Chef's Note

『シェフの落書きノート』

青い檸檬

2010-08-14 | 美味しいお話
京都から直送でレモンが送られて来た。

待望の青い檸檬(レモン)だ。

「まだ、青くて小さいでぇ~!そんでもええのんか?」

僕は、小さくても青くても全く気にしない。
これ以上の檸檬にまだ出会ったことがない。

「レモンもあるでぇ~。良かったら送ってやろか?」
昨年、こうして出会った檸檬。

京都上賀茂にレモン??
電話でその一言を聞いたとき、不思議に感じた。

京野菜というと、どうしても金時人参や聖護院かぶらなどのイメージが強いためか…。

京都のレモンって、どんなんだ!?
そんな思いがあった。

送られてきた荷を開けると…
そこには、プリップリとした如何にも皮の薄い青いレモンが輝いていた。

その果汁は、ナイフをいれてカットした瞬間から瑞々しく滴り落ちてくる。
蜜柑の皮のように薄く、その緑色の薄い皮は、手で剥けるのではないか!?
…とさえ、思わせるような表情をしていた。

「凄げぇ~!こんなレモンは見たことない…」

手にとってみると、手から弾んで零れ落ちてしまうかのような錯覚さえ憶えた。

レモンとカタカナで書くよりも、漢字で『檸檬』と書きたくなる果物。

出来る限り、レモンも国産ものを使うようにしているが…
どのレモンもこの京都上賀茂のレモンのようには感じない。

今は、まだこんなに小さいが、夏を過ぎれば、今の大きさの3倍くらいになって、去年のように皮は薄くなり、十分すぎる果汁を含みはちきれんばかりの檸檬になることだろう。

レモンで感動して、この果実がたわわに実るのを待ちわびるなんて以前は思いもしなかったこと。

待ちわびている食材がもうひとつある。
京都から送られてくる無花果(いちじく)

「美味いでぇ~!」
昨年、そうひとこと言っていたのが、僕の中に焼きついている。

プロシュートに添えたり…
軽くローストして付け合せにしたり、コンポートにするのも良いかもしれない。

沢山、送っていただいて糖分をひかえたジャムにもしてみたい。

「無花果なぁ~ まだなんよ~。天候が不順やろ~色がついてこないんよ」

もうすぐもうすぐ…。
楽しみだわ~(^^)v


今、ご提供しているカポナータ(ラタトゥイユ)は…
ニンニクとパプリカ以外の野菜は、すべて京都上賀茂産の野菜。
玉ねぎもズッキーニも賀茂ナスもトマトも…。

夏野菜のシーズンオフには、この夏野菜のカポナータは作りません。
太陽の光をいっぱい浴びている今が一番美味しい季節かもしれませんね。

料理好きのスタッフがカポナータを作るのを教えてほしいとのことで、作るところを見せたところ。

「少しのオリーブオイルと野菜だけで作るんですね。本当にブイヨンとかを全く入れてなくて、この味になるなんて驚き!」
…と。

化学肥料や農薬を使って作った野菜は、人に作られている分、生命力なども弱く、本来もっている味をどうしても失ってしまうのでしょうね。

今月、イタリア人だけで十数名のご予約があるので、この野菜たちを使った料理を沢山おだししてみようかな~ ♪

ワインもガンベロロッソのグラスをとりまくっているワインが、ずら~っとあるなんて…
おったまげるかもしれない(^^)v


たぶん…
野菜も魚もワインの品揃えも…。
満足してもらえると思うのです ♪

京都の無花果が間に合うといいなぁ~


なんか楽しみ~~です!
久しぶりにワクワクしてきた。


夏の空にぽっかり浮かぶ雲をみて、そう思ふのでした。



(注:写真の後ろ側にある黄色いレモンは、普通のレモンです)






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