伊方原発差し止め命令が示す裁判所良心のともしび 植草一秀 2020年1月18日 (土)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-a3b544.html
愛媛県の四国電力伊方原発3号機について、1月18日、広島高裁が運転を当面認めない決定を示した。
日本の司法に残されているかすかな良心が機能した。
裁判所判断は裁判官の属性によって方向が変わる。
2009年から2011年にかけて日本を揺るがした小沢一郎衆議院議員の政治資金管理団体を巡る政治資金規正法違反疑惑事案でも、東京高裁の小川正持裁判官と飯田喜信裁判官との間でまったく異なる判断が示された。
この問題については元検事で弁護士の郷原信郎氏が詳細な解説を公開されている。
「「刑事裁判の絶対権力者」による「ざまあ見ろ」判決の傲慢」
https://bit.ly/3ag7nNf
石川知裕元衆議院議員などを有罪とした東京地裁の登石郁郎裁判官、東京高裁の飯田喜信裁判官の判断は失当と言うほかない。
裁判所が政治権力の手先になっている典型的な事例である。
したがって、裁判所の判断を絶対視しないことが重要だ。
裁判所が有罪の判断を示しても無実潔白のことは数多く存在し、裁判所が無罪としても実は無実ではないことも数多く存在する。
裁判所の判断を「ひとつの判断」として受け止める、「裁判所判断の相対化」が重要だ。
今回、広島高裁が伊方原発の運転差し止めを命じる判断を示した。「法と良心に基づく」適正な判断であるが、この判断がいつ覆されるか分からない。
裁判官の人事権は内閣に握られている。
内閣総理大臣が権力を濫用する者であるときには、裁判所判断が著しく歪められる。
今後の動向に十分な警戒が必要だ。
裁判所が政治権力の意向に反する判断を示す場合には傾聴が必要だ。
裁判官の人事権を内閣が握っている。
裁判官が政治権力の意向に反する判断を示す場合には、それなりのたしかな根拠と決意があると考えられる。
裁判官が自分の利益だけを考えるなら、政治権力の意向に反する判断を示さないだろう。
我が身のリスクを冒して政治権力の意向に反する判断を示すには、重大な決意と強い根拠があると捉えるべきである。
伊方原発の運転差し止めを命じる決定を示した広島高裁の森一岳裁判長は65歳での定年退官を控えている。
これも「法と良心に基づく適正な司法判断」が示される上で好都合な事情であったのかも知れない。
森一岳裁判長は、「原発のすぐ近くに活断層がないとは言い切れず、地震対策に誤りがある」、「火山噴火への備えも想定が小さすぎる」と判断した。福島第一原発の事故を受けた新規制基準に沿って進められている電力会社の安全対策、およびそれを認めてきた原子力規制委員会の判断に疑問を突きつけた。
山口県内の住民が運転差し止めを求めたことについて、山口地裁岩国支部は昨年春にこれを却下した。
住民は即時抗告し、今回、広島高裁が申し立てを認める判断を示した。
この決定に対して四国電力は不服申し立てをする方針を明らかにした。
伊方原発3号機に対しては、2017年12月に広島高裁が阿蘇山での数万年に一度起こる巨大噴火「破局的噴火」のリスクを理由に運転差し止めを命じたことがある。
火砕流が原発に到達するリスクを指摘し、新規制基準に合格させた規制委の判断を不合理とした。
しかし、2018年9月の異議審で同高裁が一転して運転を認めた。
今回も異議が申し立てられ、広島高裁が別の裁判官によって判断が覆えされる可能性がある。
これはもう反社です いや、以前からか
2014年に福井県の関西電力大飯原発3、4号機運転差し止めを命じた樋口英明元福井地裁裁判長が、「原発を審理する裁判官に与える心理的影響はものすごく大きい」と語ったと朝日新聞が報じている。
樋口氏は今回の決定について
「再稼働を認める判断が続いているにもかかわらず、活断層と火山の両方で原発を止める判断を下した影響は大きい。
原子力規制委員会の判断が原発の安全性を確保する内容になっているか、踏み込んで判断した。
前例主義に終止符を打った」
と評価し、差し止めを命じた森一岳裁判長について
「前例主義にとらわれず事件と率直に謙虚に向き合い、自分の頭で考える裁判官だ」
と話したと朝日新聞が報じている。
良質な裁判官がわずかながらも存在していることは吉報だが、裁判所の最終判断は政治権力によって歪められることが多い。
原発稼働を推進する政治そのものを刷新することが必要不可欠になっている。
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実は1番金がかかる原子力発電所 野次馬 (2020年1月17日 15:50)
http://my.shadowcity.jp/2020/01/1-27.html
伊方原発で運転を認めない、という仮処分が出たというんだが、高裁の裁判官が定年間際の人で、なので「運転を認めない」という判決が出せたらしいんだが、裁判官がアベシンゾーの顔色うかがって判決を出さなきゃならない、日本の司法の方がオカシイんで、ここは裁判官が頑張ったね、というところだ。こうやってグダグダやってる間にも、原発はどんどん経年変化で劣化して行く。もう10年経った。原発はロクに動いてない。世界は変わった。どんどん自然エネルギーにに移行している。あと10年頑張れ。原発なんて言うヤツはいなくなる。
関連
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https://blog.goo.ne.jp/beingtt/e/e1f7473598c14888aa43117702ce828f
以下を再掲
伊方を襲った巨大津波 まっちゃん 2015-08-18
http://ameblo.jp/maimaikaimei/entry-11127411735.html?frm_src=thumb_module
先日、津波の夢を見ました。私が今、住んでいる場所は、海に近いので、津波の被害を受けてもおかしくはないのですが、、夢では、山の上で、「え?!こんな高いところまで来るの?!」とびっくりしていました。それで、ふと、2012年1月1日の愛媛新聞の伊方の大津波の記事を思い出しました。当時は、さすがに、こんなに高くまでは、こないだろうと思っていましたが、山の中腹までくる大津波も、ありうるのかもしれないと、気になり始めました。(新聞の写真はうまく撮れなかったので、きれぎれになっています、、)
県内・先人のメッセージ
地名 伊方 舟 山中腹まで?
伊方町中心部から少し内陸側に入った河内地区には、津波で浸水した境界を指すとみられる「一浪(波)」「二浪」「三浪」という地名が残る。
郷土史に詳しい岡村豊さん(81)=同町湊浦=や地区住民によると、近年では地元でも知る人は少なく明確でないが、一浪と二浪の境界は現在の河内児童遊園付近。三浪は佐田岬半島を走る国道197号より北側の山間部が当てはまるらしい。一、二、三と徐々に標高が上がっており、地震の津波が第1波より2波、3波の方が大きくなる傾向と合致する。
一浪と二浪の境界とされる辺りは、低いところで海抜15メートル程度。東日本大震災では津波が海抜約40メートルまでさかのぼったケースもあり、不自然ではない。
しかし三浪の「最高点」は桁外れで、標高397mの堂堂山の中腹付近。周辺には「船頭ケ岳(崖)」という大きく岩肌が突き出た場所があり、大津波で流されてきた小舟を船頭が松の木につないだとの言い伝えが残る。ただし、いつの時代の話なのか「浪」の地名と同様に明らかでない。
一方、国道197号に近い河内公民館そばに立つ石灯籠には「当浦安全 嘉永七寅四月吉日」と刻まれている。嘉永7(1854)年は安政元年でもある。この年の12月(旧暦では11月)、東海・東南海地震や南海地震が同時期に起きるなど、災異が続き改元された。
東京大地震研究所の都司嘉宣准教授は、高知県での地盤沈降・上昇調査結果を基に、887年、1361年、1707年の三つの南海地震が、東海・東南海地震と同時に起きた3連動型巨大地震だった可能性を指摘する。
岡村さんは約30年前に地域の高齢者から、石灯籠は船頭ケ岳から移されたと聞いた。灯籠はこれらの地震を住民が振り返り、安全を祈ったものだったのだろうか。
河内地区のかんきつ農家久保常治さん(59)は三浪や船頭ケ岳周辺に園地を持ち、津波に関する言い伝えを親から聞いたこともあるという。「今回の大震災で、あり得ないことでもないのかと思うようになった」とミカンを摘む手を止め、船頭ケ岳の方面を見上げた。
(森田康裕)
安政大地震&平成大地震(原発付)
http://satehate.exblog.jp/16454633/
1854年12月24日(安政元年11月5日、東海地震の約32時間後)日本時間16時頃 安政南海地震(M8.4) フィリピン海プレートがユーラシアプレート下に沈み込む南海トラフ沿いで起きた海溝型地震である。
1854年12月26日(安政元年11月7日) 豊予海峡地震(M7.4)
豊予地震(豊予海峡地震) 1854年12月26日10時ごろ
http://kojishin.iinaa.net/18541226.html
定期検査中の伊方原発3号機でミス 制御棒つり上がる 朝日新聞 2020年1月12日 22時13分
https://www.asahi.com/articles/ASN1D6KH6N1DPFIB008.html?iref=pc_extlink
四国電力は12日、伊方原発(愛媛県伊方町)3号機で、核燃料を取り出すために燃料を固定している原子炉容器内の装置をつり上げる作業中に、核分裂の反応を抑える制御棒(長さ約3・8メートル)1体が一緒につり上がるミスが発生した、と発表した。3号機は定期検査で運転を停止中で、県は安全面の問題はないとしている。
12日は正午前からつり上げを開始。午後1時20分ごろ、制御棒1体も一緒に上がっているのを確認したという。
行き先ないまま…使用済みMOX燃料、全国初の取り出し 寺田実穂子、亀岡龍太 朝日新聞 2020年1月13日 21時32分
https://www.asahi.com/articles/ASN1964X0N19PFIB00C.html
https://www.asahi.com/articles/ASN1964X0N19PFIB00C.html
使用済み核燃料の流れ
四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)3号機で13日午後9時、使用済みになったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)を含む核燃料を原子炉から取り出す作業が始まった。MOX燃料を使うプルサーマル発電は全国の3原発4基で行われているが、MOX燃料が使用済みになり、取り出されるのは初めて。処分方法は決まっておらず、行き先のないまま、敷地内のプールで当面保管される。
四電によると、作業は13日午前0時から始まる予定だったが、12日の準備中に核分裂反応を抑える制御棒1本を誤って引き上げるミスがあり、安全確認や準備のため遅れた。
原発は通常、ウラン燃料を使う。使い終わった燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて作るのがMOX燃料だ。国は輸入に頼るウランの有効利用になるなどとして、プルサーマル発電を進めてきたが、使用済みMOX燃料については、使用済みウラン燃料より発熱量が多く、保管管理上の危険性を指摘する声もある。
伊方原発3号機では、原子炉に…
https://twitter.com/tho9vY5gIpCmPbw/status/1218887549327826946
なかつ @tho9vY5gIpCmPbw
1月14日伊方原発3号機から使用済みのプルトニウム・ウラン混合酸化物MOX燃料が原子炉から取り出された。貯蔵プールに移されたが、発熱量が大きくウラン燃料と同レベルまで冷却するのに百年以上掛かるがプールの耐用年数は50~60年で壁や天井など補強もされてない。活断層が直近を走る。東京新聞