宿泊者8人が死亡、10数人が重軽傷を負った川崎市日進町の簡易宿泊所の火災は、不幸な日本の高齢者社会の一面を浮き彫りにした事件だ。すでに事件から4日も経っているのに8人の犠牲者のうち身元が判明したしのは僅か一人である。マスメデイアは、連日、焼失した建物が違法建築物であったかどうか、消防署の立ち入り検査を伝えているが、亡くなった方の身元探しの方が先決ではないだろうか。
東京の山谷、大阪の西成、横浜の寿町などに簡易宿泊所、ドヤ街があるのは一般にも知られているが、川崎市の日進町に40軒もの施設があったことを僕は知らなかった。若い頃、川崎には競輪、競馬や川崎球場へ何度も行き繁華街でも度々飲んだことがあったが、日進町のドヤ街の存在は知らなかった。しかも、利用者の宿泊人の大半が65歳以上の高齢者で、生活保護の受給者だとは驚きである。
しかし、200万人をこす生活保護受給者の4割は65歳以上の高齢者である。大都会で、独り暮らしの老人たちがヒッソリと生活するには、こういった簡易宿泊所が最も手とり早いのかもしれない。日進町の簡易宿泊所の犠牲者も、おそらく、こういった人たちかもしれない。しかし、僕が解からないのは、生活保護費を支給している役所での受給者との連絡対応が、どうなっているかという点である。
日進町の簡易宿泊所は京浜急行とJR南武線が交差した「八丁畷(なわて)」駅の近くにあるが、ここには江戸時代の俳聖、芭蕉の句「麦の穂をたよりにつかむ別れなり」の句碑と「八丁畷の由来と人骨」という慰霊碑が建っている。人骨は昭和の初め、開発事業のさい、江戸時代の人骨が多数発掘されたもので、おそらく川崎宿があった時代、災害で亡くなった無宿人の骨ではないかという。 因縁を感ずるが、一日も早く犠牲者の身元が判明し、成仏されることを祈っている。
東京の山谷、大阪の西成、横浜の寿町などに簡易宿泊所、ドヤ街があるのは一般にも知られているが、川崎市の日進町に40軒もの施設があったことを僕は知らなかった。若い頃、川崎には競輪、競馬や川崎球場へ何度も行き繁華街でも度々飲んだことがあったが、日進町のドヤ街の存在は知らなかった。しかも、利用者の宿泊人の大半が65歳以上の高齢者で、生活保護の受給者だとは驚きである。
しかし、200万人をこす生活保護受給者の4割は65歳以上の高齢者である。大都会で、独り暮らしの老人たちがヒッソリと生活するには、こういった簡易宿泊所が最も手とり早いのかもしれない。日進町の簡易宿泊所の犠牲者も、おそらく、こういった人たちかもしれない。しかし、僕が解からないのは、生活保護費を支給している役所での受給者との連絡対応が、どうなっているかという点である。
日進町の簡易宿泊所は京浜急行とJR南武線が交差した「八丁畷(なわて)」駅の近くにあるが、ここには江戸時代の俳聖、芭蕉の句「麦の穂をたよりにつかむ別れなり」の句碑と「八丁畷の由来と人骨」という慰霊碑が建っている。人骨は昭和の初め、開発事業のさい、江戸時代の人骨が多数発掘されたもので、おそらく川崎宿があった時代、災害で亡くなった無宿人の骨ではないかという。 因縁を感ずるが、一日も早く犠牲者の身元が判明し、成仏されることを祈っている。