「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

時代が変わって抵抗がなくなったカーキ色の二つの新聞全面広告

2022-03-19 08:49:52 | 2012・1・1

今朝の購読紙「産経新聞」(首都圏版)を見たらカーキ色を大きくバックにした全面広告が二つもあった。1つは新販売の清涼飲料水、他の一つは作家池波正太郎生誕100年を記念した映画化の予告のPR。91歳の老生にはあまり訴求しないが、おなじ日の紙面に同色のあまり見慣れない色の広告が重なると効果があるのかも。戦後生まれが三分の二だと、カーキ色と言っても説明が要するかもしれない。戦後1993年出版された広辞苑によると、枯草色で陸軍の軍服色とある。戦時中旧制中学生だった老生らはカーキ色の学生服に戦闘帽、ゲートルを巻いて軍需工場へ通った。

老生らの世代はカーキ色に強い嫌悪感と抵抗感がある。敗戦から最初の日曜日の8月17日のの亡父の日記には「住民の間には早くも防空頭巾やゲートルはずして街を歩き、、カーキ色の服を脱ぐもの持出てきた] とかいてある。着るもの不足区から,闇市では旧軍服が売られてはいたが、カーキ色ではない海軍の予科練服が好まれ、白いマフラーや短靴が若者の間に好まれた。

ベトナム戦争の頃、,迷彩色の米軍の軍服まがいのシャーツが日本でも好まれ流行したがあまり,抵抗感はなかった。しかし、全面広告のカーキ色はまさに老生らが教練で苦しんだあのカーキ色である。80年前の昔を思い出した。若い広告クリエーターには、このカーキ―色へのいやな思い出や嫌悪感はない。