Chef's Note

『シェフの落書きノート』

本鱸(すずき)

2011-02-04 | 美味しいお話
豊後水道で獲れた魚を高知から送ってもらっていますが…。
高知と関東では、魚の呼び名も違う魚がわりと多くいるようです。

関西と高知とでは、あまり違いはないのかな?

ハマチは、こちらで言うワラサ
ブリに成長する前の呼び名ですね。

関東でハマチというと養殖のブリを指すことが多いと思いますので…
高知の魚屋さんからハマチと聞くと…

「養殖ですか?」
…と聞き返してしまいます。

「い~~~え!天然です!」
…と、元気ある明確な答えが返ってきます(笑)

眼仁奈(メジナ)も関西より西側では、グレと言います。
高知では、天然の真鯛よりも高級魚で値段も高く、お祝い事の時には、必ずでてくる魚なんだそうです。

関東で獲れるメジナとは、味も違い脂ももの凄くのっています。
とても美味しく…
「なるほどなぁ~」
…と、その違いに少し戸惑いを感じることもあります。


そして、鱸(すずき)と聞くと…
普通のスズキを連想してしまうのですが…。

違うのです。

平鱸のことを指しています。
高知では、真鱸(ますずき)とか本鱸(ほんすずき)と言うそうです。

房総で平鱸というとキロあたり5千円~8千円くらいの高級魚となるそうです。
関東でよく見かけるのは、普通の鱸です。
築地市場に仲買の魚屋さんで見かけるのも普通の鱸です。

側線が黒くなっているのが普通の鱸で、平鱸は、側線に黒く細かい斑点はありません。
側線というのは、エラから尾にかけて背骨に沿ってある線のこといいます。


本鱸(平すずき)
本鱸(平すずき)

普通の鱸
普通の鱸

本鱸の側線 普通の鱸の側線
左:平鱸の側線 右:普通の鱸の側線


身質は、普通の鱸と平鱸では全く違い。
平鱸の身は、真鯛やイサキに近い味で、繊細でややネットリ感のある身質をしていて、血合いもほとんどありません。
普通の鱸には、匂いというか香りがありますが、平鱸にはありません。

この平鱸は、刺身やカルパッチョにするととっても美味で食感も良い魚です。
もちろん、焼いても美味しいですが、どちらかというと焼いて個性の際立つ魚ではありません。

そして、一番大きな違いは、旬の時期が全く逆なのです。

普通の鱸は、初夏から夏が旬ですが…。

平鱸は、寒い今がちょうど旬なのです。
脂のりもよくとても美味しいです。


今日の魚は…

平鱸、ブリ、真鯛、カワハギ

もちろん全部が天然ものでっす。

魚を食べにいらしてくれるお客さまが増えているので…。
できるだけ、お魚や海の幸の豆知識もブログにちょこちょこ書くようにしますね。

それでは~ (^^)v






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