「アイネク」とは《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》の略称である。
先日、ある喫茶店を会場にしたミニコンサートで弦楽四重奏を演奏した。
企画の段階で「クラシック音楽にはあまり詳しくない60代くらいの人が中心ですから、どうかその人たちにわかりやすい内容で」と再三言われていたので、そのような場合は、まずアイネク、が無難な選択だと思った。
そして、ハイドンの《皇帝》第2楽章を続け、次あたりに(本当に演奏したい)ベートーベンの作品18-4の第1楽章を並べた。
その後、リクエストの小品も交え、井財野の作品も適宜演奏して、まずまずの出来で終わったかに見えた。
多分その見方は間違っていない。
今回、お客様にアンケートをとらせてもらった。そこからも、そのように読みとれる……。
が、一枚のアンケートに我々は釘付けになってしまった。
「最初(選曲)にがっかりしてしまいました。徐々によくなって、ベートーベンは素晴らしかった……」
これが一人ではなかったのだ。演奏会後、直接話を聞いた人にもいらっしゃった。30人のお客様に二人だから、かなりの率だ。
その後、アンケートを集計すると、必ずしもアイネクの評価が低い訳でもなかった。しかし、ベートーベンの評価がその日では一番高かった。
「もう、(アイネクは)やめてほしいと思いました」
と、件のお客様がおっしゃるので、
「そうは言っても、すごい曲ですよ。主和音(ドミソ)と属七(ソシレファ)だけのメロディですからね。こんなこと誰も思いつかない。」
「あ、その話を聞いてから聴けば違ったと思います」
うーん、そうか。
少なくとも令和の時代「とりあえずアイネク」ではない方が良さそう、との結論を得た。
先日、ある喫茶店を会場にしたミニコンサートで弦楽四重奏を演奏した。
企画の段階で「クラシック音楽にはあまり詳しくない60代くらいの人が中心ですから、どうかその人たちにわかりやすい内容で」と再三言われていたので、そのような場合は、まずアイネク、が無難な選択だと思った。
そして、ハイドンの《皇帝》第2楽章を続け、次あたりに(本当に演奏したい)ベートーベンの作品18-4の第1楽章を並べた。
その後、リクエストの小品も交え、井財野の作品も適宜演奏して、まずまずの出来で終わったかに見えた。
多分その見方は間違っていない。
今回、お客様にアンケートをとらせてもらった。そこからも、そのように読みとれる……。
が、一枚のアンケートに我々は釘付けになってしまった。
「最初(選曲)にがっかりしてしまいました。徐々によくなって、ベートーベンは素晴らしかった……」
これが一人ではなかったのだ。演奏会後、直接話を聞いた人にもいらっしゃった。30人のお客様に二人だから、かなりの率だ。
その後、アンケートを集計すると、必ずしもアイネクの評価が低い訳でもなかった。しかし、ベートーベンの評価がその日では一番高かった。
「もう、(アイネクは)やめてほしいと思いました」
と、件のお客様がおっしゃるので、
「そうは言っても、すごい曲ですよ。主和音(ドミソ)と属七(ソシレファ)だけのメロディですからね。こんなこと誰も思いつかない。」
「あ、その話を聞いてから聴けば違ったと思います」
うーん、そうか。
少なくとも令和の時代「とりあえずアイネク」ではない方が良さそう、との結論を得た。