撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

パンノンハルマをスケッチ

2020-08-16 21:01:33 | 海外生活

 本日の目的地はジュール (Györ) から国道82号線で20Km ほどの所にある。

因みにジュールはブダペストからウィーンまでの中間点(約120km)にある大きな街。

目的地のパンノンハルマ (Pannonhalma) は、「パンノニアの聖なる丘」と呼ばれ、

ハンガリーのキリスト教信仰の出発点となった地であり、1996年にはユネスコの世界遺産

に登録された。

丘の上には修道院教会、礼拝堂、学校、古文書館といったベネディクト派の宗教施設が

すべて揃っており、敷地内には農園などもあり自給自足の生活を続けて来た。

 

<国道82号線からのスケッチ>

  

  修道院の隣に千年記念館、ちょっと離れた丘の上に聖母マリア礼拝堂。

  8月が過ぎるとコウノトリもアフリカヘ帰る準備で忙しくなる。

  (この辺りには電柱の上に多く見掛ける)

 

<ロケーション>

 

1.パンノンハルマ修道院 (Pannonhalmi Főapátság)

  修道院は996年に、ハンガリーの初代国王イシュトヴァーンの父であるアルパート

 王朝時代の大首長ゲーザ (Géza) がチェコのボヘミアからベネディクト派の修道士を

 招き、ハンガリー国内への宣教活動の為にこの地に修道院を創建した。

 父の死後(997年)意志を継いだイシュトヴァーンは、ここを「パンノニアの聖なる

 丘」と定めて、ハンガリーのキリスト教化を推し進めた。

 今日見られるような後期ロマネスク様式の姿になったのは、国王アンドラーシュ2世

 の時代の1224年であった。

 その後、13世紀のタタール(モンゴル)人の襲撃、14世紀のオスマントルコ軍の

 襲撃で破壊、再建、改修を繰り返して来た。

 

 ● 麓の村の中心から  .... 以下の画像はすべて、Dec. 15 2007 に撮影したもの   

 

 ● 反対側が宗教施設の入口となる。

  こちら側には自然保護公園、葡萄畑、ラベンダー、薬草園があり遠くはドナウ川

 を望む絶景が広がる。

 

 ● 修道院教会入口(塔の高さは55m)

  

 

 ● 1001年完成の聖マルティン礼拝堂と説教台

    

 

 ● 祭壇の向かい側に据えられた大きなオルガン

  

 

 ● 他の教会ではあまり見かけないインポス(円柱が伸びる起点)上の人面彫刻

  

  

 

 ● 回廊部には美しいステンドグラスと煌びやか装飾の祭壇

  

  

 

 ● 修道院内に所蔵されている聖母マリアの絵はお宝であるらしい。

  

 

2.古文書館

  30万冊以上の蔵書があると云われており、宗教書のみならず各分野の書物が

 集められている。

  

 

3.千年記念館 (Millennium monument)

  国家の建国1000年を記念して1896年にハンガリー国内に7つのミレニアム・

 モニュメントが全国に建てられたが、そのうちの一つが修道院横に建てられた。

 

4.聖母マリア礼拝堂 (Boldogasszony kápolna)

  1714年に建立、1865年に改修された。 当初はベネディクト派でないキリスト

 教徒の為に建てられたようだ。

  

 

  これにて「パンノンハルマをスケッチ」は、お終いです。

  本ブログへのご訪問、有難うございました。