井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

小室等と三善晃

2011-07-24 20:33:23 | 音楽

このお二方は、通常結びつかない。

結びつけたのは谷川俊太郎。

そう考えると、無数の結びつきが誕生してしまうが、その一つとして紹介させていただく。

小室等さんを生で拝見したことがある。小室さんのコンサートではないところがミソ。

ピアノの発表会の司会者として登場されたのである。

何でも、その発表会を主宰される先生が、その昔小室さんを教えた縁とのこと。なので、ピアノには大した興味がない私もいそいそと出かけた次第。

ピアノ演奏とほとんど関係がない話題を次から次に出していく小室さんのお話は面白くて、私は小室さんが好きになってしまった。

その前から嫌いではなかったが、正直言って「歌」かどうかは疑問の余地がある歌が多いとは思っている。

でもインパクトのある歌が多いのも確か。次の歌も一回聴いただけで忘れなかったもの。

「いま生きているということ」という歌だが、原詩は「生きる」という谷川俊太郎の詩。

この歌は全共闘世代にはかなり有名な歌だと、某新聞のコラムに書いてあった。

その後、高校の教科書に載り、現在は小学校の教科書に載っているそうで、そのうち全国民が知る詩になるのだろう。全共闘世代が教科書を作ると、こういうことになるんだな、と、その下のシラケ世代は斜めに見てしまうが・・・。

これもまた「歌」なのか疑問の余地が少々あるけれど、詩としての説得力はすばらしいものがあると思う。

さて、本ブログ、合唱関係者はまず読んでいない。同時に、これを読んで下さっている方で合唱をされている方は、ほんの少しであろう。なので、ここでぜひ紹介したい曲がある。

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「生きる」 合唱団ゆうか&Gaia Philharmonic Choir 投稿者 rapidstyle

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同じ「生きる」を三善晃が合唱曲にしたもので2000年の作品。

聞くところによると、合唱界の名ピアニスト、田中瑤子さんが亡くなられたのを悼んで、大晦日から元旦にかけて一気に書き上げたそうだ。

私がこの曲を知ったのは、某県で開かれた合唱講習会をたまたま見た時。三善先生の前で某大学の合唱団が歌ったのである。三善先生としては、様々な思いがあることは容易に想像がつく。そしてその合唱団は、その様々な思いを見事に表現していなかったので、三善先生はオカンムリだった。

でも、私はそれでもその時、曲のすばらしさに心打たれ、今日に至っている。

その後にできた女声合唱版を指揮する機会にも恵まれ、この曲に関してはかなり詳しくなった。

今では、この曲の理想の演奏は私の頭の中にあるので、上記の演奏二つとも、理想からは少し距離がある。

だが、曲の素晴らしさは、それでも伝わると思うので、ぜひ皆さんに知っておいていただきたい曲だ。

小室等を聞けば元気になり、三善晃を聞けば泣いてしまう。同じ谷川俊太郎の詩が、曲によってこうも印象が変わるというのが、また興味が尽きない。