長野市には「プースカフェ」というフリーマガジンがあります。女性向けのグルメや美容記事が主なので、普段は読まないのですが、今回は「安曇野を訪れてみませんか?」という記事があったので手に取ってみました。観光からお食事処まで、コンパクトで実用的な記事に好感が持てました。「(安曇野は)清冽な水と空気、自然豊かな美しい光景」という記述に、同地生まれの僕は嬉しくなりました。美しいというタイトルのアルバムです。
CHARLES McPHERSON (チャールズ・マクファーソン)
BEAUTIFUL! (XANADU 1975年録音)
チャールズ・マクファーソン(as)は、1960年代にプレスティッジ・レーベルに初リーダー作を吹き込んでいますが、そのスタイルはチャーリー・パーカー直系といってよいもです。息の長いミュージシャンで、続く1970年代~2000年代まで活動を続けています。ザナドゥに残したこの作品は、スタンダードナンバーを取り上げ、抒情豊かなところを聴かせるとともに、親しみやすいものです。
メンバーは、チャールズ・マクファーソン(as)、デューク・ジョーダン(p)、サム・ジョーンズ(b)、リロイ・ウィリアムズ(ds)。デューク・ジョーダンが参加しているのが意外でしたが、ジョーダンは、軽やかなプレイをしており、指がよく動いています。
曲目は、スダンダードが並びます。「They Say It's Wonderful」、「But Beautiful」、「It Could Happen to You」、「Lover」、「This Can't Be Love」、「Body and Soul」、「It Had To Be You」の7曲。これらはヴォーカルナンバーでもあり、例えば「They Say It's Wonderful」は、ジョニー・ハートマンが、また、「This Can't Be Love」は、パット・モラン・カルテットが歌っていて、それらを思い浮かべながら聴くのも一興です。
マクファーソンは、テーマをしっかりと吹き、ソロではスリリングなところをみせます。「They Say It's Wonderful」や「This Can't Be Love」がそれに当たります。バラードの「But Beautiful」は、D・ジョーダン(p)のイントロでムードが設定され、続くマクファーソンもしっとりとして起伏に富んだソロをとっており魅力的。「It Had To Be You」は、マクファーソンが早いパッセージを繰り出して快調で、続くジョーダン、ジョーンズを含め、ハードバップ色が濃厚です。
【プースカフェ】
長野市内を中心として配布されているフリー・マガジンです。この9月号で100号になるそうです。月1回出されているので、8年以上続いていることになります。
チャールズ・マクファーソンは、リーダーアルバムが少ないのですが、このアルバムは弊店でもよくかかります。
夕方の暮れなずむ頃、哀愁味のあるアルトが雰囲気を作ってくれるのでとても気に入っております。
ソニー・クリスなどとはまた違った味ですね。
チャールズ・マクファーソンをお店でかけられているとは嬉しいです。多くの方にきいていただきたいプレイヤーですね。夕方にぴったりの演奏も入っていますし。
ソニー・クリスの力いっぱい元気のあるプレイもいいのですが、マクファーソンも忘れられません。このアルバムでは、デューク・ジョーダンを迎えたことが、よかったのではないでしょうか。