交通手段の危なさは、怖がる感覚を失ったとき増えるようです。
交通機関でも、徒歩でも、怖がっているうちは自然に構えができています。
怖さをまったく忘れ去ったとき、事故や襲撃に遭う機会が増えそうに思います。
運賃の高低はあまり関係ありません。
有数な会社の航路でも、あと何十年も生き続けてほしかったと思う作家や歌手が命を落としています。
怖がる感覚を薄めてならないのは、乗る人歩く人よりも、それにかかわっている人びとです。
どこかで誰かが「まあいいや」と何かを緩めたとき、不幸が訪れます。
夜の買い物に出るには、逃げ足を鍛えておきましょう。
逃げ足は外の遊びで訓練されます。
指先だけ動かして、暗い部屋にこもり続けていては、危機のとき足はすくみ、動けなくなります。
外出は縛らず、しかし帰宅管理を厳重に、これが自律の訓練にもなります。
子どもが外にいるとき、親はそばについているのではなく、家で怖がっていなければならないのです。