先週末、札幌を訪れましたが、前回(昨年11月)行った際に、お世話になった方にお土産を持っていこうと、長野駅ビルの「みどり」で買い物をしました。長野らしさがあるほうがいいので、結局は八幡屋磯五郎の「七味(缶入り)」と、桜井甘精堂の「マロンクリームのダコワーズ」にしました。ほとんど考えていない定番のお土産ですが、シンプルなものでいいことにしました。Simple Pleasureというタイトルのアルバムを。
TARDO HAMMER (タード・ハマー)
SIMPLE PLEASURE (CELLAR LIVE 2013年録音)
タード・ハマー(P)は、バド・パウエルやバリー・ハリス、トミー・フラナガンらの系列を継ぐピアニストで、シャープ・ナインレーベルから出されているアルバムで知りました。バップ色の濃いピアノを弾く人で、僕の好みにあっているので、順次リーダー作を集めて聴いています。最新作は、この2013年録音のCDですが、充実したコンサートの模様が収められています。
メンバーは、タード・ハマー(p)、Lee Hudson(b)、Jimmy Wormworth(ds)。ベースとドラムスはベテランで、ことにWormworthは、ジャズグレイトとの共演歴が多い人です。ニューヨークのKlavierhaus Recital Hallにおけるコンサートを録音したものなので、ジャズクラブとは少し雰囲気が違いますが、拍手も入り、聴衆が楽しんでいる様子が伝わってきます。
1曲を除き、ジャズオリジナルです。K・ドーハム作「Asiatic Raes」と「Short Story」、A・ジャマル作「New Rhumba」、W・ビショップ.JR作「Uranus」、G.Treadwellという人の書いた「I'll Wait & Pray」、C・デイビス作「Kay Dee」、C・ウォルトン作「Simple Pleasure」、M・デイヴィス作「Fran Dance」、S・クラーク作{My Conception」、H・シルヴァー作「No Smokin'」、スタンダードの「The Folks Who Live on The Hill」(丘に住む人々)の全11曲。C・ウォルトンやマイルスの曲がどのように演奏されているか興味深々です。
全体に活気があり迫力のある演奏ですが、細やかで繊細さがうかがわれるバラードもなかなかよいです。「Asiatic Raes」や「Short Story」といったバップ色の濃いものでは本領を発揮していると思えますが、新しめのシダー・ウォルトン作「Simple Pleasure」でも、ハマー(p)の右手シングルラインによるソロや響きが新鮮に聴こえ、聴きごたえがあります。バラード系の「The Folks who Live on The Hill」や「My Conception」では、ハマーは細心の注意を払って弾いているようで、しっとりとした中に緊張感も感じられます。「No Smokin'」では、スピードに乗ったピアノやドラムスのソロが見事です。
【長野市からのお土産】
八幡屋磯五郎 七味唐辛子
小布施浪漫マロンクリームのダコワーズ (桜井甘精堂)