安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

PRISCILLA PARIS (プリシラ・パリス) PRISCILLA LOVES BILLY

2007-12-20 23:01:53 | ヴォーカル(L~R)

忘年会など宴会が、連日続いています。きょうは中休みでやれやれです。そこで、この時期に相応しいレーベルのLPを取り出しました。酔っぱらいは、俗に「虎」、「とら」といいます。「とら」はTigerで、「Fight like a Tiger」といえば猛烈に働くことですね。Tigerから、レーベルは「Happy Tiger」にしました。つまらないこじつけです。

PRISCILLA PARIS (プリシラ・パリス) 
PRISCILLA LOVES BILLY (Happy Tiger 1967年ごろ)

Priscillalovesbilly

1961年から64年くらいに「I Love How You Love Me」(忘れたいのに)などの ヒットを出したパリス・シスターズの一番下の妹、プリシラのヴォーカル・アルバムです。このシスターズは、フィル・スペクターがプロデュースにあたるなどいわゆるオールディーズのグループとして名前が通っていると思います。

これは、ビリー・ホリデイの愛唱歌集となっていて、曲目を見ればスタンダードジャズ、ヴォーカルファンも楽しめると思います。シド・フェラーが編曲に当たり、ストリングスを用いてムーディーな仕上がりです。ジミー・ロウルスのピアノが効果的に使われています。プリシラのやや甘い声で、ささやくような歌が続きます。酔った時にも優しく耳元を過ぎていきます。

曲目は、「Just Freinds」、「Stars Fell on Alabama」、「Tenderly」、「Girls Were Made To Take Care of Boys」など12曲です。私の持っているのは再発のLPで、一時期結構見かけました。もともとはパリス・シスターズが気にかかっていたのでプリシラの本LPを手に入れたものです。彼女のソロLPはこれを含めて全部で3枚あるようです。

気になる方はこちらもご覧ください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/ParisSisters.html


STAN GETZ (スタン・ゲッツ) THE SOUND

2007-12-18 22:25:47 | テナー・サックス

この前の日曜日(12月16日)、松本市(長野県の中部です)内を散策してきました。松本駅からぶらぶらとまず、中古レコード・CD店「ほんやらどお」へ寄り、古書店兼中古レコード店「アガタ」へ。そこで、30~40分くらい話などをして過ごしました。店長はこの頃SPレコードに凝っていて、スタン・ゲッツの「Dear Old Stockholm」を78回転プレイヤーでかけてくれました。新鮮なゲッツのテナー・サックスの音は最高に暖かでした。

STAN GETZ (スタン・ゲッツ)
THE SOUND (ROOST 1951年録音)

The_sound

スタン・ゲッツの作品の中でも、世評高いアルバムです。中でも「Dear Old Stockholm」(懐かしのストックホルム)はベンクト・ハルベルグ(Bengt Harllberg)(p)のイントロから、ゲッツのテーマ、アドリブと聴き惚れてしまいます。香気漂うといえばいいんでしょうか。この演奏を聴くたびにそんな言葉を思い出します。SPで聴かしてもらった音の輪郭も残っていて、改めてそんな感想を抱きました。

1951年のストックホルムで録音された6曲は、「I Only Have Eyes Fof You」、「I'm Getting Sentimental Over You」、「Prelude to a Kiss」などすべて素晴らしくてLPのB面はよく聞きました。私のもっているのは、日本コロムビアから発売された国内盤のLPです。

レコード店を回ったあとは、喫茶店です。松本市立美術館の手前に、「珈琲とあんてっく モンク」があります。小さな音ですがジャズがかかっています。珈琲を飲んで、すぐそばのクラシックCD専門店「クレモナ」にも顔を出して、松本駅に向かって歩き出しました。

喫茶店「モンク」については、ホームページに掲載したので、覗いてみてください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/MonkKissatenMtumoto.html


LINDA LAWSON (リンダ・ローソン) INTRODUCING

2007-12-16 23:33:40 | ヴォーカル(L~R)

今日は安曇野市にきています。近くの白鳥飛来地に行ってみましたが、まだ白鳥の姿はなくて、カモ(鴨)ばかりでした。訪れる人もなくて静かでした。白鳥(SUWAN)は、チャイコフスキーやサン・サーンスとは関係があっても、ジャズとは無さそうです。そこで、思いついたのはフラミンゴ(FLAMINGO)でした。「Where Flamingos Fly」が収録されたアルバムです。

LINDA LAWSON (リンダ・ローソン)
INTRODUCNG (CHANCELLOR 1960年ころ録音)

Introducing_2

リンダ・ローソンの残した唯一のアルバムです。ローソンは1936年生まれで、女優として50年代の終わりから70年代の初めにかけて映画、テレビに出演をしています。代表的なのは、1961年の「NIGHT TIDE」のようですが、60年代はテレビのヒッチコック・アワーに登場するなど活躍したようです。プロデューサーのJohn Foremanと結婚しましたが、娘のJulie ForemanとAmanda Foremanは映画界に入り、リンダも2000年にテレビに出演をしました。

歌の方ですが、彼女は映画界に入る前に、ラスベガスのThe Sands Hotelで歌っていたというので、女優の道にすすまなければもっとアルバムを残していたかもしれません。このアルバムの収録曲は、「You Don't Know What Love is」、「Easy To Love」、「Mood Indigo」、「Make The Man Love Me」、「Like Young」、もちろん「Where Flamingos Fly」などでスタンダードがほとんどです。ローソンは、ジャズとポップスの中間くらいの非常に素直な歌いぶりです。

編曲はMarty Paich(マーティー・ペイチ)で、バド・シャンク(as)、ジミー・ロウルス(p)など伴奏陣が豪華です。Where Flamingos Fly(フラミンゴの飛ぶところ)は、悲しい内容の歌です。フラミンゴの飛ぶ島へ恋人が(罪を犯して)連れていかれたので、私の心もいっしょにそこに連れて行ってほしいという別れの歌です。(ざっと歌詞を読んだだけなので、歌詞の内容には自信はありませんが。)ストリングス入りでスローで唄われます。

他に同曲が収録されていて、すぐに取り出せたのはクリス・コナー、トニ・ハーパーのアルバムでした。ジャケット写真は、Chancellor のLPです。それを手に入れる前はフレッシュ・サウンドの復刻LPで聴いていて今も手元にありますが、CDを手に入れたいと思っています。


BARNEY WILEN (バルネ・ウィラン) barney

2007-12-15 22:11:43 | テナー・サックス

東京の親戚からお歳暮にゴディバのチョコレートが届きました。甘いのもの大好きなのでさっそくいただいています。ゴディバはベルギーのメーカーですが、ベルギーといえば最近ベルギー王立歌劇場音楽監督の大野和士が2008年9月からフランスのリヨン国立歌劇場の首席指揮者になるというニュースが報じられています。いまやスカラ座、メトロポリタンなどでも振っていますし、すごいですね。フランスなので、パリ録音のよく知られたアルバムです。

BARNEY WILEN (バルネ・ウィラン)
barney (RCA 1959年録音)

Barney

バルネ・ウィランの22歳の時の録音です。パリのクラブ・サンジェルマンにおけるライブ録音ですが、集まったメンバーがいい演奏をしている奇跡的なライブだと思います。バルネ(ts)、ケニー・ドーハム(tp)、デューク・ジョーダン(p)、ポール・ロヴェール(b)、ダニエル・ユメール(ds)というメンバーで、ドーハム、そして人がかわったのではないかと思えるようなジョーダンのプレイが聴きものです。

最初は「べサメ・ムーチョ」(Besame Mucho)ですが、この出だしのピアノのちょと哀愁を帯びたイントロに続いてドーハムが、これもやわらかな音でメロディを奏でます。ここだけでもジャズなのに、そのあとのアドリブがまたいい。この曲はメロディが圧倒的な存在感を示しているのでアドリブやりにくいと思いますが、ドーハム、続くバルネ、ジョーダンともかなりいい線いっているのではないでしょうか。

バルネの音にはブルージーさが入っていて、それがまたいいですね。他には「Lady Bird」(レディー・バード)、「Stablemates」、「Jordu」と計4曲がオリジナルの収録曲です。ジャズ・スタンダードばかりでもあるので、ビールとチョコレート片手に口ずさみながらライブ録音を楽しんでいます。

なお、上記ジャケットは再発LPのものですが、いま聴いている国内盤CD(BMG BVCJ-640)では4曲追加となっています。バルネはソプラノサックスも吹いています。追加の中ではドーハムのオリジナル「Lotus Blossom」が聴き逃せないです。


ALVIN QUEEN (アルヴィン・クイーン) glidin' and stridin'

2007-12-14 23:00:21 | ベース・ドラムス

ここのところ、楽しいけれど淡白なアルバムを聴いているので、いわゆアーシー(この言葉はもう用いられなくなりましたね)なものが聴きたくなりました。アルヴィン・クイーン(ドラムス)がリーダーで、ソウルフルピアノのJunior Mance(ジュニア・マンス)が聴けるアルバムです。

ALVIN QUEEN (アルヴィン・クイーン)
glidin' and Stridein'  (NILVA  1982年録音)

Glidinandstridin_2

アルヴィン・クイーンは、ホレス・シルバーやジョージ・ベンソンと共演をしたドラマーです。ヨーロッパにわたりスイスで1979年、自らのレーベルNILVAを興します。80年代に得難いハード・バップ・アルバムを残しています。主役もさることながら、ステディな脇役としてもいい役割を果たしてきました。そして、過度に重くならず、軽やかなプレイでフェイヴァリット・ドラマーです。

ジュニア・マンスは、1950年代から活躍するベテランピアニストです。アルヴィン・クイーンとも共演を重ねています。メンバーは、マンス(p)、クイーン(ds)にベースがMartin Rivera(マーティン・リベラ)ですが、たいへん息の合った演奏ぶりだと思います。

マンスはブルージーなプレイで快調で、同じフレーズの繰り返しに加えてトリルを多用しています。こういうプレイをやらせたら達者だというところをみせる「Here and There」でブルース満開です。また、アルバム全体で、グリッサンドを用いているのが特徴的です。

また、マーティン・リベラのベース・プレイにも感心しました。柔軟にいろいろなことができ、表題曲「Glidin' and Stridin'」では細かい旋律を弾いています。「Watch What Happens」においても、リベラが大活躍です。

なかなかいいアルバムで、ちょっと掘り出しものでした。マンスについては、前にちょっとまとめました。よろしければ覗いてみてください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/JuniorMance.html