Chef's Note

『シェフの落書きノート』

パスタ屋さんでの事件簿

2007-08-24 | 美味しいお話
この前、新宿駅近くのチェーン店のパスタ屋さんに付き合った。
僕は、食べずにコーヒーを…。

ビックリしたョ。
…が…1250円だって!
材料費200円かかってないじゃん…ョ。

目ん玉どっひゃ~!
飛び出るかと…思った。

…が、「高~けぇ~パスタ!」
と口から飛び出た。

まぁ~家賃も高いのだろう…けど。

「ひとくち食べろ!」
…って…

「やだよ!そんなん…」

「食え!都会にうごめく人々が食わされてる料理の現実を知れ!」
…だって…

「アホか…。俺はそんなの食わしたことないだろ!」

「そうだな…今までこれは、でてきてないな…」

「どアホ!…一緒にするな!どんなに失敗してもそんなにならんわ」

「ん~~ …んじゃ…これはなんだ?」

「知るか!俺に聞くな…お前のほうが正体を知ってるだろ…」

「ドゥはははぁ!そうだな」
…だって…コイツと今日、なぜ会ったんだっけ…。

「今新宿に来てるから、少し会わない?」
…って電話でダッシュで来のだったが…
コイツ…話があって俺を呼び出したわけではないのか?

飲食店経営コンサルタントとかいう怪しい看板つけおって…
コイツに経営指導されたら、こんなチェーンになりそうで…怖いわ!


イタリアン・ブームというのがあった。
なんであんなにブレイクしたか…?

フレンチは、人を育てるのも大変だ。
作れるようになるまで、大変な時間と労力がいる。
サービスにも人手が多くいる。
専門知識も必要…だから育たないで辞めていく人が多い…。
何もかもにコストがかかり、利益を出すのも大変だ。

キチンとしたイタリア料理店は別として…
イタリアンは、経営する側もフレンチに比べてはるかに利益を出しやすい。
パスタとピッツァは、日本人は大抵の人が好きで親しみやすい。
そして小麦粉が主体だからコストがかからずに値段が高めでも売れる。

儲けばかりを考えれば、店内のテーブル間隔も狭くてよいし…。
テーブルも小さくてよい。
…となる。

アウラのレイアウトは、普通にみて利益優先ではないな…笑。

そして、パスタとピッツァは利益率が高い。
利益率が高いということは…原価が安い。
だから、儲かる。

作るのも比較的簡単で、教育もしやすい。

それで…パスタやピッツァのチェーン店やイタリアン系のお店が急激に増えた。

コイツのような山師が沢山いて、売れている店の何もかもをパクって…
金のあるオーナーに売りつける。
儲かるとわかれば金を出す。
だから、同じような店が増え続ける。

消費者の目や口がもうワンランクあがったら、やっていけないお店が増大しそうな気がする。

その一連のお店とアウラも一緒だと思われたら非常に困るが…
恐らくそんな人は、いないだろう。

パスタは、儲かる!

うちは、良心的すぎる…。

目の前にいるコイツのように…少し山師的になれば…?
コイツが自分の知り合いだということが信じられない。
…と思う時点で無理か…。

真面目な正直者は、馬鹿を見る世の中なのだ…。

ブランド物もコピーだと知っていて数万円も払って買うという。
本物でなくて良いのだ。
偽物に数万円を普通に使うそうだ。

だーが…。
そんなんつまらん…
本物を作ることが、真の料理であり、心の通うサービスであり、それが飲食店で働く人の本当の醍醐味ともいえる。

必要なだけのお金は必ず後からついてくる。
…なぜか自然にそう思う。




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