前に1次フィルタのみ入力波形が再現されると言って、1次フィルタの矩形波を載せたが、CLを近似値で設定したので若干矩形波が入力とずれていた。今回正確なCLで1次フィルタの入力矩形波が再現するのを確認しました。また2次フィルタが矩形波の原波形を再現できないことも確認しました。6/29 赤字 フーリエ級数のグラフ追記
■1)正弦波ではなく矩形波を使う理由
正弦波で確認する場合は、ある周波数でしか確認できない。もし全ての周波数を確認しようとしたら∞の周波数について検証することになる。矩形波の場合は、立ち上がりが垂直であればに全ての周波数成分を含むので1回確認するだけでオーディオ帯であればほぼ全ての周波数を確認できる。用いる矩形波の立ち上がり角度が垂直に近い程高い周波数を含みます。時間領域の∞波高(つまり垂直立上りで現実には不可能)のインパルスであるデルタ関数 δ(t) の周波数スペクトルは定数 1 になるということからも大体想像できるかと思う。
矩形波のフーリエ級数展開は、以下のようにω=2n-1の正弦関数で表せるので、f=(2n-1)/(2π)のn=1~∞までの各正弦関数項を1/(2n-1)で割ったものの無限級数和です。これからも周波数は離散的にしても矩形波の立上り、立下りはほとんどの周波数を包含していることが判ります。より高次(高い周波数)があるほど立上り、立下り角度が急峻になります。tを時間として
f(t)=4×【SIN(t)+SIN(3t)/3++SIN(5t)/5++SIN(7t)/7+・・・・・・】/π
これをエクセルで11次迄グラフにしてみました。横軸はラジアン
11次迄足すと、立ち上がりが急になっています。高次(=高い周波数迄含む)であるほど立ち上がりが急峻になることが実感できます。ということは音楽を時間的な信号として例えば矩形波まで含めて完璧に再現するにはFFTは∞の周波数まで延びている必要があります。実際は不可能ですが。
尚以下の検証では、LT Spiceの設定では、立上り・立下り時間は共に、0.1μSとしています。
■2)1次フィルタ:前回のCLが近似値での結果
これは、
黄緑色の線(入力波形)が見えている0.2mS,1.2mS,2.2mS,3.2mS付近は赤線のLF+HF加算波形(出力)が入力からずれています。
尚、以降で使う正確なCL値は以下のHPで出しました。”ネットワーク設計 各種ネットワークの計算”
http://aiwa.fc2web.com/nw/nw_design.html
■3)1次フィルタ:CLを精度アップした値にした場合
先ずはFFTで
1.5KHzでー3dbクロスしています。傾きは、6db/Octです。
LF(ウーハー)とHF(ツイータ)は、矩形波出力で見ると
LF+HFの合成波は、
黄緑色の線が入力波形で水色がLF+HFの出力ですが、重なっているので、入力波形の黄緑色の線は消えています。従い入力波形は再現されている、つまり全ての周波数は時間波形として再現できると言うことになります。
■4)2次フィルタの場合
先ずはFFTで
1.5KHzでー6dbクロスしています。傾きは、12db/Octです。
LFとHFは、矩形波出力で見ると
LFは赤線で矩形波を鈍らしたような波形で、HFは黄緑色の線でオーバーシュートがある矩形波を微分したような波形です。
LF+HFの合成波は、
黄緑色の線が入力波形で赤色がLF+HFの出力ですが、基本波形はLFですが、HF影響の+スパイクパルスが0mSに、またーのスパイクパルスが2mSにあります。従い時間波形として再現できてはいないと言うことになります。
■1)正弦波ではなく矩形波を使う理由
正弦波で確認する場合は、ある周波数でしか確認できない。もし全ての周波数を確認しようとしたら∞の周波数について検証することになる。矩形波の場合は、立ち上がりが垂直であればに全ての周波数成分を含むので1回確認するだけでオーディオ帯であればほぼ全ての周波数を確認できる。用いる矩形波の立ち上がり角度が垂直に近い程高い周波数を含みます。時間領域の∞波高(つまり垂直立上りで現実には不可能)のインパルスであるデルタ関数 δ(t) の周波数スペクトルは定数 1 になるということからも大体想像できるかと思う。
矩形波のフーリエ級数展開は、以下のようにω=2n-1の正弦関数で表せるので、f=(2n-1)/(2π)のn=1~∞までの各正弦関数項を1/(2n-1)で割ったものの無限級数和です。これからも周波数は離散的にしても矩形波の立上り、立下りはほとんどの周波数を包含していることが判ります。より高次(高い周波数)があるほど立上り、立下り角度が急峻になります。tを時間として
f(t)=4×【SIN(t)+SIN(3t)/3++SIN(5t)/5++SIN(7t)/7+・・・・・・】/π
これをエクセルで11次迄グラフにしてみました。横軸はラジアン
11次迄足すと、立ち上がりが急になっています。高次(=高い周波数迄含む)であるほど立ち上がりが急峻になることが実感できます。ということは音楽を時間的な信号として例えば矩形波まで含めて完璧に再現するにはFFTは∞の周波数まで延びている必要があります。実際は不可能ですが。
尚以下の検証では、LT Spiceの設定では、立上り・立下り時間は共に、0.1μSとしています。
■2)1次フィルタ:前回のCLが近似値での結果
これは、
黄緑色の線(入力波形)が見えている0.2mS,1.2mS,2.2mS,3.2mS付近は赤線のLF+HF加算波形(出力)が入力からずれています。
尚、以降で使う正確なCL値は以下のHPで出しました。”ネットワーク設計 各種ネットワークの計算”
http://aiwa.fc2web.com/nw/nw_design.html
■3)1次フィルタ:CLを精度アップした値にした場合
先ずはFFTで
1.5KHzでー3dbクロスしています。傾きは、6db/Octです。
LF(ウーハー)とHF(ツイータ)は、矩形波出力で見ると
LF+HFの合成波は、
黄緑色の線が入力波形で水色がLF+HFの出力ですが、重なっているので、入力波形の黄緑色の線は消えています。従い入力波形は再現されている、つまり全ての周波数は時間波形として再現できると言うことになります。
■4)2次フィルタの場合
先ずはFFTで
1.5KHzでー6dbクロスしています。傾きは、12db/Octです。
LFとHFは、矩形波出力で見ると
LFは赤線で矩形波を鈍らしたような波形で、HFは黄緑色の線でオーバーシュートがある矩形波を微分したような波形です。
LF+HFの合成波は、
黄緑色の線が入力波形で赤色がLF+HFの出力ですが、基本波形はLFですが、HF影響の+スパイクパルスが0mSに、またーのスパイクパルスが2mSにあります。従い時間波形として再現できてはいないと言うことになります。