おくのほそ道

漫画「ジパング」にハマったが故に興味は海上自衛隊へ!護衛艦を見るための旅行、漫画やサッカーなど、趣味をメインに語ります

ジパング 航跡416・417

2009-10-05 | ジパング
すっかりご無沙汰してしまいました。。。

…ということで、今回は2週分の感想を。

*416*********************

サイパンでの日米の攻防が激しさを増す中、設営隊に転属していた岡村少佐の下に、帰還した偵察機からの報告が入る。
大和沈没予想海域近くに漂流する数多くの救命筏、そして沈没海域での巨大な海面隆起…。
米軍の、サイパン上陸の動きなしの報告と共に、偵察機からの報告事項に関して隊司令の意見を仰ぐ岡村だったが、司令からの
“大和轟沈に際しては、大野艦長以下全員救助済み”
“救命筏で漂流中などという報告は受けていない”
という言葉を聞き、それが意味する内容を理解する。
一方、米第五艦隊・旗艦インディアナポリスでは、サイパン・テニアン両島を目の前にしながら、作戦機の半数を消耗した旨の報告が、司令官スプルーアンスにもたらされていた。
そしてクエゼリン基地では…
「みらい」に係わったため軟禁されたグールドは、再びクラークに呼び出され、この場所に運ばれたのち内地に連行する“捕虜1名”に同行し、情報を引き出す手伝いをするよう申し渡される。

*417*********************

サイパンをめぐり、甚大な被害を受けた米第五艦隊の現状を受け、艦隊司令・スプルーアンスは撤退の決断を下す。
その報告はサイパン守備隊を通じ、横須賀鎮守府にももたらされた。
米軍による太平洋侵攻の停滞、マリアナを巡る日米の膠着状態が生まれたことにより、米内・菊池らはひとまず安堵、東京に戻ることとするが、桃井はただ一人、みらいからの定時連絡が途絶えたことに不安を覚える。
所変わってクエゼリンでは、グールドが捕虜・角松と面会。
翌日、角松はグールドと共に最新鋭重爆撃機B29で米合衆国本土まで向かう。

****************************

航跡416ではしょっぱなからサイパンをめぐる日米の戦い。
そんな中で、日本の偵察機が大和沈没海域に程近い上空で、一連の様子を見守っていたらしい…。
状況を書き起こしてみても、あれだけ米艦艇がごちゃごちゃうごめいている上空で、平穏に偵察行動が取れていたなんて、にわかには信じられないようなことなんだけどね。

とにかく偵察機は、大和から退避した救命筏60隻の他に、原爆の起爆(巨大な海面隆起が、と言っている)をも目撃しているわけで、偵察としては有り得ない程の成果を上げたことになる。
搭乗員は岡村少佐にそれを伝えた後、正式に隊司令へと報告したわけだけど…

報告を受けたはずの司令と岡村の会話に、若干のズレと温度差があることに対して、最初はその意味が良くわからなかったんですよ。
何回か読んで、ようやく把握することができた私は鈍いのかもしれないけど(^^;)

つまり、“歴史に残すべき大和の最期”は
「艦隊の先鋒として敵艦と交戦、被弾したのち轟沈」
「乗員は大野艦長以下全員が退去し、救助された」
という部分のみであり、帝国海軍と大和を汚した裏切り者(救命筏の300人)の存在と、それらの人間が行った行為(大和乗っ取り)は、歴史からも海軍からも排除されるに値するため、現在漂流中の救命筏に関する報告はなかったことにし、その存在自体を抹殺する、ということ。

はっきり言って、大野艦長たちが草加に脅されて大和を下艦したのって、何年前の話なんだよ?って感じだから、この大和下艦第一陣組の存在を忘れていたところから、私の中で混乱が生じたわけです。
(確かに、その第一陣が救助されている場面は、数ヶ月前と最近(?)の話ではあるんだけど)

岡村少佐が司令官から「他言無用だ」と口止めされているあたり、大和を乗っ取った大和脱出組(下艦第二陣)は、このまま放置される可能性が果てしなく高くなって参りました。

…そういうのって、感情として、わからなくはないけどね。
でも、歴史を振り返ってみても日本がバカだと思うのは、人間の命を無駄に軽視しすぎることだから。
300人いたら何かできるでしょ。
天皇陛下より預かった日本の象徴である戦艦を乗っ取るとは言語道断、死を以って償え!って、戦死者続出の現状が全然見えていないんだね。

それはそれとして、大和脱出組が日本の艦隊に救助されるついでに、柳たちも救出される可能性を少しだけ考えていたのに、ここでそれを絶たれてしまったのが私的には痛かった。
ジパングって、角松以外には厳しい漫画ですね。

ところで43年12月の、サイパンをめぐる戦いに関してはざっと確認してみても詳しく載っていない感じですね。
(多分詳しく調べれば出てくるのだろうけど)
実際にサイパンが陥落するのは44年7月なので、6月頃からのマリアナ沖海戦までの半年間はなんとか平和な日々が送れるのかな。

と言っても、ジパング世界では現世と微妙に史実が違っていたりするので侮れないのですが。
前から気になっていたクエゼリンも、本来アメリカに占領されたのは44年1月末~の戦いによってみたいだし。
ちなみにスプルーアンスが指揮する米第五艦隊っていう名称は、44年4月末からのもので、それまでは中部太平洋軍と呼ばれていたらしいです。
(このあたりになると、史実のズレはさすがに関係なさそうだけど;)

 ※ジパングでの現在は、明けて1943年12月14日です。

クエゼリンに運ばれた角松と、従軍カメラマン・グールドとの2度目の対面は、特にグールドにとって良い結果をもたらしたみたい。
角松によって自分が2度も救われた、と思い込んでくれたことが、今後の角松にとってプラスに作用すればいいけど。

しかし、日本人がこの時点では知りえない、最新鋭爆撃機B29の性能をペラペラと口にするあたり、さりげなく自分が、軽く扱うべきでない重要人物であることを演出しているようで苦笑してしまったよ。

これから合衆国本土へ向かうということで、話もひと段落しそうだけど、今回気になったのは横須賀での桃井だね。
コミックスを読み返す気力も今はないのでアレだけど、米艦隊のサイパン撤退の報を受け、あっさり「東京へ戻ろう」という流れになっていたけど、そもそも米内御一行は何を目的として横須賀まで来たんだっけ?

みらいからの定時連絡が途絶えたことは、菊池も気がかりなはず、と考える桃井に対し、現実にはそんな素振りを一切見せずに東京へ帰ろうとする菊池。
(定時連絡って内地組に入っていたっけ…??と、確認もせずにあえて疑問に思ってみる)

このあたりが、広く終戦工作という観点で行動する男性と、まず自分が存在した狭いコミュニティーの無事を心配してしまう女性の違いなんだろうな。
桃井はなんとなく、このまま横須賀に留まるんでしょうね。
いつ来るかわからない角松からの連絡を待つために。

思ったよりも内地組の成果が見えないので、この先、日本の歴史は角松によって左右されることが確実となりました。

う~ん…それってなんか当たり前すぎる。

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