井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

「さらば恋人」と「カリフォルニアの青い空」

2011-07-18 17:37:05 | 音楽

先日、とあるホール付随の練習室を使った時のこと。

駐車場が満車だったので何事かと思ったら「松田聖子コンサート」。相変わらずの大人気ぶり、同世代としては、いつまでもがんばり続けてほしいと思う。同時に、個人的には全く趣味の合わない曲ばかりで、関心が起きない。(でも井財野版の聖子ネタは以前にも書いた通り、少しある。)

松田聖子は国際的に売り出すことを最初から考えていたとかで、世界企業の名前を芸名にしており、楽曲もダイアトニック(ドレミファソラシでできている)でバタ臭い。

一方、筆者の趣味は、やはり和風というかアジア的というかペンタトニック(ドレミソラ/レファソラド等でできている)が基調なのである。

戦後の歌謡曲の中で、もっともジーンとくるのは、五木ひろしの「夜空」と、堺正章の「さらば恋人」を迷わず挙げる。

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作曲は筒見京平、これまた筆者が最も注目していた作曲家である。筒見メロディの特徴は、分散和音をメロディにしてしまうところにあると思う。これは非常に器楽的で、通常は歌いにくいとされる。それが順次進行のメロディックな部分とほどよく共存して、一般にはその歌いにくさを感じさせないのだ。

この「さらば恋人」は、分散和音というよりはペンタトニックを上下している主部と、順次進行のサビからできている。ペンタトニックだけだと、平凡に陥りやすいのだが、「いつも幸せすぎたのに」の「わ」と「す」のところに「導音(シ)」が入っていて、民謡調一辺倒になることを避けている。

ハ長調で言えば「ドレミソラシ」でできた曲、「ファ」だけが無い「六音音階(ヘクサトニック)」ということになる。

と、いくら説明しても筆者の感動を伝えることはできない。やはり百聞は一聴にしかず、学生さん達に聴かせてみたが、ちっとも感動は伝わらなかった。いいのいいの、筆者だけが喜んでりゃ・・・。

ところが、前記事の「落ち葉のコンチェルト」を調べた時、不吉なものをみつけてしまった。

おなじハモンドのヒット曲「カリフォルニアの青い空」

え?「さらば恋人」もパクリ?

筒見氏には「抱きしめてトゥナイト」という「ラブ・ミー・トゥナイト」のパクリもあるからなぁ・・・。

不安な気持ちで調べると「さらば恋人」は1971年に、「カリフォルニアの青い空」は1972年に、それぞれ発表されたことがわかった。

きわどいところだが、「さらば恋人」が先だった。筒見京平バンザイ!

でも、ハモンドが「さらば恋人」を知っていた可能性は低い。そう考えると「時代の声」みたいなものがあるのかなぁ・・・。

ちなみに、こんなのもあった。これはスティービー・ワンダーが1969年に発表した「マイ・シェリー・アモール」。歌は似ていないけれど、イントロのキャッチの仕方が似ている。

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