安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

サム・クック MR. SOUL

2012-03-18 15:13:28 | ヴォーカル(S~Z他)

本当に久しぶりに、レコード・コレクターズ誌を買いました。サム・クックの特集が組まれていたからです。同誌は、創刊当初は、ヴォーカルやジャズに焦点が当てられていたのですが、営業上の理由から、ほとんどロック関連の記事ばかりになってしまいました。これは仕方ないところですが、最近でも興味を惹かれる特集があると、たまに買っています。サム・クックのスタンダード・アルバム。

SAM COOKE (サム・クック)
MR. SOUL (RCA 1962年録音)

 Mr_soul_2

サム・クック(1931~64)の「Mr. Soul」は、日本盤LPで聴いていましたが、ようやくCD化されたのでCDも買いました。ソウルやR&Bのファンばかりでなく、CD化を待ち望んでいたヴォーカル・ファンもいるのではないでしょうか。彼の歌うスタンダードは、アレンジがポピュラー系統のものと異なりますが、伴奏が、メリスマを効かせたスイングするストリングスやサックス入りコンボということもあり、親しみやすいです。

サム・クックは、ソウル・ミュージックのパイオニアと言われ、ゴスペル・グループに属して歌手歴をスタートし、独立した後は、オリジナリティを発揮し、「Nothing Can Change This Love」や「Send Me Some Lovin'」という大ヒット曲を放ちました。なんといっても、ソフトで暖かく、高音まで滑らかに伸びていく歌声は、いつの時代にも歓迎されるだろうと思います。

曲は、スタンダードが「I Wish You Love」、「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)、「Smoke Rings」、「All The Way」、「Cry Me A River」、「For Sentimental Reasons」、「Little Girl」、「These Foolish Things」、ブルーズ系の「Chains of Love」と「Driffin' Blues」、そしてサムのヒット曲「Nothing Can Change This Love(この曲は彼自身の作詞作曲)と「Send Me Some Lovin'」の全12曲。

「These Foolish Things」の大意は、「口紅の付いた煙草やロマンティックなところへ行く航空券など、つまらないものがあなたを想い出させる」で、本来かなり落ち込んでいる気分なのですが、サム・クックの高音を生かした歌は、それがどうしたというような勢いがあって、昔から好きな歌唱です。「Willow Weep For Me」、「All The Way」といったスタンダードもいいですが、ブルーズ「Chains Of Love」やヒット曲「Nothing Can Change This Love」が圧倒的で、たまに聴いている作品です。

【レコード・コレクターズ 2012年3月号】

 Recordcolletors201203