撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

バラトン湖をスケッチ(9)ピパチを探し求めて

2020-05-21 01:06:06 | 海外生活

 ピパチ (pipacs) はハンガリー語であり、英語ではポピー(poppy) 、フランス語では

コクリコ (Coquelicot) 、中国語では虞美人草、日本語ではヒナゲシ、いずれの呼び方も

世界中でポピラーになっており、人々から愛されている花である。

人工的な栽培もあるが、一般的には野に咲く雑草である。 花の咲き終わった種子が

風に吹かれて、人やクルマなどに運ばれて翌年に思わぬ所で繁殖する。

種子が停滞する所、例えば土手とか樹の脇とか、そして停滞する場所が大きい所では、

例えば盆地などでは群生し、素晴らしい光景を提供してくれる。

そんな開花のプロセスから、私の経験より、毎年、群生する場所が同じ場所でないようだ。

(野生でなすがままなのが好きである)

5月の初旬からが開花時期で、その場所を探すのが恒例の楽しみになっている。

地形的に盆地の多いバラトン湖の北岸沿いに、ピパチの群生を見つける可能性が高い。

 

 

 次に示すマップは過去に遭遇したピパチの群生の位置と時期である。

残念ながら、二度と同じ場所にピパチの群生を見たことがないのである。

 

 探索のスタートは前回のブログが終わった地点のメンチヘイ (Mencshely) からと

した。 .... ここはバラトン湖周辺で最も風光明媚な盆地 Dörgicse & Kali-medence の

北の入口にあたる。

ドゥルギチェ (Dörgicse) の村を通り、バラトン湖畔を目指す。

スケッチをしてみたい気分の場所。

  

                                   May 14 2020

 

① バラトン・ウドヴァリ (Balaton udvari) ... 番号は上記地図内番号と一致

 今年2020年は昨年に引き続き、ピパチの群生は見られなかった。     May 20 2020

 

<過去2018年の状況>                       May 20 2018

 

② ウルヴェニェシ  (Örvenyes)

 2020年はピパチの群生はなく、数輪が忘れ去られたように咲いていた。

                                May 20 2020

 

 但し、ここより北に数km 先のアソーフォー (Aszófő) に移った感じであるが

群生というには少な過ぎる。                   May 20 2020

 

<去年2019年の状況>                      May 24 2019 

 

③ バラトン・レンデシュ (Balaton rendes)

 今年2020年は、ここにもピパチの群生は見られなかった。      May 20 2020

 

<過去2018年の状況>                      May 20 2018

 

4.針山 (Hegyes-tű) の麓   .... カーリ盆地の中にある

  今年2020年もまた、ピパチの群生はなく、カーリ盆地を縦断する道路沿いには

 もう何年も見掛けていない。 最も素晴らしい場所であったのに....

                                  May 14 2020

   向こうの尖った山が通称、針山である。

 

<過去2008年の状況>                       May 24 2008

 

<補足説明> カーリ盆地 (Káli-medence) とは、......

 大昔にバラトンの火山活動で出来た山々に囲まれた盆地で、バダチョニ山 (Badacsony-

  hegy)  の麓から北へ針山 (Hegyes-tű) 付近までの12 km の距離で、面積で9000 ㎡ の

  平らな窪地である。 探検家のカール何とかさんが最初に紹介したことで名付けられた

  と記憶している。

 

バダチョニ山からのバラトン湖を眺める風景は、随一だろう。 すかさずスケッチ、

 

    対岸はフォニョード (Fonyód) 

 

 盆地の南端 .... 正面に見える山がバダチョニ (Badacsony) で標高437mである。

                               May 14 2020

 

 

 北の端の針山 (Hegyes-tű) まで

 

⑤ トォトヴァージョニ (Tótváysony)

 今年2020年は、一面の麦畑に生まれ替わり、ピパチは一輪もなかった。

                                May 14 2020

 

<過去2018年の状況>                                                                            May 21 2018

 

⑥ バラトン・フーカヤール (Balaton főkajár)

  今年2020年は、M7高速道路の新ジャンクション開通もあり、土地の掘り返しが

 あった為か、昨年よりピパチの群生は見られなくなった。

                                     May 20 2020

 但し、710号線の準高速道路沿いの土手に移動したようだが、群生とは言い難い。

                                May 14 2020

 

<過去2018年の状況>                      May 18 2018

 

<ピパチの群生スケッチ>

 カーリ盆地 (Káli-medence)

  

 

 トォトヴァージョニ (Tótvázsony)

  

 結局、今年2020年はピパチの群生を一つも見掛けることがなかった。

これも新型コロナウイルス騒ぎがこんなところまで影響しているのだろうか?

(ピパチの種子の運び屋であったクルマやハイカーが自粛しているせいなのか)

 

 これにて「バラトン湖をスケッチ(9)ピパチを探し求めて」は、お終いです。

 本ブログへのご訪問、有難うございました。

 

 

 

 


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (love)
2020-05-21 08:45:04
loveです。

おはようございます。

素敵な風景ですね。
そこに立っていると、心にすぅ~っと風が吹き抜けるような気がします。
行ってみたいなあ・・・!

でも、もう、海外旅行は無理かも・・と思って、半分諦めています。

だって、一緒に行ってくれる人が、もう、いませんから。
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Unknown (stagea_1963 さえちゃん)
2020-05-21 09:16:21
こんにちは。
こちらは、昨日、今日、少し涼しいです。
うわぁ〜いい所ですね〜時間も何もかも忘れてしまいそうです。

スケッチ、待っていました〜!
やっぱり絵はがきにしたい♡
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loveさん (Balaton620)
2020-05-21 12:31:47
コメントありがとうございました。
確かに、ここは良いところですね。 欲を言えば地中海くらい暖かければ最高なんですか。 でも四季のない国にも住んでいましたが四季があった方が情緒があって良いですね。 一緒に来れる人が出来ましたら、アッシーくらいは出来るとは思いますが。 仕事の関係で中・東欧のことはちょっと、精通したようです。
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さえちゃん先生へ (Balaton620)
2020-05-21 12:55:09
コメントありがとう。
こちらは雨は少ないのですが、ちょっと曇り空の薄ら寒い日が続いています。 今年は不思議なくらい日本の天気(関東地方と)とリンクしているようです。
目標(ハンガリーの中世の教会150箇所のスケッチ)達成の為、張り切って描いているのですが、果たして生きている間に完了するのか??? 私にとっては四国88箇所巡りのようなんですよ、宗教的な意図はまったくないのですが。
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ピパチ ! (ひろ)
2020-05-21 14:58:40
こんにちは。
ピパチ、ヒナゲシって栽培されているのではなくて雑草なんですね。
日本の公園に咲くヒナゲシとはスケールが違って素晴らしいくて、毎年同じところに咲くのではないのもいかにも自然です。広々した草原と湖と輝くピパチ、その場所に立ってみたいです。

写真も素晴らしいのですが、今日の絵の広がり奥行き透明感に引き込まれてしまいます。中でも一番上の絵が大好きです!やはり現地にお住まいの方にしかわからない空気や風があるのでしょうね。羨ましく思いました。
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Unknown (shoko)
2020-05-21 18:14:44
ものすごい群生ですね。これが自然に風に吹かれて咲いたとは。雑草でも、園芸植物でも同じところを嫌う植物はたくさんありますね。うちでもこぼれだねで咲かせている花があるのですが同じところに種を落とすと翌年はあまり咲きません。別のところに落としています。しかしこのけしは真っ赤で見ごたえがありますね。
素晴らしい風景をありがとうございました。
shoko
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ひろさん (Balaton620)
2020-05-21 19:07:13
コメント有難うございました。
如何ですか充分、充電は出来ていますか。 早く戻って来るのを待っています。
私は先日、生まれて初めて救急車なるものの世話になりました。 去年あたりから慢性の肺炎気味なんです、病院で人工呼吸器を使ってすぐに治ったのですが、、新型コロナウィルスで亡くなるってこういうことなのかと思いました。 これからこういうことが何回か続いて、体力の最も落ちた時が、さよならする時かと思うとのんびりして居られないなあとちょっと焦ります。 目標達成できるかなぁ。 誰も貰ってくれない絵をせっせと何なんでしょうかねぇ。 でも写経をやっている気分なんです。 描いている時に過去のいろんな事を思い出されくれます。 早く、コロナ騒動が終息して欲しいですね、飛鳥に行かなければ。 ではまた
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ピパチの群生 (Balaton620)
2020-05-21 19:22:05
shokoさん、
コメント有難うございます。
ここは貧乏な国ですから何もないのですが、自然だけは自慢出来ますね。 それといつまでも放っておかれる歴史の遺物、このコラボが堪らないですね。
これからはラベンダー、麦畑、ヒマワリが野を覆いつくします(これらは人工的に造られるのですが)、大いに期待しています。 今度はどんな風に撮ろうか、描こうかと思案中です。 
では乞うご期待を。
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Balatonさん、こんばんわ (たか)
2020-05-21 23:34:17
今日も素敵な絵を拝見させて頂きました。心が癒されるBaratonさんのタッチがとっても好きです。
私はハンガリーには行っておりませんが、この景色を見ている内にトスカーナ地方が思い出されて来ました。

私がヨーロッパを旅して先ず感動したのが車窓から眺めたヒナゲシの群生でした。
Balatonさんのお話に寄れば種が飛び他所で群生を作るのは理解できますが
今まで咲いていた場所に必ずしも咲くとは限らないと言うのが??でした。
何だかジプシーの様ですねぇ(笑)

針山の手前に群落するヒナゲシのお写真、気に入りました。
寝室の壁に飾りたいです。

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ヒナゲシの花 (Balaton620)
2020-05-22 00:47:23
たかさん、
コメント有難うございました。
そうですね、トスカーナ地方はハンガリーに似ているところがありますね。 車窓の風景は牧歌的、葡萄畑や広大な草原が続いて長閑ですね。 但し、私の車窓はクルマなんです。 びっくりされるかも知れませんがバラトンからはイタリアの北部は割と近いのです(高速道路一本ですから)。
そうですねハンガリーにもジプシーが多く住んでいますからね(東欧にはいっぱい)、哀愁のジプシー音楽とヒナゲシの草原は、多分よくマッチするでしょうね。 私は写真家ではないので写真は自由にお使い下さい。 では、また
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