安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

フィル・ウッズ SUGAN

2011-12-04 18:06:37 | アルト・サックス

きのう、久しぶりに自宅近くの珈琲豆の販売店「豆の木」にいったところ、季節がら「クリスマスブレンド2011」という商品が販売されていたので買いました。中身は、エチオピア・モカが主体で、それを深煎りして、ケーキなどのスイーツにあうようにしてあるとのことです。せっかくなので、自宅にあったクッキーと一緒にいただきましたが、クッキーの甘さと、ややほろ苦い珈琲がよくあって美味しく飲みました。「クリスマスブレンド」を飲みながら聴いたのは、甘さも感じられる音色のアルト・サックスです。

PHIL WOODS (フィル・ウッズ)
SUGAN (Status 1957年録音)

 Sugan_phil_woods

フィル・ウッズ(as)は、長きにわたって活躍しているだけに、録音も多くて、それぞれの時期に代表作を残しています。もともと、パーカー・スタイルで力強く吹いていくタイプなので、後年サウンドがメタリック的になってからは、いいけど疲れることもあるなあというのが、僕が抱いている感想です。初期のものは、音色やソロに落ち着きや甘さがみられるので、結構好んでいます。

オーディオ・ファンの方なら詳しいかと思いますが、これは、はじめ16回転盤として発売されましたが、その方式は普及に至らなかったこともあって、33回転盤(LP)として、NEW JAZZの傍系レーベルStatusから発売されたものです。メンバーは、フィル・ウッズ(as)、レイ・コープランド(tp)、レッド・ガーランド(p)、テディ・コティック(b)、ニック・スタビュラス(ds)。リーダー作を残さなかったレイ・コープランド(tp)のソロがたっぷり聴けるのも特徴の一つです。

チャーリー・パーカー作の「Au Privave」、「Steeplechase」、「Scrapple from The Apple」に、ウッズの自作が「Last Fling」、「Sugan」、「Green Pines」で全6曲。パーカーのものは有名曲ばかりなので、それぞれのソロが注目されます。ウッズの作品もパーカーと同傾向ですが、「Green Pines」は遅めのテンポで、バラード的に扱われます。

細かいフレーズを重ねるウッズ、張りのあるトーンによるコープランドによる、バップセッションとして聴きごたえがあります。驚くのは、レッド・ガーランド(p)の張り切りぶりで、右手のシングルトーンを中心として、力強く、リズムに乗った切れのよいプレイが続きます。全員が好演をした「Sugan」、ウッズの美しいサウンドに加え、ガーランドの繊細さがうかがえるバラード「Green Pines」が印象に残ります。おなじみのパーカーのオリジナルは、ハミングしながら体を揺らしました。ニック・スタビュラス(ds)の堅実なサポートぶりも忘れられません。

【クリスマス・ブレンドとお店の名刺】

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