5)プログラム
 1.モーツアルト   :ヴァイオリン・ソナタ第21番 ㇹ単調 K.304
 2.R.シュトラウス :ヴァイオリン・ソナタ 変ㇹ長調 作品18
 3.J.S.バッハ  :シャコンヌ
 4.マスネ      :タイスの瞑想曲
 5.ヴィエニアフスキ :グノーの「ファウスト」の主題による華麗なる幻想曲 作品20

 特に感動したのは2.のヴァイオリン・ソナタです。ヴァイオリンからこんな多種多様な音色が良くでるもんだなあ!と感心しました。ここまでのヴァラエティは今まで経験したことが無い。目を閉じて聴く方がよりその音色をヴィヴィッドに感じれます。するとフルカラーのヴィジュアルが脳に展開し、流れるような景色に浸れます。こんなヴィヴィッドなプレイを聴くのは生まれて初めてでした。ピアニストの伴奏もヴァイオリンを邪魔しないプレイにして自分の華もしっかりと魅せるプレイで、前田さんとのアンサンブルも緊張感があるが、ハーモナイズされて素晴らしかった。
 3.のシャコンヌのような神々しい天上的な曲のソロも上記のように沢山の音色を縦横無尽に屈指して、素晴らしいヴィジュアルを脳に展開してくれました。
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Bose ワイヤレスヘッドホン SoundSportの評価

2023-07-07 18:06:03 | イヤホン評価
 前回、ワイヤレスヘッドホンとしては、Shure製AONIC FREEを評価(2022.12.12アップ)した。しかし、それは、若干低域が物足りなかった。そこで低域がしっかりしているBose製を導入して評価しました。AONIC FREEは、左右2個に分かれているので何回か片方落っこちて無くしかけました。幸い戻ってきたのですが、SoundSportは、左右がケーブルで繋がっているので少しうっとうしいのですが、落っことす事が無いという点では優れています。やっとお気に入りのワイヤレスイヤホンが見つかりました。
 7/8 青字追記・改定

 ■1)Bose ワイヤレスヘッドホン SoundSportの外観
 こんな感じです。今はAmazonで2万円前後で入手できます。

 フィット感はきっちり入るし、外れそうにはならないので良いです。
 欠点はバッテリーが6時間しか持たないので充電が頻繁。通勤等に使って2日で充電してます。ケースでも少し充電できるがケースが大きいので持ち運びには向かない。
 Shure製AONIC FREEも7時間と変わらないのですが、ケースに収納している間に充電できるので21時間は外部充電なしで使えるのがメリット。ケースは他機種より大きいがBoseのよりは小さいのでジーンズのポケットに入るがBoseのケースは無理。こちらは通勤等で1週間近くは外部充電無しで持つ。

 ■2)測定風景
 これもこんな感じ。

 マイクをヘッドホンに直接くっ付けています。ですので、実際の耳と比較すると内耳(+外耳の一部)の分のキャビティを省略した形になります。これを筒かなんかで補う方が実際に近いF特になるのですが、キャビティの体積・形状によって結果が変わるので他の人が検証しても同じ結果を得る(再現性が得られる)ことが出来るという意味で、今迄は直接マイクを付けて測定しています。人によってもその体積は違いますしね。

 ■3)測定結果  F特
 データは、

 上段が今回測定したBOSE製のF特で左側のグラフがL側、右側のグラフがR側のユニットです。低域は今まで測定したワイヤレスカナル型イヤホンのイヤホンの中では一番音圧が出ています。しかし、本式のヘッドホンは流石に低域はもっとフラットです。
 下段は、左側のグラフがワイヤレスイヤホンのT-8で、右側がShure製です。両方とも低域はストンと落ちています。

 4)測定結果 1波トーンバースト波形
 これは以下。

 上段が、今回のBOSE製で下段は、Shure製です。
 一番左が500Hzですがこれはベースの形はほぼ同じですが、Boseの方が付帯波が前後についています。
 左から2番目は、1KHzですがBoseの方がやはり付帯波が2つ付加されていますが、Shureの方は付帯波は1つに収まっています。
 左から3番目は、5KHzですがBoseの方が付帯波が2つ付加されていますが、Shureの方は付帯波は同じく2つですが、振幅は小さい。
 一番右は、10KHzですがBoseの方が付帯波が4~5つ付加されていますが、Shureの方は付帯波は3~4つで、振幅も小さい。
 F特ではBoseの方が低域が充実しており豊かなベース音が聞こえる。しかし過渡的な質という意味ではShureの方が1波トーンバースト波形の付帯波が少なく振幅も小さいので優れている。総合的には豊かな低音が得られるBose製が私は気に入っています。
 

 ■5)(参考)本式のヘッドホンの低域のフラットなF特
 これは以前評価したものですが以下の機種はカナル型よりはるかにフラットです。


 やはり、カナル型イヤホンと異なり、ダイヤフラムの大きい本式のヘッドホンは、低域までフラットに近い。
 以下は、1波トーンバースト波形も追加しています。


 この中では、JVCのHPーS560が低域のフラット性とトーンバースト波形の付帯波の少なさが群を抜いています。
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