安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

大植英次指揮群馬交響楽団第515回定期演奏会

2016-02-19 19:04:26 | 演奏会・ライブ

群馬交響楽団の1月の定期演奏会に引き続き、2月13日(土)に行われた第515回定期演奏会を聴きに行ってきました。

指揮:大植英次
管弦楽:群馬交響楽団
会場:群馬音楽センター(高崎市)

レナード・バーンスタイン作曲(チャーリー・ハーモン編) キャンディード組曲
リヒャルト・シュトラウス作曲 バラの騎士組曲
ブラームス作曲 交響曲第1番 ハ短調 作品68

指揮者の大植英次さんは、バーンスタインの弟子で、ミネソタ管弦楽団やハノーファー北ドイツフィルハーモニー、大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督などを歴任した方で、活躍中の方だそうです。大植さんの名前だけは聞いたことがありますが、その指揮ぶりを観たいのと、特にブラームスの交響曲第1番が聴きたくて、出かけていきました。

   

キャンディード組曲は、ミュージカル「キャンディード」の中から、作曲者バーンスタイン承認のもと、彼の個人アシスタントだったチャーリー・ハーモンが8曲を抽出して大オーケストラ用にアレンジしたもの。1999年に大植英次指揮ミネソタ管弦楽団により初演されたもので、当夜の指揮者の大植さんの得意曲といっていいものです。

しかし、映画の場面にあわせて編曲されたかのような曲で、まとまりが感じられませんでした。演奏の方も、きらびやかに木管、金管が鳴りますが、弦楽合奏もあわせて、せかせかした感じがしました。よく演奏されるのは、キャンディードの序曲(約4分)の方で、僕もCD(マリス・ヤンソンス指揮オスロ・フィル)を持っているのですが、派手な部分と弦楽などの部分の調和がとれていて、そちらはさすがに世界中でよく演奏される名曲です。

プログラムを読んで1曲目がバーンスタインの作品でないことがよくわかったのですが、2曲目の「ばらの騎士」組曲もリヒャルト・シュトラウスの作品ではありませんでした。オペラ「ばらの騎士」に出てくる動機やメロディーを筋の進行とは無関係に再編集し、新たな単一楽章の交響詩のようにした音楽だそうです。しかも、再構成作業を行ったのは、無署名の別人との見方が有力だそうです。僕の好きなワルツも、その断片が適当に顔を見せるくらいでした。僕が演奏曲目を作曲者自身のものと、誤解していたこともいけませんでした。

後半はお待ちかねのブラームス。誰が演奏しようが、さすがにブラームスの交響曲第1番は曲自体が素晴らしい。第1楽章が少し進んでいくと、オーケストラの響きが、分厚くて、幾分くすんだような音色のいかにもドイツ音楽といった部分が現れ、その音を聴けただけで満足しました。第2楽章におけるコンサートマスターの伊藤文乃さんの独奏部分もよかったし、全体にまずまず楽しめました。ただ、第1楽章のはじめは静かに出ていって終わりに近づくにつれて第4楽章で盛り上げるのが大植さんの構成のような気がしたのですが、第4楽章が目立ってうるさすぎるように感じました。

予習で聴いたシャルル・ミュンシュ指揮のものは初めから力感にあふれていて、クラシックも演奏する人によってずいぶん違うものだと思わされました。でも、オーケストラ曲は演奏会が一番ですね。いろいろな曲を聴ける群響の定期演奏会にまた長野市から出かけてしまいそうです。

【あらかじめ聴いていったCD】

   

マリス・ヤンソンス指揮オスロ・フィルハーモニー 「ワールド・アンコール」。アンコールでよく演奏される曲を集めて収録したもの。一番初めが、レナード・バーンスタイン作曲「キャンディード序曲」

   

シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団「ブラームス 交響曲第1番」。



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