「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     年寄りは働くしか能力はないのか 麻生総理

2009-07-26 04:16:40 | Weblog
麻生総理は時々口をすべらすのか、あるいは本心なのか変なことを言う。昨日も横浜
のJC(青年商工会議所)で挨拶し”高齢者は働くしか能力がない。その才能をもっと使
い働けるようにすれば納税者になる”という意味のことを言ったそうだ。後期高齢者の一
人として総理の言わんとする意味が解らんではないが、やはり年寄りへの配慮に欠け
揶揄した発言だ。

麻生総理は昭和15年生まれ、誕生日がきて69歳になる"老人”だが、僕ら後期高齢者
からみればまだ若くて元気である。総理は挨拶の中で"65歳以上の老人で介護を必要
としない人は8割もいる”と言っていた。僕もその一人だが、同じ老人でも65歳と80歳と
では体力も気力もかなり違う。それでも働くしか能力がないと言うのか。

個人的なことになるが、僕ら夫婦は厚生年金、国民年金の他に僅かな収入があるため
”現役なみ”の納税者であり、健康保険の自己負担も3割である。だからと言って決して
働くしか能力がないとは思っていない。総理は"80歳を過ぎれば遊びは覚えられない。
手習いなんか出来ない”と失礼なことを言っていた。総理は人間は死ぬまで働けという人
生観かもしれないが、僕も含めてそうではない人間もいる。

日本の労働力調査(平成17年)によれば、65歳以上の高齢者の就業率は日本の19・4%
に対し欧米諸国はフランス1・3%、ドイツ3・4%、高い英国でも6・7%である。日本の就業
率が高いのは農林業への従業者が高いこともあるが、つい先日、麻生総理は衆院解散に
際して国民に"安心社会”を呼びかけていた。そして高齢者に安心して老後を送れるように
約束していた。僕の先輩は戦争中の軍人恩給まで収入に加算されて来年90歳を迎える
というのに昨年から健康保険が3割の現役なみ自己負担にされた。このため楽しみにして
いたフランス語勉強の塾通いを中断せざるをえなくなった。

麻生総理、人間は働くだけが人生ではないのです。