新しい靴と写真

思いつくままPhoto.blog

今年59冊目

2016-10-26 18:40:00 | 

いつもはお気に入りの作家数人をローテーションで読むのだけれど、友だちが「西加奈子の漁港の肉子ちゃん、是非Weちんに読んでほしい!」と熱烈リクエスト(笑)



今年55冊目は米澤穂信さん「リカーシブル」

56冊目、「渚にて~あの日から」

57冊目、飯塚訓さん「墜落遺体~御巣鷹山の日航機123便」

58冊目、穂村弘さん「鳥肌が」


と、色々なジャンルを読んだ後、お待ちかねの「漁港の肉子ちゃん」を読んだ。












物語の冒頭。



―――――― 「肉子ちゃんは、私の母親だ。

本当の名前は菊子だけど、太っているから、皆が肉子ちゃんと呼ぶ。」








何もかも、とにかく強烈な肉子ちゃんは16歳で家を出、以降、大阪、名古屋、横浜、東京と水商売を転々とし、行った先々の町で男に騙されてボロボロになる。


肉子ちゃんは男運がないのだ。恐ろしいくらいに。





そんな肉子ちゃんと娘(キクりん・小5)が流れ着いたのは北陸の小さな港町。





食欲も服のセンスもいびきのボリュームもドスコイ体型も、その何もかもがパワフル。


全ての発言の最後に「っ!!」がつくくらい。






思春期真っ只中の娘にとってはドえらいパワフル過ぎてこっ恥ずかしい。


それでも「たぶん、きっと、ちゃんとした大人なんて一人もいない」と割り切れもしている。




大人びて冷めた感じなんだけど、それはきっと唯一の肉親である母がそんな肉子ちゃんだから。


全くもって仕方がない。








この本をお勧めしてくれた友だちは「方言が私たちの町っぽい」と言っていたれけれど、これもツボ!




ふたりを支える町のみんなの台詞が「だめら」とか、「そんがん」とか、「だすけ」とか、いちいち方言が沁みる。








正直、読み始めて最初の内は「むむむっ・・」と思ったけれど、ぐんぐん惹き込まれて最後は泣けて。










赤江珠緒さんや明石家さんまさんも絶賛。

ピースの又吉さんは「大好き」と公言。




ワタシも大好き。





初めての西加奈子さん。

すっかりハマってしまいそう。





今読んでいる本が終わったら直木賞と本屋大賞2位を受賞した「サラバ!」を借りて来よう!


AX







日本近代化の幕開け

2016-10-15 22:57:03 | 目にしたもの

勉強になった!


国宝であり国指定重要文化財であり、世界遺産の富岡製糸場!






世界遺産登録直後は入場も何時間待ちという大混雑振りでしたが、現在は普通に「ちょっと賑わってる観光スポット」な感じ。


朝一番なら待つことなくすんなりと入場出来ました。







(今日も画像盛りだくさん。養蚕と製糸で栄えた富岡ですから、例の、白くて太くてモゾモゾしたアイツも出て来ます^^;)













明治5年に官営模範工場として操業を開始した富岡製糸場。





横浜の商会で生糸検査人として来日・勤務していたフランス人ポール・ブリュナを設立指導者として正式に依頼。




建設や製糸用器械の輸入と同時に工女募集がなされたものの、ブリュナら外国人がワインを飲む様子を見て「富岡製糸場に入場すると西洋人に生き血を飲まれる」というデマが流れ、当初は中々工女が集まらなかったそうです。


真っ赤なワインが血に見えたのですね。

今となっては「そんなバカな!」と一笑に付すところですが、「私は工女になりたい」と希望する若い娘を涙ながらに説得を繰り返す親たちが殆どだったそうです。






完全な寄宿生活で、日本で初めて「毎週日曜定休日」が導入されたのもこの富岡製糸場。



↓ 下の寄宿舎「浅間寮」と「妙義寮」は太平洋戦争終戦前に建て替えられたもの。

ブリュナが生活していた首長館の北側には「榛名寮」もありました。


群馬県民の心の拠り所の名山が名前。


かっちょいい。













本来非公開の国宝・東置繭場2階は現在期間限定で公開中。

















その1階では蚕が。



「げっ!」と思ったけれど、よく見りゃ案外可愛い。





あんまり動かなかったけど生きてます。









蚕は生まれてから26日の間に4回の脱皮を繰り返し、その後、自ら吐き出す糸で繭を作って中でサナギになります。




その繭を煮てほぐし易くし、細い糸を手繰って数本(繭数個分)の糸を「こよる」ようにして生糸を作る「上州座繰り器」。







(糸が無くなって中身が出てるのが・・・・ちょっと、アレだった;;)





ミニ竹ぼうきみたいなもので真上からツンツンとつつき、糸の端を絡めとります。




そのまま右手はツンツンしながら繭をほぐす。


左手は糸繰り器の取っ手を握って糸巻を回転させる。




左右の手で別々の作業。


しかも右手は素早く、左手はゆっくりと。





















せっかくの機会なので私も挑戦!(o・`ェ・o)ノ





(かの北の国の最高指導者風に両サイドから後頭部をガッツリ刈り上げた髪型がやっと伸びて落ち着いてきた;;)







「言うは易し」。




左手に集中すると右手が疎か。

指導してくださるおねぃさんに、「ホラ!また右手が止まってる!」って何度も注意された(笑)




右と左で別々の動作、難しかったなー(・´_`・)


(超至近距離で茹でられた蚕の匂いがなんとも独特)








実際の富岡製糸場ではこの上州座繰り器ではなく、おフランス直輸入の「フランス式繰糸器」300釜で生糸を作りました。




その繰糸場。











昭和41年に設置された自動繰糸機。62年の操業停止時で時が止まったまま。















自然光を多く取り入れられるよう窓が大きく、釜で煮た繭の蒸気が屋根から逃げるように設計。












こちらでは全体を所要時間40分程度で回れるツアーガイドもあります。

200円だったかな。



現在、ガイドさんは100人ほどが登録されているそうです。



それでも世界遺産登録フィーバーの時には全然手が足りなかったそう!









来て良かったー





一度は見ておきたいと思っていたスポットですが、フィーバー当時の長い長い行列をテレビで見る度にげんなり。



ようやく落ち着いてゆっくり楽しめました。













明治4年の建設当時、西洋建築の髄を集めたこの建物はさぞやハイカラだったことでしょう。





政府が「大丈夫!ここの西洋人は生血なんて飲まないよー!!」と繰り返しデマを打ち消し、お給金もいいし定休日もある。





工女館の隣りには立派な診療所もあって医師が常駐。




綿密に考えられた研修制度はしっかりとしていて企業内教育制度の先駆けでもあったそう。








ご飯も布団も用意されている。




故郷の家族へ送金しても何ヶ月かに一度は町の呉服屋を敷地内に招き入れて好みの反物で着物を作る余裕まである。






こぞって全国から希望者が集まったのも納得。




富岡製糸場に勤めるという事は当時の若い女性の夢でありステイタスだったのでしょう。












そんな東置繭所の古い柱に打ち付けられた看板。








「乗るなよ。大切に育ててようやく蚕が作った繭を保管してる倉庫なんだから、お前ら絶対に土足でここに乗るなよ。いいか。これは<フリ>じゃないからな。絶対に絶対に乗るなよ。」、って言ってるのに、やっぱ乗っちゃった人がいたんだろうなぁ。



ゲンコツくらいじゃ言う事を聞かないので渾身の怒りを書き綴った真っ赤な文字が泣ける。







私なら、こんなん書かれたら、絶対に乗る。


こんな風に改めて書かれたことによって「乗りたい」衝動が倍増するのだ。


(そしたらとっととクビ。)


AX







今年53冊目

2016-10-06 23:37:37 | 

今年の53冊目は下村敦史さんの「闇に香る嘘」。


nemuさんと競争しようなんて一度も考えたことはないんですが(笑)












第60回江戸川乱歩賞受賞作品。


数々の本格的ミステリー作家を輩出してきた江戸川乱歩賞ですが、選評が非常に辛口で厳しい事でも有名。



そんな中で選考委員である京極夏彦氏や有栖川有栖氏らに「たった一行のくだりで世界も反転する」、「絶対評価でA」、「完璧なミステリー」と言わしめたのがこの作品。








盲目の初老の主人公が孫娘に腎臓を移植しようとするも検査の結果適合しないことが判明。


遠く離れた田舎町で母と二人でつましく暮らす兄に移植の適合検査だけでも受けてくれないかと頼むが頑なに拒絶される。





兄と会話する中、まだ視力があった幼い頃に一家で中国で過ごした思い出話は全て身に覚えがあり合点もいく。


でも中国残留孤児だった兄が永住帰国した際には既に失明しており、兄の顔を確認していない。





病院に行くことを異常なまでに拒む兄の態度に違和感を覚えはじめ・・・・





27年間兄だと信じていた男は何者かのか?


兄の正体に迫るべく、全盲の弟がたった独りきりで真相を追う。







今まで何度も乱歩賞の最終選考で落とされても決して諦めることなく信念を貫き通してきた作者。


私からも拍手を送りたい。











続いて読んだ54冊目は、堂場瞬一さんの「雪虫」。








祖父・父を継いで新潟県警捜査一課の刑事となった主人公。


晩秋の湯沢で何者かに殺害された老女は、かつて新潟県内で栄えた宗教団体の元教祖だった。




調べていくうちに団体が事実上解散となった50年前にも教団内で殺人事件があったことが判明。


しかし、捜査本部が置かれた署の長である父も、当時事件を担当していたはずであろう祖父も何故か真実を覆い隠し・・・・







舞台が新潟という事で愉しみにしていたのだけれど、期待が大きすぎたか?


久し振りに「これ、ちょっと長いな・・・」と、感じた一冊。










と、いうのも。









頁をめくってすぐに、↑ これに興ざめ(--)




こっちの図書館だけかなー。


時々これに遭遇するんです。





「スピン」と呼ばれるブックマークのしおりの先を誰かが結んでる。





ほんと、これに当たると腹が立つ。





挟んだスピンが滑って抜け出ないようにしたのだろうけれど、そもそもこれは図書館の蔵書であってアンタひとりの本じゃない。


そんなに結びたければ自分の小遣いで買えと言いたい。





買ったこの本のスピンを何十個でも心行くまで好きなようにぐるんぐるん結べばいい!


結んで結んで結んで結んで、ついでも自分もぐるぐる巻かれてしまえー











そして非常に悲しいことに、わたし、この「スピン固結び」の誰かと好みの作家・ジャンルが似ているらしく、ちょいちょいこれに遭遇する。






多分この人は、「ハードボイルド(一匹狼の刑事ものやスナイパー)」、「ミステリー」、「舞台が戦後間もない頃のもの」、そして「基本、日本(外国人の登場人物が少ない。出ても中国か韓国)」がお好きなようです(涙

AX







複数回献血クラブ

2016-10-02 23:13:41 | 目にしたもの

姉と姪と私。

いつもの「チーム・献血」。






前回は私が400mlの全血だったもんで、次回の献血可能日まで長かった!

(200ml献血は4週間後から。成分献血は2週間後から次の献血がOK。400mlの全血献血は16週間後!)








今回は3人とも成分献血の内、血漿のみを献血。



一度採血したものを機械に通して血漿だけを抽出。

赤血球等、その他の成分を刺しっぱなしにしてある注射針を通して体内へ戻す。






これを2セット。






今回は40分弱だったかな?





読みかけの小説を持参したので自分の時間を楽しめました。

















無事に済ませ、渡しておいた献血カードを受け取る際、「〇〇さん、いつもご協力ありがとうございます。今回で献血10回目となりましたので心ばかりですがこちらをどうぞ。」と手渡されたのは涼しげなカラス酒器。




10回、30回、50回の到達者にガラス器を。

更に回数を重ねると銀色有功章や金色有功章のガラス盃、感謝状などが贈られるそうです。










最初の10回目はこの美しい青いガラス。




「ヤッター★」と喜んでいたらば、姉が「アンタ、初心者らね。アタシなんか30回越えらっけ黄色いの持ってるよ。次はグリーンらてー。」と、えらく威張ってらっしゃる(==;








むむむっ。



なんか、負けたくねー。

(完全に負けてますが)



それならば、と「複数回献血クラブ」とやらに登録。



これは「ピンチです!!ただ今血液が不足しているのでご都合つけば最寄りの献血センターへ是非!!」とか、「〇日から献血キャンペーンがスタート!今回はドーナツをプレゼント!」などのお願いやお知らせがメールで届くというもの。



また、過去にさかのぼって自身の血液検査結果をネットでチェックすることもできます。


これは便利ですねー。









今回このクラブ登録したので、粗品として「パソコンめがね」を頂きました!




PCや携帯電話のブルーライトをカット。




ちょうど変装用に装着していた伊達メガネが緩んできていたので助かる(笑)

色が入っていないので普段の変装(?!)の時に使えます^^













一般的に、気温が下がっていくほど血液が不足するそうですよ。



金木犀が香り、お庭から張り出した栗の木が実を落としているのをよく見かけます。






秋ですねえ。


血液が不足するシーズンが近づいてきました。






皆さまも是非献血を(^-^)

(長岡センターでは休憩コーナーにあったお菓子の内、おせんべい類が一部リニューアルされてました。美味しかったヨ。)


AX