「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

後期高齢者医療費の窓口負担増は年寄りいじめ

2015-05-21 05:30:29 | Weblog
安倍総理が議長を務める政府の財政諮問会議で、民間議員の中から、資産や収入が多い後期高齢者の医療費窓口負担を上げるべきだと提案があった。75歳以上が加盟する後期高齢者医療保険制度によると、住民税課税額が一定以上ある層に対しては、現役並みの3割負担だが、この負担額を上げるべきというのか、それとも3割層の枠を拡大すべきというのか判らないが、僕にはこれは高齢者いじめの発想としか思えない。

先日、僕は小ブログで一昨年まで医療費3割負担だったが、膝の人工関節手術後、身障者4に認定され、多分それによる税金控除によるものだろう。昨年4月から、窓口負担が1割になった、と書いた。このブログを見た70年来の旧友の一人が、メールで、その詳細を教えてくれと言ってきた。旧友は80歳過ぎだが、依然、会社を経営しており、恐らく3割負担なのだろう。そして、多分、負担の矛盾に悩んでいる一人なのだろう。

僕ら年金が主な収入源の後期高齢者にとって、窓口負担の3割と1割とでは大違いである。3割負担の時には3か月に1度の定期診断(膀胱ガンの内視鏡検査)の際にはいつも支払いに1万円札が必用だったが、1割では1ケタ違うお札でも間に合う。診察の内容は違うが、昨日、大腸ガン手術後のCT検査の結果を聞きに行き、整腸剤1か月分貰っても支払いは千円札でおつりがきた。

国家全体の収入からみれば、後期高齢者の医療費窓口負担を上げたからといっても微々たるものだ。わが国では昔から長寿を祝う良習があり、還暦(60)から始まって白寿(99)まで節々のお祝いがある。超高齢者時代到来による高齢者医療費の増大が、医療福祉制度の根幹を揺るがす問題になっているのは了解しているが、「残薬」など、もっと手を付ける問題があるのではないのだろうか。