「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        民主党の”とかげのしっぽ切り”

2010-06-09 04:47:45 | Weblog
”とかげのしっぽ切り”という言葉がある。広辞苑によると”尾を押さえられたとか
げが、それを切り離して逃げるように、問いつめられた責任を下位の関係者にか
ぶせて逃げる”とある。僕はこの意味は、そうではなくて、とかげのしっぽは切ら
れても再生してくるから、切っても無意味なことを言うのだ、と解釈していたのだ
が違っていた。

民主党の”鳩山・小沢ダブル辞任”から僕はこの”とかげのしっぽ切り”を連想し
た。むろん、しっぽは小沢一郎氏のことだ。一般の国民世論は、菅直人・新総理
が小沢氏を切り捨てた、と思い内閣の支持率は急上昇した。しかし、一方では小
沢氏は不死身だ。小沢氏が選挙区へ配ったテープが、その証拠だという説もある。

そんな中で菅内閣がそれほど陣痛も伴わずにスタートした。鳩山”おばかさん”総
理の迷走の後だけに国民はほっとしたのが実状かもしれない。が、菅新内閣は難
問山積、総理の指導力もまだ未知数である。それに切りはなした”とかげのしっぽ”
がまだ生きていて再生してくるのかどうかも判っていない。

菅総理は昨夕の記者会見で、小沢氏は幹事長の要職を辞めたことで、一定の政治
的みそぎは済んだ、といった意味のことを言っていた。また、小沢氏に対して”しばら
く静かにしてくれ”とも言っている。しかし、国民は鳩山内閣が、8か月にわたって迷
走した責任の一端は、小沢氏の”政治とカネ”の問題であると思っている。

国民が今、一番望んでいるのは政治の安定である。切り捨てた”とかげのしっぽ”が
再生されることは望んでいない。きっぱりとした政治的なけじめを望んでいる。