本日の目的地はジュール (Györ) から国道82号線で20Km ほどの所にある。
因みにジュールはブダペストからウィーンまでの中間点(約120km)にある大きな街。
目的地のパンノンハルマ (Pannonhalma) は、「パンノニアの聖なる丘」と呼ばれ、
ハンガリーのキリスト教信仰の出発点となった地であり、1996年にはユネスコの世界遺産
に登録された。
丘の上には修道院教会、礼拝堂、学校、古文書館といったベネディクト派の宗教施設が
すべて揃っており、敷地内には農園などもあり自給自足の生活を続けて来た。
<国道82号線からのスケッチ>
修道院の隣に千年記念館、ちょっと離れた丘の上に聖母マリア礼拝堂。
8月が過ぎるとコウノトリもアフリカヘ帰る準備で忙しくなる。
(この辺りには電柱の上に多く見掛ける)
<ロケーション>
1.パンノンハルマ修道院 (Pannonhalmi Főapátság)
修道院は996年に、ハンガリーの初代国王イシュトヴァーンの父であるアルパート
王朝時代の大首長ゲーザ (Géza) がチェコのボヘミアからベネディクト派の修道士を
招き、ハンガリー国内への宣教活動の為にこの地に修道院を創建した。
父の死後(997年)意志を継いだイシュトヴァーンは、ここを「パンノニアの聖なる
丘」と定めて、ハンガリーのキリスト教化を推し進めた。
今日見られるような後期ロマネスク様式の姿になったのは、国王アンドラーシュ2世
の時代の1224年であった。
その後、13世紀のタタール(モンゴル)人の襲撃、14世紀のオスマントルコ軍の
襲撃で破壊、再建、改修を繰り返して来た。
● 麓の村の中心から .... 以下の画像はすべて、Dec. 15 2007 に撮影したもの
● 反対側が宗教施設の入口となる。
こちら側には自然保護公園、葡萄畑、ラベンダー、薬草園があり遠くはドナウ川
を望む絶景が広がる。
● 修道院教会入口(塔の高さは55m)
● 1001年完成の聖マルティン礼拝堂と説教台
● 祭壇の向かい側に据えられた大きなオルガン
● 他の教会ではあまり見かけないインポス(円柱が伸びる起点)上の人面彫刻
● 回廊部には美しいステンドグラスと煌びやか装飾の祭壇
● 修道院内に所蔵されている聖母マリアの絵はお宝であるらしい。
2.古文書館
30万冊以上の蔵書があると云われており、宗教書のみならず各分野の書物が
集められている。
3.千年記念館 (Millennium monument)
国家の建国1000年を記念して1896年にハンガリー国内に7つのミレニアム・
モニュメントが全国に建てられたが、そのうちの一つが修道院横に建てられた。
4.聖母マリア礼拝堂 (Boldogasszony kápolna)
1714年に建立、1865年に改修された。 当初はベネディクト派でないキリスト
教徒の為に建てられたようだ。
これにて「パンノンハルマをスケッチ」は、お終いです。
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