見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

戦場のメリークリスマス

2021-06-06 | 本と漫画と映画とテレビ
本当に切腹する時脂身がでないよう、
腹筋だけにしようと思っているんだ
ー三島由紀夫


マヂカルラブリーの深夜ラジオで、トトロの挿入歌(トトロが夜中にさつきちゃん達とどんぐりの芽を発芽させ大木にするシーンで流れる曲)と、戦場のメリークリスマスのテーマ曲(Merry Christmas, Mr. Lawrence)と、ファミリーマートの入店曲とがごっちゃになってしまうという話をしていて、

そういえば、映画『戦場のメリークリスマス』が4Kリマスターでリバイバル上映中だったなぁということを思い出し、週末に映画館へ。
(緊急事態宣言の緩和でようやく映画館が開いたかと思ったら、『ノマドランド』が終わっていた…)

戦場のメリークリスマス……
坂本龍一の作った有名なテーマ曲は聞いたことがあるし、爆笑問題の太田光が「メリークリスマス!ミスター・ローレンス!」とビートたけしの前でモノマネしているのは見たことあるけれど、それ以上の知識はほとんどなく。。。
監督の大島渚はボキャブラ天国の審査員という印象。




『戦場のメリークリスマス』(1983年 日・英・濠・新)
監督:大島渚
原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
音楽:坂本龍一
出演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ 他

1942年、日本統治下にあるジャワ島の日本軍捕虜(俘虜)収容所を舞台に、日本軍人と西洋人捕虜との関係を描いた異色の戦争映画。

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まさかのBL…!

まず、冒頭のカマを掘った掘られた事件を処理するハラ軍曹(ビートたけし)の前に颯爽と登場するヨノイ陸軍大尉(坂本龍一)が、『パタリロ』に出てくるバンコラン風のメイクな時点で、「ん?」と若干引っかかるものがある。




後輩から「ヒデちゃん」と愛称で呼ばれたときの中山秀征くらいには、「ん?」という違和感を映画の初っ端で覚えつつも、「4K映像だから従来は目立たないメイクも鮮明にみえるのかな?」なんてこの小さな違和感を紛らわせながら鑑賞続行。

しかし。
物語の進行とともにこれはそういうことなの…?と思い始め、

次第に、(ヨノイさんってば)恋しちゃったんだ多分…。(自分自身でも)気づいてないでしょう??
なんていうチェリーの歌詞のような気持ちで見守っていると

途中、ヨノイさんの部下が、捕虜のセリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)に向かって「ヨノイ大尉を誘惑するなー!悪魔めー!」みたいなことを言うシーンが出てきて、
あ、やっぱりそうだよね。その認識でよかったんだ。と安堵?する。

映画の主軸はハラ軍曹とローレンス氏の徐々に深まる信頼関係(友情というかリスペクトというか…)なのだと思うけれど、私はもうヨノイさんの恋路が気になってしょうがなかった。

そもそも、金曜ロードショー的なやつで観た幼い頃のうっすらと遠い記憶から、最終的に日本人と英国人捕虜が橋を作る話だと思い込んでいたため、最後まで橋が一切でてこないことにびっくり。(これはおそらく『戦場にかける橋』の記憶…?)

なんだか、どうでもいい知識と誤った記憶を持って見たせいか、すんごい感動ー!ということはなかったけれど、映像は綺麗だし音楽もかっこよいし(デヴィッド・ボウイがエア髭剃りをするシーンで流れる曲が、怒りんぼ田中裕二のコーナーで流れる曲だったのだけれど、その関係性がわからずモヤモヤする)、「メリークリスマス!」と声をかけられるミスター・ローレンスの正体もわかってよかった。

そしてなにより、大島渚って監督ホントすごくない?という今更すぎる発見(なんじゃそりゃ)。

ついでに、
今年の3月ごろ、新宿武蔵野館で飾られていた初公開時の海外版オリジナルポスターが、盗まれてから数日後に戻ってきたというニュースも、映画を観終わった今だと、ヨノイ大尉の葛藤を具現化したような出来事だなぁ…となんだか感慨深くも感じられたり…(いや、盗みはよくない)



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