安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ラッセル・マローン LOOK WHO'S HERE

2014-04-13 09:45:59 | ギター

貰ったのか、買ったのか忘れてしまったけど、手元に物があったとういう経験をお持ちの方もいると思います。自分の部屋の片隅から、「JAZZ」の文字が描かれているマグカップが出てきました。忘れっぽくなっているのですが、そのあたりは気にしないで、手軽に使えそうなので、毎日使うことにしました。珈琲を入れたこのマグカップを片手に昨晩もジャズを聴きました。モカベースのブレンド珈琲の芳香に似合いそうな演奏。

RUSSELL MALONE (ラッセル・マローン)
LOOK WHO'S HERE (IMPULSE 1999年録音)

   Lookwhoshererussellmalone

比較的新しいギター奏者については、他の楽器に比べて、ロックやソウルなどいろいろな音楽の影響を反映した演奏が多いように思います。ケニー・バレルやウェス・モンゴメリーあたりを好んで聞いてきたので、リズムやフレーズに馴染めないものや、音作りが高音中心で音色的に違和感を感じるような作品にあたることもあります。そんな中で、ラッセル・マローン(g)のプレイは、リズム、フレーズ、音色と文句なく楽しめます。

メンバーは、ラッセル・マローン(g、1曲だけvo)、アンソニー・ウォンジー(p)、リッチー・グッズ(b)、バイロン・ランダム(ds)。マローンは1963年ジョージア州生まれで、高校卒業後プロ入りしています。ハリー・コニック・ジュニアやダイアナ・クラールの歌伴も経験していて、歌伴における演奏はダイアナ・クラールのアルバム「Love Scenes」や「When I Look In Your Eyes」(いずれもIMPULSE)で聴くことができます。

曲は自作やスタンダードなど多彩です。マローンの自作が、「The Angle」、「Look Who's Here」、「Soulful Kisses」、バート・バカラックの「Alfie」、二ール・へフティ作「The Odd Couple」、コール・ポーターの「Get Out of Town」、スティーヴィー・ワンダーの「You Will Know」、スタンダードの「The Heather On The Hill」、「An Affair to Remember」(めぐり逢いのテーマ)、「Be Careful, It's My Heart」、そしてビル・エバンス作「The Two Lonely People」の全11曲。「Be Careful, It's My Heart」は、ギターだけの伴奏によるマローンの歌で、「The Two Lonely People」はギター独奏。

お洒落なカフェに似合いそうな演奏や、しっとりとしたバラードなど変化に富んだ内容で、収録時間の長さを感じさせません。8ビートを基本としたリズムに乗ってかっこいいフレーズが飛び出す「The Angle」や「An Affair To Remember」、ソウルフルな「Soulful Kisses」や「You Will Know」、しっとりとしたバラード「Alfie」とマローン(g)のプレイはよどみがなく、聴かせどころを心得ていて、盛り上げ方も上手です。ウォンジー(p)のたまに入るソロにも注目。

【JAZZマグカップ】

     Jazzmugcup1
「How About Some Jazz」とあります。大きさも手ごろで使いやすい。

     Jazzmugcup4choushoku
今日の朝食です。厚切りのベーコンチーズトーストに珈琲という休日用の手軽なものです。

【ラッセル・マローンが伴奏に参加しているダイアナ・クラールのアルバム】

   Lovescenesdianakrall    Whenilookinyoureyesdianakrall   


ジューン・ハットン LET'S FALL IN LOVE

2014-04-09 22:01:44 | ヴォーカル(E~K)

長野市の自宅の小庭に木(コウヤマキ)を一本植えてありますが、そこにキジバト(雉鳩)が巣を作りました。卵を抱いているのか、寒くても動こうとせずにいます。木が大きくなったので切ろうと考えていたのですが、当面この鳥(つがいで2羽いることもあります。)の様子を見守ることにしました。バードウォッチングが趣味のKさんに鳥の種類から教えてもらったのですが、キジバトはつがいで行動して、仲がよいということです。そこで、「Let's Fall In Love」や「Then I'll Be Happy」が入っているアルバムを取り出しました。

JUNE HUTTON (ジューン・ハットン)
LET'S FALL IN LOVE (Tops 1958年頃録音)

   Letsfallinlovejunehuttoncd

ジューン・ハットン(vo)は、ムーディーな作りの「Afterglow」(Capitol)が知られていますが、この「Let's Fall In Love」(Tops)は、スインギーなものも入っていてバラエティに富んだ内容です。彼女のアルバムは、これら2枚しかありませんが、後者が昨年(2013年)、日本のSSJレーベルから、CD復刻され発売されたので購入しました。世界初CD化だそうです。

ジューン・ハットンは、ジョー・スタッフォードの後任として、1944年にパイド・パイパーズに加入し、録音した「Dream」がヒットしてビルボードの第1位になるなど、ソロ歌手になる前はコーラスグループで活躍していました。「Dream」の日本盤EPを持っているので、下記にジャケットを掲げてみました。

編曲は、フランク・カムストックとルー・レイモンドが行っています。曲は、ほぼスタンダードで有名なものが多いです。「Let's Fall In Love」、「It's Been a Long, Long Time」、「A Hundred Years From Today」、「Then I'll Be Happy」、「All Alone」、「I'll Buy That Dream」、「Angry」、「You've Changed」、「Maybe It's Because」、「Imagination」、「Dream」、「It Happened Once Before」の全11曲。この中で珍しいのは、ボビー・トループ作の「It Happened Once Before」でしょうか。

どこかしら懐かしさを感じさせる歌声で、ハットンが歌っています。スインギーで溌剌とした「Let's Fall In Love」、べたつかず比較的あっさりとした「It's Been A Long Long Time」、気持ちが籠ったトーチソング「All Alone」、伸ばした声に品があって美しい「Dream」など、滑らかな歌唱です。「Then I'll Be Happy」には、意訳ですが”あなたが東西南北どこにいっても、私はついていって、小さな愛の巣を一緒に作りたい”というような一節(サビの部分)も出てきて、まるでキジバトやオシドリのカップルに相応しい歌詞です。

【自宅(長野市)の庭に営巣しているキジバト】

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上記の2枚は、居間から窓越しに撮影したためにぼやけた印象になっています。

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道路側から高倍率で撮影したものですが、どこにいるか探すのに苦労しました。

     Naganosinojitaku201404
キジバトは真ん中の木に営巣しています。 木が 大きくなりすぎたので、なんとかしないといけません。

【パイドパイパーズの「Dream」日本盤EP】

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アラン・ジャン=マリー ALAIN JEAN-MARIE 

2014-04-06 09:25:44 | ピアノ・トリオ

この4月1日から長野市内の勤務になりました。4月中旬くらいまで、挨拶回り、会議や飲会などでスケジュールが詰まっていますが、しばらくご無沙汰だったなじみのお店を訪ねました。まず、中古レコード店の「グッドタイムス」で、四方山話をしながらレコードを一枚購入し、ジャズが流れる洋食屋「バックドロップ」でビールを飲んできました。「FRIENDS MEETING」(直訳すると「友人会議」ですが、「友達とあうこと」というくらいの意味にとりました。)と題されて最近CD復刻されたアルバム。

ALAIN JEAN-MARIE (アラン・ジャン=マリー)
ALAIN JEAN-MARIE (DEBS 1979年録音)

   Alan_jeanmarie

アラン・ジャン=マリー(1945年生まれ)は、フランスのピアニストですが、日本で一般的に知られるようになったのは、アルバム「Biguine Reflections」(1992年録音)を寺島靖国さんが褒めてからだろうと思います。アランは、もともとジャズというよりも、グアドループのレコード会社に録音を残している、フレンチカリブ音楽(ビギン)のピアニストですが、近年はジャズミュージシャンとして名前が挙げられるようになっています。

僕の持っているのはオリジナル盤LP(HDD 661)ですが、「Friends Meeting」というタイトルで、アンドレ・コンダン(g)の「Andre Condouant」(Debs HDD708)とカップリングされて、CDが発売されました。コンダンの方もLPを持っていますが、手軽に聴きたかったので、ディスク・ユニオンの通販でこのCDを購入しました。

メンバーは、アラン・ジャン=マリー(p)、ガス・ネメス(b)、アル・レヴィット(ds)。曲は、アラン・ジャン=マリーの自作が、「Cosmaunaute Dance」、「By The Lake」、「Short Play」、「Resignation」の4曲、アル・レヴィットの自作「Al's Groove」、ホーギー・カーマイケルの「Skylark」、パーカーの「Bongo Bop」、デューク・ピアソンの「Jeanine」で、全8曲。「Resignation」は、ピアノソロによる演奏ですが、この曲と「By The Lake」は購入したCDには未収録です。

メンバーの3人がよくスイングした、快調なハードバップが収録されています。アラン・ジャン=マリー(p)は、オーソドックスですが、細かい音などきれいで、ヨーロッパのミュージシャンという感じがします。躍動的な「Short Play」や急速調でベースとドラムスも活躍する「Al's Groove」が印象に残ります。最もよかったのは、バラードの「Skylark」で、和音を使ったテーマ部やしみじみとしたアランのソロに聴き惚れました。

【FRIENDS MEETING (CD)のジャケット】
カタログ番号 DEBS CDD 26-62-2

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【長野市「バックドロップ」】

ホームページ:バックドロップ(BackDrop)ホームページ    

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バーニー・ケッセル ON FIRE

2014-04-02 21:53:32 | ギター

3月30日(日)は、飯田市に泊まる最後の晩だったのですが、ライブハウスCANVASのオーナーで、ギタリストの桑原さんと飲会を行いました。CANVASでは、フォーク、ブルース、ロック、ジャズと、幅広いジャンルの公演を行っていますが、ジャズを聴く人が少ないのが現状です。リスナーを増やすには、ミュージシャンは新しいことをやるのもいいけど、伝統を大事にして、ハードバップやわかりやすい曲も演奏してほしいというあたりで、意見が一致しました。こういうギターなら、多分お客様も満足するというアルバム。

BARNEY KESSEL (バーニー・ケッセル)
ON FIRE (EMERALD 1965年録音)

   On_fire

日曜日の夜は、飯田市内で営業をしているお店は少ないのですが、お寿司屋さんの「京鮨」で軽く食べて、次には、おでん・焼鳥の「一平」に行きました。両店ともに、飯田では知られていて、当日も賑わっていました。午後8時前から飲み始めたのですが、話が弾んで、終了は11時過ぎになりました。

このアルバムのメンバーは、バーニー・ケッセル(g)、ジェリー・シェフ(b)、フランク・キャップ(ds)。ギター・トリオで行われた、ハリウッドのクラブ「P.J.s」におけるライブ録音です。ケッセルのライブ盤はこれが初めてで、メンバーも初顔合わせだったようですが、そんなことは感じさせない「On Fire」というタイトルどおりの録音になっています。

ライブらしく、有名曲主体の曲目です。ケッセル作「Slow Burn」、「Sweet Baby」、スタンダードの「Just In Time」、「The Shadow of Your Smile」(いそしぎ)、「Recado Bossa Nova」(リカード・ボサノバ)、「Who Can I Turn To」、そして、クローバーズがヒットさせ、レイ・チャールズがリバイバルさせたR&Bナンバー「One Mint Julep」の全7曲。

曲よし、演奏よしの、僕の長年のお楽しみ盤です。ケッセル(g)は、コンテンポラリー・レーべルに多くの作品があり、よく歌い、スイングしていますが、ブルージーさがさほど感じられませんでした。ところが、このライブ盤では、グルーヴィーといってもよいプレイを繰り広げています。「Slow Burn」と「One Mint Julep」がハイライトですが、「The Shadow of Your Smile」と「Who Can I Turn To」というスローテンポの2曲も美しい。「Recado Bossa Nova」はライブならではの選曲。

【居酒屋「一平」】

住所:長野県飯田市中央通り4-12
電話:0265-22-5619

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おばさん一人で営業しています。おでんが美味しかった。