安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ドロシー・ケアレス THE CARLESS TORCH

2011-10-09 08:53:35 | ヴォーカル(A~D)

先日、新たにパスポートを取得したら、前に比べて厚くなったので驚きました。所持者の情報が電子データとしてICチップ化され、それが埋め込まれたページがあるためだと、窓口では説明をしてくれ、パソコンで情報を表示してくれました。便利になったものです。受け取りを待つ人も2~3人いて、ここ長野でも、観光やビジネスで外国に出かける人は相変わらず多いようです。英国生まれですが、米国に移住した歌手。

DOROTHY CARLESS (ドロシー・ケアレス)
THE CARLESS TORCH (HI FI 1957年録音)

 Thecarlesstorch

ドロシー・ケアレスの、この第1作目は、HI-FIレーベルというレーベルの魅力と、伴奏がバーニー・ケッセル・トリオ、そして歌の魅力もかなりあるので、探しているヴォーカルファンもいらっしゃるのではないでしょうか。僕は、フレッシュサウンドの再発LPで聴いていましたが、2イン1のCDが近年再発されたので、そちらも入手しました。

彼女は、英国生まれで、米国に渡り、そのまま米国に住み続けました。彼女の妹は、歌手のキャロル・カーで、、才能に恵まれた姉妹だったといえましょう。伴奏は、バーニー・ケッセル・トリオで、ケッセルのギターは間違いないところですが、他にベース、そして、ヴァイブ、ドラムス、チェレスタ(誤りかもしれません。)の持ち替えが1人で、計3人という編成と推測しています。

曲は、「Baby, Baby, You're The One」、「Here Lies Love」、「It's Easy to Remember」、「Love Letters in The Sand」(砂に書いたラブ・レター)、「Ev'ry Time We Say Goodbye」(いつもさよならを)、「Bidein' My Time」、「Hello, My Lover, Goodbye」、「Too Late Now」、「My Old Flame」、「I Don't Want to Cry Anymore」、「I'll Never be The Same」、「For Every Man There's a Woman」の12曲。内容からすると、いわゆるトーチ・ソング(失恋ソング)集といっていいでしょう。

ケアレスの落ち着いた歌い方と、ケッセル・トリオが曲によくあった伴奏をつけていて、静かな部屋で灯りを落として聴きたくなります。中でも、「Here Lies Love」(「ここに愛あり」とでも訳しますか。)は、クリス・コナーも歌っている哀調を帯びた曲で、ケアレスのやや暗めの声質にぴったりです。「It's Easy to Remember」、「Ev'ry Time We Say Goodbye」と、ちょっと悲しみを湛えた表情が出ています。「Love Letters in The Sand」は、1957年のパット・ブーンによるリヴァイヴァル・ヒットを受けて選曲したのではないかと、勝手に楽しい想像をしています。


ドン・フリードマン FLASHBACK

2011-10-02 22:34:15 | ピアノ

長野駅前の「和真」でメガネを買い換えました。3年ぶりくらいになりますが、このごろ見えづらくなっていたので、当分安心です。昔と比べて随分と値段が安くなり、2万5千円で済みました。お店の人からは遠近両用メガネを薦められたのですが、今までと同じ近視用のものにしました。遠近両用も、それぞれの見え方は良いのですが、目や首の動かし方など慣れるのに時間がかかりそうなので、今回は見送りです。スタンダードと実験的な曲の両方が入っている作品。

DON FRIEDMAN (ドン・フリードマン)
FLASHBACK (RIVERSIDE 1963年録音)

 Flashback_don_friedman

ビル・エヴァンス(p)に大きな影響を受けたピアニストは多いですが、ドン・フリードマンもその一人です。エヴァンスからの影響に加えて、フリードマンは、前衛的ともとれる録音も残すなど、かなり個性的なところがあります。「Circle Waltz」(Riverside)が最高作とされていますが、この「Flashback」は、抒情的なものと、即興的で実験的なものが収録されていて、興味が湧きます。

ピアノ・トリオによる演奏で、メンバーは、ドン・フリードマン(p)、ディック・ニス(b)、ディック・バーク(ds)。ディック・バーク(ds)はともかく、ディック・ニス(b)はほとんど名前を聴きませんが、リズム・キープだけでなく進歩的で、対等的なプレイも行っています。

曲は、スタンダードの「Alone Together」、「Wait 'til You See Her」、「How Deep is The Ocean」(愛は海よりも)、フリードマン作が4曲で「Ballade in C-Sharp Minor」、「News Blues」、「Flashback」の7曲。フリードマンのオリジナルのうち、「Ballade in C-Sharp Minor」のテーマは、「Secret Love」に似ていると、聴くたびに感じます。

「Alone Together」は、ベースの前奏から、いきなりピアノが入ってくる出だしが特徴的で、エヴァンスライクなスイングする刺激的なソロが聴けます。スローテンポの「Ballade in C-Sharp Minor」は、抒情的なテーマを持っていますが、モノクローム的でもの静かな展開をしていきます。ドラムスとのやり取りがある「Wait 'Til You See Her」は明るめで、この曲が好きな僕には嬉しいトラック。「Flashback」は、現代音楽的なところもあり、スパイス的に聴いています。