2004年10月発生の新潟県中越地震により、甚大な被害を受けた新潟県旧山古志村(現・長岡市)。
生きた宝石と称えられる錦鯉の養殖。
幾重もの山ひだと長閑な棚田が織り成す日本の原風景。
そして1t もの巨体が勇壮にぶつかり合う牛の角突き。
小さな村は、映画『マリと子犬の物語』の舞台にもなりました。
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新潟県内でも有数の豪雪地帯である山古志では古くから人の生活の中に牛がいました。
道幅が狭く段差の激しい棚田での農作業に、足腰が強く寒さや粗食に耐える牛は貴重な働き手であり、なくてはならい存在でした。
山深いこの地で数少ない娯楽のひとつとなった角突き(闘牛)は、血を流すまでの死闘は行わず、奉納の意味を込め一切の賭博もなし。
勝ち負けを決めないのが最大の特色であり、牛への愛情がうかがわれます。
本州唯一の伝統行事、山古志の闘牛は国の重要無形民族文化財に指定され、その起源は600年前とも1000年前とも言われているそうです。
闘牛会場へは取組みを行う二頭の牛が東、西の順に一頭ずつ引き入れられて来ます。
最初はとてもおとなしく、これから荒ぶる戦いを行うようには見えないのですが、鼻の穴に通された「鼻綱」を引き抜かれた瞬間、両者の周りの空気が変わります。
互いに間合いを取りながら目で相手の力量を計り、呼吸を合わせて一気に突進し額と額をぶつけるとゴツンと重い、予想以上に大きな音。
頭突きのまま押し合い、時には角を絡めて自分の力を誇示します。
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勝負がつくかつかないか、という絶妙なタイミングで牛引きと勢子が両者を引き離しにかかります。
興奮している牛の後ろ足に綱をかけると同時に頭を抑え鼻綱を回し入れると、鼻が急所である牛はそれまでのたけり狂いが嘘の様におとなしく。
命知らずの男たち。
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本来の牛は本当に優しい目をしていました。
祖父から子、孫へと何代にも渡って大切に育てられ、その愛情を一身に受ける牛。
育て親を信頼し切った穏やかな表情と目を見れば、それがよく分かりました。
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