オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

RDA560でのレシピー開発&620A(+2405H)の改善  纏め 改定

2020-12-30 12:00:48 | デジタルチャンデバ付きアンプ
 RDA560が入着した3/10から今まで約9ヶ月羽陽曲折はあったものの何とか所望の音に到達した。2~3点の改善可能ポイントも無いわけではないのですが、枝葉末節という感じなので、この辺りで一旦まとめてみます。
 1/2青字追記 明けましておめでとうございます。先ほどNHKで”ライジング若冲”を見ていました。絵も素晴らしいが音も素晴らしい。~3m奥に定位する一貫して流れるコンガ風ドラムや中央で少し奥に定位する弦(ウクレレ?)や笛のテーマが時々にソロを交換する。途中自然現象の音(雷や寺の鐘、カエルや動物や鳥や特に若冲が好んだニワトリの鳴き声等)も上手に配置し定位も計算されつくしている。終盤はベースをバックにピアノやクラリネットソロも。若冲の大胆な構図・精緻極まる色彩表現の細やかな絵も楽しめた。特に相国寺の"動植綵絵"には感動。ドラマ後の若冲紀行も為になった。若冲没後100年後の「廃仏毀釈」時に相国寺が経済的に困窮してその絵を皇室に献上しこの時の下賜金1万円で危機を免れたと言うことは、若冲が没後相国寺を救った。京都の錦市場で生まれ育った若冲は単なる天才的な画家だけではなかった。

 1/15 赤字追記  ウーハーと同軸を同相で評価していたが、波形の詳細観察で逆相でないといけない事が判明。1/12に取り直した。ウーハーの遅延距離を変更しました。詳細は後日紹介予定。■1)の表と■6)の遅延距離は改定済です。

 ■1)RDA560のレシピーと620Aのスペック
 これは、
 レシピー⑲2Way L:無し、M:HPF無し&LPF1.8KHz(Q=0.642)、H:HPF1.5KHz(Q=0.642) アドオンで2405H

 ・L(2231A)       :Mute ONにして、不使用
 ・M(604-8Gウーハー)  :密閉改造済。HPF不使用、LPF(カットオフ1.8KHz、Q=0.642)、同軸に対しR側5.5cm、L側5cm ディレイ
 ・H(604-8G同軸ツイータ):HPF(カットオフ1.5KHz、Q=0.642、ホーン上に共振防止の重り設置 L:934g、R:1001g)、 アドオンで2405Hを1次パスコン2.2μF(双信電機製の誘電体PCのフィルムコン)を同相接続、ATT:12db、7/24アップのタイムアライメント結果(R:620Aバッフル奥23.7cm,L:同23cm)1ch空いているので同軸と2405Hをフィルタでクロスすることも可能ですがタイムアライメントが完璧なので不要。
 RDA560 Bass Vr=13:00(電気的で2db)~13:45(電気的で4db)でバスブーストしています。
 改善点を纏めると、

 RDA560のレシピー関係は黄色にハッティングしています。

 ■2)低域の改善 密閉化・2231Aアドオンの取りやめ・バスブースト
 4331Aの2231Aをアドオンするのは取りやめました。60Hz8次LPFカットでLPFした場合、60Hz~50Hzは付帯波が遅れてきた2231Aの波とキャンセルしたのですが、

40Hz以下例えば30Hzは逆に付帯波が大きくなるデメリットが発生。

 620Aの604-8Gウーハーは、付帯波の少ない密閉化とした。そのままでは70Hz以下の低域の音圧が若干低下するのでRDA560のBass Vrで13:00で電気的で2db(ソースが古いとか場合に寄り13:45で電気的で4db)までブーストした。


 ■3)中域改善 カットオフ周波数Fc決め
 7/19のアップに詳細がありますが、6/16に620BをアキュフェーズのA級アンプの100万円クラスで駆動されている知人に来訪頂き、Q=0.5の低スロープのレシピーを作るのに協力頂いた時にカットオフ周波数Fcは以下で決めた。知人の聴感での追い込みで以下決めて貰った。

 604-8Gのウーハーについては、この超軽量コーン紙のダンピングの聞いた弾む低域を最大限活用する為にぎりぎりの上限1.8KHとしました。
 604-8Gの同軸ツイータについては、NW時代の定格で、1.5KHzとしました。

 ■4)中域改善  ハード 同軸ツイータの共振低減の為のウエイト設置
 上表にあるように、604-8Gの同軸ツイータは、1.2KHzにF特のディップがあり共振していると思われる。同軸のホーンの上にL(720g⇒934gへアップ12/27)、R(911g⇒1001gへアップ12/28)の重りを設置した。これにより共振のディップが低減された。不要なノイズが減少したのではないかと推測。

 R側を12/28に重量追加。追加前は、


 913gでしたが、キー(@9g)を10本(90g)追加し、

 1001gにアップ。

 左側もウエイト(キー20本=180g)をアップし、757g⇒934gへアップしました。(12/27)


 ■5)低Qレシピーでの最適Q値の決定
 これについては、聴感では完全には決め切れていないが、矩形波&パルスのLPFの立ち上がり特性で最適値をシミュレートしてQ=0.642に決めた。Q=0.6と何度も切り替えてみたが差は個人的には判断できず。


 ■6)中域改善  604-8Gのウーハーと同軸ツイータのタイムアライン
 RDA560を導入した最大のポイントがこれで、距離で144mm(L側)、161mm(R側)ウーハーを奥に引っ込める設定になった。詳細は後日アップします。

 ■7)上記改善後の音
 一言で言うと私の好みの音になった。
 具体的に言うと、音が定位すると共にそこで躍動する。その躍動感と共に視界がスコーンと抜けたような広がりができる。これは定位感が定まらないと感じない。604-8Gの同軸とウーハー(遅延50~55mm)のタイムアライメントを取ったことでこの定位感と躍動感と広がりが出ると思う。
 それに加え、演じているプレイヤー以外の音が静かになった。つまりプレイヤーのみをスポットライトのようにあぶりだしてくれる。これはウーハーを密閉化して付帯波を抑えたこと及び同軸にウエイトを付加して1.2KHzの共振を抑えたことが効いていると考えます。
 最近のTVは定位を上手く工夫して作りこんでいる。例えば”恋する母たち”の最終回の一回前(12/11?)の放映で、おぎやはぎの矢作兼さん扮する作家の夫が左画面・右画面は吉田羊さん扮する妻が分かれて写っている時の電話を介した会話が、まさに夫々の口から言葉が発せられているような錯覚を感じる。TVの定位感の作り込みの凄さを本システムでは実感できる。
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低Qレシピー対応 604-8Gのウーハーと同軸ツイータのタイムアライメント ミス版

2020-12-21 22:22:06 | スピーカー評価
 620A(密閉改造版)の604-8Gのウーハーと同軸ツイータのRDA560のデジチャンを使ったタイムアラインについては今年の5/20にアップしましたが、その時の条件は、当時ウーハーを目一杯活用しようとしてFc=2.5KHzとし、604-8Gのウーハー側は6次(5/20アップ時は3次と書いていますが間違い)で同軸側は、2次と言う高次の設定で群遅延も大きい状態でした。2.5KHzにしたもう一つの理由が、1.5KHzだと波長が2.5KHzより長いので、遅延量をデジチャンで変えていった時の変化が緩慢だという理由もありました。
 今回は現在採用している1.8KHz(LPF)と1.5KHz(HPF)の中間の1.65KHzで、現在採用している低Q(=0.642)条件でタイムアラインを取ってみましたのでそれを紹介します。
 12/22 青字追記 昨日が木星と土星が最接近する日でした。今日(18:04)も近いのでデジカメで取ってみると、

 中央の上に見える2つの白い点の内、左が木星、右の小さいのが土星です。右下に向かって少し流れているのは、30秒間シャッターを開放していたので右下方向に移動したため。写真をよく見ると円弧の一部になっています。建物がブレていませんので、手振れではありません。次に再接近するのは60年先ですのでもう生きていませんね。You Tubeで今ライブ配信しているのもあります。例えばディスカバリーパーク焼津天文科学館

PS.0:21 読売TVでMISIAが出てます。”カラオケで自分の曲歌います?”という問いに対して、”入れられるままに!”と答えた。今”Everything”を歌っています。カラオケで目の前でMISIAに歌ってもらえる人ってお金を積んでも買えない至高の贅沢‼ライブのホイッスルボイス聴きたいね。

 1/15 赤字追記 ウーハーと同軸を同相で評価していたが、波形の詳細観察で逆相でないといけない事が判明。1/12に取り直した。詳細は後日紹介予定。

■1)低Q&1.65KHzのタイムアライン 右(R)側のユニット
 マイクは通常聴取位置です。ウーハーの遅延は、RDA560のCH5の設定画面で距離(又は時間でも可ですが)で設定しています。

  上段で、左は、ウーハーの遅延=0の場合で、中央がウーハーの遅延=1cmの場合で、右はウーハーの遅延=3cmの場合です。
 中段は、左は、ウーハーの遅延=3.9cmの場合で、中央がウーハーの遅延=5cmの場合で、右はウーハーの遅延=6cmの場合です。
 下段は、左は、ウーハーの遅延=7.1cmの場合で、中央がウーハーの遅延=8cmの場合で、右はウーハーの遅延=10cmの場合です。
 主波の+ピークは赤●で示していますが、これが全9グラフ中最大になった場合がタイムアライメントできた位置ということになります。

 ■2)低Q&1.65KHzのタイムアライン 左(L)側のユニット
 これは、以下。ウーハーの遅延は、RDA560のCH2の設定画面で距離(又は時間でも可ですが)で設定しています。

 ウーハーの遅延量を0cm~10cmまで変えていきましたが、グラフの順番は上と同じ。

 ■3)R側のタイムアライメントデータのグラフ化
 これは、

 1.65KHzと評価した周波数が比較的低いので波長で20.6cmと長く、ピークはブロードになります。前回高Qでは6cmがタイムアライメントの取れた遅延と判断しましたが、今回グラフ化してみると6cmでも良さそうですが、正確に判断するとウーハー遅延=5.5cmとなります。

 ■4)L側のタイムアライメントデータのグラフ化
 これは、

 これもタイムアライメントの取れた遅延は、ウーハー遅延=5cmとなります。

 【結論】低Q(=0.642)の場合の604-8Gのウーハーと同軸ツイータのタイムアライメントを評価したが、ウーハーの遅延=5.5cm(R)、5cm(L)の場合が最も主波の+ピークが高いのでタイムアライメントが取れた位置となります。レシピー⑲をウーハーの遅延=5.5cm(R)、5cm(L)に12/21に改定しました。

 ■5)参考 単体ユニットの1波トーンバースト波形
 これは、

 上段がR側で、下段がL側で、右はウーハー、左は同軸ツイータです。
 左右(ユニット)を比較すると、1.65KHzでは、まだウーハーの方がトーンバースト波形が美しいです。
 R側とL側の比較では、下段のL側は、波形が最初ダブっているのでこれは反射を拾っています。

 ■6)単純なウーハーボイスコイル位置とツイータダイヤフラムの寸法差
 これを以下の断面図から推定すると、

D=28.3cmから同軸のダイヤフラム位置は、~27cmとすると、ウーハーボイスコイル位置は、バッフル面から ~9.6cmとなり、その差は、
              17.4cm
これが、ウーハーボイスコイル位置とツイータダイヤフラムの単純な寸法差 と推定できます。

 上記デジアンでのタイムアラインでウーハーを遅らせる量は距離で、5cm~5.5cmとなる。5.5cmと17.4cmでは3倍のレベル。物理寸法的な振動源の距離差と音響的な音源の距離差は異なるということかもしれない。⇒1/12逆相での評価で距離で144mm(L側)、161mm(R側)ウーハーを奥に引っ込める設定に変更。やはり単純な寸法差(174mm)にほぼ近い。
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ザ・ビリーヴァー(ジョン・コルトレーン)

2020-12-12 11:57:29 | ジャズ
 前回は’60年の”マイ・フェイヴァリット・シングス ”でしたが、今回は2年前の”ザ・ビリーヴァー”です。これも隠れた名盤といえるのではないでしょうか。
 12/17 青字追記 今年の大阪梅田のグランフロント大阪北館のX' masツリーはバルーンをイメージ。ツリーは「下回り」バーナーなどが搭載された部分。全体像は、

 気球のアップ

 ツリーは、

 時間が経つと色がブルー系からピンク系へ

 幻想的な感じです。高さも気球のトップで~10m位かな・・・


 ■1)当時のコルトレーン
 ’57年モンクのバンドで演奏し接触したことで、自身を更に飛躍させた後、マイルスのグループに入ってレギュラーになり自己のスタイルを確立した。

 そして’58年には、”セッティン・ザ・ペース”や、本アルバムや”ブラックパールズや”スターダッスト”等でシーツ・オブ・サウンドを発展させる。ダウンビート誌が初めてトレーンの為に大きなスペースを割いたのも’58年でそのコラムの中でアイラ・キドラーが”シーツ・オブ・サウンド”という形容を始めて使って話題となった。プレスティッジのお得意なランダムに近い編集によって本アルバムと同一セッションの曲が他のアルバムにも収録されている。1月のセッションのラッシュ・ライフや、12月のセッションの5曲は”BAHIA”や”スターダスト”に収録されている。

 ■2)ザ・ビリーヴァー
 表は、テナーサックスを吹いているトレーン。まさにブローイングセッション中って感じです。

 中のノーツは、

 曲は
 1 ”THE BELIEVER”                         13:47    1958/1/10
 2 ”NAKATINI SERENADE”                     11:01    1958/1/10
 3 ”DO I LOVE YOU BECAUSE YOU’RE BEAUTIFUL”   5:13     1958/12/26
 メンバーは、 1958/1/10は、
 トレーン(ts)、ドナルド・バード(tp)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、ルイス・ヘイズ(ds)
 1958/12/26は、
 トレーン(ts)、フレディ・ハバード(tp)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)

 ■3)私の好きな曲

 一番お気に入りは、何と言っても ”NAKATINI SERENADE” ですね。軽快なこのラテン調に聴こえる曲をトレーンは哀愁を帯びたテナーで吹いていく。メロディーを良く唄うコード進行をベースとしたハードバップ奏法に適度に”シーツ・オブ・サウンド”を織り交ぜたこの時代のトレーンのスタイルがお気に入り。アルバムの制作姿勢が打算的・ラフ・ご都合主義等と言われるがプレスティジがたまたまというかこの時期のトレーンのこのスタイルをよく収録しているのは、幸運なことかもしれない。ドナルド・バードのペットも期待通りに輝くように美しい。心に響きます。

 次に来るのは、 ”THE BELIEVER” 。ミディアムテンポのこの曲のテーマの後、3:09にトレーンが入ってくる。D・バードの吹き終わる瞬間、”もう待ち切れない”という絶妙なタイミング。トレーンの気合を感じる。そこからは一気に”シーツ・オブ・サウンド”の魔物がのた打ち回る。モーダルな”シーツ・オブ・サウンド”の世界。モダンジャズの真髄を聴いたという感じ。トレーンの長い怒涛のソロが楽しめる。トレーンと他のプレーヤーのスタイルの差が余りにも大きいのでそのコントラストを楽しむという楽しみ方もある。トレーンはこの時孤高。執拗なまでのフレーズの反復・部分修正・部分変化を繰り返す際に、そのデフォルメを”シーツ・オブ・サウンド”で表現する様は感動モン。これがカッコいい。しかし、アドリブが神がかっている反面、飽きると言うのではないが、正直鮮烈な故に、情報量が大きいので真剣に聴くほど疲れる。

 最後の ”DO I LOVE YOU BECAUSE YOU’RE BEAUTIFUL”。このバラードもこの頃の定番でトレーンはアドリブは加えずストレートで吹いている。フレディ・ハバードの出始めた頃、トレーンに負けない美しいバラードを聴かせる。
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