「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”高速水着”と六尺フンドシ

2009-07-29 05:03:00 | Weblog
ローマの世界水泳選手権は”高速水着”の着用で世界新記録のラッシュだという。
初日からの8種目のうちなんと6種目で世界新が出ている。なかでも女子400自由
型のイタリアの選手が女性で初めて4分の壁を破って3分59秒15の世界新記録を出
した。”世界のトビウオ”こと古橋広之進時代を知る僕らにとっては、ただただ驚きだ。

僕も古橋さんとほぼ同じ時代に関東大学選手権で泳いでいるが、昭和23年、古橋さ
んが当時400m自由形で驚異的な世界記録で泳いで優勝した時のことを昨日のよう
に覚えている。4分33秒4である。この記録は、その時同時に行われたロンドン五輪
の金メダルの記録よりもちろんよい。60年の年月の流れの中で、今やその記録は高
速水着の女性選手によって軽々と破られてしまった。

インターネットに古橋さんと同時代の立教大学水泳部の記録が載っているが、当時は
戦後すぐの時代で,物がなく水泳選手は練習時、幅20cmの六尺フンドシで泳いだ。
試合では、この上にスフと呼ばれた人絹のパンツをはいた、とある。僕が25、26年の選
手権で泳いだときは、さすがに六尺ではなく、越中型のサポータであったが、練習時神
田のYNCAのプールで泳ぐ時は”フルチン”であった。

ローマの世界選手権の平泳ぎで、日本選手は従来の下半身だけの水着で苦戦し、上下
の高速水着の豪州選手が優勝した。やはり、高速水着と記録と関係があったようだ。
國際水連では、来年から水着の材料についてゴムやウレタンを禁止し、繊維だけに限定
した。しかし、記録は認めるという。いまひとつ味気ないと思のだが。