「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          糖尿病のなかった頃

2008-09-09 05:19:02 | Weblog
糖負荷検査の結果、糖尿病と診断され、薬のお世話になることになった。数年来
”生活習慣病”から若干、血糖値が高い"予備軍”に属してはいたが、今回の糖
負荷検査で糖尿病"現役”と見立てられた。生活改善には気を使っていたはずだ
が、残念だ。やはり加齢には勝てないようだ。

糖尿"予備軍”と診断されて以来、食事の量を減らし晩酌も慎んできたと自分では
思っていた。事実体重も84㌔から79㌔に落としたが、まだBMIは26(正常値は22)
もある。やはり、年寄にしてはカロリーが高すぎ、その割りに運動量が少ないのだ
ろう。たしかに若い時と違って身体を動かさない。

先日、薬剤師の友人との雑談の中で、戦中戦後の食糧難の頃は糖尿病患者は日
本から消えたという話を聞いた。食べるものがなければ、当然糖尿にはならない。
亡父の昭和20年7月の日記には"最近体重が減り、すぐ疲労を感じる。食糧が足り
ないせいか”とあり、戦後の9月30日には"体重が13貫(48・75㌔)に増えた。嬉しい”
とある。父は一番盛りの頃は18貫(67㌔)はあった。

確かに糖尿病撲滅にはよい時代であった。が、反面、この時代は弱者にとっては過
酷であった。わが家でも姉が過労から結核で早逝、祖母、叔父,伯母が相次いでな
くなっている。栄養不足からである。

飽食の時代である。僕ら老人には縁がないのだが、やはり恵まれた時代だ。糖尿病は
その恵まれた時代に対する"お灸”なのかもしれない。