「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          生活保護の「老人加算」

2010-06-27 05:34:52 | Weblog
北九州市の79歳から92歳までの老人39人が生活保護の老人加算廃止は違法だと
している訴えに対し福岡高裁は先日、老人たちの訴えを認める判決を全国で初めて
くだした。これに対して国は、ただちに控訴する手続きをとったが、同年代の年寄りの
一人として色々考えさせられる。

生活保護を受けている70歳以上の老人に出ていた「老人加算」が段階的に減額され、
2006年に全面的に廃止となった。加算額は最高額の東京で月17980円で、地域に
より違いはあるが、1万円台である。これに対して廃止は憲法違反だとして全国6か所
で老人から訴えがだされて係争中である。

生活保護を受けている老人は無年金者か年金を受けていても生活保護支給額より低
額の人たちである。個人差はあるが、70歳以上の老齢になると、働きたくとも仕事はな
いし、僕の体験でいうと、75歳の後期高齢の年齢になると体力が急に落ちてくる。

幸い僕の場合は平均的な厚生年金受給者で、家も持ち家であるから恵まれた老人の
部類にはいる。加齢とともに現役時代に比べ生活もシンプルになり、支出も減ってくる
ことも事実だ。しかし、一方、増えてる支出もある。冠婚葬祭費のうちの葬祭費だ。

80歳以上の高齢者というと、直接従軍していなくても、なんらかの形で青春時代、お国
のために働いてきた世代である。もちろん、若い頃から生活保護を受けていた人は少な
いだろうし、いわんや「父子加算」や「母子加算」などの恩恵など受けていない。政府の
考え方は、年寄りは社会の障害だというのであろうか。最高裁への控訴を発表した長妻
厚労相の顔にそれが読み取られた。