撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ペーチをスケッチ(2)

2020-01-06 19:12:31 | 海外生活

 ペーチ (Pécs) はハンガリーの中でも、1,2を争う美しい都であり、ダウンタウンを

スケッチしないわけにはいかないだろう。 

<スケッチ>

  街の中心はセーチェニ広場                     Jan. 05 2020 筆

  街の人口は 16.5万人 で、ハンガリー第4の都市であり、バラニャ県の県庁所在地。

 緑の丸屋根はイスラム教のモスクでオスマントルコ軍が残したハンガリー随一の置き土産で、

 現在はカトリック教会として使われている。                                  Nov. 11 2018 撮

 

■ ペーチ・マーロム (Pécs-Málom) 聖ヨージェフ教会

<スケッチ>                           Jan. 04 2020 筆

 日本では、いざ知らず都会の住宅地に、こんな古刹がと思うほど住民と共存している教会で

 12世紀にロマネスク様式で、まずは外観の茶色の部分が建てられた(内陣と祭壇部外観)。

  後に16世紀には白い部分(塔も含む)がバロック様式で増築され、19世紀には北側の

  建物が改築された。

  東側から見た教会                         Jan. 01 2020

       半円形の祭壇部と外壁に刻まれた紋様はロマネスク様式の特徴。

 

 10年前(新しい墓標と案内板が増えた)                Feb. 22 2009

     

                 スリット様の細長い窓は、ゴシック建築様式でも見られる。

 

 右側の南門(茶色)はロマネスク様式で、上が丸く下に彫刻が施されるケースもある。

 

                                   Jan. 01 2020 

 

 <教会内部>

 茶色の内陣部分には、興味深い壁画が塗り潰した漆喰をそぎ落とした所々の部分で散見できる

   Feb. 22 2009

 

 祭壇との境のアーチ門部                                                                 Feb. 22 2009

 

 祭壇の天井部                                                                                

 

 

 南門側の壁面

    Feb. 22 2009

 

 北側の壁面と説法台

   Feb. 22 2009

 

 白い建物の方は、紋章のような壁画があるが、これと云った興味深い物はなし。

 

<ロケーション>

  

 

 

   これにて「ペーチをスケッチ(2)」は、お終いです。

   本ブログへのご訪問、有難うございました。


ペーチをスケッチ(1)

2020-01-05 04:36:17 | 海外生活

 ペーチ (Pécs) はハンガリー南部に位置し、クロアチアに近く、毎年1回は訪ねる最も気に

入っている街の一つである。 古代、中世の時代に渡ってハンガリーの建国上、重要な役割を

果たして来た、とりわけペーチ近郊には中世の古刹が多く残っており、再度じっくり見て回り、

スケッチなどするのも面白い。

 

■トゥーロニィ改革派教会 (Túrony református templom)

                                  Jan. 04 2020 筆

  教会自体はアルパート王朝時代より存在し、14世紀になって現在実在する塔を除く部分

 (内陣+祭壇)がゴシック様式で建立された。 18世紀になって、内陣はバロックで改築

 され、1827年には塔が増築された。             

                                                       Dec. 30 2019 撮

                    

 スリット様の細長い窓(上の5個と祭壇側の2個)と建物補強用の脚ゲタがゴシック様式。

 

  教会入口               祭壇がある後方

   Dec. 30 2019 

 

 ● 教会内部                              Dec. 30 2019

                                                                                                   Nov. 22 2008

  現在は改革派(カルヴァン)の教会として使用されているが、11年間、時間が止まった

 かの如く何も変わっていない。  世界モニュメント復興事業団のサポート申請をしていた 

 ようだが、却下されたようだ。  

 祭壇や装飾具は何処かに持ち去られ、壁画は漆喰で塗り潰されている状況では、建物が古く

 とも歴史的価値がないと判断されたのであろう。 実は、オスマントルコ軍の通った地域には

 こういった教会が非常に多いのだ。 これも一つの歴史なのであろう。

                                    Nov. 22 2008  

 

 内陣の壁や祭壇内には、かつて壁画が描かれている形跡はある。

   Nov. 22 2008

 

                                  Dec. 30 2019

 

■ マーンファ (Mánfa) ローマカトリック教会

  この教会もまた、同様な危機的状況に置かれており、現在は閉鎖されたままで使われている

 形跡はない。 もはや管理もされていなくイタズラ書きが虚しい。

<スケッチ>                            Jan. 04 2020 筆

  アルパート王朝時代の12世紀に、ロマネスク様式で建立されたがオスマントルコ軍

 の襲撃により一度は破壊されたが、オスマン帝国の去った後の15世紀より随時再建され、

 今日の姿になっている。                     Dec. 30 2019 撮

 

                                   Nov. 11 2018

 

                                                                                                      Dec. 30 2019

 

 塔の真ん中をコラム(円柱)で仕切るのは典型的なロマネスク様式だ。

    Dec. 06 2008

 

 塔横の入口門とスリット様の窓は14世紀の後半に、ゴシック様式で拡張された。

  

 

  南門はコラム(円柱)を両サイドに飾った美しいロマネスク様式であるが、脇のイタズラ

 書きには悲しい気持ちにさせられた。                   Dec. 30 2019

 

 内陣は祭壇も無くなっており、古そうな物は手水鉢くらい。        Dec. 06 2008

 

<ロケーション>

  

 

 

  これにて「ペーチをスケッチ(1)」は、お終いです。

  今年も本ブログを宜しく、お願い申し上げます