オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

Blue Giant

2023-03-11 15:55:54 | ジャズ
 最近映画やTVドラマを見る時は、必ず途中から心地良い睡眠に入ってしまう。レコーダーで見る時は倍速で見ることが多いが、半分位は寝ているので結局2時間物は倍速でも2時間かかってしまう。年は取りたくないものだ。妻にJazzの面白そうなアニメ映画があるよと聞いて大して期待はしていなかったが、Jazzの映画なら見てみるかと昨日見に行った。寝そうになったら、いつも妻が肘鉄をしてくれるので安心と思っていたが、一睡もできなかった、というか、アニメでここまでできるのかと、感嘆!というか驚嘆した。

 ■1)Blue Giant
 これはビックコミックに連載されていた結構有名なアニメだそうだ。私は見ていません。著名人からの反響も大きく、実際のBLUE NOTEレーベルなんかともコラボアルバム発売とかもしている。ビッグコミックと言えば、私は、大学院時代に実験の待ち時間に暇なので、坂口松太郎が相撲で大暴れする痛快物の”のたり松太郎”とか、見ていましたね。Blue Giantの漫画は、紙面から音が飛び脱してくるような臨場感に圧倒されるとか音楽を担当された上原ひろみさんが言っている。これは凄いことだなあ!また自分達のプレイ中に見てる風景が漫画の中に表現されていて共感したとも。これは映画作成陣に対しては高いハードルになる。パンフレットも以下のようにレコードジャケットそのもののような作りです。(下の右がパンフで、左はそのカバー)


 ■2)映画館
 西宮ガーデンズ内の4F映画館のNo3スクリーンで16:10~見ました。客席には、Jazzのイメージで高齢者を予想してましたが、ビッグコミックの読者層を反映してか、大半は若い女性だった。これは嬉しい誤算。スピーカーは、左右に4個、後ろにも4個?位で計12個?ありました。ちゃんと確認してませんが、EVのPAに似ています。音量は結構大きいが音質は耳に刺さることも無く、良かったです。製作前の検討段階で、映画かTVアニメかを議論した時に、TVでJazzの迫力は出ない、映画でないと絶対ダメだ、と結論したというのも頷けます。

 ■3)映画情報
 監督: 立川譲
 脚本: NUMBER 8
 原作: 石塚真一『BLUE GIANT』(小学館『ビッグコミック』2013年5月10日 - -2016年8月25日迄連載)⇒この一部を映画化
     (この続きで、BLUE GIANT SUPREME   2016年9月10日 - 2020年4月25日迄連載)
     (その続きで、(BLUE GIANT EXPLORER  2020年5月25日-連載中)
 アニメーション制作:NUT
 音楽: 上原ひろみ (作曲&ピアノ演奏)
     馬場智章  (テナーサックス)
     石若駿    (ドラムス)
 声の出演:山田裕貴(テナーサックス:宮本 大 役)⇒イメージにピッタリ、実写があればこの人しかいない!
      間宮祥太朗(ピアノ:沢辺 雪祈 役)
      岡山天音(ドラムス:玉田 俊二 役)
 配給:東宝映像事業部

 ■4)ストーリー⇒これから映画を見る人で漫画を見てない人は、ここは見ない方が良いかもです。
 『俺は世界一のJazzプレイヤーになる』Jazzに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生”宮本 大”。雨の日も風の日も毎日たった一人で何年も、河原でテナーを吹き続けていた。卒業を機にJazzのため、上京。高校の同級生”玉田 俊二”のアパートに転がり込んだ”大”は、ある日訪れたライブハウスで同世代の敏腕ピアニスト”沢辺 雪祈"と出会う。『組もう』。大は雪祈をバンドに誘う。初めは組もうとしない雪祈だったが、聴くものを圧倒する大のテナーに胸を打たれ、2人はバンドを組む。そこに、大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、3人は”Jass”を結成する。楽譜も読めず、Jazzの知識も無かったが、ひたすらに全力で吹いてきた大。Jazzに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。トリオの目標は、日本x最高のJazzクラブ(*1モデルは、東京・南青山にあるジャズクラブ「ブルー・ノート東京」)に出て、日本のJazzシーンを変える事。不可能と思われる目標に、必死に真摯に、激しく挑むーーー。
 上原さんの作る曲も良いです。若さ溢れる情熱を感じさせてくれます。

 *1:https://trilltrill.jp/articles/3006999 

 5)音楽 (サントラCD29曲中27曲を上原ひろみが作曲、1曲は、Impressions(Jphn Coltrane)、もう1曲は、Samba five(陣内一真))

 Blue Giantで流れているJazzがいいね。Jazzピアニストの上原ひろみさんが作曲されています。馬場さんのテナーサックスも若い大の熱い演奏になるようご自身のスタイルからは変えてやっているとのこと。あくまで私の理解ですが、最初の方は、ファーストライブ(7スポット)の曲”ファーストノート”はナベサダのもろJazz風だったのが、最後はフリーに近いスタイルになっていたり進化しています。このCDは映画とは関係なしに聴いても良いです。私が買おうかなと並んでいた時、前に買った男性が”これ買いたくなりますよね!”と聞いて来て、思わず”なりますよね!”と答えちゃいましたから。

 個人的に気に入っているのはやはりバラード。12曲目のアナザー・オータムは良いですね。デクスター・ゴードンの”ドント・イクスプレイン”の雰囲気。思慮深く、ブルージーなバラードです。長尺で聴きたいですね。

 6)アニメ
 ロトスコープ(実写映像をトレースする技法)が多用されている。特に凄いと思ったのは、最後の”So Blue”でのライブでのドラムのスティックの走る軌跡まで打音とシンクロして描写されている。ピアノのタッチもアニメでこんなに音と指(漫画でちゃんと描いているのは稀)がシンクロしているのは今まで見たことが無い。大がテナーを吹いている時の状態を反らしたり前かがみになったり所なんかは実にリアル。例えば、モーションキャプチャーの動きを3DCGに反映したN.E.W.は見ていて本当にリアル。
 ライブシーンに、現実的なライブ映像に加えて主観的なイメージ画像を心象風景で見せる、つまりプレイヤーが見えている景色を想像しそれを飛躍させた表現を目指したとのこと。見ている時は従来のアニメとは一味違うなと確かに思ったが、こういうのと上記のモーションキャプチャーとの組み合わせがその原因だったのだろう。
 またアニメ的に苦労したのは、楽器ー特にサックスの描写だったとのこと。これは何となくわかりますね。構造が複雑怪奇ですからね。

 とにかく、従来のアニメの概念を破った凄い傑作には間違いないと思う。

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