オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

LT Spiceによる620A+2405系の矩形波応答(訂正版)

2019-06-29 09:36:24 | 回路シミュレーション
 6/8にアップしたものは、回路が間違っていました。今回それを訂正したところ、6/13にアップした実測とほぼピッタリ合いました。6/8のシミュレーションと6/13の実測波形が合わないのでおかしいなと思っていましたが、これでスッキリしました。

 ■1)訂正した回路図 (前回の回路図は、LPFの中点アース以外の各ユニットにもアースを取っておりBTLを正しく表していないのでBTL対応の1点アースの回路図に訂正。)
 これは、6/2のオーバーシュートでも訂正したののと同じです。6/2アップは間違い分は消してしまいましたが、今回は比較のため6/8分もミス版として残します。

 C10とC11の間にあるアースがBTLのアースです。前回は各ユニットにもアースを取ってしまったのがミスです。

 ■2)LT Spiceでの604-8GのLF(ウーハー)とHF(同軸ツイータ)矩形波応答
 これは

 となります。水色線はアンプの出力で赤線がHF(同軸ツイータ)、黄緑線はLF(ウーハー)です。これで、6/8の■3)の③の実測波形が再現されました。

 ■3)LT Spiceでの2405の矩形波応答
 これは、

 です。水色線はアンプの出力で黄緑線が2405の応答ですが入力に対して反転しています。これも6/8の■2)の実測波形①で赤線(アンプ出力)と青線(1.5μFの先)が反転していましたが、この反転も上のシミュレーションで再現しました。尚実測では、6/8の■2)の実測波形②で6Ω前後で反転しましたが、LT Spiceでは反転しません。論理的に考えたら反転はしません。
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70Hzのトーンバースト確認

2019-06-28 12:43:17 | スピーカー評価
 現状、ほぼ目標に近い音になっていると思うので、70Hzのディップが無くなった状態での1波トーンバーストを撮っておいて、もしまた15db程度の強ディップが発生した場合のリファレンスとします。ポイントは波高が70Hzで他の周波数より極端に小さくならないか、波形は正常かです。

 ■1)70Hz、80Hzの1波トーンバースト
 これは以下。尚、マイクは自作1ポイントステレオマイク(ユニットはパナ製WM-61A)で左右のマイクの間の距離は15mmとワンポイントタイプ。

 ①が70HzのL(左)側のユニットの1波トーンバーストです。RDA-520はSP端子の電気的波形を見た時は、ノイズだらけでしたが、620A+2231A+2405で鳴らした場合の1波トーンバーストはノイズは見られませんし、トーンバーストも正常です。
 ②は70HzのR(右)側のユニットの1波トーンバーストです。-の2波目が少しL側より小さいですのでL側より若干形が悪いですが、+の波高もL側と同じですので正常です。

 ■2)100Hzの1波トーンバーストとFFT
 これは

 ⑤が100HzのL(左)側のユニットの1波トーンバーストですが正常です。⑥はR(右)側のユニットの1波トーンバーストですが、やはりーの2波目がダブルになっていますのでL側よりは劣ります。が異常というまでは言えません。
 同時にFFTを撮ったのが⑦⑧で⑦はステレオで納戸の戸を開けて、8.2畳を10畳に拡大した時で、⑧は納戸の戸を閉めて、8.2畳の状態ですが、どちらも70Hzの強ディップはありません。念のため今日も撮ってみたのが⑨ですがこれも70Hzの強ディップはありません。今日のFFTは低音端&高音端が急峻になっていて形がGoodです。
 これで、70Hzの強ディップ(-15dbレベル)が出た時、トーンバーストのリファレンスができた。

 【結論】
 70Hzの強ディップがない状態(70Hzに5dbレベルのディップはある)でのトーンバーストでは70Hz、80Hz、100Hzの1波トーンバーストの波高は変わらない。
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1次、2次フィルターのLT Spice

2019-06-24 09:13:20 | 回路シミュレーション
前に1次フィルタのみ入力波形が再現されると言って、1次フィルタの矩形波を載せたが、CLを近似値で設定したので若干矩形波が入力とずれていた。今回正確なCLで1次フィルタの入力矩形波が再現するのを確認しました。また2次フィルタが矩形波の原波形を再現できないことも確認しました。6/29 赤字 フーリエ級数のグラフ追記

 ■1)正弦波ではなく矩形波を使う理由
 正弦波で確認する場合は、ある周波数でしか確認できない。もし全ての周波数を確認しようとしたら∞の周波数について検証することになる。矩形波の場合は、立ち上がりが垂直であればに全ての周波数成分を含むので1回確認するだけでオーディオ帯であればほぼ全ての周波数を確認できる。用いる矩形波の立ち上がり角度が垂直に近い程高い周波数を含みます。時間領域の∞波高(つまり垂直立上りで現実には不可能)のインパルスであるデルタ関数 δ(t) の周波数スペクトルは定数 1 になるということからも大体想像できるかと思う。
 矩形波のフーリエ級数展開は、以下のようにω=2n-1の正弦関数で表せるので、f=(2n-1)/(2π)のn=1~∞までの各正弦関数項を1/(2n-1)で割ったものの無限級数和です。これからも周波数は離散的にしても矩形波の立上り、立下りはほとんどの周波数を包含していることが判ります。より高次(高い周波数)があるほど立上り、立下り角度が急峻になります。tを時間として

 f(t)=4×【SIN(t)+SIN(3t)/3++SIN(5t)/5++SIN(7t)/7+・・・・・・】/π


 これをエクセルで11次迄グラフにしてみました。横軸はラジアン

 11次迄足すと、立ち上がりが急になっています。高次(=高い周波数迄含む)であるほど立ち上がりが急峻になることが実感できます。ということは音楽を時間的な信号として例えば矩形波まで含めて完璧に再現するにはFFTは∞の周波数まで延びている必要があります。実際は不可能ですが。

 尚以下の検証では、LT Spiceの設定では、立上り・立下り時間は共に、0.1μSとしています。

 ■2)1次フィルタ:前回のCLが近似値での結果
 これは、

 黄緑色の線(入力波形)が見えている0.2mS,1.2mS,2.2mS,3.2mS付近は赤線のLF+HF加算波形(出力)が入力からずれています。
 尚、以降で使う正確なCL値は以下のHPで出しました。”ネットワーク設計 各種ネットワークの計算”

 http://aiwa.fc2web.com/nw/nw_design.html

 ■3)1次フィルタ:CLを精度アップした値にした場合
 先ずはFFTで

 1.5KHzでー3dbクロスしています。傾きは、6db/Octです。
 LF(ウーハー)とHF(ツイータ)は、矩形波出力で見ると

 LF+HFの合成波は、

 黄緑色の線が入力波形で水色がLF+HFの出力ですが、重なっているので、入力波形の黄緑色の線は消えています。従い入力波形は再現されている、つまり全ての周波数は時間波形として再現できると言うことになります。

 ■4)2次フィルタの場合
  先ずはFFTで
 1.5KHzでー6dbクロスしています。傾きは、12db/Octです。
 LFとHFは、矩形波出力で見ると

 LFは赤線で矩形波を鈍らしたような波形で、HFは黄緑色の線でオーバーシュートがある矩形波を微分したような波形です。
 LF+HFの合成波は、

 黄緑色の線が入力波形で赤色がLF+HFの出力ですが、基本波形はLFですが、HF影響の+スパイクパルスが0mSに、またーのスパイクパルスが2mSにあります。従い時間波形として再現できてはいないと言うことになります。
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JBL2405のHPFの挿入位置変更後のタイムアライン

2019-06-20 12:26:47 | ネットワーク
 前回、70Hzのディップが戻ったことをアップしましたが、その時に2405の1次HPF(1.5μFのC)の位置がアンプのグランド側になっているのが気になった。定位とかも若干違和感があったので、プラシーボかもしれませんが、+側に変更しました。

 ■1)マッチングボックスの仕様 外形
 従来は、

 緑の養生テープを貼っているのが給電口で、黄色のPARC Audioの1.5μFは、アンプのグランド側(白っぽい線)が繋がっています。2405自体は620Aとは逆相に繋げています。
 6/11に変更後は、

 となり黄色のPARC Audioの1.5μFは、変更後はアンプの+側(赤いケーブルGolden Strada#79)が繋がっています。2405自体は620Aとは逆相に繋げないといけないので、1.5μFからは、2405のー(黒)側に繋げています。

 ■2)マッチングボックスの仕様 回路
これは以下

 上の①が従来の回路でアンプのSP端子のー(グランド)側に繋げてました。
 下の②が6/11に変更した後の回路でアンプのSP端子の+(ホット)側に繋げています。両者共2405はアンプとは逆相です。

 ■3)C位置変更後のタイムアライメント結果 (変更前のデータは、19.3/24アップで 左:25.2cm、右:25cm)
 8KHzのトーンバースト1波で測定。WGのゲートは、1:24。この条件ではオートトリガーが無くてもオシロ信号が静止するので2405を移動しつつオシロを連続的に見てタイムアライメントを決めています。

 上段が右側のユニットで①は2405を少し手前に置いた場合で、赤〇の下の波が2405で、青〇の下の波が604-8Gの波で2つはほぼ並んでいます。②がタイムアライメントが合った状態になります。2405が620Aのバッフルから24.5cm(従来は25cm)です。③が25cmまで離した場合ですが、この場合は、+の2パルス目が黄色の〇で囲んだようにダブルになって分離していますのでやはりベストは②です。
 下段が左側のユニットで④は2405を少し手前に置いた場合で、赤〇の下の波が2405で、青〇の下の波が604-8Gの波で2つはほぼ並んでいます。⑤が2405が620Aのバッフルから24.5cm(従来は25cm)ですが、+の2パルス目が黄色の〇で囲んだようにダブルになる寸前で広がっています。⑥が25cm(従来は、25.2cm)まで離した場合ですが、この場合は、+の2パルス目がシングルになっていますのでこれがタイムアライメントが合っている位置です。
 右は従来より5mm、左は従来より2mm短くなっています。恐らく、C位置が従来のイン側と変更後のアウト側では信号の経路中の位置が違うので微妙に位相が変わっているのが最適距離が変化した原因と考えます。

 ■4)C位置変更後のFFT結果
これは、

 ①は変更前のFFTを示しています。②は変更後ですが、2405が効く5KHz以上では差はありません。位相が微妙に変わった程度ではFFTは変化しないと思います。
 全体的なFFTのシェイプも②の方がよりシンメトリーに近く、リーンな感じで良いと思います。また70Hzの15dbレベルの大きなディップもありません。

 ■5)C位置変更後の視聴
 変更後は、プラシーボかもしれませんが、定位が広がった様に感じます。特に最近のTVは音場の作りこみが巧みになっていますのでそう感じます。また少しスケールが大きくなったようにも感じます。
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70Hzの低域ディップ改善と現状のシステム状態

2019-06-16 15:05:16 | スピーカー評価
 以前アップ(2019.4/14、4/16のアップ参照)したように2月から4/8の21時台迄は70Hzのディップが~5dbだったが、同日の23時台に突然10~15dbに深くなった。70Hzのディップは4/30にRDA-520でシステムを組み直した時も含め暫く続いていたが、6/11にFFTを取ってみたところ改善というか以前のレベル5dbにまで戻っていた。意識して変えたところは全くないので原因は判りませんがオカルト的ではありますし、又いつ戻ったかも不明です。7/3オレンジ色の字を追記

 ■1)現状のシステム
 これは以下のようになっています。

 低域から説明すると、右のアンプRDA-520から同軸でデジタル信号をDACに流し、LFのみ70Hzカットで4331Aの2231Aを鳴らしています。チャンデバの設定は全域用アンプがLP2020A+時代は60Hz、今は全域用はRDA-520で44Hzですが、実際のカット周波数はFFTで見ると70Hzで同じです。2231Aを800Hzまで使うと静止的なサインスイープでは判りませんが500Hz付近で過渡応答的な抜けがあるように聴こえるので(ヴァイオリンの音で判定した)カットは70Hzまで下げています。4331Aはバスレフの穴をEVA樹脂で塞いで密閉化しています。(2019.2/1、2/4、2/9、2/13、2/16、2/19のアップ参照)これにより所謂バスレフの低域の遅れを解消し、ドロドロ感(「ドンッ!」と言う原音に対し「ドゥ~ンウゥ~ン」と言う音)の少ないタイトな低音が得られています。

 RDA-520のSP端子からは、全域をALTEC620AとJBL2405に並列で供給しています。620A の低域LFウーハーもこれは木とウレタンシートで密閉化しました。(2019.1/23、1/29、2/7のアップ参照)

620AのHF同軸ツイータは、1.3KHz附近にマルチセルラホーンの共振がでるのでそのダンプ対策として750g程度の重りを置いて共振ディップを軽減しています。(2019.3/12、3/14のアップ参照)また、上の写真に写っている巻線式の可変アッテネータは経年劣化が出てきやすいので現在は使用せず、固定抵抗でー6dbに変更済。可変ATTがー5db迄ですのでオリジナルの可変ATTの限界ー1dbに1.5KHz以上を下げていることになります。中域可変ATTの薄い音から芯の通った地に足が着いたライブ感に改善。(2018.9/10及び9/25アップ分参照)

 高域は2405で鳴らしていますが、HPFとしてPARC Audioの1.5μFのC(誘電体はPP:ポリプロピレン)を入れています。下に見える黒いのは双信のビンテージフィルムコン1.5μF(WT2A155K:角形)で切り替えられるようディップSWを付けています。誘電体はPP+PC(ポリカ)です。昔聞いたところでは、PCは低域がしっかりしている、PPは高域の方が良いということです。双信はポリカの2.2μF(V2A225K:円筒形)も持っていますが、これだと高域の被りが多すぎる。しかし角形より円筒形の方が音が良いと言う意見もあるので試してみる価値はあるかもです。

タイムアライメントをマイクを聴取位置に置くことでmm単位で取っています。これにより自然な響きや定位を得ています。(マイクは620Aの前に写っていますが、実際にタイムアラインする時はこの位置ではなく通常聴取位置にしています)

 コンセプトは、オールアルニコユニットの浮動性のない自然な音をユニットから引っ張り出すことと、更に620A及び4331Aの位置を低域の凹凸が最小になるような位置にセットすることで定在波の影響を最小化することです。

 右上にあるのがRDA-520でその左に低域用のLP2020A+がありその上には低域用のDACがあり赤いLEDが左に光っています。その下にチャンデバCX2310がありLFのみ使っています。その下のラックの棚板にクランプで光ケーブルを2本束ね、その下にあるCDP-555ESJの上に光ファイバーのセレクター(TV/CD/他)を載せており、これから青いLEDの光(セレクトしているデバイスを示す)が見えています。
 
 ■2)4/8の23時以降発生して出続けていた70Hzのディップ
 4/8の21時台迄(2月以降)は2405のATTを14dbでFFTを取って以下の様に~5dbのディップでした。

 ところが、同日23時台に2405のATTを12dbに変更した時には、

 70Hzのディップが突如~15dbと深くなりそれからは、日によっても変動していましたがディップ深さは通常の音圧に比べ10~15db下がっていました。

 ■3)6/11に取ったFFT
これは、

 ①は620A+2405で、②は4331A(2231A)+620A+2405です。②を見て頂くと、赤〇で囲んだ70Hzのディップがー5dbに収まっていることが判ると思います。今日も取っていますが、このレベルで収まっていますが戻った原因は判りません。下段が左右別FFTですが、0.5KHzと1KHzに少し音圧の高いところがあります。
 これは620Aの超軽量コーンウーハーのアクチュエーターの特徴なので欠点というよりこれがないと604-8Gの音でなくなります。これは左側が少し顕著です。

 ■4)現状のRDA-520での視聴
 高域のハイ上がりをブルームーンさんのアドバイスで訂正してからは、密閉の低域の自然さも相まって、ライブ感が増していい感じになっています。1958マイルスのオングリーンドルフィンstなんかも最高のあのモードをやり始めた時の熱気を再現してくれますし、何より最近のTVの音は迫真の音で聴こえます。例えば6/9にNHKで放映した”完全版ブループラネット”の中のガラパゴス諸島のジンベイザメに他のサメがぶつかってくる音とか波や海中の泡の音が超迫真になります。又全くジャンルが違いますが5/19に読売TVで放映していたWBSSの井上尚哉がロドリゲスのチンに当てた左フックの鈍いが締まった音”ブチッ”が現場で聴いているような感じに聴こえます。20Hzからダンピング良く再現している音は荘厳です。

 ■5)620系を密閉化した例
 これは、以下のブログに620Bを密閉化し、200Hzくらいから下が下がるのは,APEQで補正してよい結果を得られたようです。私は、70Hz以下を4331Aの2231Aで補強しましたが、方向性は同じです。
以下関係コメント転記させて頂きますが全く同感です。

 ”620B箱は,容量280Lもありますから,空気バネの影響はかなり小さいでしょう.ユニットも高能率ですから,ほとんどストロークしません.これも密閉型には都合がいいのでしょうね. 大きな箱で,密閉型にして,高能率ユニットを使う. 当然,量感は不足しますから,そこは現代のデジタルデバイスで補正.この方法でいけば,密閉型の優位性が際立ちますし,もうバスレフのまやかし低音には戻れなくなりますね.”

 http://community.phileweb.com/mypage/entry/3556/20140812
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