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アメリカは、なぜシリア停戦を潰さざるを得なかったのか Finian CUNNINGHAM ほか

2016-09-23 20:29:09 | 八百長戦争
アメリカは、なぜシリア停戦を潰さざるを得なかったのか Finian CUNNINGHAM 2016年9月20日 Strategic Culture Foundation
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-5a55.html 2016年9月22日 (木)



先週末、デリゾール[Deir Ezzor]近くのシリア軍基地に対する、アメリカが率いた空爆は、きわめて残忍な意図的妨害活動行為だと結論づける確かな理由がいくつかある。一つの極めて強力な理由は、ペンタゴンとCIAは、アメリカ国務長官ジョン・ケリーと、ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフがまとめた停戦計画を潰すために行動せざるを得なかったことだ。

既に脆弱な停戦を破綻させるという抑えがたい欲望は、停戦計画が、シリアに対するテロリスト代理戦争へのアメリカの体系的関与を、耐えがたいほど暴露してしまうせいだ。

それだけでなく、暫定的停戦は、アメリカ政府内で戦争推進の責任を負っている連中をも暴露していた。ペンタゴンのトップ、アメリカ国防長官アシュトン・カーター[Ashton Carter]は、ジネーブで、週末の9月9日、ケリーが、ロシアのラブロフと停戦計画をまとめようとしていた際、ジョン・ケリー国務長官と激しく戦ったと報じられている

セルゲイ・ラブロフと、記者たちが、ケリーが協定に署名するため、ようやく現れるまで、数時間待たされ続けたが、アメリカ国務大臣が遅れたのは、ワシントンの、カーターや他の軍幹部との会議電話で、激しい言い争いをしていたのが原因だと報じられている。ケリーのジュネーブへの慌ただしい出張数日前にも、シリア停戦に関するロシアとのいかなる協定の可能性についても、カーターは貶めていた。

2011年3月に戦争が始まって以来、ペンタゴンと中央情報局(CIA)が、シリア国内の反政府戦士に武器を与え訓練する秘密計画を運営してきたことは、文書で十分証明されている。公式には、アメリカ政府は、“穏健派、厳しく吟味した反政府派”のみを支援していると主張している。ところが、時折欧米マスコミは、アメリカの兵器が“偶然に”過激聖戦戦士ネットワークの手中に落ちたと報じて、アメリカ軍とテロ集団との、より深い陰険なつながりをほのめかすこともある。

“穏健反政府派”を支持しているが、ヌスラ戦線やダーイシュ(ISIS)などのテロ集団として認められている連中との関与は皆無だというアメリカや、他のNATOやアラブの同盟諸国による見せかけが、最近の停戦で暴露されつつあった。

バラク・オバマ大統領とジョン・ケリー国務長官を含むオバマ政権の外交団は、シリアにおけるアメリカの汚い戦争とテロリスト旅団との体系的なつながりの全貌を知らないほど暗愚なのかも知れない。おそらく、このオバマ部隊は“穏健反政府派”と“テロリスト”という二分法のアメリカ政府プロパガンダを信じるほど騙されやすく打算的なのだ。

そこで、9月9日、ジュネーブで、ケリーは、ラブロフとの停戦計画を発表し、アメリカが支援する“穏健反政府派”が、自らテロ集団と離れるようにというアメリカ外交官の呼びかけは、そのような区別が存在するという素朴な考え方からなされた可能性がある。このような無益な呼びかけを、他に、どう説明できようか? (表の芝居)

ペンタゴンとCIAは、そうではない。ペンタゴンとラングレーにいる隠れた戦争商売人連中は、ずっと、卑しむべき真実を知っていた。つまり、シリア国内の全ての戦士集団は、様々な異なる名称や、アルカイダ・ワッハブ派イデオロギーに対する献身の程度が一見違っているにもかかわらず、テロ戦線に統合されているのだ。戦争のマスター連中は、アメリカ政府が、NATOや、アラブの同盟諸国とともに、このテロ戦線のスポンサーであることを知っている。

1980年代、アフガニスタンで、CIAが生みの親となったアルカイダの起源について、十分承知している人なら、シリア紛争における、アメリカのこうした体系的な役割にも全く驚くことはあるまい。

この見方は、一体なぜ、カーターとアメリカ軍の将軍たちが、ケリーのロシアとの停戦計画に著しく反対したのかを合理的に説明できる。彼らは、停戦は、アメリカとテロ集団との間のつながりゆえに、実行不可能なだけでなく、破綻しつつある停戦が、こうした体系的なつながりを更に暴露し、シリア戦争における、アメリカの共謀に関する一般大衆の認識を広く生み出してしまうことを知っていたのだ

そして、明らかになったのは、ペンタゴンとCIAのテロリスト操縦担当者の危惧は実際、根拠があったのだ。ケリー-ラブロフ停戦が、9月12日に実施されてから数日間、以下は、否定しようがない。“穏健派”と“テロリスト”の区別などないのだ。あらゆる戦士集団は、北部の戦場都市アレッポや、シリア中の他の場所で、名目だけの停戦に違反し続けていた。

アメリカと欧米マスコミは、シリア“政権”と、同盟国のロシアが、人道支援に、東アレッポの武装反抗勢力が占領している地域へのアクセスを拒否していることに怒りをぶつけ始めた。しかし、そうした修辞的なゲームでは、あらゆる戦士集団が停戦を破っていて、人道支援輸送車隊がアレッポに入るのを不可能にしている事実を隠すことはできない。トルコ国境から、アレッポにはいる国連トラック車列の経路決定で、シリア当局と協調するのを、トルコ政府が拒否したことを、欧米マスコミは重要視していない他の要素だ。過去に“人道的支援”を、兵器を武装反抗勢力に供給する隠れ蓑としての利用したことが実証されているトルコの関与を考えれば、ダマスカスが警戒を要求するのも、もっともだ。

もたつく停戦は、シリアにおけるアメリカとテロリストの結託の、壊滅的な全世界への暴露になっていたのだ。“テロリスト”ではなく、“穏健派”を支援しているというアメリカのウソが、身勝手な妄想であることが決定的に明らかになった。明らかに、“正当な”反政府派を支援しているというアメリカの主張は、実際のもの通りに見られている - 全くのごまかしだ。これで、アメリカ政府は、シリアにおける政権転覆というアメリカの犯罪的な目的のため、シリア国内のテロリスト代理軍のスポンサーだという、一層のっぴきならない結論に至ることになる。少なくとも理論的には、この暴露は、シリア国家に対する戦争犯罪を行ったかどで、アメリカ政府と同盟諸国を訴訟することを可能にする。

停戦がアメリカの国際的立場を危険にさらす深刻な危険を考えれば、ペンタゴンが、妨害すると決定したと断定しても無理はない。そこで、9月17日、アメリカ、イギリスとオーストラリアの戦闘機が、東シリア、デリゾール近くのシリア・アラブ軍エリート部隊基地を攻撃し、60人以上の軍人を殺害し、更に約100人を負傷させた。

以来、アメリカ、イギリスとオーストラリアは、これは事故で、戦闘機は地域のダーイシュ戦士を攻撃するつもりだったと主張している。アメリカ率いる連合軍は、空爆の調査を実施すると主張している。昨年、アメリカが、アフガニスタンのクンドゥスにある病院を壊滅し、30人以上を殺害したことなど過去何度もあったように、隠蔽されるだろう。

手短に、事故だという、アメリカ連合軍の主張を疑ういくつかの要素を考えよう。シリア軍がF-16とA-10に攻撃されてから10分以内に、ダーイシュ戦士が、シリア軍基地への攻撃作戦を開始したと報じられているのはなぜだろう? これは、連合国空軍と地上のテロリストとの間の協調を示唆している。

二つ目に、何百人もの兵士を擁する軍基地と隣接する飛行場を、寄せ集めのゲリラ部隊と見誤るというのは、高度な空軍力と監視能力に対する信頼性に反する。

三つ目に、ロシアの軍事筋が指摘している通り、アメリカ連合軍は、過去二年間の飛行作戦で、これまで、この地域ではさほど活動していなかった。シリア軍が、デリゾール周辺のダーイシュに対して、効果的な作戦を行っていることが知られていた。アメリカが率いるデリゾール空爆の後、即座にシリアとロシア政府が主張した通り、アメリカの空軍力が、テロリスト部隊を守るために、配備されたことを示唆している。これは、政権転覆のために、シリア戦争丸ごと アメリカ政府によって、なぜ、どのように醸成されてきたかという、より広範な分析と辻褄があう。

しかし、アメリカと同盟諸国が、デリゾールで、意図的に虐殺を実行したと結論づける上で、おそらくもっとも示唆に富んでいる要素は、ペンタゴンとCIAの戦争計画者連中が、欠陥のある停戦が、シリア国内における連中のテロの蛸足を暴露しつつあることを理解していたという前述の主張だ。そして確かに、もしケリー-ラブロフ計画で構想されたような何らかのアメリカ・ロシア共同対ダーイシュ作戦が行われれば、へたな芝居は完璧に吹き飛ばされていたろう。

その場合、必要な事として、一つの事だけなされる必要があった。手に負えず、当惑させられる停戦は潰さねばならなかったのだ。そこで、ペンタゴンは、デリゾールで“間違い”をおかすことに決めたのだ - “間違い”は、アメリカとロシア間の最小限のあらゆる信頼感を台無しにし、非難合戦を解き放ち、停戦違反を急増させた。

アメリカと欧米のマスコミは、隠蔽を支援すべく、おなじみの従順さで対応した。デリゾールにおけるこの虐殺は、おなじ週末の、ニューヨーク市での、死亡者が出なかった比較的小規模な爆発事件撃の方に重点がおかれて、ニュースの話題として、ほとんど無視されている。あるいは報道される場合、特にアメリカ・マスコミは、空爆は事故だったというのを疑問も抱かずに自動的に受け入れている。CNNも、これがアメリカがテロリストと結託している証明だというシリア政府の主張をすぐさま、“ばかばかしい”と切り捨てた。かなり論理的に見える主張なのに。

ニューヨーク・タイムズは、空爆を覆い隠すのに、こういう注釈をしている。

“週末のアメリカ合州国によるシリア軍への不測の爆撃で、アメリカは守勢にたち、内戦における暴力を減らして、人道的支援の道を切り開く取り組みを損なってしまった”。

アメリカのいわゆる一流新聞は更にこう書いている。

“アメリカ合州国は、もし9日前に、ジュネーブでジョン・ケリー国務長官と、ロシア外務大臣によって合意された、シリアにおける停戦協定が崩壊すれば、モスクワがシリア大統領バッシャール・アル・アサドを支援している戦争におけるロシアの二枚舌を暴露することになろう”。

何と皮肉な。ニューヨーク・タイムズによれば、アメリカは停戦協定で“戦争におけるロシアの二枚舌”が暴露されると期待していたのだ。第一週中、平和的な解決を見出すため、自制と献身を示して、しっかり守っていた休戦を、ロシアとシリアは守らないだろうと、連中は計算していたかも知れない。

ロシアの“二枚舌”を暴露するどころではなく、ペンタゴンとCIAがずっと恐れていた連中の代理テロリストとの強い結託ゆえに、アメリカ政府が、犯人として登場することになった。

シリア停戦破壊は、突然に点灯して、アメリカの汚らしい戦争における腐敗と、血まみれの両手をさらけ出しはじめたスポットライトを破壊する必要性のようなものだった。

記事原文

Why US Had to Kill the Syrian Ceasefire Finian CUNNINGHAM | 20.09.2016
http://www.strategic-culture.org/news/2016/09/20/why-us-had-kill-syrian-ceasefire.html



ロシアは降伏するだろうか? Paul Craig Roberts 2016年9月19日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-4efc.html 2016年9月21日 (水)

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実現するために、ロシアが大きな犠牲を払った停戦合意が、既知のシリア軍陣地に対する、アメリカ政府による意図的攻撃によって、挫折させられて、アメリカ政府や、その属国との紛争を避けながら、ヨーロッパへのシリア人と、更なる膨大な難民の流入による混乱を防ぐための、ロシア政府の真摯で、入念な努力は水泡と帰した。

この事実に対する、オバマ政権国連大使サマンサ・パワーの対応で、アメリカ政府がイラクとリビアを陥れた混乱と同じものに、シリアを陥れるという狙いを実現するためには、アメリカ政府は徹底的にウソをつくことが明らかになった。アメリカ政府に、もっぱらアメリカ政府にこそ、シリアにおける戦争に責任がある。イギリス議会とロシア政府が、オバマが意図していた、アメリカによるシリア侵略を阻止すると、オバマ政権は、シリアを侵略するため、聖戦主義者の傭兵に武器を与え、資金を供与し、聖戦士連中が、シリア反政府派シリアにおける民主主義のために戦っているふりをした。サマンサ・パワーは歴史をひっくり返し、戦争を、アメリカ政府がシリアを不安定化するために送り込んだISIL聖戦士と戦うという、シリア政府の依頼に応えた、ロシアによる介入のせいにしている。サマンサが言っているのは、もしロシアがシリア支援に来ていなかったら、アメリカ政府とISILが、とっくにシリアを破壊して、戦争は終わっていただろうということだ。
http://www.informationclearinghouse.info/article45501.htm

ロシア国連大使のヴィタリー・チュルキンは、自分の40年間の外交官経験で、サマンサの振る舞いほど傲慢で、扇動的な ものは見たことがないと述べた。チュルキンは、既知の事実に対するサマンサの、これほど非現実的で歪んだ対応で、いかなる実のある外交的結果も期待できなくなったと言っているようだ。http://www.informationclearinghouse.info/article45502.htm

シリアにおける政治的安定性を破壊し、混乱に置き換えると、アメリカ政府が堅く決めているという結論に、もしロシア政府が、ようやく達したとすれば、何とも長い時間がかかったものだ。

外交が無効であることが明らかになれば、力と力の対決しかなくなるので、ロシア政府は、この結論を懸命に避けてきた。現在の文脈では、これは、熱核戦争と 地球上の生命の終焉を意味する。

これこそが、アメリカ政府による威圧的挑発に対し、対立ではなく、協力を申し出て、ロシア政府が外交的に対応してきた理由だ。

ところが、アメリカ政府は紛争を望んでいるのだ。ロシアは、テロとの戦いで、アメリカ政府が、ロシアと共通の関心を持っているようなふりをしてきたが、テロは、シリア、次にイラン、更には、ロシア連邦や中国のイスラム教の州を不安定化させるためのアメリカ政府の手段だ。

アメリカ政府は、協力ではなく、覇権を望んでいる。サマンサ・パワーが、これを赤裸々に明らかにした以上、ロシア政府は、もはやそうでないふりをし続けるわけにゆかない。ロシア (と中国)は一体どうするのだろう?

もしロシアと中国が、アメリカが両国にもたらそうとしている戦争に対する準備ができていない場合、攻撃に直面して、力を結集しながらも、シリア、ウクライナのロシア派分離州や、太平洋の様々な紛争中の島嶼問題を犠牲にして、両国は撤退するのだろうか? それとも両国は、アメリカ政府のヨーロッパ傀儡に対し、戦争の代償をはっきりさせて、NATO同盟を分解することを決心するだろうか? ロシアと中国に対する、アメリカ政府の攻撃で、ヨーロッパが得るものは、明らかに皆無なのだ。

それとも、ロシアは、外交が行き詰まっていることが証明された以上、何もできないのだろうか?

おそらく、これは最も重要な疑問だ。ロシア政府の一員でない人間として言えるのは、ロシアは、必ずしも完全に、その運命を支配できているわけではないということだ。“汎大西洋統合主義者として知られているロシア政府内の分子は、ロシアにとっては、欧米の一部となり、欧米体制に統合されることの方が、主権国家でいるより重要だと考えている。もし、イギリス、ドイツや、フランスのような旧列強が、アメリカ傀儡となることで、恩恵を得られているなら、ロシアも恩恵を得られるはずだと連中は主張する。

汎大西洋統合主義者連中は、ロシアの戦略的核能力と、広大な領土ゆえ、ロシアは、ある程度の主権を維持することができ、属国として部分的に服従するだけだと主張している。この立場の一つの問題点は、ネオコンが、完全な覇権でないものに満足して、完全な覇権を実現するために、ロシアの弱体化した立場につけ込もうとしないのを想定していることだ。

おそらくロシア政府は、少なくともヨーロッパ諸国政府の一部が、戦争を避け、NATOを離脱する責任を認識し、アメリカ政府の侵略に対する政治的な隠れ蓑をはぎ取るという希望を依然抱いている。多少はそうした可能性もあろうが、主要なヨーロッパ政治家連中は、アメリカ政府に買収され、雇われている。あるアメリカ政府高官が、1970年という昔に、私にこう言った。“連中は我々の手駒だ。連中は我々の一員だ。”

ヨーロッパのマスコミには多くは期待できない。ドイツの新聞フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング元編集者ウド・ウルフコッテは、あらゆる著名ヨーロッパ人ジャーナリストは、CIAに雇われているという本を書いた。http://www.zerohedge.com/news/2016-03-28/top-german-journalist-admits-mainstream-media-completely-fake-we-all-lie-cia

政治家もマスコミも買収されている中、どこからヨーロッパ指導部が現れられよう?

ヨーロッパ人は、雇われ傀儡役に馴れきっている。反乱が成功すると考えるヨーロッパ人政治家も新聞編集者も皆無で、連中は人類のために危険を冒すより、アメリカからのお手当てで豊かになった暮らしを享受する可能性が高い。

重要な疑問は、既存の社会-政治-経済体制が、人類のためになるよう機能しうるのかどうかだ。価値判断の基準が金次第なので、強欲と権力が極めて強力な要素になってしまうため、資本主義文明が、人道的なものであり得るかどうかは明らかではない。人間の悪と無能が、地球環境のみならず、人道的な社会制度をも破壊する可能性がある。グローバリズムは、協力のための構想ではない。アメリカによる支配のためのワシントンの構想だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

寄付のページはこちら

記事原文

Will Russia Surrender? — Paul Craig Roberts September 19, 2016
http://www.paulcraigroberts.org/2016/09/19/will-russia-surrender-paul-craig-roberts/



米ロのシリア停戦合意を破り、米がシリア政府軍を空爆、死者80名 ホワイトハウスはイスラム国を防衛している! ― 2016/09/18 18:16
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/09/18/8193777

今回の米国によるシリア停戦無視爆撃(死者80名以上)の詳しい経緯 ― 2016/09/21 21:16
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/09/21/8196128



デリゾールでシリア政府軍を空爆させた外国人の司令部をロシア軍が巡航ミサイルで攻撃との情報 櫻井ジャーナル 2016.09.23
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609230000/

 ロシア系アラビア語メディアによると、シリア北部の要衝、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部を、シリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが9月20日に攻撃、約30名が殺されたという。死亡者はアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間で、17日にデリゾールでシリア政府軍をF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で攻撃させたのはこの司令部だとされている。

 デリゾールでの攻撃では60名とも80名とも言われる兵士が殺された。アメリカ、そして攻撃に参加したことを認めているオーストラリアとイギリスはミスだとしているが、現代の戦闘システム、現地の状況から考えてありえない。しかも空爆から7分後、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始、空と陸で連携していた可能性が高いことが明らかになった。

 ロシア政府の広報官、マリア・ザハロワはアメリカ軍主導の連合国軍によるシリア政府軍空爆について、「どのように考えても、私たちは恐ろしい結論に到達してしまう。つまり、ホワイトハウスはダーイッシュを守っているのだ。疑いようがない。」と語っているが、アメリカやその「同盟国」がアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュを侵略の手先に使っていることは公然の秘密。当然のことながらロシア政府も熟知しているはずだが、これまで口にしてこなかっただけだ。

 昨年、バラク・オバマ政権は好戦的シフトを強化した。国防長官と統合参謀本部議長はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの危険性を認識していた人物、つまりチャック・ヘイゲルとマーティン・デンプシーから、ロシアを敵国だとし、シリアではバシャール・アル・アサド体制の打倒を最優先する人物、つまりアシュトン・カーターとジョセフ・ダンフォードに交代させている。それを受け、ロシアはシリアで空爆を開始した。

 アメリカの好戦派はロシア軍がシリアで空爆すると予想していなかったようで、慌てていた。シリア政府軍に対する攻撃を指揮したとされる外国人をロシア軍が攻撃、殺害したとする情報について西側メディアは沈黙しているようだが、間違った情報なら、それなりの反応があるはず。巡航ミサイルによる攻撃の情報は正しく、オバマ政権は大きなショックを受けているのだろう。

 ロシア海軍の重航空巡洋艦(空母)クズネツォフ提督が10月にシリア沖に到着、シリアでの軍事行動に参加すると言われているのだが、これまでと違い、シリアに潜伏しているアメリカなど外国の軍人や情報機関メンバーも攻撃の対象になりそうだ。